ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

( ^ω^)と(*゚ー゚)の不思議な旅のようです

632:571 :2010/02/17(水) 23:06:19 発信元:210.233.171.53 [sage]
( ーωー)「…………zz」

Σ( ^ω^)「……ん、あれ」

目を覚ましたとき、ブーンはとても不思議な感じがした
体がふわふわ浮かんでいるかのような、現実から浮遊した感じ
やがて、それが目の前の景色のせいだと気づく

目の前には荒野が広がっていた
草も、木も、山さえもない
ただただ広い、赤茶けた大地と、何故か左側でのびている線路が一本

ふと、気配に気づいてブーンは右隣を向く

(*-ー-)「……zz」

10歳になる娘のしぃだ
ブーンはホッと胸を撫で下ろし、その安らかな寝顔を見つめる

しかし、同時に何か不安も感じていた
一体何が不安なのか考えてみるが、何も思い当たらない
どうしても――

そうして、一つの重大な事実に気付き、思わず呟く

(;^ω^)「……何も覚えてないお
      ここは一体どこで、俺は何をしていたんだお? 」

634:571 :2010/02/17(水) 23:09:04 発信元:210.233.171.53 [sage]
親も、親戚もわからない
友達も、娘がいるのだから存在するはずの妻も
記憶に残されていなかった

Σ(*゚ー゚)「ん、……うう」

しぃが目を覚まし、辺りをキョロキョロと見回す
そしてブーンに目を止めた
ブーンは若干緊張しながら、その顔を見つめ返す

(*゚ー゚)「お父……さん? 」

その言葉を聞いて、ブーンは安心した
もし娘が自分のことを忘れていたら、と一瞬考えてしまったからだ

ブーンはしぃと話し、状況を確認した
しかし何も覚えていないのはしぃも同じで、結局得られるものはなかった

( ^ω^)「ここは何なんだお
      線路があるってことは人がいるのかお? 」
      
ブーンとしぃは果てしなくのびる線路の先を見つめ
今度は逆に自分たちの後ろ側へのびていく方を確認する

意外にも、赤茶色の壁がすぐそばにあり、線路は途切れていた

636:571 :2010/02/17(水) 23:12:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*;゚ー゚)「大丈夫なの? お父さん」

青い顔をしたしぃをじっと見つめ、それからブーンは微笑んだ

( ^ω^)「線路ってのは駅まで続いてるもんなんだお、きっと」

もちろん根拠なんて無かった
ただ動かなくちゃいけない気がした

止まってはいけない――止まりたくない――何故か
その感情はどこから来たのか、ブーンにはわからなかった


最初、太陽は真上にあった
それがだんだんと動いていき、ある程度の軌道がわかる
もしここが北半球ならば、ブーンとしぃは北から南へ向かっているはずだ
さすがにここが別の惑星で、軌道そのものが違うなんてことはないだろう

そしてさらに不思議なことに、いくら歩いても二人は疲れなかった
エネルギーを使っているが、いつの間にか補給されている
足はいくらでも前へ出せる

記憶は無くても、自分がどれほど動けば疲れるかくらいは覚えている
けれどここでは通用しない
何かが根本的にずれているのだろう

638:571 :2010/02/17(水) 23:15:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
( ^ω^)「しぃ、疲れないかお? 」

(*゚ー゚)「ううん、大丈夫
     なんだか不思議だけど、全然疲れないの」
     
(*^ω^)「それはよかったお」

少なくとも娘とは同じ感覚を共有している
それは精神的に大きな励みになった

人間は一人きりになって、三日もすれば発狂するときいたことがあるが
娘のおかげで無事なのだろう
っと、ここまで考えてブーンは「あれ? 」と思った

何故このようなことは覚えているのだろう
そこでまた考える――が、今度はなんとなく予想がついた
要は知識として定着しているものは覚えているというわけだ

ブーンは立ち止まって天を見上げ、拳を突き上げる

(*゚ー゚)「お父さん、何やってるの? 」

( ^ω^)「出発してどれくらい経ったか見てるんだお
      こうして拳で太陽の動いた距離を測るんだお」
      
おおよそ1時間――ブーンはそう計測した
そのときだった

642:571 :2010/02/17(水) 23:18:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*゚ー゚)「ねえお父さん、あれはなあに? 」

しぃは前方の線路の上に立っているものを指差した
50メートルほど前で佇んでいる、真っ黒な何か

( ^ω^)「人……かお? 」

二人は黒いものまで走って行った
近づくと、人型であることははっきりとわかる
しかし、本来目があるところで赤い光を輝かせながら、その黒いものはぴくりとも動かなかった

しぃは恐れつつも興味に惹かれた様子で、黒いものに一歩近づく

Σ(;^ω^)「……! 」

咄嗟にブーンはしぃを抱えて数歩退いた
黒いものの腕が、さっきまでしぃのいたところで空を切る

――捕まえようとしている

ブーンがそう感じたのと、黒いものの赤い光の目が合うのは同時だった

(*;゚ー゚)「ぁ……なにが、え」

(;^ω^)「逃げるお!! 」

ブーンはしぃの腕をしっかり掴んで駆け出した

643:571 :2010/02/17(水) 23:21:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
黒いものも歩こうとしていたが、幸い歩みは遅い
二人には到底追いつけそうもない

(*;゚ー゚)「お父さん! 前にもいるよ! 」

後方に気を取られていたため、しぃの声ではっとするブーン
立ちはだかる黒いものが、二体
腕は既に持ち上げられて、歩み寄っている

(;^ω^)「お、おい、くるなああああああ!! 」

無我夢中で、ブーンは足元の拳大の石を掴み、投げる
片方の黒いものに命中――大勢が崩れる

(;^ω^)「抜けるお! 」
(*;゚ー゚)「うん! 」

二人はよろめいた黒いものを押し倒して、先へと駆けてゆく
前へ、前へ、前へ――――走り続けた

疲れないこの世界でも、急激な運動の後は汗も出るし、呼吸も荒くなる
だから回復が速いという方が正確なのかもしれない

昼の陽光が斜光に変わるころ、二人は足を止める
後ろに黒いものは見当たらない

646:571 :2010/02/17(水) 23:24:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*;゚ー゚)「ああ! お父さん! 」

突然しぃが叫ぶ

(*;゚ー゚)「影が……影が無いわ、あたしたち! 」

驚きながらも、ブーンはしぃの足元、そして自分の足元を見る
どちらにも、本来あるべき影が無い

(;^ω^)「どういうことだお!? 」

影が無い――黒い影が無い――黒い――

(;^ω^)「ひょっとしたら、さっきのは影なのかお? 」

(*;゚ー゚)「でも三つあったよ」

(;^ω^)「わからないお、なんでとかそんなことさっぱり」

(*;゚ー゚)「ねえお父さん、怖いよあたし、夜が怖い
     どうするの、真っ暗な中であんなの出てきたら何も」
     
(#^ω^)「だからわからないって言ってるんだお!! 」

(*;゚ ゚)「…………」

しぃの眼からは、明らかに恐怖が伝わってきた
ただし、怒られたから怖い、というのとは違う
もっと別の、何か

649:571 :2010/02/17(水) 23:27:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
/ ,' 3「夜は来やせんよ」

いきなり声がして、その時二人は初めて隣の岩に寄りかかっている老人に気付いた

/ ,' 3「この世界に夜はない
    あの太陽が沈みきると、また東から別の太陽が昇るんじゃ」
    
二人は線路から見て左、つまり東の方角へ顔を向ける
確かに色が明るくなりつつある
夜明け前のように

だいぶ落ち着いた二人は老人に話しかけた

( ^ω^)「おじいさんは誰なんだお? 」

/ ,' 3「わしは荒巻
    他は覚えとらんのじゃ」
    
(*゚ー゚)「おじいさん、あたしたちと同じように記憶がないのね? 」

/ ,' 3「ああ、そうじゃ」

( ^ω^)「この世界って……なんなんだお? 」

/ ,' 3「当然のことながらわからん
    ただ、お前らのようにここへ来る人間を何人か見てきた
    みなあの黒いものに連れてかれてしまったがの」

652:571 :2010/02/17(水) 23:30:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*;゚ー゚)「や、やっぱり連れて行かれるのね?
     どこへ行くの? 」
     
(;^ω^)「もしかしてあの世かお!? 」

/ ,' 3「連れて行かれるまでわからんよ
    わしも昔は連れて行かれそうになったが、今ではさっぱりじゃ
    やはりさっさと捕まっておけばよかったのかのお」
    
(*゚ー゚)「? 怖くないの? 」

/ ,' 3「ほっほ
    怖いが、孤独の方がつらいのじゃ」
    
/ ,' 3「さて、お二人さんはこれからどうするのじゃ? 」

荒巻の発言で、ブーンとしぃは少し考える

( ^ω^)「進むしか、ないと思いますお」

(*゚ー゚)「線路の先には駅があるはずだって、お父さん言ってたもの」

老人は「ほうほう」とつぶやいて、それから続ける            

/ ,' 3「止めはしないが、一つ言っておく
    もはや何も無くなってしまったわしだからわかるのじゃ
    あの黒いものは恐れるものじゃない、それを忘れるな」

656:571 :2010/02/17(水) 23:33:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
二人は老人を後にした

二つめの太陽が昇り、沈むと、また次の太陽が昇る
それが何回も繰り返された
そのうちいくつかの決まりを発見した

黒いもの――二人はそれを『影』と呼ぶことにした――は奇数回目の太陽のときにしか現れないこと
きっと影にとっての活動期間が奇数回目の太陽なのだと推測した

そして線路から真横にいくら走っても、また線路に辿り着くこと
たとえば線路に石で傷をつけ、真横に走って次の線路を見つける
そして確認すると、先ほどつけた傷があるのだ

( ^ω^)「僕らはこの線路からは逃れられない、ということかお」

気付くことは他にもある

この世界に雲がないこと
水がないからなのだろうか

線路なのに電車はおろか汽車も走らないこと
これでは駅の存在も疑わしい

(*゚ー゚)「…………」

そして、しぃのこと

658:571 :2010/02/17(水) 23:36:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
( ^ω^)「しぃ、少し休憩するお」

時折エネルギーがあまり回復されないときがある
特に偶数の太陽のときだ
そんな時には少し休む必要があった
もっとも食料なんて無いし、要らない
足を止めてれば自然と回復する

(*゚ー゚)「う、うん」

( ^ω^)「…………」

ここのところ、しぃの様子が変わっている
ブーンを恐れている
そんな気が、ブーンにはした

ブーンが怒ってからだ
初めの影の襲撃以来、しぃの眼が変わったのだ

休憩している間に、ブーンは質問した

( ^ω^)「しぃ、いったい僕の何が怖いんだお? 」

(* ‐ )「…………」

(* ‐ )「また、怒ったから」

660:571 :2010/02/17(水) 23:39:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(;^ω^)「また? 」

(* ‐ )「うん」

(;^ω^)「も、もしかして記憶が戻ったのかお!? 」

(* ‐ )「…………」

(;^ω^)「しぃ! 」

(* ‐ )「答えたく、ないの」

それ以上追及することは、ブーンにはできなかった

記憶が戻ったのかどうか、それすらわからない
しぃをどうして怒ったのか、何故答えたくないのか
ブーンは自分の記憶が戻らないことをひどくもどかしく感じた

二人は歩き続けた
この果てしない荒野で
ただ一本のびる線路を頼りに進み続けた

そしてとうとう
壁が見えてきた


662:571 :2010/02/17(水) 23:42:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*^ω^)「壁だお!
      線路の終わりに近づいたんだお! 」
      
二人は意気揚々と駆け出した
長かった歩みがとうとう終わるから
線路の先端、駅があるはずの場所

しかし
走るにつれて、だんだんわかってきた
そして同時に失望の感が湧いてきた

壁にたどりついた
赤茶色の壁
出発の時も見た壁


駅は――無い
線路は途切れていた


(; ω )「…………」

(* ‐ )「…………」

二人は線路から横へ横へと歩いていく

(*;゚ー゚)「あぁ! 」

663:571 :2010/02/17(水) 23:45:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
しぃが悲鳴に近い声を上げて、線路を指す
真横にある線路の上

影がいる、四体も

(;^ω^)「くそお! こんなときに」

ブーンは急いで足元の石を掴む
しかし、しぃの腕がそれを止めてきた

(;^ω^)「何するんだお、しぃ! 」

(*;゚ー゚)「違う、違うの」

しぃは首を横に振り、影を見つめる
眼が違う
恐れじゃない
それは驚いているときの眼だった

(;^ω^)「しぃ、影の正体がわかったのかお!? 」

(*;゚ー゚)「……敵じゃない」

しぃはそう呟くと、ブーンから手を離す
そして影へ歩み寄っていく

667:571 :2010/02/17(水) 23:48:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(;^ω^)「しぃ!? しぃーー! 」

ブーンの叫び声は空しく響いた

しぃは影に近づく
影の腕が伸びる
そして線路の上で――しぃをつかんだ

同時に、ガタゴトと音が聞こえてくる
ブーンは驚いて、今まで歩いてきた方の線路を見る

いつの間にか、来ないと思っていた列車が走ってきていた

Σ(;^ω^)「! しぃ、逃げるお! 轢かれるお!! 」

しぃは動かない
線路の上で、ブーンの方を向き、叫ぶ

(*;゚ー゚)「お父さーーーん!!
     影は敵じゃないの!
     気付いて、お父さん、逃げちゃダメ!! 」
     
しぃの言葉の意味が、ブーンには理解できなかった
何故だか影に連れて行かれたくない、その理由もわからないのに
影を恐れるなという言葉の意味がわかるはずなかった

列車がどんどん近づいていき、そして――

670:571 :2010/02/17(水) 23:51:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(; ω )「くっ……!! 」

ブーンは思わず目を伏せた
当たったはずだと思ったからだ
直撃のはず、しぃは列車にはねられたはず

だが、音はしない
何もない

ブーンは恐る恐る、目を上げた

目の前に、影がいた

真っ赤な目をして、手を差し伸べている

( ^ω^)「…………」

ブーンは、しぃの言葉、娘の叫びを思い出していた

『影は敵じゃない』
『逃げちゃダメ』

ブーンは今、確かにわかった
しぃの言葉の意味を

( ^ω^)「……しぃ? 」

~~~~~~~~~~~~~~~~

673:571 :2010/02/17(水) 23:54:03 発信元:210.233.171.53 [sage]
目を開けて、ぼんやりとした視界がだんだん晴れて、自分が病室にいるとわかる

(,,;Д;)「あ、しぃの父ちゃんも目をさました! 」

泣いてた子どもの一人がブーンに向けて行った
他の子どもたち注目が隣のベッドから移った

そして先ほどまで子どもたちが注目していたベッドにいるのは

(;^ω^)「しぃ! 」

(*゚ー゚)「お父さん! 」

しぃが快活に返事する

(*゚ー゚)「影に捕まってくれたのね!
     あたしが思ったから
     お父さんを助けたいって! 」
     
(;^ω^)「じゃあ、あの最後の影はやっぱりしぃだったのかお!
      それじゃ、あの四つの影は? 」
      
しぃは自分の周りを見回した
しぃを取り囲んでいるのは、しぃの友達
ちょうど四人だ

676:571 :2010/02/17(水) 23:57:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
( ^ω^)「……あ」

ブーンは自分の記憶が戻っていることに気がついた
そして、大切なことも思い出した
何故、あの世界に行ったのか

(  ω )「わかったお」

('、`*川「ねえねえ、さっきから何の話? 」

( ><)「ぜんぜんわかんないんです! 」

子どもたちは全員、ぽかんとした様子だった
しぃだけは全部悟った様子で、ベッドを下りた

(,,;Д;)「しぃ! もう大丈夫なのか? 」

(=゚ω゚)ノ「急に動くと危なぃょぅ」

(*゚ー゚)「平気よ、ありがとう」

しぃはゆっくりと、父親の元へ歩み寄る

ブーンは娘の顔を見つめた

~~~~~~~~~~~~~~~~

678:571 :2010/02/18(木) 00:00:08 発信元:210.233.171.53 [sage]
その日の夜中、ブーンは妻が入院している病院から連絡があった
妻が亡くなった――と

( ^ω^)「…………」

何も考えないまま、ブーンは線路の上にいた
そこは昔から交通事故が多発するいわくつきの線路
自暴自棄になった人をおびき寄せる不気味な場所だった

とにかく死にたい
生きる気力など、もう無かった

「お父さん! 」

突然声を掛けられて、ブーンは振り向いた

踏切のところに娘のしぃ

(*;゚ー゚)「何やってるの? 」

( ^ω^)「しぃ、寝てたんじゃないのかお? 」

(*;゚ー゚)「玄関が開く音がして……それで
     お父さん、どこかいくの? 」
     
( ^ω^)「……お前のお母さんのところだお」

681:571 :2010/02/18(木) 00:03:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*;゚ー゚)「……どこなの? 」

娘には妻が死んだことは、言えなかった
どうせすぐわかることなのに
ブーンはそれを自分の口では言いだせなかった

(  ω )「わからないお」

しぃは必死に首を横に振る

(*;゚ー゚)「ねえ、どこ!? 病院じゃないの? ねえ」



(#^ω^)「だからわからないって言ってるんだお!! 」


(*;゚ ゚)「…………」



電車の音が聞こえてきた
光がブーンを照らす
直撃ルート
しかし
割り込んでくる小さな影
そして――
~~~~~~~~~~~~~~~~

684:571 :2010/02/18(木) 00:06:07 発信元:210.233.171.53 [sage]
(  ω )「しぃ、記憶は戻ってたのかお? 」

(*゚ー゚)「最初は、お父さんに怒られたとき
     そして、四つの影を見たとき
     影の背丈がね、友達のと同じだと思って、気付いたの
     
     そしたら思い出した
     あたしが事故にあって、違う世界に飛ばされたこと
     そして友達が、あたしたちを元の世界に戻そうとしていること」
     
(  ω )「…………」

(*゚ー゚)「きっと、影ってこっちの世界の力なんじゃないかな
     ちょっとこじつけっぽいけど
     こっちで死んだあたしたちには影がなくて、
     こっちの世界にいる友達が戻しに来たってことは
     そうなのかなって思ったの」
     
(  ω )「しぃは賢くなったお
      お母さんに似てるお」
      
(*゚ー゚)「ううん、お父さんの部屋の本、よく読むから」

(*^ー^) 「お父さんはいっつも仕事で忙しいからあまり会えないけど
       お父さんの本を読むと、物知りなお父さんと一緒にいられる気がするの」

685:571 :2010/02/18(木) 00:09:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
気がつくとブーンは、しぃを抱きしめていた
全部思い出していたから

自分が事故の前に、全然しぃのことを考えていなかったこと
事故の直前まで忘れていたこと
事故の間際、しぃのことを邪魔だと思ったこと

「……ごめん」

旅の途中、しぃが自分におびえていたこと
しぃを怒鳴った自分におびえていたこと
それでも最後には自分をこっちに戻しに来てくれたこと

「ごめんだお」

しぃに毎日つらい思いさせていたこと
旅の途中に話し相手がいて、とても気分が楽だったこと


(  ω )「ごめんだお、しぃ……
      そしてありがとうだお
      こんなダメな僕を助けたいと思ってくれて」

震える手で、ブーンはしぃを強く抱いた
しぃはとても気持ちよさそうに目を閉じていた

687:571 :2010/02/18(木) 00:12:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
数ヵ月後

「あの人、いつまで生かしておくのかねえ
 身寄りの人ってのがいるってきいたけど」
「それがねえ、何年も前に交通事故で死んじゃったのよ
 今では親戚が補助金だしてるっていうけど、正直関係ない人養うって変よねえ」
「きっとよくわかってないのよね、ただ金だせばいいって感じで」   

( ^ω^)「…………」
(*゚ー゚)「…………」

病院の一室
何年も前に電車にはねられた人が植物状態で眠っているという

ブーンとしぃはその病室に入った

/ ,' 3「……zz」

(*゚ー゚)「あ、あのおじいさん」

( ^ω^)「やっぱりだお
      お祈りするんだお」
      
二人は願った
老人が元の世界に戻ってくるように

689:571 :2010/02/18(木) 00:15:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
Σ/ ,' 3「ほげっ!? 」

( ^ω^)
(*゚ー゚)

/ ,' 3「……ああ、あんたらか
    いつか見たのう」
    
( ^ω^)「おじいさん、どんな気分ですかお? 」

(*゚ー゚)「戻れて良かった? 」

/ ,' 3「そうじゃのう……」





/ ,' 3「わしはまだ全部を失ってはいなかったんじゃな」


~~完~~
スポンサーサイト
  1. 2010/02/18(木) 22:20:56|
  2. 総合作品まとめ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<( ・∀・)まだまだなようです | ホーム | ('A`)と秘密の隠れ家のようです>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://potenta.blog13.fc2.com/tb.php/110-363e422d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。