ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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(,,゚Д゚)は確かに見たようです

721:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:54:54 発信元:219.125.145.45 [sage]
あれ? ここは何処だ?



「ギコさん、気が付きましたか?」



何処からか誰かの声が聴こえる。


でも、誰なんだ?


ここは何処なんだ?










どうして俺は暗闇の中にいるんだ?

723:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:56:04 発信元:219.125.145.51 [書き溜めなのでご安心を]








ギコは確かに見たようです







725:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:57:28 発信元:219.125.145.53 [sage]
(;´∀`)「先生! 息子は!?」

从;'ー'从「先生……」

( <●><●>)「ご安心下さい。息子さんに命の危険はありません」

从'ー'从「ほっ……」

( ´∀`)「それは本当に良かった……」

( <●><●>)「――ですが」

从'ー'从「?」(´∀` )

( <●><●>)「息子さんの視力は失われています」

从;'ー'从「!」(´∀`;)

726:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:58:36 発信元:219.125.145.52 [sage]
(;´∀`)「それは……」

( <●><●>)「現代の医学ではどうにもなりません」

(;´∀`)「角膜ですか!? 角膜なら私のを――」

( <●><●>)「事故に合った際に頭を強く打っています。
       その時に画像を脳へ送る部分が損傷したらしいのです。
       おそらく、もう視力が回復することは、無いでしょう」

(;´∀`)「そんな……ギコが……」

从'ー'从「ギコは今……」

( <●><●>)「病室で横になっています。こちらへ」

727:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:00:05 発信元:219.125.145.43
あ、今誰かが廊下を渡ってこの病室に来る。

この足音は誰だかわかる。

だって、生まれてからずっと俺の側にいた人たちだから。



(,,゚Д゚)「親父とお袋か?」

( ´∀`)「ギコ……」

从'ー'从「ギコ……」

(,,゚Д゚)「へへ……やっぱり見えねえや。
     二人が来たら見えるかも、って思ったけど」

( ;∀;)「ごめんな……ギコ……ごめん」

(,,゚Д゚)「別に死ぬわけじゃないんだから泣くなよ。
     俺は大丈夫だって――」

732:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:01:41 発信元:219.125.145.51 [sage]
それからもずっと親父は俺に謝ってた。
親父が悪い訳じゃねーのにな。

お袋の声は聞こえなかったけど、きっと声を殺して泣いてた。
そんな気がする。






親父とお袋は面会時間いっぱいまで一緒にいた。
明日はお袋が着替えを持ってきてくれるらしい。



(,,゚Д゚)「俺もまだまだガキだな」



俺が大丈夫なのは本当だ。
多少の痩せ我慢も入っているが、視力が無くても慣れれば平気だ。


ただ、ただ一つだけ――

733:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:03:21 発信元:219.125.145.87 [sage]
ふと気がつくと寝ていたらしい。



体がだるく感じる。

今は朝のようだがいかんせん目が見えないのでわからない。

点滴をしているので飯から時間を知ることも出来ない。



(,,゚Д゚)「随分視力に頼った生活だよな」



昨日までの日々を思い返すと、浮かんでくる顔はただ一つ。



(,,゚Д゚)「あいつは今頃起きたりしてそうだよな」



そう呟いた時、廊下から音がした。

734:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:04:59 発信元:219.125.145.49
ダッダッダッ


<ビョウイン ハシッチャ ダメネ!



ああ、この走り方は



ガラッ


「ギコくん!」



そしてこの声と匂いは



(*゚ー゚)



しぃだ。

735:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:06:36 発信元:219.125.145.49 [sage]
(;゚ー゚)「ギコくん、大丈夫!?」

(,,゚Д゚)「大丈夫だから落ち着け」

(;゚ー゚)「ギコくんが昨日事故に合ったって聞いて居ても立ってもいられなくて、それで――」

(,,゚Д゚)「わかった、わかったからとりあえず落ち着け」



何から何までいつもと変わらない俺の幼なじみ。

昔から俺の体を人一倍心配する、優しい俺の彼女だ。

736:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:08:17 発信元:219.125.145.58 [sage]
それから俺はしぃに視力が無くなったことを告げた。


しぃはどのような顔で俺の話を聞いていたんだろうか。

気配を探っても、しぃの表情はわからなかった。




ただ、一言



(* ー )「じゃあ、私が頑張らないとね」



と呟いただけだった。

737:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:10:13 発信元:219.125.145.54
俺はそれから二ヶ月間入院していた。
その二ヶ月間毎日しぃが来てくれた。


しかし、来ても病室から出ることもなく、ただ話をするだけ。

病院から出れない俺に新しい話題があるはずもなく、ひたすらしぃの話を聞くだけだった。








これで、良いのだろうか。

739:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:12:27 発信元:219.125.145.47 [sage]
俺は満足している。
ただしぃが側に居てくれるだけで他には何もいらない。




だが、しぃはどうなんだろう。
目の見えない俺と一緒にいてあいつは楽しいのか。
本当に満足しているのか。






あいつは義務感だけで俺と一緒にいるんじゃないのか。

俺の存在があいつを縛っているんじゃないのか。





俺があいつに無理をさせているんじゃないのか。

740:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:14:20 発信元:219.125.145.47 [sage]
(*゚ー゚)「ギコくん、退院おめでとう!」

(,,゚Д゚)「おぅ」

(*゚ー゚)「じゃあ、ギコくんの家に行こっか!」

(,,゚Д゚)「――しぃ」

(*゚ー゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「話したいことがあるから、近くの公園に行きたい」

(*゚ー゚)「――うん、わかった」



その後にしぃの声が聞こえたが、何を言ったかは聞き取れなかった。

742:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:16:16 発信元:219.125.145.49
(*゚ー゚)「着いたよ」

(,,゚Д゚)「そうか」

(*゚ー゚)「ねぇ、覚えてる? ギコくんがここで私に――」

(,,゚Д゚)「しぃ」

(*゚ー゚)「私に『好きだ』って言ってくれて、それから――」

(,,゚Д゚)「しぃ……」

(*;ー;)「それから、それから――」

(,,゚Д゚)「俺達、もう別れよう」

(*;ー;)

756:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:42:00 発信元:219.125.145.56 [遅くなってすいません]
(,,゚Д゚)「俺もう目が見えないし、この先しぃに迷惑ばっかかけるよ」

(*;ー;)「そんなこと……」

(,,゚Д゚)「無い、とは言わせない。俺が一番わかってる」

(,,゚Д゚)「俺、しぃに幸せになって欲しいからさ。だから」

(*;ー;)「もう……決めたこと……?」

(,,゚Д゚)「あぁ」

(* ー )「じゃあさ、最後に一緒に海を見たい」

(,,゚Д゚)「海?」

(* ー )「うん。駄目かな?」

(,,゚Д゚)「いや、わかった。来週にでも一緒に行こう」

(* ー )「うん、絶対だよ。じゃあ今日はもう帰るね」



しぃは俺を残して足早に去っていった。

758:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:44:12 発信元:219.125.145.43 [sage]
今、俺はしぃを傷つけただろう。
それでも構わない。

あいつが俺に縛られないようになるなら嫌われても構わない。


俺という重しが無くなれば、しぃは自由に幸せを掴める。

しぃの幸せの為なら全てを犠牲にしよう。




しぃが一人になりたい、というなら俺は受け入れよう。







例え、一人取り残されようとも。


(,,゚Д゚)「俺、どうやって帰ろう……」

760:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:45:50 発信元:219.125.145.48 [sage]
海へ行く日の朝早くに、玄関のベルが鳴った。



(*゚ー゚)「ギーコくーん」

从'ー'从「あらしぃちゃん、今日は早いのね」

(*゚ー゚)「はい。今日は一緒に海に行こう、って」

从'ー'从「じゃあギコにも早く支度させるから待っててね」



(,,゚Д゚)(朝飯位はゆっくり食べさせてほしいんだがなぁ)

764:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:47:54 発信元:219.125.145.87
それからしぃと共に海へ向かった。


俺の家は内陸部にあるので、海を見る為には、かなり移動しなければならない。



(*゚ー゚)「そこ段差があるから気をつけてね」


(*゚ー゚)「ここから階段だよ」



しぃはことあるごとに足元を俺に伝えてくれる。

目の見えない俺はしぃの肩に手を乗せて歩く。


しかし、しぃは海に着くまで、一度たりとも俺に触れる事は無かった。

766:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:49:17 発信元:219.125.145.57 [sage]
海は遠く、俺の歩く速度も遅いため、海岸に着いたのは日が傾きかけた頃だった。



(*゚ー゚)「ギコくん、着いたよ」

(,,゚Д゚)「ああ、雰囲気でわかる」



俺としぃは波の寄せる砂浜に腰を下ろした。

769:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:51:42 発信元:219.125.145.49
それからしばらく波の音を聞いていたが、俺はしぃにある質問をした。



(,,゚Д゚)「しぃ、どうして海に来たかったんだ?」

(*゚ー゚)「……やっぱり覚えてないんだね」

(,,゚Д゚)「え?」

(*゚ー゚)「ギコくんが私に告白したときに『しぃと一緒に海を見たい』って言ったんだよ」

(,,゚Д゚)「そういえば――」

772:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:54:11 発信元:219.125.145.88 [sage]
――――――――――――――――――――――――――――
10年前




(,゚Д゚)「しぃ、俺と付き合って欲しい」

(*゚∀゚)「……え?」

(,゚Д゚)「あの、理由は言えないんだけどさ」

(,゚Д゚)「俺、いつかしぃと一緒に夕焼けの海を見たいんだ」

(,゚Д゚)「だから、それまで俺と付き合って欲しいんだ」

(*゚∀゚)「……うん」



――――――――――――――――――――――――――――

775:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:56:27 発信元:219.125.145.48
(*゚ー゚)「思い出した?」

(,,゚Д゚)「俺の黒歴史を少々」

(*゚ー゚)「私が知りたいよ、どうして海だったの?」

(,;゚Д゚)「あー、あれはだなー」

(*゚ー゚)「うん」

(,;゚Д゚)「あの頃の俺は夕焼けが一番ロマンチックだと思っててだな」

(*゚ー゚)「それだけ?」

(,;゚Д゚)「女ってロマンチックなのが好きなんだと雑誌に乗ってたし、それに――」

(*゚ー゚)「それに?」

(,,゚Д゚)「その雑誌に『一緒に海を見たカップルは一生幸せになれる』って書いてあったからな」

(*゚ー゚)「……そっか」

777:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:58:15 発信元:219.125.145.56 [sage]
(,;゚Д゚)「ああ、顔から火が出るほど恥ずかしい」

(*゚ー゚)「そうなの?」

(,;゚Д゚)「黒歴史を好きな人の前で話すとかイジメだよ」



(*゚ー゚)「――ねぇギコくん」

(,,゚Д゚)「ん?」

(*゚ー゚)「海、見えない?」



そう言うと、しぃは俺の手を握ってきた。


781:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/10(水) 00:00:59 発信元:219.125.145.43 [sage]
(*゚ー゚)「実はね、私もその雑誌見てた」

(*゚ー゚)「一緒に海を見たかった」

(* ー )「けれど、もう一緒に海は見えない」

(* ー )「でもギコくんはギコくんだよ」

(*;ー;)「私は別れたくないよ……」

(,,゚Д゚)「けど……」



肩から温もりを感じる。



(*;ー;)「私はギコくんと一緒なら何もいらない」



しぃが俺を見つめてる気がする。



(*;ー;)「だから……だから――」

784:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/10(水) 00:04:10 発信元:219.125.145.55
その時だった。



好きな人が側にいるからか。

好きな人を泣かせたからか。

好きな人と同じ思いだからか。





潮の匂いが、
波の音が、
口の中へ入る空気が、
肌から感じる温もりが、


視覚以外の全ての感覚が鋭敏になり、




(*゚ー゚)



俺は確かに、夕焼けの海を背景として俺を見つめる最愛の人を、見た。

786:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/10(水) 00:06:30 発信元:219.125.145.88
(,, Д )「見えた……」

(*;ー;)「え……?」

(,, Д )「目は見えないはずだけど、確かにお前が見えたんだ」

(,, Д )「お前がいる海が見えた」

(,,;Д;)「お前と一緒に、同じ海が見えたんだよ……」



(,,;Д;) (;ー;*)

788:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/10(水) 00:10:19 発信元:219.125.145.88
あれからもう何年になるんだっけな。


<アサダヨー ゴハンダヨー


(,,゚Д゚)「おう、今行く」



あの後に俺達は結婚した。

相変わらず視力は無いままだ。

だがそれでもいい。
あの時の景色は、かつて見たどんなものよりも



(*゚ー゚)「今日はトーストだよー」



俺の記憶の中で輝きを放っている。



(,,゚Д゚)は確かに見たようです
END
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  1. 2010/02/10(水) 23:54:08|
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