ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

('A`)は帰るようです(仮題)

639:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:03:47.90 ID:wFxRyp4p0
 あれもまた、暑い夏の夜の事だった

 苦手な飲み会に付き合わされた私は、

 幸い、終電を逃す事なく帰宅する事が出来た

 それでも自宅の前にたどり着いた時には日付が変わっていたように記憶している

 私の自宅はかなり年季の入ったマンションであり、外観もお世辞にも綺麗とは言えず、

 くすんだ蛍光灯が余計にみすぼらしさを演出している

 昼間はさほど気にならないのだが、夜になると誤魔化しが効かず、

 こうして醜い姿を晒してしまう

640:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:05:12.04 ID:wFxRyp4p0
('A`)「ふぅ・・・」

 しかし、それも疲労には力負けするらしい

 仕事から帰ってきたときにはこのマンションも温かく迎えてくれている気がするのだ

 エントランスを通り抜けた時には体が軽くなった気さえする

 このマンションの1階にはオートロックの自動ドア等の設備はなく、

 防犯上、些か不安もあるのだが、こうして疲れて帰ってきたときには

 煩わしさが軽減されるとも思える

 私は心地良い解放感を味わいながら、4階の自室へと向かおうとしていた

641:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:07:10.50 ID:wFxRyp4p0
 私は足をとめた

('A`)「・・・・・」

 そう、このマンションにはオートロックがない

 居住空間以外なら、住民以外でも来る事は出来るのだ

 だからこれもあり得ない事ではなかった

('A`)「・・・・・」

 エントランスを抜けてすぐの廊下に、見覚えのない女がいた

 廊下の壁に鼻先が付く位に顔を近づけて、直立不動の姿勢である

 それが女のように見えたのはその汚らしい蓬髪によるもので、その認識が正しいかは分からなかった

 髪の隙間から見える横顔は灰色で、黒と言ってもよい程であり、生気がない

 着衣は最早襤褸切れで、形容不可である

642:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:09:37.37 ID:wFxRyp4p0
 階段へつながる廊下は一つしかなく、

 自室へたどり着くにはどうしてもあれの背後を通過しなければならない

('A`)「っ・・・」

 何も起こるまい 過ぎてしまえばそれで終わりだ

 そう思い、私は息をとめ、心を無にして歩き出した

('A`)

 あの女のまさに真後ろを通り過ぎる

('A`)「・・・」

 思った通り

 何も起きなかった

 私はため息の代わりに軽く息を吐いた

643:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:12:53.07 ID:wFxRyp4p0
 その女から数歩離れて、私は少し振りかえり、女を見た

 女は先ほどと全く変わらず、まだ壁を見つめていた

 私は私の体が微かに震えるのを感じたが、もう通りすぎる事は成功したのだ

 怖れが安堵に変わるのを僅かな時間味わった

 ただ、自室まで向かうのにエレベーターを使うのは躊躇われた

 万一にも乗り合わせたら発狂するかもしれない

 私はそそくさととすぐそばの階段を駆け上がった

645:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:16:33.06 ID:wFxRyp4p0
 2階に着いた

 そろそろ覚める頃だろう、そう思った

 いつもはこういう展開になれば、さっさと離脱してしまえる

 そう、夢なら

 私はその状況を非現実と判断するに至ったのだ


 女がいた

 それも、1階にいた所の丁度真上にあたる地点で、同じように立っていた

 今度は目の前には胸の辺りまでしか壁がなく、遠くを見ているような体勢だ

646:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:19:31.12 ID:wFxRyp4p0
 1階にいた女と同一のものだろうか

 ここからでは1階の様子は確認できないが、複数人が同じ格好で珍妙な事をしている可能性はあるのかもしれない

 私はそう思い込むようにして、足を動かした

 1秒も早くその場から離れたかった

 私は暑さからくるものではない汗を感じつつ、

 階段を駆け上がった


 もはや私の意のままにならない、溢れ出る予感を感じていた

647:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:22:51.72 ID:wFxRyp4p0
 ――――

 予感の通りであった

 私はその時点でようやく気がついた

 私の自室の位置からすると、4階に着いた後、再びあれのそばを通り過ぎなければならないかもしれないという事に

 3階にいた女は、やはり薄汚い格好で、

 今度はコンクリートの壁から手をついてやや身を乗り出す形で、遠くを見ている

 影になっているが目が見開いているように見える

 私は子供のように泣き叫びそうになった

 その場にうずくまりたくなった

648:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:26:00.93 ID:wFxRyp4p0
 1歩、2歩、階段を力無く下る

 階下へ戻ってもきっとあれはいるのだ

 もはやこのマンションから出ること私には出来そうにない

 私は震えを抑える事が出来なくなった

 そのとき

 ふと2階の様子が目に入った

 あの女はいなかった

 僥倖だった

 常識を放棄する必要があるが、どうやら、あの女は1人しかいないようだ

 つまり、今3階にいる女が4階に来る前に自室に駆け込んでしまえばいいのである

649:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 05:29:08.41 ID:wFxRyp4p0
 私は何とか体を奮わせ、4階へと急いだ

 まだあの女は3階で遠くを見ている

 間に合えば、あの女と接近する必要もなく自室へたどり着けるのだ

 何度も足を踏み外しそうになりながらも、

 私は4階へ着いた

 女はいない

 来る気配も物音もない

 私は安堵し、自室への廊下を進んだ

651:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:01:48.00 ID:wFxRyp4p0
 あの女がいた所の真上に差し掛かる

('A`)「・・・・・」

 動いた気配はないが、まだ3階にいるのだろうか

 そんな事気にする必要は無いのだ

 テレビの怪談番組でも、再現VTRを見る限り

 恐怖体験者は、行かなくてもいい所に行き、開けなくてもいい扉を開け、覗かなくてもいい所を覗くのだ

 私も、そんな彼らを愚かだと笑う人間だった

 壁からやや身を乗り出して3階の様子を窺う私は愚か者の王だろう

652:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:11:50.04 ID:wFxRyp4p0
('A`)「・・・・!!!」

 女はいなかった

 私は何を期待していたのだろう

 上からあの女を見てみたかった?

 そんな事はない

 今では動機も分からない、愚かな行為だった

 そして、この時予感する

 その予感に従って体が動いてしまうのが、やはり愚か者たる証だ

654:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:19:41.61 ID:wFxRyp4p0
 私は、身を乗り出した体勢のまま、

 上を見上げる


 5階


 女が遠くを見ていた


('A`)「いぃっ!」


 とうとう声を上げてしまった


 その時、初めて女が動くところを見た

655:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:27:11.78 ID:wFxRyp4p0
 もっさりとした動きで、頭が動いた

 顔は陰になって見えないが、こちらを向いたのだ

 2つの黄色い眼が私を捉えた


 それが突然、消えた


 女がこちらを向いて、私を見て、消えるまで、2秒もかからなかったのだと思う

 私には酷くゆっくりとした出来事に感じられたのだ

 どたどたと音が響いた

('A`)「え・・・?」

657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:36:18.70 ID:wFxRyp4p0
 女が消えた理由

 それすらもゆっくり理解している余裕はなかった

 音が響く

('A`)「こっちに来てる!?」

 階段の陰から襤褸切れの端が見えた時、私は人ならざる声を上げ走り出した

('A`)「ひえええぇぇぃいぃあああああ!!!!!!」

 女は声を出さず、聞こえてくるのは大きい足音だけだった

 それが近づいてくる

659:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:46:51.48 ID:wFxRyp4p0
('A`)「鍵ィィィいい!!鍵ィィ!!」
 
 自室の前まで来て、ポケットから鍵を取り出す

 財布に付けていたら鞄の中に入っていたところだった

 そうなれば終わっていただろう

 愚か者の割に、鍵を落とさず解錠出来た

 玄関に飛び込み、力の限り扉を閉める

 扉が閉まりきる直前、女の姿が微かに見えた

('A`)「~~~~~~~!!!!」

 激しい音を立てて扉を閉めると、即座に鍵を閉めた

 さらにチェーンも掛けた

660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:51:49.74 ID:wFxRyp4p0
 ドッドッドッドッドッドッドッドッドッド

 心臓が聞いたこともないような音を立てている

 足が立たない

 震えが収まらない

 私は嗚咽を漏らし始めた

 その時

 扉が轟音を立てた

661:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 06:59:40.87 ID:wFxRyp4p0
   ドン!!


('A`)「いっ!!!!」

   ドン!! ドン!!


   ドン!! ドン!!  ドン!! ドン!!  ドン!! ドン!!
   ドドドドドドドドドドドドドドドドド
('A`)「あああああああ!!!」

 もうやめてくれ

 心から願った


 音が

 止んだ

662:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 07:04:10.40 ID:wFxRyp4p0
('A`)「・・・・・・」

 ガチャリ

('A`)「は」

 3回目の、鳴ってはならない音がした


 ドアノブが回り

 扉が開いた

('A`)「あ、あ、あ」

663:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 07:13:33.14 ID:wFxRyp4p0
 ガチッ

 チェーンで、扉は僅かな隙間を開けるだけで止まった

 その隙間から、黒い物が伸びてきた


 女の手だ


('A`)「ばあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 発狂した

 私はキッチンへ駆け込み、包丁を取りだした

 限界を超えた私の本能は、攻勢へと向かったらしい

 私は黒い物へ向かってめちゃくちゃに切りつけた

('A`)「たえあ!!さえっ!!!ああ!!ああぁ!!たあさいぃぃぃ!!」


 そして、気付いた時には扉は閉まっていた

 ―――――

664:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 07:22:23.24 ID:wFxRyp4p0
( ^ω^)「まじ?」

('A`)「まじだって!!」

( ^ω^)「え~ 今回は怪我とかしてないんでしょ?証拠とかあんの?」

('A`)「怪我してたほうが良かったのかよッ 証拠ならあるよ ほら 落ちてたやつ」

( ^ω^)「何この黒いの」

('A`)「多分指だな」

( ^ω^)「えええ~~ ないわ~いろんな意味で 呪われそうだからこっち寄せないで」

('A`)「血は出てなかったからな、本物だと思うぞ」

( ^ω^)「やっぱりお化け?」

('A`)「管理人の爺さんが言うには、天眼鬼女とか言う妖怪らしい 遠くを見るのを邪魔すると襲ってくると」

( ^ω^)「ないわ~」





( ^ω^)「終わりなの?」
スポンサーサイト
  1. 2011/02/06(日) 02:35:06|
  2. 総合作品まとめ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<夢風船のようです | ホーム | ('A`)は蹴るようです(仮題)>>

コメント

こういうの怖すぎる
でも面白かった
  1. 2011/02/12(土) 06:03:30 |
  2. URL |
  3. 名のある名無し #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://potenta.blog13.fc2.com/tb.php/427-cde48028
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。