ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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総合短編

431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/09/11(土) 15:01:28.60 ID:6Yckcl8C0
 私はシューである。
 名前はもう言っただろう。
 どこで生まれたかとんと見当もつかぬ。どこかの町の、どこかの病院の、誰かの母親の腹から生まれた事だけは記憶している。
 私はここで始めて人間というものを見た。

.∧_∧
/     ヽ
|〒ソwvw″ 
lw´‐ _‐ノv 「見ろドクオ。最近流行りの猫耳を生やしてみたぞ」

 随分古い最近だな、と冷め切った視線を送ってくる男の名はドクオ。
 日々を惰性に費やする根っからの駄目人間であり、私の唯一の理解者でもある。
 今現在も休日の日中だと言うのに、私と一緒に自室の布団の上で横になっている有様だ。

('A`)「にしてもよく出来た猫耳だな。本物と変わらん」

 そっと手で触れ、少し引っ張り、蒼ざめるドクオ。

(;'A`)「あ、あの。シュー。ちょっと言いにくいんだけどさ、これってもしかして本物?」

lw´‐ _‐ノv「そんな訳ないだろう。もう少し強く引っ張ってみろ」

 恐る恐る手を伸ばし、私の耳を摘まむ。
 私も初めて蝉の死骸を掴もうとしたときはこんな感じだった。
 しかし一度掴んでしまえば後はどうとでもなる。怖くない事さえ分かれば良いのだ。

(;'A`)「うわあああ! 伸びる! ちょ、伸びる伸びるゥ! なにこれ凄い伸びる!!」

 私の猫耳を引っ張り続け、手を高くあげるドクオ。その眼に映る色は完全に恐怖のそれだった。

432:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/09/11(土) 15:01:59.94 ID:6Yckcl8C0
lw´‐ _‐ノv「落ち着けドクオ、お前の耳だって引っ張れば伸びるだろ」

(;'A`)「そんなレベルじゃねぇだ――うわああキモッ!!」

 兎のそれに匹敵するまで伸びた私の耳はドクオに手放され、へたりと折れ曲がった。
 片方だけ伸ばされはしたが、不思議と左右の重さは変わらない。
 考えれば当然の事だった。見かけがどう変わろうと、質量とは一定に保存されるものだからだ。

lw´‐ _‐ノv「ひどいなドクオ。もう少し優しくしてくれても」

 伸びた耳をさらに伸ばし、ドクオの首に巻きつける。
 ドクオはまるで蛇にでも絡まれたかのように顔面蒼白となり、小刻みに震えている。
 今にも「金ならいくらでも払う! どうか命だけは!」と叫びそうだ。
 そう言った奴が助かったという話を私は知らない。
 何より、私が欲しいのは富でも名声でもない。愛情だ。

lw´‐ _‐ノv「1つ数える間に私への愛を叫べ。そうすれば解放してやろう」

 お前を愛、まで言ったドクオの首を締め上げ、すぐに緩めてやる。

lw´‐ _‐ノv「冗談だ。こういうのは強制されて言うものじゃないからな」

 少々悪乗りが過ぎたか。ドクオは「冗談キツイぜ」と布団の上で大の字になった。
 その横で、まるで巣穴に戻る蛇のように、私の猫耳は頭髪の中へと帰ってゆく。
 
('A`)「それさ、結局お前の耳なの?」

 私の耳が縮んで少し落ち着いたのか、ドクオが聞いてきた。

lw´‐ _‐ノv「すまん。これは実は偽物の耳なんだ。本物の耳はほら、お前と同じ場所にある」

433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/09/11(土) 15:02:31.81 ID:6Yckcl8C0
 言いながら、目の横から耳を外して手に取り、ドクオに見せる。

lw´‐ _‐ノv「綺麗な耳だろう。お前なら噛んでも良いぞ」

( ゚A゚)「――」

 声にならない声、という表現がよく理解出来なかった私でも一発で理解出来る、そんな表情だった。
 何度も目をこすり、その度に驚愕するドクオは少し面白い。

lw´‐ _‐ノv「ははっ、そんなに驚いてもらえると私もやりがいがあるな」

('A`)「な、何だよ、ほ、本物じゃねえのかよ」

lw´‐ _‐ノv「本物を表に出してる訳ないだろ。本物はこっちだ」

 手をポケットに入れたところでドクオは素早く俯せになり、分かりやすい鼾(いびき)をかき始める。
 その上に覆いかぶさり、
 ドクオの肩に顎を乗せ、
 耳元でそっと呟いた。

lw´‐ _‐ノv「お前の耳はこれかな」

('A`)「うわああああああああああああああああああああああああああああああ」

 突然暴れ出したドクオは私を突き飛ばし、ドアを破るように開けて出ていった。
 とある休日の、午後の話である。


 END
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  1. 2010/09/11(土) 20:14:26|
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