ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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( ^ω^)真夜中の薄い生活のようです

606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:00:45.42 ID:bbRMaZcZP
AM1:32

外の雨は止むことなく降り続けている。
天候に気分を左右されるような性格ではないが、やはり雨の音は快く感じない。
僕は読み終えた厚いミステリー小説を閉じ、電気を消した。
雨の音が僕の読書を害する。

( ^ω^)「……………」

分かりやすく言うと、僕は不眠症である。
今朝も医者から処方された睡眠薬を朝昼晩それぞれ7錠服用してみたがあまり効果がない。
最後に寝たのは65…66時間前か。
なので今日もまた眠りを待ち続ける為にずっと椅子に座っている。

カン、カン、カン、…


( ^ω^)「……………」

僕が住んでいる1Kのアパートの壁は薄い。
その為、隣の部屋の音がよく聞こえる。
そのせいか僕の耳はとてもよくなってしまったようだ。
この音は、このアパートの2階の住人が階段を下りる音。

この時間だと降りたのはおそらく201に住んでいる大家さんだろう。


J( 'ー`)し ▼・ェ・▼

608:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:04:37.36 ID:bbRMaZcZP
大家さんはこの時間になると犬の散歩に出かける。
こんな真夜中に一体どんな散歩コースを通っているのだろうか。
興味は湧くが、直接聞こうとも思わないし、尾行する気も起きない。
あの人も僕と同じ不眠症なだけかもしれない。



( ^ω^)「………………」


しかし…この雨の中、どこに行くというのだ。



AM2:41

( ^ω^)「………………」

気付くと、雨の音は聞こえずとても静かになっていた。
僕はもう一度電気を着けて読書をしようと思った。
しかしそれは実現しなかった。

ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!…

ほうら始まった。
僕の部屋の真上、202に住んでいるフリーターだ。
この時間になると部屋の中で暴れ出し、所構わず物を壊す。


爪; 6゚∀゚")

610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:06:23.82 ID:bbRMaZcZP
彼は部屋のドアや壁のいたるところを殴り、モノを破壊し、言葉にならない雄叫びを上げる。
一度、彼の部屋に入ったことがあるが、彼の部屋には強烈なシンナーの臭いが立ち込めていた。
普段は誠実で優しそうな青年だが、口を開けて笑うと歯が何本か溶けていた。

ここ数日は毎日のように暴れている。
昨日は窓から身を乗り出して僕の家の前に落下してきた。
足で無事着地できたので怪我無く済んだものの今日は勘弁してほしいものだ。
悲鳴や笑い声に近いシャウトした声は徐々に大きくなっていく。

( ^ω^)「………………」

僕はもう一度電気を消し、椅子に座った。
この声が収まるまでもう一度静かに座っていよう。


AM3:13

ようやく、絶叫は収まり静かになった。
僕はもう一度電気をつけようと壁に添えてあるスイッチに向かって立ち上がった。

( ^ω^)「……………」

その時、壁の向こう側から声が聞こえてきた。
絶叫でも悲鳴でもない。

喘ぎ声だ。

611:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:07:25.54 ID:bbRMaZcZP
(;,,゚Д゚)(* ー )


ようやく慣れてきたと思ったら、さっきまでの雨と雄叫びが静かになったことによって余計に聞こえてしまう。
101の隣に住んでいるのは大学生のカップルだ。
盛る時期なのはわかるがいささか声が大きい。
まぁ僕があまり大きな音を出さないせいかもしれないが、このマンションの壁事情をもう少し知る必要がある。


( ^ω^)「……………」

時折喘ぎ声の合間に聞こえてくる言葉

『大好き』
『いっちゃう』
『ずっと一緒だよ』
『もっともっと奥まで』

いかにも青春を謳歌している言葉だ。
しかし、このカップル…盛っているのにもほどがある。
僕は時計を見て、指を折り曲げながら計算する。
22…いや、23か。

23時間もセックスをし続けている。

612:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:08:42.83 ID:bbRMaZcZP
絶倫と言うべきか愛と言うべきか。
僕は不眠症なのでこの部屋でずっと読書をしていたが、昨日の朝5時くらいからずっとセックスをし続けている。
確かに2人は「ずっと一緒」を誠実にこなしているようだ。
不眠不休。
いったい若さとはどれだけの体力を生み出すのだろうか。


AM3:27

( ^ω^)「………………」

もう読書をするのは諦めよう。
僕は小腹がすいたので、椅子から立ち上がりキッチンに向かった。
冷蔵庫の中を確認する。
色が変わり始めた豚バラ肉が大量に。
野菜はネギとニンジン、かぼちゃ、玉ねぎ、白菜、ジャガイモ。

何を作るか迷ったが、冷蔵庫の隣にある棚の上にカレー粉があったのでカレーを作ることにした。
今なら何杯でも行ける気がするし、カレーなら多く作るに越したことはない。
ジャガイモの代わりにかぼちゃを使おう。
ごはんは炊飯器の中に大量にあったので、ルウだけ作ればよさそうだ。

僕は玉ねぎの皮をむき始めた。

その時、家の前を誰かが通った。

613:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:09:51.17 ID:bbRMaZcZP
( ゚∋゚)

あれは隣の103に住んでいる一人暮らしの男性だ。
がたいが良く、よくアパートの補強工事にも積極的に参加してくれる。
気前の良い方で高校の教師をしているという。

( ^ω^)「………………」

どうやら、今日は客人がいるらしい。

( ;∀;)( ;><)

2人の男性の泣き声がしんしんと聞こえてくる。
泣き方から考えるに年は10代だろう。
どうやら部屋の外でもめているらしい。
僕は皮をむきながら外の会話に聞き耳を立てた。

『どうしてもしなくてはならないんですか?』
『当たり前だ。お前らはいつも仲がいいだろう?』
『でも…こういうこと…やったこと無くて…』
『いい加減に腹を括りなさい。別に先生とする訳じゃないんだから』
『でも……』
『……なら、この万引きのことは校長に訴えてもいいんだぞ』

いったい何の会話をしているのか僕には分らなかった。

614:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:11:13.60 ID:bbRMaZcZP
そうこうしているうちに、3人は室内に入りバタンという扉の音がした。
外と中という場所は変わったが、音は何にも変わらない。
すすり泣く声はまだ聞こえるし、ビデオやカメラの音まで明確に聞こえてくる。
玉ねぎの皮をむき終わり、ニンジンの皮を包丁で剥くときには妙に『痛い』という声が聞こえてきた。
そして、2人のうちどちらかが『痛い』と言うたびに先生の笑い声も聞こえてくる。

僕は聞き耳を立てることを諦め料理に集中することにした。


AM3:53


( ^ω^)「………………」


カン、カン、カン、…
具の下準備が終わった頃、誰かが階段を上る音が聞こえる。
さっき散歩に行って来た大家さんだ。
この時間に帰ってくるのは毎日のことだ。
ただ…決まっていつも違うことがある。
それは、散歩しに行った犬と連れ帰って来た犬は毎回違うのだ。


(^ω^U) J('ー` )し

616:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:12:05.84 ID:bbRMaZcZP
犬がなぜ違うのか、散歩しに行った犬はどうしたのか興味は湧くがもちろん聞くつもりはない。
大家さんには大家さんの生活があるのだから。
僕は人にされて嫌がることは決して他人にもしないと決めている。

AM4:03

油の敷いた中華鍋に火を点け、油が温まってきた所を狙って肉を炒める。
肉の色が良い感じに白くなってきたらそこに玉ねぎを入れる。
玉ねぎがきつね色に変わったらそこに水を入れかぼちゃとにんじんを入れるつもりだ。

( ^ω^)「………………」

カン、カン、カン、…

またもや人が階段を上がる音。
その合間合間にビニール袋が擦れる音がする。
大家さんも学生も部屋にいる。
ということはこれは203に住んでいる男性だ。

('A`)

617:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:13:02.92 ID:bbRMaZcZP
彼は一見独身男性に見えたが実は子持ちなのだ。
彼の家からは様々な子供の声が聞こえてくる。
笑い声、泣いた声、叫ぶ声…。
僕が聞いただけでも4人以上はいる。
きっと子供たちを養うためにこんな夜遅くまで働いているのだろう。

( ^ω^)「……………」

しかし、あまり子供だけにして外出するのは良くない。
今日なんか1日中ずっと小さく子供のすすり泣く声が聞こえてきた。
流石に一人でお留守番は3、4歳の子には辛いだろう。
でもまあやっと帰ってきた事だし大丈夫だろう。

そういえば、この前階段の下に1枚の紙が落ちていた。

『愛すとかいて殺すとよむ』

子供みたいな字だったのでおそらく彼の子供の誰かが落としたのだろう。
今度会った時にその紙を預かっていることを伝えなければ。
しかし、彼の子供の顔はどんなものだろうか。
一度会ってみたいものだ。

618:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:14:00.83 ID:bbRMaZcZP
AM4:17

ブイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン。

カレー粉を入れている時に彼の部屋から音が聞こえてきた。
電動鉛筆削りのような音だ。
一体こんな時間に彼は何をやっているのだろうか。
日曜大工でも始めたのか?
これは確かに何かを削るような音だ。
まったく…近所迷惑を考えてほしい。

( ^ω^)「…………………」


AM4:25

電動鉛筆削りのような音が止んだ。
それと同時に、カレーが完成した。
お玉で少しだけ掬い、口にそっと注ぐ。
コクのある滑らかさがのどに広がり、ちょうど良いとろけ方だ。

僕は7枚の皿を取り出し盛りつけにかかる。

627:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/30(木) 20:21:05.28 ID:bbRMaZcZP
AM4:30

配膳が終わり食器をテーブルに並べる。
部屋の電気を点け、椅子に座る。
準備は完了だ。時間は早いが朝ごはんを食べよう。

( ^ω^)「………………」

カン、カン、カン、カン、カン、カン、カン、カン、…
階段を下りる音が聞こえる。
しかも沢山の人数だ。
そして両隣の部屋の扉が開き、そして閉まる音がした。

僕の部屋、102の扉が開く。

J( 'ー`)し( ゚∋゚)(,,゚Д゚)(*゚ー゚)爪'ー`)('A`)

このアパートの住人が一斉に中に入り、僕のテーブルに向かってきた。
そしてそれぞれ椅子に座ると、スプーンを手に取りカレーを食べ始めた。
もちろん、その間、僕らは一言もしゃべらない。

これも毎日のことである。
食べ終えると彼らはそれぞれの部屋に戻る。


( ^ω^)「………………」

僕は203の彼に何かを言おうとしたのだが、それが思い浮かばない為、黙ってカレーを口に入れた。
うまい。今日も美味しく作れたようだ。
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  1. 2010/12/31(金) 03:56:59|
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