ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです

236:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:11:44.51 ID:nWlygfS20

突然だが、オレには双子の兄がいる。

顔はよく似ている。
家族だってたまに間違える。

( ´_ゝ`)

まあ、顔についての話はオレと同じだから置いておこう。
性格はあまりよくない。
馬鹿だし、不真面目だし、馬鹿だし、キモイ。

これらのことも多いに問題がある。
主にあいつと同じ顔をしているオレにも被害がくるからな。

だが今オレが直面している問題はそんなものではない。

(´<_` )「……もう一度、リピートを頼もうか」

( ´_ゝ`)「しかたない。よーく聞いておけよ」

わざとらしいため息をついて、間をあける。
ついさっき、信じられない言葉を聞いた後でなければ殴っていた。

238:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:14:09.56 ID:nWlygfS20


( ´_ゝ`)「オレ、この世界の人間じゃないんだ」




( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです



240:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:17:14.98 ID:nWlygfS20

これだ。この台詞だ。
しかも、いつもみたいにヘラヘラしてない。いたって真面目な顔で。

世界に問いかけたいね。
とうとう兄者は狂ってしまったのか?
それとも、この言葉が本当だって言うのか?

どっちにしろ、オレは信じないけど。
何だかんだ言っても、ずっと一緒にすごしてきた家族が狂ったなんて信じたくないし、
兄だと思ってたのが他人だなんて思いたくもない。


(´<_` )「下手な冗談はやめたほうがいいぞ」

( ´_ゝ`)「失敬な。冗談ならもっと上手く言うぞ」

(´<_` )「ほう。例えば」

( ´_ゝ`)「……ふ、布団が」

(´<_` )「吹っ飛んだとか言ったら殴る」

242:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:19:33.80 ID:nWlygfS20

兄者は口を閉じる。
それは冗談じゃなくて親父ギャグだろ……。

( ´_ゝ`)「……お、落ちてきた」

(´<_` )「ははは。おもしろーい」

( ´_ゝ`)「そんな心にもないことをよく言えるな」

面白くないってわかってるなら言うな。
無理に笑うのも疲れるんだ。

( ´_ゝ`)「で、話を戻すとだな」

(´<_` )「いや冗談はいいから」

( ´_ゝ`)「冗談じゃない」

オレが口を挟む前に、兄者は部屋の隅にある小さな手鏡を手に取る。
鏡はオレの姿を映していた。

( ´_ゝ`)「オレとお前そっくりだよな」

(´<_` )「双子だからな」

( ´_ゝ`)「いーや違うね」

243:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:21:11.05 ID:nWlygfS20

手鏡が下げられ、兄者の顔が見える。
正直なところ手鏡を見ているときと気分は変わらない。


( ´_ゝ`)「オレは鏡の中のお前なの」


どこのファンタジー小説だ。
いや兄者のことだから漫画か? 活字を見るだけで眠くなるって言ってたからな。

(´<_` )「その設定面白そうだな。何て題名の漫画?」

( ´_ゝ`)「お前あくまでも現実を見ないつもりだな」

しつこい。
いつまでこの話を引っ張るつもりなんだろうか。
オレが少しばかり不安になり始めたころ、冗談でしたー☆なんて言うつもりに違いない。

騙されないぞ絶対に。

( ´_ゝ`)「埒があかん。とりま話を続けるぞ」

(´<_` )「とりまとか久しぶりに聞いたわ」

( ´_ゝ`)「とりま、とりまを使ってみる」

(´<_` )「は?」

( ´_ゝ`)「いや、忘れてくれ」

244:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:23:40.23 ID:nWlygfS20

やっぱりただの馬鹿だったか。
上手い冗談とやらを言ってみたいんだろうことはわかるが、まったく上手くない。面白くもなんともない。

( ´_ゝ`)「オレらもう十八歳だろ?」

(´<_` )「そうだな。そういや、入学式用のスーツどれにする?」

( ´_ゝ`)「黒一択」

(´<_` )「グレーもよくね?」

( ´_ゝ`)「いやいや、黒の高級感がわからんか」

(´<_` )「みんなと同じとか面白くねーじゃん」

( ´_ゝ`)「厨ニ乙www」

(´<_` )「久々にリアル乱闘してみるか?」

( ´_ゝ`)「暴力はんたーい」

(´<_` )「サンドバックは喋らない」

( ´_ゝ`)「え、オレお前の兄だよ? いや、本当は違うんだけど、今まで兄だったよね?」

(´<_` )「うるさい」

245:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:25:39.05 ID:nWlygfS20

とりま一発殴ってみる。
あ、とりま移った。兄者のせいだ。
もう一発殴る。

( ´_ゝメ)「お前ってさあ……なんて言うか、本当に暴力的」

(´<_` )「どうも」

( ´_ゝメ)「クールなのね」

(´<_` )「十八年間兄者のお守りをしてきたんでね」

( ´_ゝメ)「辛らつぅ」

( ´_ゝメ)「で、も」

( ´_ゝ`)「そこに痺れる憧れるぅ!」←棒読み



二度あることは三度あるって言うよな。

246:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:27:26.48 ID:nWlygfS20

(´<_` )「うざい」

( ´_ゝメ)「すみませんでした」

傷も治ってたみたいなんで、もう一回つけてみた。
ずっとこうして正座してればいいのにな。

( ´_ゝメ)「あの……とりあえず話を聞いてください」

(´<_` )「人に何かを頼む時は?」

( ´_ゝメ)「……お願いします」

深々と頭を下げる兄者を見下す。
始めからそうしていれば、オレだって聞いてやらなくもないのに。

(´<_` )「で、兄者はオレで、オレが兄者で?」

( ´_ゝメ)「いや、そういう話じゃねーからwww」


四度目があってもいいかと少し思った。

248:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:29:07.23 ID:nWlygfS20

(  _ゝメ)「ぐは」

(´<_` )「早く話し進めろよ」

( ´_ゝメ)「えっと、オ前十八。オレモ十八」

(´<_` )「何で片言」

( ´_ゝメ)「……そろそろ頃合かと思って」

(´<_` )「頃合?」

( ´_ゝメ)

何故黙る。
何故そんな目をする。
何故


( ´_ゝメ)「もう寂しくないだろ」


256:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:50:14.74 ID:nWlygfS20

( ´_ゝ`)「本当は妹者が生まれてすぐ帰ろうと思ったんだ」

( ´_ゝ`)「でもさ、オレもここで生きるの楽しかったし」

( ´_ゝ`)「ずるずる引き延ばしちゃってさ」


小さく笑う兄者はいつもの兄者だった。


(´<_` )「冗談は終わりか?」

( ´_ゝ`)「うん。終わり」

(´<_` )「異世界とか、こっちにきたとか、わけわかんねー設定だな」

( ´_ゝ`)「そんなことはないぞ」

きっと兄者が読んだ漫画ではわかりやすくなってたんだろうな。
馬鹿が世界観を再現しようたって無理だよ。こっちに伝わんね。

(´<_` )「そうだ。今度漫画貸してくれよ」

( ´_ゝ`)「把握した」

257:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:52:26.50 ID:nWlygfS20

暴れたりして喉が乾いた。
台所に麦茶があったはずだと部屋からでる。


( ´_ゝ`)「弟者」


後ろから声がした。


( ´_ゝ`)「世の中は複雑に出来ているようで単純だ」


振り向かずに兄者の声を聞く。
どうせまた漫画の引用なんだろ?
兄者がそんな頭の良さそうな言葉を言えるなんて思えない。

( ´_ゝ`)「複雑なことなんて何もない」

無駄に間をあけるので、五度目を作ろうと振り向く。


「オレだって寂しかっただけだ」


部屋の中は静かだった。

258:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:54:34.65 ID:nWlygfS20

見慣れた机と、寝慣れた二段ベッドがある。
だけど、二段ベッドの上には荷物がつまれていた。

あそこは兄者のベッドだ。
いつも子供みたいにはしゃぐから、下から蹴り上げてやるんだ。
あんな風に荷物があったら兄者が寝れない。
同じ部屋ってだけでも嫌なのに、同じベッドとか勘弁してくれ。

ふと壁にかけられた写真を見る。
数年前に家族旅行に行ったときの写真だ。

母者と父者。姉者と妹者。オレと、


そこに兄者の姿はなかった。

260:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:56:32.38 ID:nWlygfS20


(´<_` )


一人部屋の真ん中で手鏡を手に、オレは呆然とした。

今までオレが見てきた兄者は幻覚だったんだろうか。
さっきまで殴った兄者は夢だったんだろうか。

こんな意味のわからない複雑な状況をどうやって飲み込めばいいんだ。


「世の中は複雑に出来ているようで単純だ」


兄者の言葉を思い出した
単純? これが?
それこそ面白くない冗談だ。

手鏡を覗いてみる。


( ´_>`)|(´<_` )


でも、そこにいるのはオレだ。
兄者じゃない。

262:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 22:58:59.39 ID:nWlygfS20

寂しい。
昔もこんな思いをした。

幼いころから大人しくて、できが良かったこともあってオレはいつも一人だった。
母者が姉者を見ている。姉者は母者を見ている。
オレは寂しかった。

いや、寂しくなんてなかったはずだ。

( ´_ゝ`)「おとじゃ」

兄者がいたじゃないか。
ずっと隣にいた。

暇な時なんてなかった。
いつだって兄者はうるさい。オレが静かに本を読みたいときだって邪魔してくる。

だから寂しかったことなんてないはずなんだ。


( <_  )

263:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 23:00:26.85 ID:nWlygfS20

ああ、寂しい。
寂しい。寂しい。寂しい!

何でオレがこんな目にあわなけりゃいけないんだ。

思わず手鏡を投げ捨てる。
壁にぶつかったそれは粉々に砕けた。


∬´_ゝ`)「ちょっと、今何か割れなかった?」

(´<_` )「姉者……」

∬´_ゝ`)「もう。どうしたってのよ」

(´<_` )「兄者が」

∬´_ゝ`)「兄者?」

誰よ。と、姉者は確かに言った。

割れた鏡を見て姉者が驚く。
なあ、姉者。その砕けた鏡の中にいたのはオレだと思う? 兄者だと思う?

264:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 23:03:37.59 ID:nWlygfS20

誰も兄者のことを覚えちゃいなかった。
兄者と仲の良かった友人も。母者も父者も妹者も。

オレはといえば、ハッキリ覚えてるし寂しかった。

十八年だ。大人からしてみれば一瞬かもしれないけど、オレの人生丸々一つだ。
そんな時間をずっと一緒にいた奴が消えれば寂しくもなるさ。


l从・∀・ノ!リ人「兄者ー。大丈夫かのぉ?」

(´<_` )「妹者、オレはちっちゃい兄者だよ」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者なんていないのじゃー」

(´<_` )「うん。そうだね」

こうして、兄者がいないことを思い知るたび、オレは落ち込んだ。
寂しい。寂しくてしかたがない。

265:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 23:06:37.73 ID:nWlygfS20

( ´_ゝ`)「妹者ー。オレも構ってくれよー」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者は今日も元気なのじゃ」

( ´_ゝ`)「えー。ほらほらぁ。オレも落ち込んでるからさ」

l从・∀・ノ!リ人「もーしょうがないのじゃ!」

可愛い妹者がキモイ奴の頭を撫でる。

(´<_` )「……妹者、ちょっと二人っきりにさせて」

( ´_ゝ`)「ヤダ。弟者ってホモ?」

(´<_` )「殺されたいか」

l从・∀・ノ!リ人「妹者は退散するのじゃー」

( ´_ゝ`)「ああ待って! 愛しのマイエンジェユ!」


一発くらい殴っても罰はあたらんだろ。

267:( ´_ゝ`)は実は兄じゃないようです :2010/11/02(火) 23:09:33.37 ID:nWlygfS20
(´<_` )「どういうこと」

( ´_ゝ`)「寂しかった」

(´<_` )「え」

( ´_ゝ`)「十八年も一緒だったんだ。今さら帰れるかよおおおおおお!」

ガバッと抱きつこうとしてくるのを華麗に避ける。
流石オレ。兄者とは違う。

(´<_` )「寂しいとか気持ち悪い」

( ´_ゝ`)「お前は寂しくなかったのかよ」

(´<_` )「なかったよ」

なにやら喚いている兄者を無視して、自室へ足を運ぶ。
ドアの向こう側には見慣れた机と、見慣れた二段ベッド。壁には家族写真があった。
もちろん、ベッドの上は空いてるし、家族写真には六人全員が写ってた。

( ´_ゝ`)「弟者あああああ」

(´<_` )「うるさい」


おかえり。兄者


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  1. 2010/11/02(火) 23:30:32|
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