ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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川д川人魚の木乃伊のようです('A`)2/4

86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/19(月) 18:54:03.18 ID:lL/o96KP0

 * * *


 ガチャ


川д川「あ、ドクオ君……」

('A`)「よいしょ、っと」

川д川「すごい量だけど、大丈夫?」

('A`)「うん、一応……失敗しないように結構前から、準備してたから」

('A`)「包帯とか、ありったけ用意したし。ガーゼも」

('A`)

('A`)「こんなんで何とかなるとは思わないけど、な」

川-川 ))「ううん、充分だよ。これだけあれば」

川д川、「これは……、あ、ぎ、義眼、かな?」

('A`)「いや、ドール用のやつ。義眼なんて、どうやって調達すりゃいいか分からないし」

87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/19(月) 19:00:12.84 ID:lL/o96KP0

('A`)「色は個人的な趣味で……」

川д川

川д川「人魚の瞳は、エメラルド色かぁ……」

('A`)「そんな定説ないけど、な。何かキレイな色のがいいかなって」

川-川「海の底から、ずっとずっと空を見上げてたからかな?」

('A`)「?」

川д川、「海と空の境界線で、水面がうっすらエメラルド色を帯びて」

川д川「そんな綺麗な碧色が目に焼き付いて――とかだったら」

川*д川「ろ、ロマンチックかなって。変かな?」

('A`)

('∀`)「そうだな、ロマンチックだな」

川д川

川ー川「――うん」

104:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:20:25.09 ID:lL/o96KP0


川д川「あ、こっちは……ヒレだね。スキューバの、かな」

('A`)「うん、フィンだよ。色塗って陰影つけて、少しカットしてみたけど」

川*д川「本物みたい……。そっか、ドクオ君、絵を描くのも好きだったもんね」

('A`)、

川д川「これ、私が付けるんだね」

川д川「似合う……かな?」

('A`)

('A`)「きっと似合うよ、似合うはずさ」

川-川

川д川「尾ひれの方も、あるんだね」

108:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:28:21.35 ID:lL/o96KP0

('A`)「うん、こっちは二枚重ねでちょっと大きめにしてる」

('A`)´「そうだ、作業始めるの……まず脚でいいかな?」

川д川「脚から?」

('A`)「うん、その……鱗だけはどうしようもなかったから」

('A`)「腰から脛までに、アクリルガッシュで手描きするよ」

川д川、「時間、かからないの?」

('A`)「ささっと済ませる。それに――」

( A )「長引くならウチ泊まってもいいよ。それに」

( A )「貞子も、もしかしたら考え直したいんじゃないかなって」

('A`)「時間が、欲しいんじゃないかなって」

109:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:31:40.96 ID:lL/o96KP0

川д川

川-川

川ー川「ありがとう、じゃあ脚に鱗……お願いします」

川д川「でもね、でも……いいの、もう。決心したから」

川д川「長い時間、いっぱい、いっぱい考えて、泣いて、決めたから」

( A )「やっぱ、気持ちは変わんないのか?」

川-川「うん」

( A )「もしかしたら、もしかしたら」

(;A;)「これからの人生で、もっと、イイことがいっぱいあるかもしれないのに?」

川-川

川-川「……うん」

111:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:35:24.70 ID:lL/o96KP0

(;A;)「まだ高校も卒業してないのに?」

(;A;)「まだ結婚もしてないのに?」

(;A;)「子供だって、産んでないじゃん……」

(;A;)「お前、それに、だって、恋愛とか、恋人だって……」

川-川「うん、うん。全部、そうだね」

川-川「この世界にはそんなキレイで素晴らしいことがいっぱいいっぱい、あるもんね」

川д川「でも」

川-川

川ー川、「でも私、もう疲れちゃったよ。ドクオ君」


(;A;)

112:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:40:05.27 ID:lL/o96KP0


(ぅAと) )) ゴシゴシ

('A`)

('A`)「うん、わかった。……ごめんな」

川д川「謝らないで。ドクオ君は、何も悪くないんだから」

('A`)「うん、うん」


 カチャ カチャ


川д川「ズボンは当然として、パンツは脱いだ方が良いかな?」

('A`)「……その方が塗り易いかな」

('A`)「悪い。出来るだけ見ないようにするから」

川-川「うん。大丈夫、一応……下の毛も剃ってきたし」

川-川「恥ずかしくないよ。だってドクオ君だもん」

('A`)

114:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:45:33.99 ID:lL/o96KP0

 「…………」

 「何か変な感じだね」

  「そうだな」

 「はひっ、ちょっとくすぐったいよ」

  「我慢してくれ」

 「…………うん」

 「あのね、ドクオ君。実は私ね、さっき一つだけ嘘をついたんだよ?」

  「嘘?」

 「そう、嘘。私、恋人はいないけど、恋ならしてるよ」

  「恋……恋か。そうなのか、なんだ、良かったな」

  「誰なんだろうな、そいつ。ちょっと羨ましいよ」

 「うん、そうだね」

 「へへ、誰だろうね?」

115:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:51:15.22 ID:lL/o96KP0













                        幼馴染の貞子が、自殺することを僕に打ち明けたのはちょうど一か月前

                        17歳の僕にはまだ広すぎた世界が、その日を境に小さくしぼんだ感覚を

                                                         今も、覚えている













118:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 21:59:48.21 ID:lL/o96KP0

 * * *


 人魚と暮らして、いつのまにかひと月が経った。


(*゚ー゚)「さだこさん! 今日もキレイだねえ」

川*д川「あ、はい、おはようございます。しぃさんもお綺麗ですね」

(*^ー^)「またまた、そんなこと言って!」


 わしの家の屋根の下で、桶に腰まで浸かったさだこは近所の女どもに挨拶をする。

 死んだ嫁の着物を着せて、ひれが見えないようにしっかりと袖は結んでいる。

 尾ひれも布でぐるぐると覆っておけば、少なくとも「脚を怪我してる」という嘘でまかり通る。

 わしはあれから考えて、貞子を違う形で村人たちに引き会わせることにした。


川*д川ノシ「あ、どくおさん!」

('A`)「うぃ、どうじゃ塩梅は?」

119:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:08:35.77 ID:lL/o96KP0

川ー川「調子、とても良いです。日中も影にいれば体も乾きません」

('A`)「そりゃあ良かった。水、汲んで来るか?」

川д川「あ、あ、いえ、もうしぃさんたちと潜りに行くので……」

川д川「出来れば浜まで運んで欲しいんですが」

('A`)「お安い御用じゃ」


 わしは、人魚を“さだこ”と名付けて、村の連中には遠縁の親戚だと説明した。

 ただ、さだこは病気で両手を切って、足も不自由である。

 仕事は出来ないが泳ぎは上手いので、厄介払いを兼ねてわしの所に預けられた……と、うそぶいておいた。

 奇妙なさだこの見た目も、病気といえば村の連中もなんとなく飲みこんでくれたようで。

 海のもんはあまり難しいことは考えたがらない。そういうもんじゃ。


川д川「ここでいいです、ここで」

121:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:16:17.77 ID:lL/o96KP0


 さすが、半分は魚。

 布でくるんでおっても、尾ひれを力強く蹴って浅瀬を一気に泳ぎ抜けていく。

 聞けば素潜りも上手いらしく、村一と言われとったぺにさすよりも長く潜るという。

 当然じゃ、えらが付いておるからの。


(*゚ー゚)「いやぁ、ホント。さだこさんが来てから仕事がはかどるよ」

(゚、゚トソン「腕がないのに、あわびやサザエなんかを器用に口で咥えて取って来るんだからねぇ」

('、`;川「あたしゃ、素潜り村一の座が奪われて悲しいよ」

川;д川「そんな、ぺにさすさんだってすごいですよ?」

ξ゚⊿゚)ξ「まーったく、ぐうたらなウチの亭主よかずぅっと働いてくれる甲斐甲斐しい子だよ!」

( ゚ω゚)「聞き捨てならんお!」


 さだこはすっかり村の連中と慣れ親しんどった。

122:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:21:49.03 ID:lL/o96KP0


('A`)「さだこ、漁は楽しいか?」

川*д川「はい、皆さんのお役にたてて嬉しいです!」

川д川「皆さん、私にとても優しいです。人間て、本当はとても親切ないきものなんですね」

川-川「私の故郷では、姿を見られたら網を投げられる毎日でしたから……」

('A`)「そうか、そうか」

川*д川「それに、歌も自由に唄えて楽しいです。以前は人気のない夜にだけ」

川д川「隠れるようにして歌っていましたから、本当に嬉しいんです!」

('∀`)「うん、うん」


 くぅと子を授からんうちに死に別れた身としては。

 娘がおったらこんな風だったのだろうかと、思う。

125:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:28:14.25 ID:lL/o96KP0


川д川

('A`)´「ひれが気になるんか?」

川д川´

川д川「はい、割と良くなって来たようで。泳いでも痛くないし」

('A`)「どれ、着物を脱がせたろう。傷の具合を見てやる」

川д川 )) ゴソゴソ


 珊瑚で切った傷は、このひと月でだいぶ良くなっていた。

 人魚の身体の事なんぞ良く知らんが、人間で言うならかさぶたが出来たような感じじゃった。


('∀`)「ようなっとるな。これはあと、ひと月もせんうちに潮の中を遡れそうじゃ」

川д川「…………」

('A`)´「どうした、嬉しくないんか?」

川д川「いえ、嬉しいです。でも……」

126:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:32:09.51 ID:lL/o96KP0

川д川「でも、もうすぐ皆さんと――」

川д川「どくおさんともお別れすることになるなんて、寂しいです」

川д川「私ここにいたい。皆さんとずっと一緒が良いです!」

('A`)、「しかし、さだこ。故郷には家族がいるんじゃろう?」

('A`)「きっと心配しちょる。怪我は早く治せ。それで早く、親兄弟のもとに帰れ」

('A`)

(-A-)、「これは言いたくないがの。やはりお前は人魚じゃ。人じゃない」

川д川「!」

('A`)「お前が人魚といつ村衆にばれるか、わかったもんじゃあなかろう」

('A`)「そうなれば、お前はここには長くおれん。どっちにしろな」

128:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:38:07.85 ID:lL/o96KP0

川;д川「そんな、どくおさん……」

('A`)「離れる時は、なんとか誤魔化す。嘘くらい、いつでもついてやるわ」

('A`)「じゃからな、お前さんは幸せな気持ちのままで故郷へ帰れ。後生じゃ」

川д川

川д川「どうして、どくおさんはそんなに良くしてくれるんですか?」

川д川「今まで、何で優しくしてくれたんですか?」

('A`)、「それは、怪我をして一人ぼっちのお前がかわいそうだったからじゃ」

('A`)「じゃから、村衆とも仲良くできるよう頑張ったんじゃ。独りは良くない」

(-A-)「良いわけあるめぇ……」

川;д川「でも!」


 さだこは着物の裾を乱したまま、わしに寄りかかってきた。


川;д川「でもそれじゃあ、どくおさんがまたひとりぼっちになります!」

129:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:42:12.92 ID:lL/o96KP0

('A`)「さだこ……」

川д川「私、村の皆さんに聞きました。この着物、亡くなった奥さんのものだって」

川д川「どくおさんがきちんと畳んで、大事に大事にしまっていたものだって」

川д川「だから、それを着せてもらえる私は、とても大事にされてるのよって教えてもらいました!」

('A`)、「そ、それは」

( A )「女ものの着物がそれしか無いからじゃ……」


 本当のことだけど、嘘じゃった。

 やっぱりわしはどこかで、くぅとさだこを重ねとったのかもしれん。


川д川「どくおさん……私、どくおさんにこんなに良くして頂いたのに」

川д川「何も恩返し出来ていません。これじゃ、不公平です」

('A`)「さだこ……」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/07/19(月) 22:51:35.50 ID:lL/o96KP0


 さだこはゆっくりゆっくり、尾ひれに巻いとった布を剥がした。

 暗がりでもつやつや光る鱗は不気味じゃが、愛おしかった。

 碧色に光るそれは美しかった。

 桶の海水を滴らせて、ぬらりぬらりと湿っておった。


川д川「私、どくおさんのお嫁になってもいいです」


 どうぞ、と言ってさだこは鱗に指を這わせよった。

 白くて細い指がつーっと辿ったのは、ちょうどへその下あたりじゃった。

 そこでわしは驚いた。今までよう見とらんかったから気付かなんだ。

 さだこが「くにり」と押し広げたのは、そそじゃった。

 人間の女となに変わらんような、女陰じゃった。

137:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 22:57:17.61 ID:lL/o96KP0


 「誰かを受け入れるのは初めてです」

 「それに、人間の男の人になんて、きっと誰もしたことがありません」

 「でも、多分しぃさんや、ぺにさすさんみたいに」

 「亡くなった奥さんみたいに」

 「人間の女の人と、同じだと思います。だから、だから」


(゚A゚)「さだ、こ……」


 「どうぞ、どうぞ、お使いください。恩返しです」

 「どうぞ、こんな小娘の人魚でよろしければ、娶ってくださいませ」

 「夜伽いたします」


 わしは長い間忘れておった、くぅの肌の温かさを思い出していた。

 思い出して、泣いて、だが身体は正直じゃった。

140:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:02:10.65 ID:lL/o96KP0

* * *


川д川「キレイだね」

川д川「鱗の模様が素敵……本物のお魚みたい」

('A`)「うん、ちょっと気合入れたよ。出来るだけ時間かけないつもりだったけど」

('A`)、「結構、日が傾いちゃったな」

川д川「やるなら、急ごう。私、大丈夫。少しくらい」

川д川「だから、やろう。ドクオ君」

('A`)「うん、やろう」

(;A;)「うん、うん、やろう、ありがとう、ごめんね、ごめん」

川-川

川ー川「うん」

142:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:08:41.01 ID:lL/o96KP0

( A )「はぁ、はぁ、はぁ……」

('A`)「大丈夫、やれる、失敗なんてしない、行ける」

川д川

('A`)「いくよ、貞子。これ口に噛んで」

川д川「タオルだね。うん、舌噛まないようにだね」

川ー川、「うるさかったら、ごめんね」


 カチャ


川;ー川「へへ、こわいな。スプーンがすごく近くに見えるよ。すごく怖い」

( A )

川;ー川「お手洗い行けば良かったかな? おしっこ、我慢できないかも。汚したらごめ――」

( A )「謝らなくていいからッ!! タオル噛んで!!」

川;ー川「うん、うん、ありがとう、へへ、ありがとうね」

川;ー川「こういうの初めてだから、痛くしないでね?」

144:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:11:40.19 ID:lL/o96KP0










                           僕は、泣きながら幼馴染の眼窩にスプーンを差し込んで

                                   彼女の綺麗な目玉を力いっぱい抉り出した










146:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:16:16.22 ID:lL/o96KP0




「ああぎぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああぎあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああああああああああああがあああああああああああああ

 あああああああああいああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 ぎあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 ああああああぎああああああああああああああああああああああああああああああああ」



 自殺を決意した幼馴染を止められなかった僕は、あろうことか逆に彼女から一つの申し出を受けた。



 「ねぇ、ドクオ君。私を材料にして人魚を作らない?」と。



150:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:22:08.23 ID:lL/o96KP0


 僕は彼女を止めたかった。


 「いが、い、いだい、いだいよ、目がすごくいだい、どくおくん」

  「まだ……まだ右目が残ってるから、ごめん、ごめんね、許して」


 でも、それ以上に子供の頃からの夢である、人魚を作るということに。


 「いあ、ま、て、まだ痛いの、左目があ、あ、いま、無いの、いたい」

 「いま、あ、手で、左目、転がってたの、つぶしちゃった、がら」


 抗えなかった。作りたかった。人魚をこの手で。

 心のどこかで、僕はその材料を初めからサダコに決めていたのかもしれない。


  「ごめんね! ごめんね貞子! 貞子! 貞子ぉおおおおお!!」


 でもこれは、望んだけど、望みたくなかった夢だ。

152:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:26:05.69 ID:lL/o96KP0



 「が」

 「あぎ、ああああああい、だ、いだいいいいいいだああああああいいいいい」

 「いぎぃいいあああきああああああ、いたい、いだいいいいどく」

 「どぐおぐんいだい」

 「あああ、ぎ、ああいだ、いだいいいだああああいいい」

  「終わった……右目も刳り出せた……」

  「終わったよ、貞子、終わったよ!」

 「おぎぃいいいいぃいいだいい、いだい、めが、みえないぃ゛、いぃあああああ」



 ミイラじゃない。

 どうしても生きた人魚が作りたいなんて、僕の頭は最初からおかしかったんだ。


155:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:32:09.29 ID:lL/o96KP0

(゚A゚)「貞子! 貞子、しっかりして! ほら、眼だよ」

(;A;)「ほら、碧色の綺麗な眼だ。似合ってるよ」


 「あああぁあ、め、め、みどり」

 「あ、ある、エメラルド、みえないけど、あ、め、私めがある」

 「人魚のめ、が、あるよ、ドクオ君、ドグオくん!」


(;A;)「うん、すごく綺麗だ。綺麗だよ!」

(;A;)「でも、でもごめんな、まだ、腕を落とさなきゃいけないんだ」

( A )「ノコギリ用意してるから、ホラ、分かるか? 冷たいの手に当たってるだろ?」


 「うんん、うんう、うん分かる、分かる」

 「はぁ、あ、はぁ、えへへ、ごめんね、うるさいよね、タオルかみちぎっちゃった」

 「あひ、ひ、でも、へひ、うでも、ガマンするからね」

 「えへへ、へ、今度こそ、痛くしないでね?」

 「もう、はじめて、じゃ、ないけど、へへ」

160:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:35:53.16 ID:lL/o96KP0


 貞子は目を繰り抜いた時に、もう失禁していた。

 綺麗に彩色した太股に、黄色と茶色の染みが広がって、酷い臭いが部屋に充満した。

 そこに眼窩から零れる血液が混ざって、汚らしい色になって。


 でも僕はやめなかったし、貞子も歯を食いしばった。


 貞子は本当に綺麗だった。

 嘘じゃないし、この時だけはきっと僕は正常だった。

 多分、きっと、貞子も正常だった。

162:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:38:45.71 ID:lL/o96KP0

 ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ

  ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ
 ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ
  ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ

 ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ

  ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ
 ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ

  ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ
 ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ
  ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ

 ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ

  ぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこぎこ

166:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:42:56.70 ID:lL/o96KP0


 * * *


川д川「見てください……、お腹、大きくなったでしょ?」

('A`)「そうじゃな、うん、そうじゃな大きい」

('A`)「やや子は元気じゃ。だからさだこ、お前も元気出せ」

川ー川「えぇ……はい……」


 さだこを娶って、季節がひとつ変わった。


 暑い夏が過ぎ、嵐と実りの多い秋になった。

 潮の流れは完全に変わったが、貞子はわしの家に居付いていた。

 二人で繰り返した夜伽はついに、さだこの腹の中にやや子を宿した。

 めでたい、めでたいことであった。はずだった。

167:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:50:44.57 ID:lL/o96KP0


 やや子は奇妙というか、異常であった。

 なんせつわりが始まってから半年もたたぬのに、さだこの腹はぱんぱんに膨らんどった。

 わしは怖くなった。だがそれ以上に村人は怖がった。

 まだ優しくさだこに声をかける者もいるが、大方はビクついていた。

 さだこは、奇妙だ。

 そんな噂が、村を覆い尽くしておった。


川д川「どうしてでしょう……赤ちゃんのために、もっと元気にならないと」

川д川「いけないのに、どうしてか、食欲が、ないんです」

168:◆z9m3qj2a1A :2010/07/19(月) 23:54:50.96 ID:lL/o96KP0


(;'A`)「粥はいらんのか?」

川д川「いりません……」

('A`)「せめて、白湯だけでも飲まんか?」

川д川「ごめんなさい……」

('A`)「…………」


 わしはただ、日に日にやつれていく貞子を労わりながら、

 桶の海水を掬って、貞子にかけてやることしか出来んかった。

 どうして、どうしてこうなった。

 さだこは何も悪くない。さだこは、幸せになるはずじゃったのに。

 わしの問いに応えてくれるもんは、おらんかった。

 そして、ただ時だけが無情に過ぎて、やや子はどんどん腹の中で大きくなっていった。

171:◆z9m3qj2a1A :2010/07/20(火) 00:00:13.15 ID:phmzFJQc0


('A`) (仏様……神様……なんでもええ、さだこを、さだこをどうか……)


 わしは漁に行くこともまばらになってきた。

 ぶぅんが心配して声をかけてきたが、無視をした。

 わしは、わしらは孤立していった。

 どうして、なんで。

 わしは毎日毎日、かたちのない何かに祈り続けた。

 せめて、貞子とやや子だけは、何悲しみ苦しみなく救ってやって欲しい、と。


 そして秋も終わりの、雨の日に。


 さだこは突然ひどく苦しみ出した。

 いよいよ、やや子が生まれるのかもしれない。


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