ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです

614:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/29(土) 23:40:19.78 ID:TCGqpJtT0

ボクらはキセイされている。

(((( ^ω^)

決められたように決められた道を歩く。

('A`)

嫌なことだってやらなければならない。
泣きたいときも泣いてはいかない。
泣くことはキセイされている。

( ^ω^)ムシャムシャ

食べたい物なんてとうの昔に消えた。

川д川

あちらも、こちらも、あそこも、ここもキセイだらけ。
こんなつまらない世界になってしまったのは何故なのだろう。

昔の話を聞いたことがある。
自由で、何でもできて、楽しい世界だったらしい。

615:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/29(土) 23:42:24.22 ID:TCGqpJtT0

息苦しい生活が続いていく。

( ^ω^) ('A`)

顔をあわせても声は出さない。
視線だけで挨拶を交わす。
体は勝手に彼から遠ざかる。

( ^ω^)

ズキズキと頭が痛む。
体の奥の方が疼く。
それでも病院にはいかない。

キセイされているのだから当然だ。

ξ゚⊿゚)ξ

ずっと思いを寄せている彼女がいても、何も話さない。
手と手を触れさせることもできない。

( ^ω^)

とても寂しい。
キセイは長い。

619:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/29(土) 23:45:44.05 ID:TCGqpJtT0

誰も話さない。
誰も交流しない。
誰も触れない。

キセイで溢れたこんな世界をずっと見てきた。

昔は漫画というものがあったらしい。
時々、視界の端に映るものがそうだ。
ボクはまだ読んだことがない。

この世界はボクが生まれたときからキセイされている。
ボクは生まれてこのかた自由だったことがない。

( ^ω^)

両親だって知らない。
全部キセイが悪い。

頭が痛むのも、体の奥が疼くのも、すべてキセイが悪いのだ。
吐くはずもないが、吐き気を抑えこむ。

( *^ω^)

鼻歌でも歌いたい気分なのだ。

621:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/29(土) 23:47:17.51 ID:TCGqpJtT0

キセイの世界でボクらは視線だけで言葉をおおよその意思を伝える。
大人達が心を躍らせているのがわかるのだ。

(*'A`)

視線だけで交友を深めてきた彼も嬉しそうだ。


もうすぐキセイが解ける。


( *^ω^)

ξ*゚⊿゚)ξ

ちらりと見た彼女も嬉しそうだ。
ちなみに、彼女と目をあわせるなんて恥ずかしすぎてできない。
ゆえにボクは彼女と意思の疎通をしたことがない。

キセイされていなければ、ボクはスキップを踏んで、彼女に近づくだろう。
そして手をそっと差し出して、愛を囁くのだ。

('A`)

あ、彼が嫌な目を向けてる。

622:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/29(土) 23:49:25.56 ID:TCGqpJtT0

( ^ω^)「あ、ああ……」

口が動く。
これはボクの意思だ。

ボクはキセイされていたけど、言葉は知っていた。

('A`)「は、は……初めまして」

キセイされていたボクらに名前はない。

( ^ω^)「初めましてだお」

それでもしっかりと握手を交わす。
生まれてはじめての人の温もりだ。

( ^ω^)「おめでとう!」

('A`)「ああ、おめでとう!」

今日がボクらの本当の誕生日だ。
今日、この瞬間にボクらは生まれた。

慢性的な頭痛からも解放され、体の疼きも取れている。

625:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/29(土) 23:51:21.64 ID:TCGqpJtT0

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、これが私の声……」

彼女が嬉しそうに顔を綻ばせている。

('A`)「おい、お前あの子のこと好きだろー?」

( *^ω^)「な、何でだお?」

('A`)「だって、お前あの子のこと好きーって目が言ってたぜ」

( //ω//)「キャー」

('A`)「……キメエ」

ほら、と背中を押される。
わかっている。

ずっと思い描いていた。
好きなように動けるのならば、声をかけて、握手をして、一緒にずっといるんだ。

川д川「……あなた達」

('A`)「え? は、はい!」

川д川「解除は始めて?」

( ^ω^)「そうですお」

628:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/30(日) 00:00:18.35 ID:5meKdXFs0

川д川「……なら、早く好きなことをしなさい」

( ^ω^)「お?」

川д川「どうせまたすぐに規制よ」

( ^ω^)「……」

予想はしていた。
大人達がこの時のことを予測できているということは、以前にも似たようなことがあったからなのだろう。

('A`)「……次は、いつ?」

川д川「さあ、それはわからないわ」

女の人がボクと彼の背中を押す。

川д川「早く。少しでも、この自由を謳歌して」

( ^ω^)「……はい、ですお」

('A`)「オレ、漫画って読んでみたいんだ!」

ボクらは走りだした。
やりたいことをするために。

ξ゚⊿゚)ξ

631:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/30(日) 00:03:19.51 ID:5meKdXFs0

( ^ω^)「あ、あの!」

ξ゚⊿゚)ξ「え、はい?」

( ^ω^)「あ……あの!」

ξ゚⊿゚)ξ?

ドキドキする。
いつもの頭痛よりも、心臓が痛い。
こんなのは始めてだ。

( ^ω^)「ボ、ボク……」

ξ゚⊿゚)ξ「……私、ずっとあなたのこと見てたのよ」

( ^ω^)「お?」

ξ゚ー゚)ξ「あなたはすぐに目をそらしちゃうけどね

( ;^ω^)「そ、それは申し訳ないお……」

ξ゚ー゚)ξ「いいの」

( ^ω^)?

ξ*゚⊿゚)ξ「先に話しかけてくれたもの」

632:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/30(日) 00:05:36.31 ID:5meKdXFs0

( ^ω^)!

ξ゚⊿゚)ξ「ね、何処かに行きましょう」

( ^ω^)「何処に行くお?」

ξ゚⊿゚)ξ「どこでも良いわ。キセイされていないんだから」

( ^ω^)「わかったお」

手を繋いでみた。
心臓はもっとドキドキした。
このままだと爆発してしまうかもしれない。
でも、それでも良かった。

ξ゚⊿゚)ξ「……ねえ、アレ」

( ^ω^)「お?」

彼女が指さす方向を見る。
そこはビルの屋上で、人がいた。
明らかにフェンスを越えている。

( ;^ω^)「お? お? おお?!」

気がつけば走りだしていた。

633:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/30(日) 00:07:24.50 ID:5meKdXFs0

(-_-)

( ;^ω^)「早まっちゃいけないおおおおお!」

(-_-)「ん? 誰?」

彼は生気のない目をしていた。

( ^ω^)「ボ、ボクは……」

名前がない。

(-_-)「ああ、そうか名前なんてないか」

彼は空を仰ぐ。
青く、吸い込まれていきそうだ。

(-_-)「……死なせてくれよ」

ξ゚⊿゚)ξ「どうして……」

(-_-)「どうせすぐキセイさ」

( ^ω^)「それでも、生きていれば」

635:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/30(日) 00:09:37.73 ID:5meKdXFs0

(-_-)「ずーっと生きてきてわかったんだ」

彼は涙も流さない。
感情もないのかもしれない。

(-_-)「無意味なんだ。この世界は」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな……」

(-_-)「キミ達はまだ何も知らない」

( ^ω^)

ボクらは何も知らない。
自分がどのように言葉を紡ぐのかすら、今日始めて知ったのだ。

(-_-)「束の間の幸せをせいぜい楽しむがいいさ」

止める間もなく彼は落ちた。
下から聞こえたのは悲鳴だ。

ξ゚⊿゚)ξ「う……そ」

( ^ω^)「…………」

636:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/30(日) 00:11:33.96 ID:5meKdXFs0

どうせすぐにキセイされるのだ。
何度も、何度もキセイされるのだ。

そんな世界で、一瞬の解除だけを楽しみに生きていくのだ。
彼は何年生きたのだろう。
何度解除を味わったのだろう。

ボクは彼女の手をギュッと握った。

ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫?」

( ;ω;)

涙が止まらない。
何て虚しい世界なのだろうか。

ボクはいつまでこの手を握っていられるのだろうか。
今は幸せだ。けれど、同時に恐ろしい。
次のキセイはいつなのだろうか。

ξ゚⊿゚)ξ「……ねえ」

( ;ω;)「お?」

ξ゚⊿゚)ξ「早くどこかに行きましょう」

640:( ^ω^)キセイ、キセイ、キセイのようです :2011/01/30(日) 00:13:04.73 ID:5meKdXFs0

彼女も怖いのだ。
ボクらには時間がない。

キセイは確実にやってくる。
この世界にいるかぎりそれは絶対なのだ。

その証拠に、悲鳴は聞こえたのに、誰もあの人の死体を片付けない。
ボクらがキセイされても、彼はあのままなのだろう。

( ^ω^)「そうだおね」

ボクらは歩く。再びキセイされる前に、どこまで行けるのだろうか。
キセイの前に何ができるのだろうか。

ξ゚⊿゚)ξ( ^ω^)

一緒に歩いていられる時間はどれくらいなのだろうか。




( ^ω^)キセイ、規制、寄生のようです 完
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  1. 2011/01/30(日) 02:53:31|
  2. 総合作品まとめ
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