ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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( ^ω^)伝えたいことがあるようです

45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:25:21.97 ID:mGmd6PMJO
( ^ω^)「ふぅ…」

溜息一つ、ついてみる。

窓の外からは蝉の鳴き声が聞こえる。

自分を落ちつかせよう。
周りを見渡せば、見覚えがあるものしか見当たらない。
子供の頃に駄々をこねて、買ってもらった金属バット。
駄菓子のおまけに付いていた遊び方がわからない玩具。
運動会のかけっこで一位を取った時の手作りのメダル。
古ぼけた机の上では、時計がチクチクと音を鳴らし時を刻んでいる。

どれもが僕の記憶の中に埋もれていた品々だ。


今度は大きく息を吸い込んだ。




おばあちゃんの匂いがした。




( ^ω^)伝えたいことがあるようです

46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:27:22.96 ID:mGmd6PMJO

( ^ω^)「…」

なぜ自分はここにいるのか?

まずそのことが頭に浮かんだ。
確か昨日は仕事が早く終わり、同僚と飲み明かしてヘロヘロな足どりでベットに飛びこんだはずだ。
此処は自分の部屋ではない。
正しくは昨日までの。

もう一度見渡してみる。


( ^ω^)「…ここは昔の僕の部屋?」

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:29:25.95 ID:mGmd6PMJO
目を擦り、珍しく冴えた頭で考えてみる。

自分自身の頭が逝かれたのではないか?
夢の中ではないか?
まだ酔っているのではないか?


いろんな仮説を立ててみるが、どれもシックリ来ない。
ふと一つの考えが頭に浮かんだ。
そうだ。これだ。間違いない。昔本で読んだことがある。

( ^ω^)「これはタイムリープだお!」

断言。

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:31:50.74 ID:mGmd6PMJO
部屋から出てみる。閉まりの悪いドアを開くと、気持ちが悪い熱気が襲ってきた。
にじり出る汗を拭いながら、一つ一つ慎重に階段を下りていく。昔から急いでいると、よく転げ落ちたものだ。

( ^ω^)「懐かしいお…」

階段を下りると、最初に玄関が目についた。
今では懐かしい横開きの硝子ドアである。

( ^ω^)「今の世の中じゃ無用心だおね…」
( ^ω^)「そうだお」

此処は家の中である。誰かがいても不思議ではない。
夢でもいい、思いっきり耳が遠くなった人にでも聞こえるように叫んでみた。

( ^ω^)「おばぁぁああちゃーーーーーーん!!!!」

しかし家の中で無惨にもコダマするに終わった。

( ^ω^)「いないのかお?」

家の中には誰もいなかった。

52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:34:27.66 ID:mGmd6PMJO
とにかく外に出てみることにした。そしたらなにかが分かるような気がしたからだ。
危なげな音をたてるドアを開けた。
容赦ない太陽の光が襲ってきた。

( ^ω^)「熱いお…」

足のサイズに合う靴がなかったため、小さなサンダルにつま先を無理矢理突っ込んで道を進んだ。
サンダルから伝わるアスファルトの熱を感じながら、周りを見渡し人を探す。

何も変わっていない。少年時代の記憶を引き出しながら、風景を懐かしんだ。
ジャングルジムしかない公園。
泣きながら通った歯科医院。
一回見逃したら二度と来ない気がしたバス停。
すべてが懐かしかった。

しかし人の気配が全くしない。

54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:38:00.45 ID:mGmd6PMJO
知っている町なのに少し怖じけづいている自分に気がついた。
誰もいない。どこぞのホラー映画の舞台にいる気分になる。

( ^ω^)「そうだお。あそこに行ってみるお…」

そこは自分の家から五分と離れていない場所だった。
暇になればそこに寄り、嬉しい事があればそれを共用したくて靴も履かずに走って行った。

歩を進める。

思い出が沢山ある。楽しい思い出が。
ゲームをした。花火をした。
飼っていた犬の葬式を二人で行った。
餅を突いた。要領が悪いと怒られた。
おママゴトもした。二人しかいないのにペットの役をやらされた。
雪が積もれば雪で遊んだ。

そんな日々が永遠と続くと思っていた。

もういない幼なじみの一軒家にたどり着く。


( ^ω^)「ツン…」

56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:41:04.63 ID:mGmd6PMJO
とりあえず呼び鈴を鳴らしてみた。
もしかして。もしかしたら会えるかもしれない。
そんな期待が胸をよぎる。
こだまする呼び鈴の音が聞こえてきた。しかし中から反応がしない。
もう一度押してみる。

( ^ω^)「駄目かお…」

胸を撫で下ろした。正直に心に問い掛けた。
いなくて良かったなと。

しかし、

「ちょっとまっててください~」

体が自然に震えた。

58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:43:15.39 ID:mGmd6PMJO
扉が開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンじゃない」

何も変わっていなかった。本当になにも。
自分より少ししか変わらなかった身長。
衝動的に触りたくなる、ほんのり赤いほっぺた。
歩くたびに震えるくるくる巻き毛。

( ω)「」

一番聞きたかった声が、聞こえた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ぶ、ブーン?」

ξ゚⊿゚)ξ「泣いてるの?」


( ;ω;)

涙が止まらなかった。

59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:48:00.36 ID:mGmd6PMJO
( ⊃ω;)「泣いてなんかないお!目にゴミが入ったんだお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そうなの…」
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず家に入ったら?なにか用事があってきたんでしょ?」

( ^ω⊂)「お!」


ξ゚⊿゚)ξ「で、何しにきたのよ?」

(;^ω^)「えっと…」

61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:50:05.21 ID:mGmd6PMJO
( ^ω^)「!」ピコーン
( ^ω^)「ツンに会いにきたんだお!」

ξ#゚⊿゚)ξ⊃゜ω゚)ウギャー

ξ#゚⊿゚)ξ「だから、何しにきたかって聞いてんのよ」

(*^ω^)「おっお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「何笑ってんのよ?ドMか!」

(*^ω^)「ツンのパンチがうれしいんだお」

ξ//⊿/)ξ⊃゜ω゚)ギャー
ξ//⊿/)ξ「わ、私の!ぱ、パンチラが、す、すき好きとか!この変態!」

(;^ω^)「パンチラじゃないお!パンチだお!」

ξ//⊿/)ξ「う、うるさい!」

64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:52:31.78 ID:mGmd6PMJO
そういえばなぜ僕だとわかったのだろうか?
大人になって身長も伸び、顔も多少なりとも変わっているはずなのに。
すぐに聞いてみた。

ξ;゚⊿゚)ξ「なにいってるのよ?別に変わってないわよ?」

ツンはそういうと僕に手鏡を渡してくれた。
しかしそこに映ったのは大人な僕であり、背が縮んでたりはしていなかった。
なぜツンの目には少年の頃の僕の姿が映るのだろうか?

そんな疑問を浮かべていたら、頬に痛みを感じた。僕のほっぺたが痛みを訴えている。

(;^ω^)「な、なんだおツン?」

ξ゚⊿゚)ξ「なーに考えてるのよ?」

(;^ω^)「お…ごめんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「まぁいいけどね、私が暇になるじゃないの」

( ^ω^)「お!じゃあ公園にでも行くお!」

66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:56:16.52 ID:mGmd6PMJO
昔からそうだった。ツンは僕が悩んだりしているとすぐに気がついてくれる。
そして悩み事を忘れるぐらいに一緒に遊んでくれる。
一度礼を言ってみたことがあったが、真っ赤になって否定されてしまった。
本人からしたら、ただ暇なだけだそうだ。

色々聞きたいこともあるが、とにかくツンと遊ぶ事を考えた。
身体は大人になってしまったが心はあの日の子供時代に返し、心ゆくまで思う存分遊んだ。

公園にはジャングルジムしかないけど。



気が付けば夕方になっていた。


( ^ω^)「…」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 00:59:04.03 ID:mGmd6PMJO
( ^ω^)「…ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

( ^ω^)「ツン?」

ξ゚⊿゚)ξ「…なに?」

( ^ω^)「楽しかったお」

ξ゚⊿゚)ξ「まぁ私も」

( ^ω^)「ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「なに?」

( ^ω^)「元気かお?」

ξ゚⊿゚)ξ「元気よ」

( ^ω^)「ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

( ^ω^)「…」

伝えなければ。

68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 01:02:15.13 ID:mGmd6PMJO
夕陽が僕らを照らしてくれる。自然のステージが出来上がる。
僕とツンとの二人だけの舞台が。

今伝えなければ。
夢でもいい。幻覚でもいい。
今伝えなくちゃ。

きっと神様がくれたチャンスなんだ。
悪魔でもいい。魂を売ってやる。

もうなんでもいい。

目の前にいるんだ。ツンが。

69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 01:04:34.38 ID:mGmd6PMJO
( ^ω^)「ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

( ^ω^)「伝えたいことがあるお」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

( ^ω^)「ツン、」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

( ^ω^)「ツン大好きだお」

ξ゚⊿゚)ξ「」

( ^ω^)「…」

ξ゚⊿゚)ξ「私も」

( ^ω^)「…」

ξ ⊿ )ξ「…」


そのあとツンは一言も喋らなかった。
なにも言わずになにも返さずにツンの家にたどり着いた。

別れがくるのがなんとなくわかった。

71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 01:08:36.31 ID:mGmd6PMJO
( ^ω^)「…」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

( ^ω^)「…えっと」

ξ゚⊿゚)ξ「送ってくれてありがとね!」

( ^ω^)「…お!」

ξ ⊿ )ξ「また明日!」

(  ω )「お!」

最後に顔を見ることができなかった。
答えは返ってこなかった。
でもいいんだ。
言えたんだから。
ちゃんと伝えることができたと思うから。

家に帰るとすぐに寝た。

73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 01:11:16.58 ID:mGmd6PMJO
目が覚めるといつもの僕の部屋だった。
それからいつもの生活に戻った。
なにも考えなかった。
なにもなかったかのように。
働いて飲んで寝て。

つまらない日常が戻ってきた。
しかし今でもこの事は忘れない。
絶対に忘れない。


ツンがいなくなって伝えることができなかったことが言えたから。

74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/31(水) 01:14:28.64 ID:mGmd6PMJO

ツン。

きっと僕にはつらい事がこれからあるお。

きっと全部楽しい思い出話になるお。

きっといつか僕も天国に行くお。

きっとまた会うことができるお。

きっとその時まで。

さようなら。



終わり
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  1. 2010/03/31(水) 16:43:32|
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('A`)休日のKYDのようです

26:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:05:11.87 ID:veOYZ9Lc0
(#゚;;-゚) 「んんっ……コーヒーにがっ、まずっ」

(#゚;;-゚) 「休日ってヒマだなぁ……いい、凄くいい……」

(;A;) 「でぃねえちゃあああああん!!」

(#゚;;-゚) 「うわっ……」

(;A;)

(#゚;;-゚) 「ヒキガエルのゾンビ……?」

(;A;) 「純然たるドクオだよ!」

(#゚;;-゚) 「日曜の朝から図々しく泣きついて来たのは甥のどっくんか。何?何か用なの?めんどくさっ」

('A`) 「うん……ごめん……」

27:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:07:50.26 ID:veOYZ9Lc0
(#゚;;-゚) 「で、どうしたの?涙拭こう?そのままだとR指定かかるから」

('A`) 「あ、そうだった。兄ちゃんが虐めるんだ!」

(#゚;;-゚) 「ふぅん」

('A`)

(#゚;;-゚)

('A`) 「ですからね、その、ご家庭でその辺り叱ってあげるというか、ご注意して頂くというか……」

(#゚;;-゚) 「何のこっちゃ思えば。くだらん……」

29:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:11:37.03 ID:veOYZ9Lc0
(#゚;;-゚) 「あのねどっくん。お姉ちゃん、1ヶ月ぶりの休日なの。週5日4時間授業のどっくんとは違うの」

(#゚;;-゚) 「すーーーっごく疲れてるの。わかる?肌とか荒れてるでしょ?ストレスのせいよ」

('A`) 「多分それ前からだよ」

(#゚;;-゚) 「はたき回すぞクソガキが。じゃなくて、私の肌荒れの話はいいんだよ」

(#゚;;-゚) 「とにかく。何が言いたいって、兄弟喧嘩なんぞに呼ぶなよブサガキ!ってことだよ」

('A`) 「いみわからん!」

(#゚;;-゚) 「顔だけじゃなく頭も悪いの?悲惨だねどっくん」

(;'A`) 「小1ってこんなもんじゃない!?」

30:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:14:28.92 ID:veOYZ9Lc0
ξ゚⊿゚)ξ 「こらこら。ドクオに真実を告げるほど残酷な所業は無いんだから」

(;'A`) 「どういう意味!?」

(#゚;;-゚) 「あ、義姉さんおはよう。コーヒーどう?」

ξ゚⊿゚)ξ 「飲む。あんたの淹れたコーヒー美味しいのよね」

(#゚;;-゚) 「そりゃどうも。そうそう、どっくんが汚い顔で泣きついてくるんだけど」

('A`) 「かーちゃーーん!でぃ姉ちゃんと兄ちゃんがいじめる!」

ξ゚⊿゚)ξ 「どうしたのドクオ。頭がおかしくなったの?」

(;'A`) 「いじめられてるっつってんだろ!」

31:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:16:56.19 ID:veOYZ9Lc0
(´^ω^`) 「やーいやーい、ドクオのメタ野郎!不細工!顔面不自由!」

(;'A`) 「げ、来た!ちげーし!メタ発言してねーし!メタ発言はしてねーし!」

(#゚;;-゚) 「ブース!ブスブスブース!」

(;'A`) 「便乗すんな!いじめっこ幼稚園児か!」

ξ゚⊿゚)ξ 「ブース!父の遺伝子しか継いでないブース!」

ξ('A`ξ 「巻き毛はカーチャンの遺伝だよ」

(´・ω・`) 「うわっ……」

(#゚;;-゚) 「見てないフリしてたのに……」

ξ゚⊿゚)ξ 「やめてよね、ほんと……」

('A`) 「……ごめん……」

33:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:21:33.89 ID:veOYZ9Lc0
(#゚;;-゚) 「空気読めないドクオ。略してKYD」

(´・ω・`) 「KYD」

ξ゚⊿゚)ξ 「KYD」

('A`) 「Dはいらないだろ」

(´・ω・`) 「まぁドクオはいらないっちゃいらないね」

ξ゚⊿゚)ξ 「ドクオはいらないから消しましょうか」

(#゚;;-゚) 「そうだね、ドクオはいらないね」

(;'A`) 「え、いやドクオは人類の発展に必要不可欠な人材だよ?」

(#゚;;-゚) 「え、人類……?」

(´・ω・`) 「いや……人類って、こんな……?」

ξ゚⊿゚)ξ 「人類……んー……?」

(;'A`) 「そこに何が引っかかってるの!?」

34:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:23:51.30 ID:veOYZ9Lc0
ξ゚⊿゚)ξ 「まぁドクオがホモサピエンスだったと仮定しての話なんだけど」

ξ゚⊿゚)ξ 「アメリカ人だったらさ、絶対いじめられるわよね」

(;'A`) 「カーチャン何言ってんの?」

(#゚;;-゚) 「カフェでお盆ひっくり返されるよね」

(´・ω・`) 「サンドイッチ踏まれるよね」

(;'A`) 「想像に難くないからやめて、ほんとやめて」

(#;;;A;) 「あぁっ、踏まないで……」

ξ;A;)ξ 「やめてー!」

(*´・A・) 「はぁはぁ、踏んで、もっと踏んで、ああっ!」

(;'A`) 「やめてくんない!?特に兄ちゃんきもいんだけど!」

35:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:26:46.08 ID:veOYZ9Lc0
ξ゚⊿゚)ξ 「青い目のイケメンハゲに言われるのよ」

(´゚ω゚`) 『どけよドブオwwwwwwwほらハニーこっちだよ、ここが空いてるよwwwwwwww』

(#゚;;-゚) 『やだわドブオの座った席なんてwwwwwwあっちにしましょうよダーリンwwwwww』

(´^ω^`) 『そりゃそうだハハハwwwwwドブオは床にへばりついたガムでも舐めてろよwwwww』

ξ'A`)ξレロレロ 『はい、すいません……』

ξ゚⊿゚)ξ 「って感じよね」

(;'A`) 「感じよねじゃねーよ!お前これただのイジメだろーが!」

(´・ω・`) 「そうだよ。アメリカに生まれなくてよかったね」

(;'A`) 「いやそれじゃない、これ!このやり取りがイジメっつってんの!」

(#゚;;-゚) 「ポジション的に考えて予定調和でしょう」

(;'A`) 「根も葉もないこと言うなよ!」

39:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:31:52.88 ID:veOYZ9Lc0
ξ゚⊿゚)ξ 「お腹へったわね」

('A`) 「うちの母まじフリーダム」

(#゚;;-゚) 「もつ煮がいい」

('A`) 「まだ午前10時なのに重たっ」

(´・ω・`) 「ドクオ頼むよ」

ξ゚⊿゚)ξ 「頼むわねドクオ」

(#゚;;-゚) 「任せたよどっくん」

(;'A`) 「6歳児には無理だろ。身長119センチの俺だとまな板が目線になるし」

ξ゚⊿゚)ξ 「ぐだぐだ言うなよ、空気読めドクオ」

(´・ω・`) 「KYD」

(#゚;;-゚) 「KYD」

(;'A`) 「それ気に入ってるのか知らんけど、全然面白くないよ?」

40:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:34:01.99 ID:veOYZ9Lc0
(´・ω・`) 「もつ煮だよ、早く!」

(;'A`) 「は、はい……」

(#゚;;-゚) 「ど、どっくん……」

(;'A`) 「に、兄ちゃん、やっぱりやめましょうこんなこと……ね?」

(#´゚ω゚`) 「だめだ!だったらこのドクオ整形して見られる顔にしてくれよ!」

(;'A`) 「酷くない!?」

(#゚;;-゚) (´・ω・`) ξ゚⊿゚)ξ 「KYD!!KYD!!」

(;'A`) 「うるせぇチクショー!作ればいいんだろ作れば!」

41:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:36:02.71 ID:veOYZ9Lc0
('A`) 「落し蓋をしてっと……後は3時間くらい待てば味が染みると思うよ」

(#゚;;-゚) 「え」

ξ゚⊿゚)ξ 「え」

(´・ω・`) 「え」

('A`) 「え」

ξ゚⊿゚)ξ 「お腹空いたんだけど」

(#゚;;-゚) 「私も朝から声出してお腹空いた」

(´・ω・`) 「今空いてるんだけど」

(;'A`) 「じゃあ何でもつ煮をリクエストしたんだよ!折角作ったのに気分悪いわ!」

(´・ω・`) 「『時間かかるよ』って一声かければよかったじゃないか。このドクオ」

ξ゚⊿゚)ξ 「その辺気が利かないからアンタはドクオなのよ」

(#゚;;-゚) 「まったくホントどっくんはドクオだよね」

(;'A`) 「悪口みたいに言わないでくれる!?」

43:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:38:34.08 ID:veOYZ9Lc0
ξ゚⊿゚)ξ 「今更思ったんだけどさ、ドクオの顔って何でひしゃげてるの?」

('A`) 「俺がひしゃげてるのを前提とした話題だしね。いいけどね別に」

(#゚;;-゚) 「さもひしゃげてないかのような口ぶりだね」

(´・ω・`) 「念のため言っとくけどお前ひしゃげてるからな」

(;'A`) 「俺が一番よく知ってんだよ!だからこそ家族ならわざわざ触れてやることないだろって話!」

ξ゚⊿゚)ξ 「ほら、私ツンデレだから。名前からして既にツンデレだし」

(#゚;;-゚) 「実は私も隠れツンデレなんだ。今まで黙っててごめんね」

(´・ω・`) 「僕もむっつりツンデレだったんだ。悪いね隠してて」

('A`) 「そう、俺もツンデレだったのです。皆俺の掌の上で踊らされていたというわけさ」

44:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:40:05.51 ID:veOYZ9Lc0
('A`) 「なんちってwww」

(#゚;;-゚)

(´・ω・`)

ξ゚⊿゚)ξ

('A`) 「……ごめん……」

(#゚;;-゚) 「そうだ。折角の休みだしさ、兄さん起こして遊ぼうよ」

ξ゚⊿゚)ξ 「そうね。丁度4人だし、スマブラしましょう」

(´・ω・`) 「母さん1人VS僕ら3人くらいじゃないと勝負にならないよね」

(#゚;;-゚) 「義姉さんのシークむっちゃ強いよね」

ξ゚⊿゚)ξ 「主婦は暇だからね、鍛えてるのよ」

('A`) 「いやいや、俺のピーチだって中々だぜ?」

(#゚;;-゚) 「……」

ξ゚⊿゚)ξ 「……」

(´・ω・`) 「……」

(;'A`) 「ほんとそういうのね、子供によくないよ?グレるよ?」

45:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:42:15.49 ID:veOYZ9Lc0
('A`) 「ほら、仲良くしようぜ。ドクオだって人間さ、君たちと同じ人間さ」

(#゚;;-゚) 「……」

('A`) 「君たちと同じ、心を持っているんだよ、ドクオは」

ξ゚⊿゚)ξ 「……」

('A`) 「同じ色の血が流れているし、染色体の数だって同じさ。つまり、ドクオ=君たちなんだ」

(´・ω・`) 「……」

('A`) 「……」

(#'A`) 「チクショーー!トーチャンに言いつけてやるううううう!」

46:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:43:57.45 ID:veOYZ9Lc0
('A`) 「起きてよトーチャン!トーチャン!」

( -ω-) 「んー……僕には家族が、触らないで……」

('A`) 「トーチャン!寝ぼけてイメージアップ図らなくていいから起きてよ!」

( =ω=) 「んー……」

('A`)

( ゚ω゚)

('A`)

(ヽ´ω`) 「息子かと思ったら悪い夢だった……げんなり……」

(;'A`) 「息子だよ!」

(ヽ´ω`) 「まぁ大差無いか……ムニャムニャ」

(;'A`) 「あるよ!もういいよチクショー、いい夢見てね!」

階下|<モツニフツウネ チュウノゲダネ ドクオニシチャガンバッタホウデショ

(;'A`)ドタドタ 「だーれが作ってやったと思ってんだああああああ!!俺も食うってばあああああああ!!」

47:('A`)休日のKYDのようです :2010/03/26(金) 20:46:18.25 ID:veOYZ9Lc0
(´^ω^`)レロレロレロレロレロレロ

('A`) 「兄が大鍋に顔を突っ込んでレロレロ言ってるのを見た俺の気持ちがわかるかい?」

ξ゚⊿゚)ξ 「知るかボケ」

('A`) 「口を開けば暴言が返ってくるっていうね。いいけどね別に。で、俺の分は?」

(´・ω・`) 「そういうわけさ」

(#゚;;-゚) 「そういうわけだよ」

ξ゚⊿゚)ξ 「そういうわけよ」

(;'A`) 「どういうわけで大鍋いっぱいのモツ煮が無くなるんだよ!」

ξ゚⊿゚)ξ 「うるっさーい!あんたご飯抜きだからね!」

(;'A`) 「もう無ぇだろーが!」 続きを読む
  1. 2010/03/26(金) 21:46:53|
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('A`)シベリアキョセイクラブのようです 3/3

836:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:18:15 発信元:58.88.223.62
アサピーサヨクチョフは真面目な優等生として学校でも近所でも通っていた。父親はノンキャリアの地方官僚で、猛烈な
コンプレックスを持っていた。母親も、夫の立場の低さに苛立っていた。それで、子供には6歳から1日5時間の
勉強を強要し、早いうちから競争心を植え込ませた。反面、彼の感情や欲求と言うものは抑え込んだ。

買い与えられたカメラだけが唯一の慰めであった。
最高の被写体を探し求めるうちに、一人の少女に目が留まった。それがツニャーナであった。


ξ゚⊿゚)ξ「死ね!クラスの男子全員死ね!」


 (なんて素直な、ありのままの表情なんだ....僕の被写体にぴったりだ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           ああ、そしてこの怒号!モーツァルトよりも癒される.....)     【◎】(@∀@*):::
                                           :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
特に素晴らしい表情を見せるのは、ブーン三連星のスカートめくりの後だった。
それで、ブーンたちの後にこっそり付いてまわり、フィルムに、心にツニャーナを焼き付けた。


838:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:22:16 発信元:58.88.223.62
だが、最高の被写体にまとわりつく(実際には逆なのだが)邪魔者が現れた。それが、デミターチョフ先生だった。


ξ゚⊿゚)ξ (´・_ゝ・`)

                                           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 (僕の被写体を汚すやつめ!学校にいられないようにしてやる..)  ::::::::::::::::::::::: 【◎】(@∀@#)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

皮肉な事に、これがきっかけとなって本来水と油のはずであったツニャーナとブーンを結びつけてしまった。
そしてそれとともにアサピーの愛した彼女の怒りの表情は無くなってしまった。



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: : :: :
(#@∀@)【◎】(許せん....デミターチョフの二の舞にしてやる....奴の痴態を晒してやる!)
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                                                 (*^ω^)< ナマ着替エ中ダオ

841:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:24:23 発信元:58.88.223.62
だがブーンには無効であった。

(#@∀@;)(くそう、おのれブーンめ!こうなったら実力行使だ)

攻撃は身体的なものへとエスカレートした。



でも彼は元々人に危害を加えて平気でいられるほどタフでも無神経でもなかった。
それに、本来危害を加えることが目的ではなかった。

だからブーンを病院送りにしてからというもの、眠りは彼から去り、神経は昂る一方であった。

そしてそこにシベリアキョセイクラブを名乗る団体からの脅迫状、(架空のだが)恐ろしい報道が来た。

アサピーはノイローゼに陥り、見るもの聞くものすべてに陰謀がかくされているとさえ感じた。
そして、全ての物陰、木の陰、草原や茂みの中から、何者かが自分を四六時中監視しているような気がした。
不眠症も手伝い、夢か現かわからぬような状態で昼も夜も過ごした。

            :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
            ::::::::::::: :::: ::::::::::::::::::::::(-@Д@)::::::::::::::::::: :: ::::::::::::::::::::::::::
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843:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:26:29 発信元:58.88.223.62
そんなアサピーに引導を渡す最後の一撃が下った。


                    「ねえ、シベリアキョセイクラブって知ってる?」

という声を聞いた。

                          ミ;;:;;:゙ミ
                         rJ('A`)し  
                          彡彡'ミ          
                          彡彡'ミ
                           u u

目の前に小柄な少女がいた。
目深に帽子をかぶり、すっぽりとコートにおさまっている。

女装したドクオだ。

(-@Д@;)「な、なに?お、おま、お前は一体誰だ?なぜ知っている?」

アサピーは衝動的に、半狂乱になりながら追いかけた。

847:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:29:25 発信元:58.88.223.62
しばらくすると、少女は消えた。アサピーは辺りを見回す。すると、50mも先に少女がいた。
追いかける。少女は消える。また先にいる。

                          ミ;;:;;:゙ミ
                         rJ('A`)し  
                          彡彡'ミ          
                          彡彡'ミ
                           u u

実はスナオリャがドクオと同じ服装をして、交互に先回りしていたのだ。

遂に村はずれの小屋の前まで誘導した。そこはかつての彼らのアジトであった。
扉は開いており、吸い込まれるようにアサピーはそこへ突入した。横に隠れていたドクオは外側から鍵をかけた。

(-@Д@;)「あ、おい、出せ!くそっ」

849:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:31:20 発信元:58.88.223.62
真っ暗な室内は、ヲッカとタバコのすえた匂いで充満していた。
そこへ、地をはうような女の声が響いた。

「われわれは、シベリアキョセイクラブ 女の敵を殲滅する事を目的としている

 そう、貴様のような」



(-@Д@;)「ぎぇっ!」



声は続く。

「貴様の股間は、粛清に値する

 少女盗撮と、デミターチョフの妹を晒し者にした件だ」


次の瞬間、部屋の明かりがついた。

852:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:35:19 発信元:58.88.223.62
壁には長身のコート、シベリア全土の地図、ハンマー、ナイフ、そして×を付けられたいくつもの男性の顔写真...
いや、×を付けられていない顔が一つだけあった。


                      「(-@∀@)【◎】」


(-@Д@;)「あわ、あわああ....」



しかしとどめを指したのは机の上に置かれたものであった。
新聞、飲み倒されたヲッカ、タバコの吸殻.......

そして瓶があった。

青緑色の水溶液の中に15センチほどのチューブ状のものが何本も入っていた。


アサピーの理性は完全に崩壊した。

855:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:37:42 発信元:58.88.223.62


              (@Дo)

「キヤア{‘\ネエ$%&$#&#$#%”$”#%#&&”」

バスクラリネットが狂ったような音だった。
外にいたドクオは戦慄した。自分たちが演じている狂気よりもはるかに、アサピーの断末魔の声に戦慄した。

デレーニャはテープを再度低速で再生させた。


「だが、あのハレンチなブーンを攻撃したことは評価する。

それに免じて、キョセイはしない。だが、再度このようなことがあった場合、貴様の股間は保証しない」



スナオリャはドアを開けた。まさしく脱兎のようにアサピーは疾走していった。

857:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:40:41 発信元:58.88.223.62
空にはもう月が照っていた。



o川*∀)oζ(∀*ζ「やった、やったあ!キャッキャウフフ」

キャッキャウフフとしか表現しようの無い少女特有の高周波数で喜びをわかちあっていた。


だがドクオは後味の悪さを感じていた。心理的不能にされてしまったアサピーに心底同情した。

小屋に入ると、ドクオはおやつがわりに食べていたピクルスの瓶を見つけた。


('A`)「あ、こんなところにあったんだ」


ピクルスをボリボリかじりだした。

859:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:44:04 発信元:58.88.223.62
さて、このようにシベリアキョセイクラブは大勝利(と言うべきか一方的な処刑と言うべきか)をおさめ、平穏な日々が
また戻ってきた。

しかしである。
ある朝配達されたシベリア新聞を見て、ドクオは仰天した。

小さな見出しであったが、そこにはあの団体名があった。

「小学校の謝恩会で異色の前衛劇

     "シベリアキョセイクラブ"とは何か」

シベリア新聞社の編集長がデレーニャの言葉を真に受けて記事にしたのである。


ζ(゚ー゚*ζ「どーすんのこれ....」

o川*゚ー゚)o「訂正してもらうしかないでしょ」

('A`)「アサピーが知ったら事だな」

ζ(゚ー゚*ζ「それは大丈夫。『新聞を見ただろう。我々の思想教育は、学校にも及んでいる』と書いてポストに入れておいたから」

ドクオは女は恐ろしいとの思いを強くした。

864:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:49:24 発信元:58.88.223.62
o川*゚ー゚)o「学校で、シベリアキョセイクラブ楽しみにとか言ってるから、『は?何の事?』っていったら新聞見せられた。
       小道具の新聞かと一瞬思った」

ζ(゚ー゚*ζ「ツニャーナ姉さんが愕然としてたわよ.....どうしよう」
       
そのとき、ドクオの頭に何か閃いた。

('A`)「やろう。やろうぜ、シベリアキョセイクラブの劇を。みんな楽しみにしてんだからさ」

o川*゚ー゚)o「やーよ」
ζ(゚ー゚*ζ「絶対無理」

だがドクオの決意は固かった。

姉二人の賛同が得られないのを知ると、自分で劇団員を集め、謝恩会に向けて着々と準備をした。
ドクオは燃えていた。

868:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/22(月) 20:59:13 発信元:58.88.223.62
よく晴れたうららかな春の日。
謝恩会の日となった。ブーン三連星とツニャーナは並んで座っていた。

やがて下級生たちからの出し物となった。


( ^ω^)「次はシベリアキョセイクラブってやつだお」

( ・∀・)「キチガイ度100だな」

ξ゚⊿゚)ξ(...............何、ほんとにやるの?)

<ヽ`∀´>「始まったニダ!」

( ^ω^)「なんかすげえ女が出てきたお」

「我々は、人の姿をした猛獣に他ならない男性の誇りを奪い去り、女性の手下とすることを目的とする。
これはシベリアの制圧からはじまり、ソヴィエト連邦全土..............」 続きを読む
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('A`)シベリアキョセイクラブのようです 2/3

512:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/20(土) 12:37:40 発信元:222.149.133.16
普段のツニャーナだったら騒ぎ立っただろう。
でも、ここのところ落ち込んでいた彼女にはそんな気力は無かった。

低い声で、

ξ゚⊿゚)ξ「どこにいくつもりよ」

としか聞かなかった。三連星はそれに答えなかった。

( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「ロリ誘拐~ロリ誘拐~♪」




着いたのは駅である。プラットホームには、スーツケースを片手にしたデミターチョフ先生がいた。まさに列車に乗り込もうというところであった。

ブーンが背中をどつく。

( ^ω^)「最後の挨拶ぐらいきちんとしろお」

そして三連星はブーンといいながら車に戻った。

514:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/20(土) 12:41:50 発信元:222.149.133.16
ξ゚⊿゚)ξ「先生....」

(´・_ゝ・`)「ああ、ツニャーナ君か。驚いたな.....
      いままでありがとう。楽しかったよ」

ξ゚⊿゚)ξ「本当の事を言ってください」

(´・_ゝ・`)「あの壁新聞にかかれてるとおりだよ。僕は、年下の娘と一緒に暮らして、彼女は妊娠してる

      でも君には伝えておきたいな、あれは、僕の妹なんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ」

(´・_ゝ・`)「僕の妹が、誰とも知れない奴の子供を孕んだ。うちの親が勘当してさ、僕んとこに身を寄せてたんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「なぜそのことを皆に言わないんですか」

(´・_ゝ・`)「僕が泥をかぶるくらいだったら、いい。
      でも君に話せてよかったよ。お願い、このことは誰にも言わないでおいて」

列車の奥から、妹らしき人物がペコリと頭を下げた。
先生は列車に乗り込み、扉がしまった。


ツニャーナは風に吹かれながら列車が遠ざかるのを見ていた。

516:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/20(土) 12:45:53 発信元:222.149.133.16
トラクターのほろの中で、ツニャーナはぼんやりと物思いに耽っていた。

そして、前の方を向いて何か言おうとした。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、あんたたちは先生を信じる?」

( ^ω^)「何も言わなくていいお」

( ・∀・)「お前が信じてられりゃそれでいいんだよ」

<ヽ`∀´> 「ウリはいかなる時でも祖国マンセーニダ。お前も見習えニダ」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたたち....あ、あり...」

感謝の言葉なんて、彼らに言ったことはない。それゆえ、なかなか出てこない。

518:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/20(土) 12:49:45 発信元:222.149.133.16
もっとも、彼らもそんなシュチュエーションはこそばゆかった。

( ^ω^)「お前のスカートめくるのも理由なんて無いお。それと同じだお」

( ・∀・)「そうそう、色っぽくもねえし」

<ヽ`∀´> 「可愛げもないお前のスカートめくる理由なんてないニダ」


ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、お願いだから死んで」

こんなにやさしい感じの「死ね」は、いままで言ったことがなかった。



しばらくして、ツニャーナは重要な事に気づいた。

ξ゚⊿゚)ξ「そういえば、なんであんた運転なんかしてんの?
      そもそもこのトラクター誰のよ」

( ^ω^)「オヤジのだお。見よう見まねでなんとかなるお おっ」

といったまさに次の瞬間、衝撃音がして車は用水路に脱輪した。

519:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/20(土) 12:54:01 発信元:222.149.133.16
それからツニャーナの男子に対する敵愾心は収まっていった。
三連星は相変わらずだったが、もっと大きな心で対応できるようにもなった。

いままでツインテールだった髪をストレートロングにしたのもその頃であった。


ξ゚⊿゚)ξ「ねえお母さん、お父さんがいつかくれたカチューシャ、ある?」

J( 'ー`)し「どういう風の吹き回しかしら。座って。髪をとかしてあげる」


髪をとかしながら、鏡台に写ったツニャーナに言う。


J( 'ー`)し「ひょっとして、好きな男の子でもできた?」

ξ゚⊿゚)ξ「えー、そんなんじゃないよ」

そこへ父親とドクオが帰って来た。久々の休暇で、親子で釣りに出かけていたのだ。

521:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/20(土) 13:00:08 発信元:222.149.133.16
( ´W`)「ただいま。

     おお、ツニャーナ、よく似合ってるよ、そのカチューシャ」

ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう

ドクオ、魚は釣れた?」


('A`)「......」

ドクオは魚の入ったバケツを持ちながら、ぽかんと口を開けて見ていた。
ブーン達にさらわれた日以来、姉の様子がおかしい。
得体の知れない気持ち悪さを感じていた。こんなの姉貴じゃない。

特に気持ち悪かったのは、つい1ヶ月前まで自分に乱暴(キョセイ)していた姉が、もう何年も前から
落ち着いているような素振りを見せていることだった。40パーセントの気持ち悪さと50パーセントの
腹立たしさ、そして残り10パーセントの寂しさのようなものが彼の胸に去来した。女はバカの上に
不気味だ、というのが彼の新たなテーゼになった。

確かに、シベリアキョセイクラブは過去のものになった。
が、再びその名を、しかもシベリア中に轟かせることになろうとは、この時思わなかった。

622:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/21(日) 00:08:17 発信元:222.149.133.16
さて、そんなこんなでツニャーナたちの卒業シーズンが迫ってきた。

ツニャーナは三連星とちょっといい仲になっていた。特にブーンとは、たまに一緒に下校するぐらいの
間柄になっていた。

そんな日々に事件が起きた。
また壁新聞によって、スキャンダルが報じられたのである。
今度の標的は、ブーンだった。

「激撮!女子更衣室を覗く出歯亀野郎」

鼻の下をのばして女子更衣室を覗くブーンがしっかりと写っていた。
しかし、先の事件ほどの反響は得られなかった。

「ブーンだったら仕方ない」

という反応がほとんどであったからである。残りは(先生方がほとんどだが)

「あいつの所業はこんなもんじゃない」

というものだった。ブーン自身は、「ネタになっておいしい」とすら思っていた。

その後もネタを変えていくつも壁新聞が貼られたが、一向に効果が無かった。

625:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/21(日) 00:11:06 発信元:222.149.133.16
ついに匿名の憎悪は、単なる中傷だけでなく身体的なものに及んだ。
ブーンは自転車通学をしていたが、彼の自転車に何者かが細工をしたのだ。
ハンドルの付け根の部分のナットが一本抜かれていた。

スピードを出したときに、ハンドルが付け根から外れた。前のめりになってブーンは道路に顔を擦った。
全治2週間の怪我である。

残る二連星とツニャーナでお見舞いに行ったら、相変わらずの調子であった。

(//ω^)「顔が命がブーンなのに、なんてこったい」

( ・∀・)「いってろいってろ」

<ヽ`∀´> 「まだ今の方が見られるツラニダ」

ξ゚⊿゚)ξ「....なんか、ごめん.....」

(//ω^)「何でお前が謝るお?」

( ・∀・)「自意識過剰なんじゃねーの?」

<ヽ`∀´>「お前なんか、東海における小日本の如き存在ニダ」

(//ω^)「そんな事より、ここの看護婦さんが美人なんだお....」

下らないおしゃべりで少し気が晴れたが、自分のまわりを狙って何者かが攻撃をしている。
ツニャーナはそう感じていた。

629:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/21(日) 00:15:07 発信元:222.149.133.16
勿論この事は学校中の話題だったので、妹や弟も知っていた。

('A`)「一体誰なんだろうな、ほんとに薄気味悪い。
   何が目的なんだろう」

ζ(゚ー゚*ζ「そりゃ、勿論姉さん狙いでしょ」

('A`)「確かに、恨みは相当買ってるだろうな。
   だけどそれだったら姉貴を狙えばいいじゃん」

o川*゚ー゚)o 「馬鹿ね。姉さんに近づく奴が邪魔なのよ」

ζ(゚ー゚*ζ「姉さん、結構な美人だもんね
       最近は特に綺麗になった」

('A`)「は?意味わかんねぇ


   おいおい、ちょっと、もしかして、姉貴の事が好きな奴がやきもち焼いて
   それで先生やブーンを狙ったってこと?」

o川*゚ー゚)o「そうよ」

ζ(゚ー゚*ζ「それ以外、何があるっていうの?」

630:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/21(日) 00:17:21 発信元:222.149.133.16
ドクオの頭は完全に混乱していた。
その姿は、地球が球体であるとか太陽のまわりを回っているということを
受け入れにくかった古代人にも似ていた。

o川*゚ー゚)o「私たちで犯人を捕まえましょう」

ζ(゚ー゚*ζ「そう、姉さんに内緒でね」

('A`)「変に心配したりギャーギャー騒がれてもうざいからな」

o川*゚ー゚)o「女の敵に鉄槌をくだすのよ!」

ζ(゚ー゚*ζ「シベリアキョセイクラブ、復活ってこと!」

('A`)「やめ、やめてくれ!!!」

だがなぜか、ドクオの顔はにやけていた。

633:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/21(日) 00:20:28 発信元:222.149.133.16
翌日から早速シベリアキョセイクラブ探偵団は活動を開始した。
まずは犯人のプロファイリング、絞り込みである。
その結果、

           1.クラスメートによる犯行(ブーンとの仲を察知できるほどの距離にある)
           2.中程度以上の知的能力(壁新聞による中傷、自転車のボルト外し)
           3.写真愛好家(同上)
           4.逆上癖、エスカレート行動(中傷→身体的攻撃)


などの人格的特徴が認められた。あてはまる人物は1人しかいなかった。
その人物のアリバイを探った。

o川*゚ー゚)o「職員室から出欠簿をコピーしてきたわ」

ζ(゚ー゚*ζ「...............やっぱり。この日は半日授業。登校から下校まで、自転車置き場に行き、
       人目に付かずボルトを外すタイミングがあるのは.....」

o川*゚ー゚)oζ(゚ー゚*ζ('A`)「欠席したこいつだけ」

三人がビシッと指差したところには、あの人物の名前が表記されていた。

636:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/21(日) 00:24:38 発信元:222.149.133.16
その夜、被疑者の家へ偵察にいった。その部屋は庭に面した一階にあった。
庭の芝生の上に、部屋の光が落ちていた。

三人は窓から覗いた。思ったとおりであった。

壁一面に、ツニャーナのベストショットが貼り付けられていた。
そして、床にミステイク、ブーンや他の人物がともに映ってしまったものが破かれていた。

窓際には机があり、その上に騒動のもととなった壁新聞の原紙が置かれていた。
犯人は確定した。


やがて犯人が部屋に戻ってきた。犯人は、壁のツニャーナの写真に息を荒くしだした。

ζ(゚ー゚*ζ「やだ....信じられない」

こう言ったのはショックを受けたからではない。あまりにも犯人像がありきたり過ぎて、ベタだと感じたのだ。
彼女は物事を、小説を読むような感覚で捉えていた。

もっともスナオリャは純粋に嫌悪感を抱いたらしく、

o川*゚ー゚)o「男どもは皆死ね」

というクラシカルなフレーズを口にした。 続きを読む
  1. 2010/03/23(火) 14:35:12|
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('A`)シベリアキョセイクラブのようです 1/3

166:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/14(日) 00:34:05 発信元:123.221.192.183
世の中にフェミニストと呼ばれる人々がいる。

女性の地位向上を目指し、男性優位の社会に物申す人々だ。
しかしフェミニストの団体は数あれど、こんな激しい団体名をもったフェミニスト集団はいないだろう。

「シベリアキョセイクラブ」

この過激団体の目的はこうだ。

「我々は、人の姿をした猛獣に他ならない男性の誇りを奪い去り、女性の手下とすることを目的とする。

これはシベリアの制圧からはじまり、ソヴィエト連邦全土、また世界同時革命とともに完遂される。

我々の闘争は新世代の仮借なき階級闘争である」 宣誓ー19XX年、X月


こんなことを宣言したら、いくら辺境であるシベリアといえどもクレムリンの目を免れ得まい。
だが実際にはクレムリンどころか、村役場でさえ関知しなかった。

男性の誇りを奪う儀式を彼女らは「キョセイ」と読んでいた。
陽気の良い午後の昼下がり、このシベリアの片隅で今日も陰惨なキョセイが行われようとしていた。

168:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/14(日) 00:36:47 発信元:123.221.192.183
彼女達のアジトから、ものすごい勢いで出て行く何者かがいた。

ξ゚⊿゚)ξ あいつが逃げたわ!追うのよ!

o川*゚ー゚)o おいこら、まてー

('A`)    畜生、捕まってたまるか、毎回毎回....

獲物は少年である。
少年は村から続く一本道を必死に逃げていたが、追いつかれると知ると横の草原に飛び込んだ。
そして、必死で草原の中を駆けていった。

が、背の高い草の群落に遭遇すると、根元にけっつまづいてこけてしまった。


('A`)うわあああああああ、やめろ、やめてくれ!

まるでライオンの爪にかかったインパラのように、恐怖と諦めの混じった表情を浮かべている。容赦はない。
少年はずるずるとアジトへと引きずられていく。最初、悲惨な叫び声が聞こえるが、じきに声は弱々しくなり、やがて途絶える。

172:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/14(日) 00:42:11 発信元:123.221.192.183
こんなことを書くと、凶悪な逆レイプ集団のように思うかもしれない。
だが、何のことはない。彼らは子供で、兄弟姉妹なのである。

そして、キョセイと言う言葉は単に男性の誇りを奪う、という意味でしかない。

というよりも、彼女らは(及びドクオも)キョセイの意味をよく知らない。

もともと近所の牛飼いの親父が冗談めかして使っていたのを勘違いして、「男性の誇りを奪う、服従させる」の
意味で使っていた。無知とは恐ろしいものである。


一番上がツニャーナ(書記長)、二番目がスナオリャ(副書記長)、そして獲物が末っ子のドクオ。

本当は書記長代理兼特命秘書がいる。しかし彼女はこうした茶番には付き合わず、どこかの木陰でいつも読書に
いそしんでいた。

175:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/14(日) 00:51:27 発信元:123.221.192.183
さて木陰で読書をしていた書記長代理兼特命秘書に近づく一人の得体の知れない人物がいた。


ζ(゚ー゚*ζまたお姉さんたちにいじめられたの?


彼女の名前はデレーニャといい、ドクオと双子の姉妹であった。


('A`)いじめられたんじゃない、き ょ せ い されたんだよ


キョセイとは詰まるところ、強制的に化粧を施され、女装をさせられることであった。


ζ(゚ー゚*ζふふふ、やだ....


さすがに本をよく読んでいるだけあって、キョセイの意味を知っていた。
のみならず例の宣言文は彼女の手になるものだった。読書家の彼女は単調な児童文学に飽き足らず、
初期共産主義者やアナーキストの文章を好んで読んでいる変わり者だった。

もっとも姉たちの暴挙には一線を引いていて、特別に要請されると渋々任務を果たしていた。

177:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/14(日) 00:59:00 発信元:123.221.192.183

得体が知れない、と書いたのは、普通の人であればドクオであると見分けられないほど悲惨な化粧が
施されていたからであった。おしろいはまるでピエロの化粧のように分厚く、口紅は真っ赤なゴムパッキンを
おもわせるように太く引かれていた。

彼女はドクオの頭に手をやり、一つ一つヘアピンを抜いてやった。
そして持っていたハンカチでドクオの悲惨な化粧を拭ってやった。


だが拭っている最中にドクオはくしゃみをした。

その結果、口紅が鼻の下まで塗り伸ばされた。


ζ(゚ー゚*ζアハハ...もうやだ.....フフフフ お化けみたい

('A`)ちくしょう、何の因果でこんな目に会うんだ



こんな感じで彼の週末はいつも過ぎていった。


422:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/19(金) 18:01:39 発信元:123.221.208.163
さて、この恐るべきシベリアキョセイクラブの本拠地はと言うと、シベリアのどこにでもある
和やかな家庭だった。


J( 'ー`)し「ただいま。さあ、子供たち、今日はお父さんが帰ってくる日だわ」

('A`)   「おかえり」

J( 'ー`)し「あら、まだあんたしか帰ってないのね」

('A`)  「シラネ」

 J( 'ー`)し「また姉さんたちにつかまったのね。口紅がまだ残ってるわよ、フフフ」


どぎつい化粧があらかた拭われた後には、まだうっすらと化粧が残っていた。
皮肉な事に今の方がはるかに女っぽく、そしてその道らしく見えるのであった。

423:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/19(金) 18:05:35 発信元:123.221.208.163
('A`)   「元はと言えば母さんのせいなんだからな、うらむぞ一生」

J( 'ー`)し 「でも化粧すると...あんたもなかなかなのにねえ

       男の子にしちゃ冴えないのに、皮肉なものね」


もともと母親は子供は全員女の子がいい、と思っていた。だが、残念な事に最後の双子は
片方が男だった。諦めきれない母親は、幼いころのドクオをしばしば女の子に仕立て上げた。
もちろんドクオは激しくそれを嫌がった。

そして、それを見て姉たち(主にツニャーナ)はドクオに女装を強要することを思いついたのである。





そうこうしているうちに、大きな音を立てて玄関が開いた。

424:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/19(金) 18:08:48 発信元:123.221.208.163
( ´W`)   「ただいま」

J( 'ー`)し「お帰りなさい。お疲れさまです」

('A`)   「お帰り父ちゃん」

( ´W`)  「おお、ドクオ、元気にしてたか?何だお前... 色っぽいな」

('A`)   「くそう」

( ´W`)  「お前にお土産だ....ほれ」


父親の手に光ったのはベッコウのカチューシャだった。

('A`)   「父ちゃんなんか....嫌いだ」


そう言ってダッシュで2回へドクオは駆け上がった。


( ´W`) 「ああ、間違えた。悪い悪い。お前には本当は鉄道模型を...

     おーいドクオ、戻ってこんか」

425:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/19(金) 18:15:47 発信元:123.221.208.163
やがて娘たちも帰ってきた。

o川*゚ー゚)o 「おかえりなさーい」
ζ(゚ー゚*ζ「おかえり、パパ」

下の娘たち二人は父親によく懐いていた。
過激派の姉の手下ではあったが、スナオリャは別にそれほど男性を敵視しているわけではない。
彼女は姉に追従しているだけなのである。

やがてツニャーナも入ってきた。久々に見る父親に、ツニャーナは距離を空けて対峙した。
父親は一歩歩み寄る。

( ´W`) 「おお、ツニャーナ。帰ってくる度に女らしくなってくるなあ」

ξ゚⊿゚)ξ 「...............」

睨んでいるとも眺めているともつかない少女独特の目つきで父親を見ている。

( ´W`)「お前にお土産だ、ほら、カチューシャ...」

ξ゚⊿゚)ξ「いらない」

 J( 'ー`)し「なんてこというの。お父さんからのおみやげよ」

ξ゚⊿゚)ξ「いい」

と言い残し、ぷいっと行ってしまった。

( ´W`)「はっはっは、参ったな、こりゃ」

427:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/19(金) 18:25:48 発信元:123.221.208.163
やがて夕食となった。サケのクリームパイにイクラがどっさりと添えられたものが主食だ。父親の好物である。

サケのクリーム煮がパイの中に入っているが、ここの家庭ではピクルスのみじん切りがクリームに入っている。
それが、単調になりがちなクリーム味のアクセントになっている。

もちろんイクラは地場ものの粒の大きい新鮮なやつである。

父親は、食い、飲み、久々の、そしてつかの間の家族団欒を楽しんだ。

父親は川を航行する貨物船の船長をしていた。それで、途中で経由した街の土産話をたくさん家族に話した。
何度も聞いた話もあるが、いちいち指摘しないのが家族の掟となっていた。

やがて話題は学校や日頃の生活の事になり、父親は子供たちに水を向けた。
ドクオは、話す機会が訪れると、日頃の不満をぶちまけた。

430:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/19(金) 18:29:52 発信元:123.221.208.163
'A`)  「もうやんなっちゃうよ。俺、学校でも家でも落ち着かないんだ」

( ´W`) 「なんだ、いじめられてでもいるのか?」

('A`)  「毎日、キョセイされてるんだよ、姉ちゃんたちに」


茶の間の空気が淀んだ。


('A`)  「このまえさ、キョセイされたあとに、偶然友達に見かけられたんだ。
     そしたらそいつ、『ギャーッ オバケ』って逃げ出したんだよ。
     気づかれなかったからよかったものの、もう止めてほしいんだよ、キョセイなんか。

     姉ちゃんの同級生にはさ、『お前、あの女の下僕なんだろ』ってからかわれるし、もうやだよ」


さらに続ける。


('A`)  「姉ちゃんは、全ての男をキョセイするなんてのたまってんだぜ」

432:('A`)シベリアキョセイクラブのようです :2010/03/19(金) 18:34:33 発信元:123.221.208.163
完全に凍てついた空気を破るように憤然とツニャーナが発言する。


ξ゚⊿゚)ξ「だから何?男なんて、この世界からいなくなりゃいいのよ
      手始めにあんたってこと」


デレーニャは笑いをかみ殺していたが、やがて声に出してクスクスと笑い始めた。


ξ゚⊿゚)ξ「何がおかしいの?あんたは私たちのグループ、シベリアキョセイクラブの書記長代理でしょうが」

ζ(゚ー゚*ζ「あのね、今だからいうけど、実はキョセイっていうのは....」

ξ゚⊿゚)ξ「女らしくさせるってことでしょ?近所の牛飼いのオヤジも言ってたわ、キョセイしたウシは大人しくなるって」


父親と母親は顔を見合わせた。そして、彼らも大声で笑い出した。
スナオリャはなんだかよく分からないけど回りにつられてニタニタしていた。

ドクオもよく分からなかった。
が、姉がなにやら物笑いの種になっているのをみて、なんとなく「ざまあみろ」と感じていた。 続きを読む
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( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです

773:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:45:20 発信元:219.125.145.87
一年前、とある町にて



( ><)「さぁ、最終問題です。
     これが正解すれば文句無しの優勝です!」

( ><)「それではどうぞ!」


( ●∀●)「右から順に、
       サロンペス(40枚入り)
       ちびちびサロンシッペ
       サロンペス(80枚入り)
       フェミタス
       ノビールしっぷぺたーと
       マトリックス55EXだモナ」


( ><)「果たして、判定は!?」


( ・∀・)「―――正解!」


( ><)「やりました! モナー選手、優勝です!
     第五十二回湿布王選手権の優勝者はモナー選手です!」

774:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:47:31 発信元:219.125.145.56
( ><)「それでは優勝したモナー選手へインタビューです」

( ><)「おめでとうございます」

( ´∀`)「ありがとうだモナ」

( ><)「圧倒的な強さでしたが何か秘密が?」

( ´∀`)「モナは知識ではなくて五感で感じてるモナ」

( ><)「知識ではないんですか?」

( ´∀`)「もちろん知識は必要だモナ。だけど一番大切なのは湿布を想う気持ちだモナ」

( ><)「貴重な言葉ありがとうございました。インタビューは優勝したモナー選手でした」

775:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:49:04 発信元:219.125.145.44







( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです







776:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:51:12 発信元:219.125.145.86 [sage]
( ´∀`)「あぁ、その症状ならこの温湿布が良いモナよ」

( ´∀`)「その箇所はアンメノレシソたてたてが最適モナ」



モナーが大会で優勝してからというもの、モナーの経営する湿布専門店は常に繁盛していた。



(;´∀`)「ふぅ、やっと休憩出来るモナね」

( ^ω^)「師匠、お疲れ様ですお」


そして彼はモナーの一番弟子、ブーンだ。

777:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:54:17 発信元:219.125.145.43 [sage]
( ´∀`)「いやー、やっぱり接客は疲れるモナ」

( ^ω^)「大会で優勝したんだからしょうがないですお」

( ´∀`)「優勝したのも一年前モナね……」

( ^ω^)「今年は出ないんですかお?」

( ´∀`)「いやー、モナももう歳だからねぇ」


湿布ソムリエは人気ある職業だが、
多くの商品名と効用、そしてその効き目を直に感じ取らなければならないため、
歳を取ると第一線で活躍するのは難しいのだ。

778:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:55:53 発信元:219.125.145.45 [sage]
( ^ω^)「……師匠」

( ´∀`)「――お前はまだ出てはいかんモナ」

(;^ω^)「な、なんでですかお?」

( ´∀`)「お前はまだ若すぎて、経験が足りないモナ」

(;^ω^)「経験位どうにだって……」

( ´∀`)「なるわけないモナ。だから修行へ行くモナ」

( ^ω^)「……修行?」

( ´∀`)「この修行を終えた時、お前は私をも凌ぐ湿布ソムリエになるはずだモナ」

779:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:57:38 発信元:219.125.145.51
( ´∀`)「出てくるモナ」

⌒*リ´・-・リ「こ、こんにちは」

( ^ω^)「どなたですかお?」

⌒*リ´・-・リ「リリー、と申します」

( ´∀`)「ブーン、リリーと共に火星へ行くモナ」

( ^ω^)「おk、はあk――」






( ^ω^)「……はい?」

780:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/21(日) 23:59:06 発信元:219.125.145.58 [sage]
( ^ω^)「火星? それより病院じゃね?」

( ´∀`)「まだボケてないモナよ」

⌒*リ´・-・リ「私、宇宙人だから……」

( ^ω^)「何その設定、初耳なんだけど」

⌒*リ´・-・リ「それは眠かったから……」

( ´∀`)「ほら、さっさと火星へ行くモナ」






( ^ω^)「いやいやいやいや」

781:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:01:00 発信元:219.125.145.47
( ^ω^)「最大限譲歩して火星はいいとするお。でも火星へ行く方法がないお」

( ´∀`)「そこら辺は大丈夫だモナ。これを使うモナ」

( ^ω^)っ□「ただの湿布だお」

( ´∀`)「その湿布を粘着面が外になるように半分に折るモナ」

( ^ω^)っ[]「これでいいですかお?」

( ´∀`)「そして自分の背中に貼ってリリーのロケットとくっ付けるモナ」


     /\
    |ロ|
    |ケ( ^ω^)「こうですかお?」
    |ッ∥ つ
    |ト∥_つ
    | |
   /| |\
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ビシッ
( ´∀`)b「よし、それではグッドラック」



( ゚ω゚)「いやいやいやいや」

783:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:04:52 発信元:219.125.145.48
(;^ω^)「死ぬお! どう考えても死ぬお!」

( ´∀`)「ブーン、私はお前の強さを信じてる」

(;^ω^)「ちょっとカッコいいこと言ってんじゃないお!」

( ´∀`)「安心するモナ。その湿布の粘着力はゴキブリほいほい並みモナ」

(;^ω^)「そういう話じゃねー!!
      つーかなんだよその例は!」



⌒*リ´・-・リ「それではそろそろ行きますね」

( ´∀`)「行ってらっしゃいモナ」

(;゚ω゚)「いや、まだ話は済んで――アッ--!!!」

( ´∀`)ノシ

786:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:07:40 発信元:219.125.145.49 [sage]
火星 一番街



⌒*リ´・-・リ「着きましたね」

((  ω )) ソラコワイ ウチュウコワイ


⌒*リ´・-・リ「それではブーンさん、私は家へ行くので」

( ^ω^)「え? 僕は?」

⌒*リ´・-・リ「その内誰か来ると思いますよ。それではまた後で」



( ^ω^)

( ^ω^)「会って早々にこの扱いか」

( ^ω^)「すでに嫌われてるかもわからんね」

787:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:10:22 発信元:219.125.145.44 [sage]
( ^ω^)「それにしても……」


( ゚∋゚)

【+  】ゞ゚)

( ∵)


( ^ω^)「火星は中々個性的な生き物が多いおね」


<ヽ`∀´>

( `ハ´)


( ^ω^)「個性……あれ?」

( つωと)「目が壊れたかな」


( ^ω^)「つーか俺はここで何をすればいいんだ」

788:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:13:31 発信元:219.125.145.48 [sage]
( ^ω^)「しかし火星にも空気があるとは凄い時代になったおね」

<オイ、ソコノヘチャムクレ

(^ω^ )「お? 僕のことかお?」


(‘_L’)「そうそう。聞いているとは思うが、私が有名なリリーの兄のフィレンクトだ」

( ^ω^)(聞いてねえし知らねえ……)



( ^ω^)「ちなみに隻腕ですかお?」

(‘_L’)「えっと……何て読むんだい?」

( ^ω^)(頭が片方足りないのか)

790:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:17:38 発信元:219.125.145.49 [sage]
(‘_L’)「で、一体何しに来たんだ?」

( ^ω^)「なんか湿布ソムリエになるための修行だとか」

(‘_L’)「いや、それは知ってる。そんな情報はいらん」

( ^ω^)(こいつうぜえ……)

(‘_L’)「君の師は何か言っていたか?」

( ^ω^)「火星で土産を買ってこい、と」

(;‘_L’)「いや、湿布の件でだよ……」


( ^ω^)「んー」

( -ω-)「えー……と」

( ^ω^)「なんか五感で感じろ、とか>>774らへんで言ってたお」

792:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:20:54 発信元:219.125.145.56 [sage]
(‘_L’)「そう、湿布ソムリエにはそれ大事。
      ニイチャンヨクワカッテル」

( ^ω^)(何故片言……)

( ^ω^)「知識だけじゃ駄目ですかお?」

(‘_L’)「無理無理絶対無理ム~リ~」

( ^ω^)「どの位無理な話なんですかお?」

(‘_L’)「地球のとある島国で脱税して首相になる位無理」

( ^ω^)(余裕じゃねーか)

795:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:23:59 発信元:219.125.145.53 [sage]
( ^ω^)「で、具体的には何をすればいいんだお?」

(‘_L’)「あぁ、あっちにいる奴と戦って貰う」

( ^ω^)「お? 戦うのかお?」

(‘_L’)「何事も経験だよ経験」

( ^ω^)「果たしてソムリエに戦いの経験はいるのか」


(‘_L’)「んじゃ、俺は用があるからこれで」

( ^ω^)「え? お前の出番終わり? 大丈夫なの?」

(‘_L’)「お前顔よりは大丈夫さ、へちゃむくれ」





( ^ω^)「火星でも人を殺したら罪になるのか否か」

798:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:27:58 発信元:219.125.145.50
( ^ω^)「なんか言われるがまま来たけど……」

( ^ω^)「あの娘かお?」


lw´‐ _‐ノv


( ^ω^)「こんにちは」

lw´‐ _‐ノv「はい?」

( ^ω^)「変なおっさんに言われて戦わなきゃいけないらしいんだが……」

lw´‐ _‐ノv「あぁ、ちょっと待ってて。もうすぐ済むから」

( ^ω^)(正直女の子だとは思いませんでした)

( ^ω^)「ところで、何をしてるんだお?」

lw´‐ _‐ノv「小麦粉の替わりに米粉を使って、パンを作ろうかと」

( ^ω^)

( ∩ω∩)(突っ込んじゃ駄目だ突っ込んじゃ駄目だ)

( ^ω^)フゥ

( ^ω^)「まぁ……いいんじゃないかお」

801:( ^ω^)は湿布ソムリエを目指すようです :2010/03/22(月) 00:31:06 発信元:219.125.145.47
lw´‐ _‐ノv「さぁ、始めようか」

( ^ω^)「待ってくれお、どうして戦わないといけないのかお?」

lw´‐ _‐ノv「お前は湿布ソムリエを目指すのだろ?」

( ^ω^)「そうだお」

lw´‐ _‐ノv「私は米ソムリエだ」

(;^ω^)(何というディープな世界)

lw´‐ _‐ノv「故に我々は戦わなければならない」

( ^ω^)「なるほど、それでか」










( ^ω^)「いや待て、意味がわからん」 続きを読む
  1. 2010/03/23(火) 14:03:00|
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( ^ω^)がξ゚⊿゚)ξの家に来たようです

727:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 18:29:25 発信元:222.5.63.232
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ブーン煎餅とって」

( ^ω^)「はいお」

ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)(ツンと付き合いはじめて初めて家に来たけど)

ξ゚⊿゚)ξ「煎餅美味しいわぁ…」

( ^ω^)(何の変化もねぇ……)



( ^ω^)がξ゚⊿゚)ξの家に来た



730:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 18:31:24 発信元:222.5.63.232
( ^ω^)(何かこう、変化を)

( ^ω^)(そう…進展をっ!)

( ^ω^)(た、例えば……)
ξ゚⊿゚)ξ←テレビを見ている

ξ゚⊿゚)ξ「鍋美味しそうねぇ」

( ^ω^)(鍋とか悪くねぇな)

(#`ω´)「ツーンっ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?なに?」

(#`ω´)「……白菜買ってくるお!!!」

ξ゚⊿゚)ξ

ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん」

731:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 18:32:27 発信元:222.5.63.228
(#`ω´)「……白菜買ってくるお!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ(大事なことなので二回いいましたっ!)

(#`ω´)「ポン酢とごまだれどっち派だお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「ごまだれ」

(*^ω^)「ごまだれ美味しいおー」

ξ゚⊿゚)ξ「美味しいわよね」

(*^ω^)「いってくるお!」

ξ゚⊿゚)ξ

ξ゚⊿゚)ξ「……なにがあった」

733:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 18:33:46 発信元:222.5.63.224
~五分後~

(#`ω´)「買ってきたお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん」

(#`ω´)「待ってるお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん」


~10分後~

(*^ω^)「できたお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「美味しい」

(*^ω^)「美味しいおー」

734:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 18:34:40 発信元:222.5.63.224
(*^ω^)

(*^ω^)

( ^ω^)(なぜ鍋をした……)

( ^ω^)(そう!もっとこう!大人な何かをで!)

( ^ω^)(あ、あああアダルトななにかをっ!)

(*^ω^)(そ、それはつまり…)

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン紅茶飲む?」

(*^ω^)「紅茶だなんてツンはアダルトだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

735:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 18:35:34 発信元:222.5.63.234
ξ゚⊿゚)ξ「はい」

(*^ω^)「おいしいおー」

ξ゚⊿゚)ξ「ねー」

(*^ω^)

(*^ω^)

( ^ω^)(進展してねぇ……)

(;>^ω^)>(一体どうすれば……)

ξ゚⊿゚)ξ(さっきから何コロコロ表情変えてるのかしら……)

736:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 18:36:30 発信元:222.5.63.225
( ^ω^)(こ、こうなったら容赦しないお!)

( ^ω^)(ククク……やってやるお!)

( ^ω^)(お、大人なお医者さんごっこを……)

( ^ω^)(待てよ…大人なお医者さん……)

( ^ω^)(……)

ξ゚⊿゚)ξ(なに考えてるのかしら……)

746:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 19:03:27 発信元:222.5.63.229 [さるでした…]
( ^ω^)(アダルトなお医者さん……)

( ^ω^)(西暦20××年……世界は阿鼻叫喚のパンデミックだった……)

( ^ω^)(時のカリスマ名医、内藤ホライゾンは治療法を探し苦悩する……)

( ^ω^)(ナースさんとの恋、ライバル医師との対立……)

( ^ω^)(そして……辛い別れ……)

( ;ω;)ブワッ

ξ;゚⊿゚)ξそ

( ;ω;)(くぅ……全米が泣いたおっ!)

ξ;゚⊿゚)ξ(いきなり泣き出したっ!?)

748:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 19:07:28 発信元:222.5.63.227
( ;ω;)「ツーンっ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「は、はい!」

( ;ω;)「健康でいるお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん!」

( ;ω;)「手洗いうがいするお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「す、する!してるよ!」

( ;ω;)「ならよかったおー」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)



( ∩ω∩)(僕は一体なにを……)

750:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 19:10:15 発信元:222.5.63.234
( ´ω`)(結局帰る時間だお…)

ξ゚⊿゚)ξ(なんだかめちゃくちゃへこんでるわね……)

( ^ω^)ハッ

( ^ω^)「ツーンっ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「は、はい!」

( ^ω^)「こ、ここここここ」

ξ゚⊿゚)ξ「コンドル?」

( ^ω^)「コンドルはカッコいいお……」

ξ゚⊿゚)ξ「いいわよねぇ……」

751:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 19:12:54 発信元:222.5.63.235
(;^ω^)「ち、違うっ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、コンドル嫌い?」

(;^ω^)「いや好きだお!」

(;^ω^)「えっと、そのっ!」

(;^ω^)「今度は僕のウチに遊びに来るといいおっ!」

ξ*゚⊿゚)ξ「……う、うん」

(;^ω^)

ξ*゚⊿゚)ξ

(;^ω^)「そ、それじゃあ」カクカク

ξ゚⊿゚)ξ(右手と右足同時に動かしてる……)

754:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/21(日) 19:14:30 発信元:222.5.63.222
~そして後日~

( ^ω^)「あ、クッキーとってくるお」

ξ゚⊿゚)ξ「うん」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ(ブーンの家に初めてきたけど)

ξ;>゚⊿゚)ξ>(進展ねーっ!)


~別の部屋~

(;>^ω^)>(進展ないおーっ!)





(;>^ω^)>がξ;>゚⊿゚)ξ>の家に来たようです 終わり
  1. 2010/03/23(火) 01:57:54|
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( ФωФ)我が家の猫は復讐上手なようです

711:( ФωФ)我が家の猫は復讐上手なようです :2010/03/21(日) 09:15:49 発信元:219.125.145.9
('、`*川「うりうり~
     ロマは可愛いなぁ~」

( ФωФ)ゴアーン

('、`*川「お腹空いたかー」

( ФωФ)ナウー

('、`*川「めんどいから後でね」

( ФωФ)そ

~数時間後~

( ーωー)Zzz

('o `*川「ふぁ」

('~`*川

('、`*川「寝るか」

<オヤスミー

( ーωΦ)

712:( ФωФ)我が家の猫は復讐上手なようです :2010/03/21(日) 09:18:26 発信元:219.125.145.3
(-、-*川 zzZ

( ФωФ)ナアーン

(-、-*川「んー」

( ФωФ)ナアーン モゾモゾ

(-、-*川「んー……いっしょにねるー?」

( ФωФ)ナアーン

(-、-*川「はいりなぁー」

( ФωФ)+



714:( ФωФ)我が家の猫は復讐上手なようです :2010/03/21(日) 09:22:01 発信元:219.125.145.8
~朝~

ジリリリリリ

(-、-*川「うるさ」

ジリンッ

(-、`*川「あれ?ロマいないや……まあいいや起きよ」

('、`*川 ゴソゴソ

('、`*川「なんか布団冷たい、しかも微かに異臭が」

('、`*川 「…………」

□('‥`*川 フンフン

('д`;川クサッ

('、`;川「な、なんぞ!?」

|ФωФ)+ ナアーン

Σ('、`#川「お前か!?」


おわり
  1. 2010/03/23(火) 01:48:57|
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lw´‐ _‐ノv月夜のようです

539:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 20:56:17 発信元:202.229.132.2

俺には兄、正しくは姉がいる。
自身の性別は女性だが、自分は男だと言い張る。
それがあまりに必死な主張だから、仕方なしに俺は便宜上兄として接し、でも内心は義理の姉であって欲しかった。
親の再婚後に初めて兄を見た瞬間、俺は恋愛感情とはいかなるものかを知るが、世間体を少しは理解していた俺に為す術はなく。
結局、俺と兄は家族のまま二度目の離婚を迎え、それっきりだった。

(´<_` )「覚えてくれてると良いんだがな」

月夜の晩に、一年と二日ぶりの再会である。

駅に程近いアパートの二階、角部屋のドアには知らない名字の表札。
向こうの再婚相手だろうか?それとも旧姓?

(´<_` )「どうでもいいか」

チャイムが鳴ってしばらく後、兄がドアを開けた。
開けたは良いが、ドアの蝶番が心配になる勢いで、しかもパジャマ姿なので色々な意味で驚いた。
正直に表現すると、

(´<_`* )(パジャマだと!やっべ可愛いうわやっべ!)

とまあ、兄を見て脳内が興奮している俺を見て、兄は少し怒りぎみだ。

540:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 20:57:52 発信元:202.229.132.2

lw´#‐ _‐ノv「ばかっ!着替える暇くらいあたえろ!」

ちなみに俺が兄に電話連絡したのは、チャイムを押す一分前。

(´<_` )「すまん、電話したら起きてたんでつい」

lw´#‐ _‐ノv「現在時刻!」

(´<_` )「フタフタマルナナ」

lw´#‐ _‐ノv「わかってて押し掛けんなボケ!」

なんやかんや、兄は俺を忘れてはいなかったようで、ひとまず安心した。
居間に通された俺は、兄の淹れた玄米茶を味わいながら、着替える兄を待つ。
ああ、着替え覗きたいなあ。

542:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:01:21 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「しっかし、なんとも質素な塒だこと」

lw´‐ _‐ノv「失礼な、寝室はもっと生活臭に溢れとるわ」

(´<_`; )「あ、着替え終わったか。洗濯はちゃんとしてるんだろうな?」

lw´*‐ _‐ノv「ふん、昔と一緒にするな。人は成長するのだよ」

(´<_` )「胸以外の変化は見えないぞ」

lw´‐ _‐ノv「……だまれ小僧」

(´<_` )「まだサラシ巻くのか?」

lw´‐ _‐ノv「いや、そういうことはやめたんだ」

(´<_`; )「どうしたんだ?あんなに拘ってたのに」

lw´;‐ _‐ノv「あー…実はな」

うつむき、まるで嘘を自白する時のようにばつの悪そうな兄。
なぜだろう、嫌な予感しかしない。

lw´‐ _‐ノv「…告白、されたんだ」

(´<_`; )「へ」

lw´;‐ _‐ノv「せめて二文字以上反応しろよ」

544:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:06:31 発信元:202.229.132.2

全身が捻られているような感覚。
焦りとも嫉妬とも絶望とも喜びともわからない、混沌とした痛みが心を蹂躙する。

lw´;‐ _‐ノv「…なにか言え」

(´<_`; )「…そうか…そうだよな、あんた綺麗だものな」

lw´‐ _‐ノv「男でも良いと言われたよ、君が男ならホモになる、とな」

(´<_` )「たいしたものだな」

lw´‐ _‐ノvああ、流石にちょっと引いた

(´<_` )(ざまあwwwwwwwwww)

(´<_` )「ん?あんた、男の格好してたのか?」

lw´‐ _‐ノv「ああ、胸もなるべく目立たないようにしてたが、どういう訳か見抜きやがってな」
(´<_` )「いやまあ、制服でもないしな、目ざとい人は気付くだろ」

lw´‐ _‐ノv「やはり、はやく手術を受けるべきだったよ」

547:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:08:15 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「それは賛同しかねると、前にも言った」

lw´‐ _‐ノv「まだ覚えてたのか、あの時の話」

それより俺としては告白した野郎が凄く気になる、ていうか会って殴り倒したい。
だがとにかく重要なのは、兄は、そういうことはやめた、と言った。
あの兄が、断固として俺と男子トイレを使用し続けた兄が。
嫌な過去を克服できるほどに良い男なのだろうか?俺にはついぞできなかったことを、告白した野郎はやってのけた。

(´<_` )(尊敬すべきかな)

(´<_` )「なあ、あんたは告白をされた。して、返事は?」

lw´‐ _‐ノv「保留。だってまだ男になりたいし」

(´<_` )「でも胸」

lw´‐ _‐ノv「男になりたいけど、最近ある感情を自覚した」

550:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:14:18 発信元:202.229.132.2 [改行が多すぎるなんて…]

(´<_` )「……」

lw´‐ _‐ノv「ひとつ質問だ。おまえ、恋愛経験は?」

(´<_` )「…ある、あるともさ」

lw´‐ _‐ノv「私は初めてだ。同性愛者の気持ちが少しだけわかったよ」

(´<_` )「…俺は、あんたが同性愛者でも軽蔑しないよ」

lw´*‐ _‐ノv「ありがとう」

ああ、そうか、そういう逃げ道もあったんだな。

lw´‐ _‐ノv「ところで、おまえはなんで家に来たんだ?」

552:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:16:35 発信元:202.229.132.2


*****


人気のない夜のアスファルトを歩き、小さな公園へ。
兄と夜に散歩したのは、二年と五ヶ月と三日ぶりだ。
雲の多い空模様で、黄金色に輝く月が雲を明るく照らし出す。
やはり雲がある方が、月は映える。

lw´‐ _‐ノv「まさか、散歩したいとはな」

公園のベンチに座り夜空を見上げていると、兄が可笑しそうに言った。

lw´‐ _‐ノv「そういえば、おまえから教わったんだよな」

(´<_` )「俺、なにを教えたっけ」

(´<_` )(できればあんたに男を教えたかったがな)

lw´‐ _‐ノv「虹だよ。夜中、雲が月の周りを囲むと、照らされた雲に丸い虹が見える」

(´<_` )「ああ、言ったなそんなこと」

(´<_` )(よく覚えていたな、随分昔の話なのに)

lw´‐ _‐ノv「あの時はどうでもよかったが、こうして目の当たりにすると凄く良い、神秘的だな」

554:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:20:55 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「虹っていっても、ただの光の輪が見えるだけだがな」

lw´‐ _‐ノv「だが綺麗なものは綺麗だ」

(´<_` )「俺はもう怖いや。綺麗すぎて、狂いそうだよ」

lw´‐ _‐ノv「狼にでも変身するのか?」

(´<_` )「男は皆狼らしいな」

lw´‐ _‐ノv「草食系とかいう連中は、草食性の動物に変身するのかね」

(´<_` )「それは違うだろ、どう違うか知らんが」

lw´‐ _‐ノv「まあ、どうでもいいか」

思い出話やくだらない、どうでもいい会話。
不毛だ。
でも、これでいい。
俺はこんな会話を望んでいた。
兄と昔のように過ごしたかった。
…欲を言えば姉であってほしかったのだけれど。

lw´‐ _‐ノv「…なあ、また話そうじゃないか」

(´<_` )「ああ、できたらな」

556:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:25:17 発信元:202.229.132.2


lw´‐ _‐ノv「おまえには世話になったし、死んだ後にでもデートしてやるよ」

(´<_` )「そりゃ嬉しいな」

lw´‐ _‐ノv「次に会う時は、ちゃんと時間を考えろよ?」

(´<_` )「ああ、約束する」

lw´‐ _‐ノv「あと、近いうちにシベリアかVIPでおまえの黒歴史ノート晒すから」

(´<_`; )「ちょっとまて本当やめてそれ頼むから」

lw´‐ _‐ノv「おまえ、油彩画はまともに描くのになんであんな…お兄ちゃんは悲しいです」

(´<_`; )「お願いしますごめんなさい勘弁してまじたのんますオネガイシマスカラ!」

lw´*‐ _‐ノv「ふふ、冗談だって。本当おもしろい反応するわ」

558:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:26:36 発信元:202.229.132.2

兄の微笑みは、間違いなく満月にも勝るもので、それを久しぶりに見れた俺は幸福感で満たされた。

lw´‐ _‐ノv「さて、と。明日休みとはいえ、もう遅い。戻るか」

(´<_` )「そうだな」

思い出話で盛り上がり、ゆっくり歩いた帰り道。
大好きだとは告げぬまま、ドアの前で鍵を開けた姉に、俺は別れを告げることにした。

(´<_` )「もう帰るよ。遅くにすまんかった」

lw´‐ _‐ノv「そう思うなら時間考えろ」

(´<_` )「じゃあな兄貴…いや姉さん」

lw´‐ _‐ノv「…兄貴と呼べ、弟よ。またな」

(´<_` )「ああ、そんじゃあな」

560:lw´‐ _‐ノv月夜のようです :2010/03/20(土) 21:30:42 発信元:202.229.132.2

兄に手を振り、背を向け、アパートの階段を降りる。
最後の一段を降りたところで、俺の両脚は消えていた。
自分が、下半身から音も光もなく消えていく。

(´<_` )「情けないな俺は。死んだってのに、一番云いたいことを云えないなんて…」

(´<_` )「まあでも、元気そうで良かった」

さよなら、俺の大好きな…



*****



lw´‐ _‐ノv「…馬鹿なやつ。葬式のあとに会いにきてどうすんだよ」

lw´‐ _‐ノv「お茶だって、初めて淹れたのに残しやがって」

lw´‐ _‐ノv「つーか私のあげたネックレス、こんな所に落とすんじゃないよ」

lw´‐ _‐ノv「…ちゃんと向こう側に持ってけよ…」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv「じゃあな、弟よ。愛してるぞ」
  1. 2010/03/23(火) 00:54:50|
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川 ゚ -゚)が漫画家を目指すようです、が……

382:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/18(木) 23:37:34 発信元:118.15.55.37 [sage]
川 ゚ -゚)「本気出せば漫画家なんて余裕だろう」

彼女の名はクー。ただのニートである。
彼女はただいま少年ジャソプに載っている漫画賞に注目していた。

川 ゚ -゚)「デツカ賞……入選すれば賞金200マソとは」

川 ゚ー゚)「……勝ったな、この勝負」ニヤリ

これは、大したうつけもののお話である。


『川 ゚ -゚)が漫画家を目指すようです、が……』

384:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/18(木) 23:41:46 発信元:118.15.55.37 [sage]
彼女には自信があった。


「ガキンチョの頃からアホみたいに漫画を読み続けていた」

「だから漫画を描くのも簡単」

「むしろ楽勝」

「完璧なストーリーが自分の中にある」

「後はそれを原稿用紙に描けばいいだけ」


クーの頭の中はそんなんでいっぱいだった。

387:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/18(木) 23:46:25 発信元:118.15.55.37 [sage]
川 ゚ -゚)「よっしゃ、いっちょ描いてみるか」

ジャージを脱ぎ、外用の服を着装し、近所の画材屋さんへと自転車を飛ばす。
川 ゚ -゚)「カネはあんまりないが、
     まぁとにかくペンと原稿用紙は買わないとな」

所持金は3千円。でも、入選すれば十二分におつりはくる。
クーはガチでそう考えていた。

程なくして原稿用紙とGペン、ペン軸、製図用インクを購入し自宅に戻った。

川 ゚ -゚)「フ……フフフ」

まさか自分が漫画を描くことになるとは。

実のところ、漫画は小学生の頃ちょろっと描いただけだが、
今のクーにはデカすぎる野望と希望あふれる未来(という名の妄想)を前に、
身の程を知るとかいう発想は微塵も浮かぶことはなかったのだ。

川 ゚ ヮ゚)「賞金は私のモノだぁ!」

390:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/18(木) 23:50:30 発信元:118.15.55.37 [sage]


川 - )「……」

「全ては思いのまま」

そのはずだった。だが、この目の前の現実は何か。
原稿用紙を出す、Gペンをペン軸に着ける。
ここまでは思惑通りであった。


しかし


見事道具を購入し終えたはずのクーに


戦慄走る

393:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/18(木) 23:55:37 発信元:118.15.55.37 [sage]
川;゚ -゚)「マンガの底が見えない!!!!!!!!!!!!!!!」
過去何百という漫画を読みまくった自身の経験から、
漫画を描くということは簡単、という結論に至ったクー。

川;゚ -゚)「31ページで!?起承転結!?コマ割!?構図!!?」

川;゚ -゚)「描ける!? ネームから!? 下書き!? スクリーン!?」

川;゚ -゚)「……否!」

想像の5倍、10倍、いや、それ以上の作業量が待っている事を知った。

川;゚ -゚)「なん……だと……!?」

川;゚ -゚)「素数を数えて落ち着け!」

川; - )「1……3……4……」

絶望がクーのゴールか?

397:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/19(金) 00:00:53 発信元:118.15.55.37 [sage]


川;゚ -゚)「直線も上手く引けないなんて」シャッシャッ

川;゚ -゚)「くそぅ、ジャソプ連載作家は化け物か!?」ガリガリ

川;゚ -゚)「このままじゃ締め切りが……」ギリギリ

締め切りまであと2週間を切った。
このままでは間に合うはずもない。

川 ゚ -゚)「……少々歯がゆいが、ヤツに頼むか」

ちょっぴりの悔しさを押さえ、クーはヤツに救援を乞うことにした。

トゥオルルルルン……トゥオルルルルンピッ『もしも川 ゚ -゚)「おい今暇か」

『え? 今はちょっ川 ゚ -゚)「なら今すぐ私の家に来い」

『……あの川 ゚ -゚)「待ってるぞ」ピッ

399:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/19(金) 00:05:38 発信元:118.15.55.37 [sage]


しばらくして、ヤツが来た。

(;'A`)「なんだよ……何の用だよ」

川 ゚ -゚)「実はな、今漫画描いているんだが」

('A`)「おやおやそれは」

彼の名はドクオ。彼もまた漫画家志望の青年である。
クーとは幼い頃からの腐れ縁とかなんやかんやで高校時代から付き合っている。

ドクオは発作的に漫画家という夢を抱いたクーとは異なり、
中学生の頃から出版社に持ち込みをしていたできる子である。

ちなみに今は週栄社に担当もついた。まさに漫画家の卵。

川 ゚ -゚)「ちょっと背景とか効果線とか頼む」

('A`)「まぁちょっとならいいけど……って」

渡された原稿用紙に、ドクオは未曾有の衝撃を受けることになる。

(;'A`)「ほとんど全部白紙て」

川 ゚ -゚)「うん、そうなんだ。すまないと思ってる。
     でも私はドクオを信じるよ。お前も私を信じてくれるだろ?」

(;'A`)「発想が おかしい」

400:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/19(金) 00:09:29 発信元:118.15.55.37 [sage]


ドクオは泣いた。ひたすら泣いた。
彼もまたデツカ賞に送るため漫画を描いている所であった。

クーに頼まれた日から、彼に安眠の時間はほとんど無くなっていった。
自分の漫画とクーの漫画の同時作業、地獄である。

(;'A`)「なんで下書きとかしてないんだよ」カリカリ

川;゚ -゚)「私だって(自分なりに)努力したんだ! それに」

川#゚ -゚)「やらなきゃなんにも進まないだろうが!」

(;'A`)「自分理論を振りかざしといて、俺に頼むなよ……」カリカリ

こうして、二人は朝も夜も関係なくひたすら漫画に取り組んだ。

そして……

402:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/19(金) 00:14:21 発信元:118.15.55.37 [sage]
川 ゚ -゚)「できた!」

('A`)「ほとんど俺の作画だけどなぁ」

川 ゚ -゚)「いいんだよ細かいことは」

荒削りの画、適当なストーリー。できたものはお世辞にもいい出来とは言えない。
だが、それでもクーは満足だった。

(;'A`)「いや、作画はほとんど俺だからね? 天の声よ」

川 ゚ -゚)「うるさいなぁ」

(;A;)「あーなんか目にゴミが…ウェェン」

川 ゚ -゚)「とりあえず郵便局行こうか」

二人はそれぞれの夢を詰めた封筒を持ち、郵便局にダッシュした。

川 ゚ -゚)「これで賞金は私のものだな。
     おまけにジャソプ掲載の可能性すらある」

('A`)「う~んどうだろうね。デツカ賞ってすごい人ばっかりだから」

404:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/19(金) 00:18:49 発信元:118.15.55.37 [sage]
数ヵ月後、結果が少年ジャソプ本誌にて発表された。
ドクオは見事準入選に選ばれ、作品が少年ジャソプに掲載されることになった。

一方で、クーは……

川  - )「歯牙にもかからないとは……」

('A`)「しょうがないよ。今回は時間無かったもの」

川;゚ -゚)「そっ、そうか! 決して私の才能が無いわけではないと!」

('A`)「う~んまぁそうなんじゃない。
    でも次はちゃんと自分で描けよぅ」

川 ゚ -゚)「じゃあ今度は持込用にまた描く!」

こうして二人の漫画バカは、更なる漫画の深淵に足を踏み込むことになる。

後に、クーは美少女戦隊モノで一発当て、
ドクオは、少年誌と思えぬハードな展開の漫画を大ヒットさせることはまぁ別の話である。

<おわり>
  1. 2010/03/23(火) 00:13:44|
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lw´‐ _‐ノvお似合いなようです

302:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 00:52:17 発信元:202.229.132.2

秋、見上げればどこまでも続いていそうな青空に雲はひとつたりとも無く、視線を地面と平行に近づければ遠く山際は茜色、無機質な建物は灰色の上から薄く被せた橙色と、青色がかった灰色をしていた。
放課後の屋上は、緑色をしたフェンスと手すりを除けば、町を一望できる。
なんて勿体無い、そう少女は思った。
こんなに良い眺めならいっそ、展望台にしてしまえばいいのに、と口にした。

(´<_` )「ちょっとそこのあんた、止めなよ」

直後に少女は後ろから声を掛けられ、今の幼稚な独り言を聞かれてはいまいかと、内心焦りながら振り返る。

lw´‐ _‐ノv「安心しろ、人生なら今すぐ終わらせる」

焦りを完璧に隠しつつ彼女は、おそらく男性であろう、声の発信源に振り返る。

(´<_` )「いやだめだよ、とりあえずこっちこない?」

lw´‐ _‐ノv「だるい。せっかく越えたフェンスをまた越えろだと?嫌だね」

308:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:05:16 発信元:202.229.132.2
ひとりで少女を説得しようとしているのは、少女と同じクラスの男子生徒。
少女とはフェンスを挟んで数歩の距離がある。

(´<_` )「まあそう言わずにさ、いや、何故にあんたがそこまでの決意をしたのか知らないけども」

lw´‐ _‐ノv「なら止めるなよ」

(´<_` )「そうもいかない。あんたに何があったかは知らないが、俺はあんたを止めなきゃならん」

lw´‐ _‐ノv「知った事か、どうせくだらない理由なんだろ?道徳心とか、正義感とか」

(´<_` )「そんな理由ではない、俺個人の身勝手な理由さ」

lw´‐ _‐ノv「面倒な奴だな、我が儘を押し付けるなと、親や先生に教わらなかったのか?」

311:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:16:19 発信元:202.229.132.2
(´<_` )「教わったさ、母親には他人に迷惑をかけるなと、よく叱られたよ」

lw´‐ _‐ノv「ならば早く帰ったらどうだ。また叱られるぞ」

(´<_` )「その心配は無用だ、少なくともこの世に居るうちはね。あんたこそ早くこっちに来たらどうだい?」

lw´‐ _‐ノv「断る。そっちに行くだけの理由は無い」

(´<_` )「ならこれから見つけようじゃないか、思いとどまるに値する理由を。俺も協力するよ」

lw´‐ _‐ノv「臭いうえにつまらない台詞だな、そんなことでは想い人を口説くのに苦労するぞ?」

(´<_` )「心配してくれるとは優しいね、ついでに自殺者を口説く時のアドバイスが欲しいのだけど」

lw´‐ _‐ノv「自殺者なんて大概は死にたくて死ぬんだから、放っておいたら良いと思うがね」

(´<_` )「個人的には激しく同意するよ、今回は別だけど」

lw´‐ _‐ノv「やれやれ鬱陶しいな、あまりしつこいとハブられるぞ君」

(´<_` )「あんたがフェンスを越えれば、俺は消えるさ」

lw´‐ _‐ノv「そもそも、なぜ君は私をこの世に留めようとするんだ?」
(´<_` )「うん、別に君が自殺する事そのものはどうでもいい。ただ、君に自殺されては俺の予定が狂う」

317:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:39:55 発信元:202.229.132.2 [エラーだと…]

lw´‐ _‐ノv「うん?」

不可解な説明に少女は首を傾げた。

(´<_` )「俺は、一番のお気に入りである屋上から飛び降りる予定でな」

lw´‐ _‐ノv「では、お先にどうぞ。私は後から飛びますから」

(´<_` )「嫌だよ、俺は一人で死にたいんだ。それに、男女の死体がワンセットではまるで心中だ」

lw´‐ _‐ノv「んじゃ、別の場所ならいいだろう?」

(´<_` )「うん。一応形だけ止めろと言っておくけど、それだけ」

lw´‐ _‐ノv「わかった、君の最期の願いだろうし、同じ自殺者のよしみで此処は譲るよ」

(´<_` )「ありがとう、気をつけて登ってね」

lw´‐ _‐ノv「言われなくとも」

319:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:47:41 発信元:202.229.132.2 [改行多すぎですかそうですか]

少女は風に吹かれながら慎重にフェンスを登り、少年は時折ガシャガシャと鳴る耳障りな音を聞きながら、頂上を目指す少女を眺めていた。

lw´‐ _‐ノv「よっ…あれ?」

(´<_` )「どうしたのさ?」

少女はフェンスの頂上へ辿り着くと、フェンスの骨組み部分に跨った状態で動きを止めた。

321:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:52:10 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「降りないだなんて、まさか其処から飛ぶ気かい?」

lw´‐ _‐ノv「…違う。違うんだ」

(´<_` )「はやく降りないと下着が見えるよ?」

lw´;‐ _‐ノv「なっ…見るな、見るんじゃない!」

(´<_` )「そりゃ無理だ、嫌ならはやく降りてよ」

lw´;‐ _‐ノv「うぐっ…」

(´<_` )「…ねえあんたさ、まさか動けなくなったとか?」

324:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:02:10 発信元:202.229.132.2

lw´;‐ _‐ノv「…違う。これはあれだ、眺めが良いからだ」

(´<_` )「それはいいけどさ、あんた今スカートの内側の眺めが良すぎだよ。俺としてはいい眺めだけども」

lw´#‐ _‐ノv「だからっ…見るなと言ってるだろ!」

(´<_` )「なら其処から降りれば良いだろう」

lw´‐ _‐ノv「……無理だ」

(´<_` )「やれやれ、手伝うから待ってて」

少年は小さな溜め息をひとつ吐くと、少女の隣めざしてフェンスを登り始めた。

lw´‐ _‐ノv「え?おい、なぜ登る」

少年は少女のすぐ隣で、背中を少女に向け骨組み部分に跨った。

(´<_` )「よいしょっと…ああ、確かにいい眺めだね。さて、俺につかまってもらおうか」

lw´‐ _‐ノv「…仕方無いな」

(´<_` )「うん、仕方無い」

少女は少年の背にしがみつき、少年は慎重に、ゆっくりとフェンスを降り始める。

327:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:13:49 発信元:202.229.132.2

lw´;‐ _‐ノv「んっ、だ、大丈夫か?」

(´<_`; )「馬鹿にしてる?

lw´‐ _‐ノv「いや違うけど」

(´<_` )「ほら、無事接地成功」

両足がついた少女は少年の背から離れると、髪を整え少年の目を真っ直ぐに見る。

lw´‐ _‐ノv「助かったよ、ありがとう」

(´<_` )「いいよ、どうせお互い死ぬんだし。さっさと何処へでもいきなよ」

lw´‐ _‐ノv「ああ、それじゃな」

(´<_` )「うん、じゃあ」

少女は手を軽くふり、少年と反対に体を向けると、凛と歩いて階段に続く大きな金属の扉の向こう側へと消えた。

330:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:22:48 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「…やれやれ…畜生」

赤錆だらけの扉から目を離し、少年はフェンスに足を運ぶと片手をゆっくり上げ、フェンスを掴む。

(´<_` )「それじゃ、逝くとしますか」

少年がもう片方の手を上げようとした時、背後から少女の声がした。
先程よりもしっかりとした声に少年は驚きを隠せなかった。

lw´‐ _‐ノv「おいそこの君、フェンスから離れろ」

まさかの声に少年が振り向くと、髪やスカートを翻しながら歩み寄る少女の姿があった。
少女は少年のすぐ傍で歩みを止め、先ほどと変わらぬ顔で少年と向き合う。

(´<_`; )「…逝くんじゃなかったの?」

lw´‐ _‐ノv「死ぬ前に、下着を見られた恨みを晴らしにきた」

(´<_` )「それで、邪魔しにきたと?」

333:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:30:47 発信元:202.229.132.2

lw´‐ _‐ノv「私も邪魔されたしな、これでお互いさまだ」

(´<_` )「言ってることが違うじゃないか。それに動けなくなった時に助けたろう、仇で返すなよ」

lw´‐ _‐ノv「言いながら手を掛けるな…あれは君自身がいいと言ったろう、だから無効だ」

(´<_`# )「なんだいそれ、ふざけるな」

突然に少女は少年の腕を掴み、目を覗き込む。

(´<_`# )「…手を放せよ」

lw´‐ _‐ノv「だめだよ、とにかくフェンスから離れろ」

(´<_`# )「嫌だね死にたいもの、俺は此処から飛び降りる。自殺者を放っておけとあんたは言ったろう、面倒なやつだな」

lw´#‐ _‐ノv「君だって私を止めただろう」

334:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:32:48 発信元:202.229.132.2

(´<_`# )「鬱陶しいな、今すぐ死なせろ。同じ志願者なら少しはわかるだろう?」

lw´‐ _‐ノv「そりゃね、けどだめだ。それでは私が困るんだよ」

339:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 03:00:41 発信元:202.229.132.2 [>>338ミス]

(´<_`# )「何に困るってのさ、邪魔ならもうしただろ?」

lw´‐ _‐ノv「違う、吊り橋効果的なものだ。私は君が気になって仕方無い。だから今は死なせないことにした」

(´<_`; )「…呆れた、意味が分からない、なんて我が儘なんだ、殴るぞ」

lw´;‐ _‐ノv「どうせ死ぬんだ、知るかそんなこと」

(´<_` )「てかさっきから言ってることがおかしいぞ」

lw´‐ _‐ノv「死ぬな」

(´<_` )「馬鹿が」

lw´‐ _‐ノv「死ぬんじゃない」

(´<_` )「発狂したか?」

lw´‐ _‐ノv「死なないでくれ」

(´<_` )「…めんどっくさいな、なんなんだもう」

lw´‐ _‐ノv「君がフェンスから離れれば、私も手を離すさ」

340:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 03:13:26 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「殴るぞ」

lw´‐ _‐ノv「それでも私は離さない」

(´<_` )「……ああもう、うざったいな、わかったよ離れる」

lw´‐ _‐ノv「ん?…あ」

少年は少女の両手を握り、その瞳を真っ直ぐに見つめる。
少女は若干戸惑いながらも見つめ返す。

(´<_` )「離れはするが死にもする」

lw´‐ _‐ノv(おい待て、しかも私もそのつもりなんだけど)

(´<_` )「…それともうひとつ」

365:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 19:44:04 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「それに、俺もあんたに興味が湧いてきた。だから死ぬ前に、まずあんたの邪魔をする」

lw´‐ _‐ノv「…そうか。私に興味が湧くとは、変なやつだな君は、気が狂ってるのか?」

(´<_` )「あんたに言われたくはないね、このキチガイが」

lw´‐ _‐ノv「で、とりあえず君は何をする?」

(´<_` )「そうさね、とりあえずフェンスから離れようかな。あんたはこれからどうしたい?」

lw´‐ _‐ノv「そうだな、とりあえず学校から出ようと思うが、君から目を離すわけにはいかないし」

366:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 19:48:26 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「俺もあんたを見失うわけにはいかないな」

lw´‐ _‐ノv「なら話は簡単じゃないか、君」

(´<_` )「そうだな…なあ、こんなつまらないやつで良ければ、一緒に帰らないか?」

lw´‐ _‐ノv「こんなつまらないやつで良ければ、喜んで」

(´<_`* )「決まりだな」

lw´*‐ _‐ノv「うん」 続きを読む
  1. 2010/03/23(火) 00:06:32|
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( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです

232:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 04:05:20 発信元:219.125.145.46
( ^ω^)「……」



十年間生活した、塀の奥を目に浮かべつつ、僕は刑務所をあとにした。


僕はその足で、ある墓地へと向かった。

墓地の隅に忘れられたように立っていた墓石。
そこに刻まれた文字。
それは僕に命を奪われた被害者達の名前。


刑務所では、僕宛に遺族からの手紙は一切来なかった。
彼女の家族は、夫だけだったから。
彼の家族は、両親だけだったから。



僕は、十年前の出来事を脳裏に浮かべた。

233:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 04:07:46 発信元:219.125.145.56 [sage]
――――――――――――――――――――――――――――


( ^ω^)「ちょっと友人の引っ越しの手伝いをしてくるお」

ξ゚⊿゚)ξ「夕飯までには帰ってきなさいよ」


( ^ω^)「わかってるお」


お腹を大きくした妻に向かって、僕は答えた。

正直、出産間近の妻の身体が心配ではあるが、友人の引っ越し手伝いは以前からの約束であった。


( ^ω^)「さっさと終わらして帰ってくるお」


僕は軽トラで友人宅へと向かった。

234:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 04:10:29 発信元:219.125.145.43 [sage]
('A`)「よぉ。助かるぜ」

( ^ω^)「ちゃっちゃと運ぶお」


あまり多くない荷物量だったため、やるべきことは順調に進んだ。


('A`)「ありがとうな」

( ^ω^)「いつでも呼んでくれお」

('A`)「……一杯どうだ?」

( ^ω^)「いや、軽トラで来たし……」

('A`)「祝いの席だし一杯位大丈夫だろ」

( ^ω^)「……じゃあ一杯だけもらうお」


今思うと、その一杯が駄目であった。
しかし、押しに弱い僕は友人に勧められる形で、酒を一杯呷った。


当初、酔った気はしなかったが、帰り道の車内で揺られていると、程よく酔いが回ってきた。

235:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 04:12:34 発信元:219.125.145.50 [sage]









( ^ω^)「――お?」

236:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 04:15:54 発信元:219.125.145.58 [sage]
僕が車内で意識をはっきりさせた時、眼前に広がっていたのは、

歩道から見た風景。



トラックに乗っていたはずなのに、と少し視線をずらすと、壊れたガードレールが見えた。




そして、フロントガラスの下方に見える、




人の足。







( ゚ω゚)「うゎ……うわあぁぁあああぁー!!!」

237:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 04:21:37 発信元:219.125.145.47
そこからどうやって家に戻ったかは覚えていない。

僕は家に戻ると妻の名前を叫んだ。



( ゚ω゚)「ツン! 何処だお! 返事をしてくれお、ツン!」



今思うと、非日常に遭遇した僕は、日常の中にいるはずの妻を探していたのだろう。



僕は多分、十数分間は叫んでいたと思う。

239:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 04:27:41 発信元:219.125.145.52
ある程度の落ち着きを取り戻した僕は、居間の机の上に書き置きを見つけた。



『散歩に行ってきます
           ツン』



( ^ω^)「散歩……」


妻が家に居ない理由を知った僕は、その紙の裏に妻への書き置きをした。



『少し出掛けてきます
          ブーン』



実を言うと、この時既に自首の気持ちは固まっていた。

妻の悲しむ顔を見たくない、という気持ちが、僕に書き置きをさせた。



僕は近くの交番へと向かった。

241:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:00:01 発信元:219.125.145.44
(  ω )「すいませんお」

( ^Д^)「はい、どうしました?」

(  ω )「ひき逃げ……」

( ^Д^)「はい?」

(  ω )「僕は人をひいてしまったお……」

(;^Д^)「へ? そ、それは本当ですか!?」



警官が慌てて周囲に連絡したり、事実を確かめようとしている間、僕は書き置きを見たであろう妻のことだけを考えていた。

242:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:06:43 発信元:219.125.145.53
それから数日が経ってから、僕は取り調べを受けた。



( ^Д^)「君がひき逃げをおこしたんだね?」

(  ω )「そうだと思いますお」

( ^Д^)「? 自覚は無かったのかい?」

(  ω )「当時少し酔っていましたお」

( ^Д^)「なるほど、飲酒運転か」

(  ω )「刑事さん、僕がひいてしまった人は……」

( ^Д^)「妊婦さんだ。残念ながら亡くなったよ。お腹の中にいた赤ちゃんもな」

(  ω )「妊婦さんでしたかお……」



僕はそれを聞くと、自分の妻と同じ、妊婦をひいてしまった事に対する、後悔の念に呑み込まれた。

243:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:11:12 発信元:219.125.145.56
( ^Д^)「ところで、あなたと奥さんとの夫婦関係は?」

(  ω )「仲は良かったと思いますお」

( ^Д^)「喧嘩等は?」

(  ω )「特には無かったと思いますお」

( ^Д^)「それは本当かい?」



何故だろう。妙に刑事が夫婦関係について質問をしてくる。




そう思った瞬間、僕の頭にあってはならない考えが浮かんだ。

244:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:16:06 発信元:219.125.145.86
(  ω )「あの、その妊婦さんの家族は……」

( ^Д^)「両親共に亡くなっていて、夫が唯一の近親者だ」



(  ω )「もしかして……」








( ;ω;)「――もしかして、その妊婦さんの名前は『内藤ツン』ですかお!?」








刑事の首が肯定を示した瞬間、僕は絶望の闇に包まれた。

245:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:22:08 発信元:219.125.145.54
その後、僕は裁判で懲役十年の判決を受けた。



妻を殺してしまった後悔
妻を無くした悲しみ


その二つの重い負の感情と共に過ごしていた僕に、あの刑事が一つだけ伝えてくれたことがある。


( ^Д^)「あなたの子供は、事故に遭遇した直後に産まれて、亡くなったらしい」



自分と彼女の子供がこの世に生を受けた。
例え、玉響の命であったとしても。


その事実が、わずかに、ほんの少しだけ、僕の中の闇を和らげてくれた気がした。


――――――――――――――――――――――――――――

246:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:24:50 発信元:219.125.145.54
テレビなどで遺族の方はよく、時計が止まったままだ、と表現されるが、本当にその通りだと思う。


僕の時間は、十年前のあの日から一切動いていない。

法律上は罪を償ったとはいえ、僕の心が晴れることは無い。




しかし、このままでは彼女に怒られてしまうだろう。


ξ゚⊿゚)ξ「何やってんのよ、早くしなさいよ」


彼女なら、今の僕にそう言う気がする。



もしかしたら、息子からも怒られるかもしれない。

247:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:30:30 発信元:219.125.145.55
( ・∀・)「何やってるの、父さん。早く行こうよ」



僕の中の彼は、僕の時間を動かす為に僕を引っ張ろうとし、



ξ゚⊿゚)ξ「ほら、私が一緒にいるんだから」



僕の中の彼女は、動こうとする僕を全力で支えようとしてくれる。

248:( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです :2010/03/16(火) 05:39:08 発信元:219.125.145.58
僕は電話帳を取りだして、飲酒運転被害者の会に電話をかけた。

飲酒運転撲滅の為に、被害者からの視点の他、加害者からの視点を世の中に伝える。
そうすることで、僕の中の時間が少しずつ動いていく。
そんな気がする。




僕のしたことは、一生許されないだろうし、僕自身が許すことは無い。

それでも、



( ^ω^)「僕は少しずつでも動いてみるお」

( ^ω^)「もちろん、お前たちの分も背負って」


僕は
『内藤 ツン
 内藤 茂等』
と刻まれた墓石に、そんな誓いを立て、前に歩き出した。



( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです 終
  1. 2010/03/22(月) 23:47:41|
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(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV

151:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:04:04 発信元:210.153.84.6 [sage]
そのいち
『Vの部分はポニテをイメージしています』


川 ゚ -゚) パニ姉

(゚ー゚*NノV なんですかクーちゃん?

川 ゚ -゚) 今日の食事当番はパニ姉なんだが……


(゚ー゚*NノV

(゚ー゚;NノV

Σ(゚◇゚;NノV

川 ゚ -゚) ……その調子では忘れていたみたいだな

(゚◇゚;NノV 私、ど、どうしたらいいのかしら!?

川 ゚ -゚) 時に落ち着くんだパニ姉。一度スイッチが入ったら……

(゚◇゚;NノV と、取りあえずスーパーにいってきます!!

\(゚◇゚;NノV/ 三 スタコラサッサ

川 ゚ -゚) ……落ち着けないのがパニ姉の悪い癖だ

副題『左向きなのは絡み易いからです』

152:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:06:51 発信元:210.153.86.109 [sage]
そのに
『恋路編突入』


\(゚◇゚;NノV/ 三 スタコラサッサ

(;-_-) パ、パニックさんこんばんは……

(゚◇゚;NノV うわッ! ヒッキー君!? こ、こんばんは!!

(;-_-) こ、こんな所で会うなんて、偶然で……

(゚◇゚;NノV す、すみません!! 急いでるんで!! それじゃあ!!

\(゚◇゚;NノV/ 三 スタコラサッサ

(;-_-) ……すね

副題『恋路編終了』

153:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:09:58 発信元:210.153.86.225 [sage]
そのさん
『妹達が鎮火剤』


(゚ー゚;NノV ふう、やっと買物を済ませて帰ってこれたわ……

ノパ⊿゚) ねーちゃんおかえりー

(゚ー゚*NノV あら、ヒーちゃん帰ってたのね。シューちゃんは?

ノパ⊿゚) シューねーちゃんはもう少し蟻の巣に水を注いだら帰るって言ってたぞー

(゚ー゚;NノV あ、相変わらずね。

ノパ⊿゚) ねーちゃん、今日の晩御飯はなんだー?

(゚ー゚*NノV 今日晩御飯はカレーライスよ

ノパ⊿゚) あれ? でも米は全部シューねーちゃんが昨日使い切っちゃったハズだぞー

(゚ー゚*NノV

(゚ー゚;NノV

(゚◇゚;NノV

154:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:12:14 発信元:210.153.86.226 [sage]
(゚◇゚;NノV あわわ、どうしましょ!?

川;゚ -゚) またか……落ち着けパニ姉

(゚◇゚*NノV ク、クーちゃん! わ、私どうしたら!!

川 ゚ -゚)b 大丈夫、うどんがあるからカレーうどんにしよう

(゚◇゚;NノV あっ、え!?

(゚◇゚;NノV じゃ、じゃあ大丈夫なのね!?

川 ゚ -゚) あぁ、大丈夫だ……だから落ち着くんだ

(゚◇゚;NノV


(゚ー゚;NノV


(゚ー゚*NノV


(゚ー゚*NノV ありがとうクーちゃん、落ち着けたわ

155:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:16:10 発信元:210.153.86.105 [sage]

lw´‐ _‐ノv I'm home.

(゚ー゚*NノV あら、シューちゃん帰ってきてたの?

lw´‐ _‐ノv あぁ、ついさっきね

lw´‐ _‐ノv 時にパニ姉

(゚ー゚*NノV 何、シューちゃん?

lw´‐ _‐ノv まさか本気でカレーライスを諦めてカレーうどんにする気じゃないだろうね?

(゚ー゚;NノV えっ!?

lw´‐ _‐ノv 米に……かけて……食べてこそ……

lw´‐ _‐ノv カレーは本物のカレーと呼べるのだ!!

(゚д゚;NノV ズキューン!!

156:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:17:10 発信元:210.153.86.2 [sage]
(゚◇゚;NノV ご、ごめんなさいシューちゃん!! 姉さんは間違ってたわ!!

lw´‐ _‐ノv ふむ、分かればよいのだよ分かれば

(゚◇゚;NノV す、すぐに買ってきます!!

\(゚◇゚;NノV/ 三 スタコラサッサ

lw´‐ _‐ノv よって、ここに私の秘蔵米を使う許可を……

lw´‐ _‐ノv あれ?


副題『ただしシュールは除く』

157:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:20:02 発信元:210.153.86.3 [sage]

そのよん
『パニック七変化』

[鏡](゚ー゚*NノV ∥

[鏡](゚〇゚;NノV ∥

[鏡](゚□゚;NノV ∥

[鏡](゚△゚;NノV ∥v

[鏡](゚⊿゚;NノV ∥ノv

[鏡](゚д゚;NノV ∥‐ノv

[鏡](゚◇゚;NノV ∥_‐ノv

[鏡]Σ(゚◇゚;NノV∥‐ _‐ノv

副題『口の形に結構悩みました』

158:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:22:00 発信元:210.136.161.112 [sage]
そのご
『パニックの友達』


川д川 おはようパニちゃん

(゚ー゚*NノV あ、おはよう貞子ちゃん

川д川 昨日渡した原稿、どうだった?

(゚ー゚*NノV すっごく面白かったよ! やっぱりモラ×ギコこそ至高よね!!

川д川 うふふ、次のコミフェスも頑張りましょうね

副題『我らVIP大学 漫画研究部』

159:(゚ー゚*NノV 素直パニックのようです (゚◇゚;NノV :2010/03/14(日) 00:24:16 発信元:210.153.86.195 [sage]
さいしゅうわ
『姉妹の共通点』



(゚ー゚*NノV



川 ゚ -゚)



ノパ⊿゚)



lw´゚ _゚ノv



副題『目』
  1. 2010/03/22(月) 23:25:54|
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('A`)ドクオはレイヴンになるようです 2/2

86:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:55:12 発信元:118.0.92.78

******

『作戦領域に輸送機が接近。敵の増援だ。
 予定外ではあるがこれも撃破してくれ。
 全敵勢力の撃破を以って試験を完了とする』

試験官の人の渋い声がHMDから聞こえてくる。

( ^ω^) 『了解』

そう応えた僕は、レーダーの端に映った青い敵のマーカーを眺める。
青は敵が高高度にいる証で、たいていが航空機か何かだ。

試験官が言う通り輸送機なのだろうと判断した僕は、
輸送機の進路から降下ポイントを予測する。
北西から飛んできたそれはMTを降下した後に南東に逃れるつもりだろう。

……そうはいかない。

僕はACを北西へと向け、ブースタを点火する。
機体内のエネルギーが炎に転換されていき、機体を前方へと押し出していく。

それほど速くはないが、まだ間に合うはずだ。

黒い空には灰色の翼と身体が我が物顔で存在しており、
MTを数機詰める輸送機に相応しい巨体で風を切っている。

……僕の目的は一つだ。

87:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:56:03 発信元:118.0.92.78

相対距離は400mほど。ミサイルとライフルの射程距離内に入った。

右の操縦桿に備えられた照準軸を親指で操作し、上空へと照準を持ちあげていく。
すると、輸送機が照準の中に収まり、ミサイルが発射準備に入る。

……MT降下前に輸送機を落とす。

その間も僕は輸送機へと接近していき、ロックオンが完了すると同時にトリガーを引く。

が、

(;゚ω^) 「……ッ!?」

ミサイルは発射されなかった。
遅れて、耳障りな警告音が鼓膜を突き刺す。

HMDに映しだされる光景の左端に、エラーの文字が赤々と浮かび上がった。

(;^ω^) 『ECM!? ジャミングだお!!』

('A`) 『ホライゾン、前に出過ぎだ! 早く後退しろ!』

独男の声が聞こえ、驚きの虚脱から抜きだされた僕は、
慌てて機体を後方にさげていこうとするが、
それよりも早く敵MTは降下された。

ACよりも若干劣る体長を持ち、太い足と腕を持ち、
厚い装甲を持ったそのMTは、紛れもなくミラージュ社の高性能MT、MT09-OWLだ。

88:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:57:06 発信元:118.0.92.78

ECMを搭載し、ホバリング機能を持つこの人型MTには訓練で散々苦労させられた。

それが、1機、2機、3機と続々と降下されていき、
僕へと向かって突っ込んでくる。
OWLはライフルを構えて、ACにも劣らない火力を持つ銃弾を僕の機体に浴びせた。

装甲に銃弾が爆ぜて甲高い金属音が立ち、火花が散っていく。
その間にも弾丸は連射されて僕へと近づいてくる。

反撃しようにECMによって光学ロックは封じられてしまっているので、
ライフルはまだ扱えるがミサイルは使い物にならないと言っていい。

後退して、独男と合流するべき。

瞬時に操縦桿を切り、機体を反転させてその場を離脱しようとするが、
ブースタを吹かせて向かったその先には、もう一機のOWLが待ち構えていた。

(;^ω^) 「ちっ……」

ライフルが突きつけられ、弾丸がコアに突き刺さる。

損傷は軽微。しかし、背後からも銃弾は迫っており、
集中砲火を浴びる羽目になった僕のACは、ダメージを蓄積していった。

89:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:57:57 発信元:118.0.92.78

AP残り60%

HMDの端にそう表示される。

僕は前に立ちふさがるOWLへと真っ直ぐに突っ込んでいき、
ブレードを振るっていくも、ホバリングで宙に浮くこのMTはヒョイと後退することで避けてみせ、
再び僕にライフル弾を見舞ってきた。

ブレードが振るわれたことでエネルギーが消耗された所に、
弾雨を食らい続けてしまったことでACが熱暴走を起こしてしまい、
コンデンサ内のエネルギーは一気に零となってしまう。

(;゚ω゚) 「ちゃ、チャージングかお!?」

警告音が響き、緊急稼働に入ったジェネレーターが慌ただしく
空になったコンデンサ内に電気を満たしていくが、
そんなものをただ待っているだけではACはすぐに破壊されてしまう。

冗談じゃない。

僕はとにかくここから離れようと機体を操作していく。
フットペダルを重く踏み込めばACはジャンプする。

その時に生まれる慣性力を活かして前へと進み、
OWLを振り切ろうとするが、ホバリングによる機動から逃れらるはずもない。
ただ距離を、MTとの距離を取って被弾率を下げることのみを考えていた僕には、そうする他なかった。

だが、僕の努力は水の泡となって消えてしまう。

91:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:59:23 発信元:118.0.92.78

外部マイクが拾った、羽音が聞こえてきたのだ。

大きな身体を持つ、輸送機の羽音を。

ジェット音を響かせて第二都市区に進入してきたそれは、
ハッチを開いて更にOWLを降下したのだ。
新たに現れた3機のOWLが僕を囲み、銃撃を浴びせていく。

空中で身を振り、当てずっぽうにライフルを撃つも、
かわせず、当てられず、成す術もなく僕のACは抉られていく。

AP40%..30%...20%

どんどんと減っていくそれは、機体の状態を深刻な物にさせていった。
ジェネレーターはエネルギーを生成し、コンデンサ内を満たしていくが、
それよりも早く僕の機体は撃破されてしまうだろう。

……せめて一機だけでも。

その一念が僕に取りつき、目前にいたOWLへと僕は真っ直ぐに走り抜けていく。
フットペダルを軽く踏むだけでそれはなされ、
ロックオンをしない照準機でもだいたいの敵位置は捉えていた。

弾丸が発射され、OWLの装甲をあちこち抉っていくも、
反撃に向こうもライフルを発射していく。

弾丸が装甲を削り、ボロボロとなった腕部から火花が吹きだした。

92:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/13(土) 00:00:07 発信元:118.0.92.78
恐らく、アクチュエーターか何かを損傷したのだろう。

腕の安定性能が落ち、銃の反動を上手く緩和しきれなくなってくるが、
構わず僕はOWLへと弾丸を連射していく。
続々と殺到していく鋼鉄の弾にOWLは貫かれ、甲高い音を響かせるが早いか爆散した。

道が開け、そこへと向かっていくが、周囲から浴びせられる弾丸が襲ってくる。

「AP10%―――危険です」

HMDから男性の機械音声が流れ、警告する。
死に物狂いで僕は包囲網を脱出しようと走り抜けるが、
左右から再びOWLが迫って来た。

チャージングは……後、3秒ほどで完了か。

3秒。残りAP10%で耐えきれるか耐えきれないか。

僕はACを大きく跳躍させ、空中で上体操作を行って弾丸をなんとか避けるも、
どうしても5機のMTからの集中砲火を浴びせられればかわしきれないものが出てくる。

どこからか飛んできた弾に被弾してしまい、着地するとOWLが懐に踏み込んできていた。

(;゚ω゚) 「―――っ!」

……読まれていた。

93:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/13(土) 00:01:15 発信元:118.0.92.78
思わず息を詰め、死の覚悟を決めると、僕の目前でOWLは切り捨てられた。

その後ろには灰色のACの姿があり、二つの目が赤色に輝いていた。

(;゚ω^) 「は……ッ!」

呆気に取られてしまうが、咄嗟にブースタを吹かせて背後へと引いていく。
チャージングは、既に完了していた。

目前でMTが大きな爆発を生み、突如として現れた増援に、
残るMTパイロットは彼へと注視する。

('A`) 『ホライゾン、急いで後退しろ。残存勢力はこいつらだけだ』

傍に立っていたOWLが独男機にライフルの銃口を突きつけるも、
彼は右手に構えたライフルで、正確にOWLのカメラアイを撃ち抜いた。

大気を震わせる破砕音が響きわたり、OWLが後ろから倒れていく。

独男は右へと機体を加速させ、僕は彼の背後を抜ける。
包囲網を作りだしていたOWLの一機に接近し、
独男機はライフルを乱射する。

狙いの定まっていない、デタラメな撃ち方だ。
独男のACもECMの影響を受けてしまっているのだろう。

それでも牽制にはなったのか、動きを鈍くしたOWLの懐に易々と踏みこむと、
左腕を大きく一閃して切り払ってみせた。

胴から真っ二つにされたOWLは大きな炎を抱き、飲まれていってしまう。

94:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/13(土) 00:02:36 発信元:118.0.92.78
あっと言う間に数を半分に減らした独男は、ここで動きを止めた。
隊形を組み直し、扇形になったMT部隊と相対して銃を構える。

('A`) 『数を減らす。ホライゾン、ECMの影響が弱まったらサポートを頼む』

(;^ω^) 『了解だお』

三機のOWLが、動きを見せる。

それは鎖で繋がれているかのように連なった動きだ。
三機全てがそれぞれ動き出していき、独男のACをほぼ同時に取り囲む。

対し、独男機はそれを許さない。

ブースタから炎が噴射されてACが前方を行く。
エネルギー消費を無視した、速度重視の軌道だ。
僕はそれを見届けながら後方に屹立するビルの陰に隠れていった。

AC規格のライフルから放たれた、人間の使う物と比べ物にならない銃声が街に一つ、響きわたった。

95:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/13(土) 00:03:34 発信元:118.0.92.78

******

MTパイロット達は一機のACを取り囲む。

灰色の、AC開発初期に作られたパーツで組まれた機体だ。
もともとダメージを受けていたというのもあり、ACには所々破損が見られていた。

OWLに乗る三人のパイロット達は、後にやってきたもう三機のOWLと合流したというのもあり、
ACを撃破出来ると確信出来た。ましてや、大金を叩いて買ったミラージュ製の高級MTだ。
勝てなくては意味がない。

六機のOWLがACを取り囲む。

それよりも僅かに早く、MTパイロット達はトリガーを一斉に引き絞り、
ACへと一斉攻撃を開始する。

堅牢なACの装甲が続々と抉られていき、火花を散らせ、破損していく。

なんとか逃れようとするも、MTパイロット達が巧みにOWLを操ることで、
ACは包囲を突破できなかった。

熱暴走を引き起こしてしまったその機体はチャージングに陥り、ブースタを使えなくなる。

敵に囲まれた中で機動力が大きく削がれた、絶体絶命の窮地。

しかし、決死の覚悟を決めたのか、ACは自分の突き当たりにいるOWLへと銃を放った。
ECMの干渉により光学照準器を使えない中で行われるそれは、
狙いが出鱈目な一心不乱の乱射だ。 続きを読む
  1. 2010/03/22(月) 23:17:53|
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('A`) ドクオはレイヴンになるようです 1/2

65:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:41:47 発信元:118.0.92.78
第一層第二都市区。


多数のビルが立ち並ぶ900万平方Kmにも及ぶ区域だ。

高速道路はその上をいき、都市を一周出来るようになっていて、
区画内を容易に移動できるようになっていた。

今この区画を彩る物は輝かしい街明かりであり、空は暗い。

暗き空。光の無い夜空を飛行機が切っていく。

身を揺さぶる羽音を響かせ、別区画から飛んできたであろう機影は大きく、
頭上に二つの大型プロペラを回転させており、
腹の下には何かを格納させる為の収納スペースが設けられていた。

AC用輸送機。

第二都市区画へ到達したそれは、羽音とは別の音を二つ生んでいく。

『作戦領域に到達。ACを降下する』

輸送機に接続されていた二機のACが落ちる。

10m程の人形をしたそれらは真っ直ぐに落下していき、
高度から5tを超える重量物が落ちてきたことで強力な衝撃が生じるが、
ACの脚が曲げられ、アクチュエーターが稼働することでそれは緩和された。

重量のバランスを上体操作で整え、二機のACは目前の敵を捉えていく。

66:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:43:07 発信元:118.0.92.78

逆くの字に折れた足の生えた、二足歩行戦車型MT。

レーザー銃と小型ミサイルで武装したCR-MT77M
―――クレスト社製のそれが、ACの前方に立つ。

その背後にはもう一機が控えており、レーダーにはもう十四機の姿が捉えられている。

ACのパイロットは機内でその姿を確認すると、

('A`) 「作戦を開始する」

無線を使用して"試験官"へとそう告げた。

"AC"――――アーマードコア。

目的に沿ってパーツを機体の核であるコアに組み上げていくことで、
どのような状況下での戦闘を可能とする、汎用性の高い、
最強の人型機動兵器。

それを操る傭兵"レイヴン"となる為の試験が今、開始された。

68:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:44:27 発信元:118.0.92.78

******

試験官の声がスピーカーから発される。

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)から鼓膜へとそれは突き刺さり、
緊張しきった俺の脳を揺さぶった。

『試験開始。このミッションを達成した時、
 君達は"VIP"に登録され、レイヴンとして認められる』

『このチャンスに二度目はない。失敗する時は死ぬ時だ』

『諸君の奮闘を期待する』

二度目はない。

失敗すれば死ぬ。

受ける前から覚悟していたことが現実としてぶち当たることで、
俺の緊張感は最高潮に達していた。

だが、HMDの画面には既に敵が映っている。

逆関節型MT。訓練で何度も相手をしたことのある機体だ。
クレスト社製の安価で頑強なそれは、こちらを捉えている。

画面にLOCKと警告文が表示されているので、何時撃たれても可笑しくはない。

70:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:46:16 発信元:118.0.92.78
敵と相対した事実が、煮詰まりきった脳みそに突き刺さり、
それは今まで受け続けてきた訓練の記憶を揺り動かしたのか、
身体が自然と動き始めていた。

フットペダルを浅く踏み込み、ブースタを起動する。

コアの背部に備えられた二つのブースタが火を吹き、
機体の身を持ちあげていく。

そのまま重量操作で斜め右へと跳ぶと、敵MTのミサイルが飛来する。
コア右側を抉るように向かってきたそれを、
ブースタが生んだ慣性力を活かして、上体バランスを左に崩すことで回避。

空中で浮き上がったACが突如として身を左に振ることで、
発射されたミサイルは明後日の方角へと飛んでいく。

それよりも早く、武器をライフルからミサイルへと切り替えていた俺は、
回避動作と同時に敵MTをロックオンサイトに収めていた。

ロック完了まで、後、3、2―――ターゲットマーカーが赤く変色した途端、
すぐさま俺は操縦桿のトリガーを引いた。MTは後退を始めるが、遅い。
左肩部に装備されたCR-WR69Mからミサイルは発射される。

小型ミサイルは夜空に白い尾を引いて敵へと襲いかかり、
MTの頭部を粉砕し、破片と爆発を撒き散らした。

しかし、大破には至らない。

背後に控えていたMTがバックアップに回り、
被弾したMTが姿勢制御を行うより早く後退しようとするが、やはり遅い。

75:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:48:21 発信元:118.0.92.78

足を一歩踏み出そうとしていた時には、既にもう一機のACが接近していた。

間合いは零距離。俺と同じ機体のそれは、
エネルギーの刀身を左腕から出現させ、大きく一閃することでMTの装甲を断ち、
ブレードを食らったMTは火花と破片を散らして爆散していった。

撃破と同時、ACは次の敵を捉える。

( ^ω^) 『一機撃破』

ホライゾンの子供のような高い声が俺にそう告げ、敵に再び向かっていく。

……突出しすぎだ。そう思うが、ならば俺がサポートに回ればいい話だと、
瞬時に頭を切り替え、ブースタを吹かせて前進する。

ホライゾンのACの背後に付けていく形となり、奴の動きに従っていく。

相手はクレスト社製のMTで、装甲は頑強だ。
こちらはACとはいっても、パイロットの俺達はレイヴンの卵といった腕で、
長期戦になればダメージが蓄積し、撃破される可能性がある。

武装の中で一番攻撃力の高いブレードを使用すればほぼ一撃で敵は倒せて、ダメージを抑えられる。
最も、無理に近づけば余計にダメージを受けてしまう可能性もある。

が、ブーンはMTに接近し、更に距離を詰める。

レーザー砲がACを捉えて発射されようとするが、
俺がブーンの背後から飛び出し、ライフル弾を浴びせてやることで、
MTはこちらへと照準を向け直す。

76:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:49:08 発信元:118.0.92.78
LOCK。HMDにその文字が浮かぶが、
次の瞬間にMTは真っ二つに切り裂かれて倒れていった。

( ^ω^) 『二機撃破』

再び告げられた言葉に、安堵感を覚える。
上手くいっている。そう確信出来る。

('A`) 『順調だな』

HMDのマイクに声を浴びせ、ホライゾンへと繋げる。

( ^ω^) 『おっおっお、独男と一緒で良かったお』

笑みで返って来た言葉に、俺は再び安堵する。
画面の右端に映るレーダーにはまだ12もの機影が残っているが、
こいつとなら問題はないだろう。

こちらを取り囲もうとするMT部隊を確認し、ホライゾンに言う。

('A`) 『まだ始まったばかりだ、抜かるなよ』

( ^ω^) 『了解だお。西側の展開が僅かに遅れてる、そっちに向かうお』

ホライゾン機がビルの裏を回り、その先にいたMTを斬り捨てながら進んでいき、
俺はそれについて都市区の西方面へと向かっていった。

78:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:50:17 発信元:118.0.92.78

******

無骨なシルエットをした中量級二脚のACが二機、第二都市区を行く。

右腕にライフル、左腕にブレード、
左肩にミサイルと右肩にレーダーを装備したその二機は、
MTの大群へと立ち向かっていく。

包囲網を完成させつつあるそれらの、西側へと切り込む二機。

数は三。隊形を組んでいたMT三機は、
扇状に独男とホライゾンを向かえ、レーザーとミサイルを浴びせた。
二機のACは左右に分かれ、ミサイルを避けると反撃にミサイルを見舞う。

左側に位置していたMTに二発のミサイルが被弾し、炎に飲まれて倒れていく。

そのまま進路を左に取ったホライゾンは、先程のMTの傍に立っていたMTに食らいつく。
直線的な動きを取る彼のACは、放たれたレーザーを避けられなかった。
宙に青い線が走り、鼓膜を射抜く鋭い音が立つと、ACの左腕が突かれてしまう。

分厚い装甲板に焼け跡が出来るが、大したダメージではない。
しかし、もう一、二撃と積み重ねられれば、流石にACと言えども無視は出来ない。

ホライゾンは別機のレーザーを受けてしまうが、構わずに目前のMTを斬り捨てた。

爆散し、炎が二つ吹き上がった。
黒煙が棚引き、視界が開けると、ホライゾンのHMDには独男機が映った。

79:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:51:21 発信元:118.0.92.78
三機撃破。

二人はそのまま道路を抜けていき、レーダーを確認。

北東にMTが三機、東に四機、南東に二機。
ビルを通り過ぎていくとその背後にはMTがいた。

独男はライフルを放ち、ホライゾンもそれに重ねて放つ。
ホライゾン機が先をいき、独男は旋回して裏へ回っていく。

銃撃を浴びせられたMTは装甲を抉られ、足をやられる。

動けなくなったMTを接近したホライゾンがブレードで切り捨てる。

ブォン。鈍く唸りを上げたブレードが橙色に輝き、
MTは動力炉を焼き切られて爆発した。
轟音が響き、ホライゾンの背後にMTが現れる。

すかさずミサイルが放たれてACへと殺到する。
着弾するまでそれほどの時間はかからない。

しかし、爆発音がまた響き、ホライゾンの前方に独男機が飛び出してきた。

彼の機体の左胸に備えられたミサイルの迎撃装置が、
ホライゾン機を狙うミサイルを捉える。
すると、砲口から放たれたレーザーがミサイルを撃ち落とした。

ホライゾンはそれを確認する間もなく、背後へ跳ぶ。

80:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:52:16 発信元:118.0.92.78
地面を両足で蹴り、宙へと浮かび上がったACは、
ブースタを吹かしてMTに背を向けたまま接近。

迷いの無い素早い動き。

予め計算していたとおりに動いたACにMTは対応できない。
あっと言う間に背中を取られたMTは、無残に切り捨てられてしまった。

橙の炎がHMDを通してホライゾンの目に灯る。

破風をものともしないACはブースタを稼働させ、東へと向かっていった。
独男はそれに先行する。5機もの数を相手に中距離戦を挑めば、被弾は免れない。

ましてや初期装備であるのならば尚更のことだ。

だから彼らは、ダメージを度外視した接近戦を望んだ。
ビルを遮蔽物として部隊を展開させるMTに、正面からACはぶつかっていく。

迷いの無い素早い動き。MTはレーザーとミサイルを怒涛という勢いをもって浴びせていくが、
二機のACは物ともせずに突貫していき、懐へと飛び込んでいく。

跳躍した独男機は空中から橙の刃を繰り出し、MTを斬り捨てた。

着地直前にブースタに火を吹かせ、着地の衝撃を緩和すると、
すぐに加速して傍にいたMTを切りつける。

そのまま旋回して真っ直ぐに進んでいけば、ビルから姿を覗かせたMTに突き当たった。

83:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/03/12(金) 23:53:21 発信元:118.0.92.78
右腕を伸ばせば、ライフルの銃口がMTのコックピットに向けられる。

MTパイロットは目を見開き、咄嗟にトリガーに指を掛けるも、
それはあまりにも遅すぎた。

ライフルがコックピットに密着し、銃弾が放たれる。
一発、二発、三発と。

銃弾を受ける度に衝撃に身を震わせたMTは倒れていき、
コックピットからは炎が噴き出していった。

遅れて、回り込んでいたホライゾンが独男の左手側に現れる。

どうやら、独男が先程倒したMTは、彼が取り逃した物らしい。

( ^ω^) 『すまないお。敵機を二機撃破したお』

('A`) 『こっちは三機撃破。次だ』

ここまで、何も問題はない。APは90%を保っている。
大したダメージは受けていない。

残るは三機。 続きを読む
  1. 2010/03/22(月) 23:13:18|
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( ^ω^)司書ブーンの憂鬱だそうです

48:( ^ω^)司書ブーンの憂鬱だそうです :2010/03/12(金) 17:51:43 発信元:123.221.192.183
ここはブーン系小説シベリア図書館。膨大な蔵書が自慢の図書館だ。
しかしここの魅力は単に本の数にあるのではない。
司書(館長兼任)のブーンは読者のニーズに答えて的確な本を選び出してくれるのだ。

( ´∀`)これ面白かったよ。たまには探偵物もいいね。
     今度はファンタジーが読みたいな

( ^ω^)わかったお

と言って司書のブーンはカウンター後ろの書架から一冊の本をとりだして、それを検索し出した。
これこそが秘密の鍵である。この図書館にはいろいろな項目別に目録を作成する専任の学芸員がいるのだ。

49:( ^ω^)司書ブーンの憂鬱だそうです :2010/03/12(金) 17:53:20 発信元:123.221.192.183
司書の名前はアサピーと言った。彼にとってこれはまさに天職で、朝から夜遅くまで本の山と格闘して目録を作っていた。

しかし目録作りそのものが目的となってしまって実用とは大きくかけ離れている、と司書は感じてもいた。

( ^ω^)夜遅くまでご苦労さん...今は何の目録をつくってるんだお?

(-@∀@)ドクオとモララーが出てきて、ドラ焼きが作中に登場しない本の目録です

( ^ω^).........昨日作り終えた目録は何だったお?

(-@∀@)ページ数が15P以下の目録の目録です。

( ;^ω^)


ブーンは病気に近いものを感じた。もともと偏執狂(パラノイア)的な性格は一層強められ、休憩時間も休日も目録作りに没頭する
という有様だった。しかし直接助言すると、彼は突如キレて暴れだす可能性があった。以前目録の上にコーヒーのシミをつけた
職員に、給湯室の果物ナイフを携えて抗議して来たこともあった。

51:( ^ω^)司書ブーンの憂鬱だそうです :2010/03/12(金) 17:54:42 発信元:123.221.192.183
ブーンは一計を案じた。なるだけ、自ずと目録作りをやめにしてほしい。どうしたらいいか....


良い案が浮かんだ。


( ^ω^)君にやってほしい仕事があるお。
      「題名が文中に出てこない本の目録」を作成してほしいお

(-@∀@)わかりました。そんなの簡単ですよ

( ^ω^)君の仕事は完璧だおね。もし、目録が不完全であったり欠陥があったりしたら、君の名に傷がつくお。

(-@∀@)その時にはもう目録作りなんか止めてやります

( ^ω^)たいしたプライドだお。たのんだお!

52:( ^ω^)司書ブーンの憂鬱だそうです :2010/03/12(金) 17:55:47 発信元:123.221.192.183
それからというもの、寝る間も惜しんで件の目録作りに勤しんだ。そのかいあって、1週間ほどで目録は完成した。

(-@∀@)ふう、ようやく終わった。この目録は完璧だ。「題名が文中に出てこない本」は全てこの中にリストアップされている。

      ん、よく考えたらこの目録自体も「題名が文中に出てこない本」だな。
      
      このままでは不完全だ。
      これもリストに加えなきゃ....


      いやいやまてよ....。

      リストに加えたらこの本は「題名が文中に出てくる本」になってしまう。
      だからリストから除外しなくてはならない。

      でも加えなきゃ、この目録は不完全なままだ.....



53:( ^ω^)司書ブーンの憂鬱だそうです :2010/03/12(金) 17:56:36 発信元:123.221.192.183
この決して答えの出ない問いを繰り返したまま、彼の思考は48時間の間ループし続けた。
そしてその後、一本の電話が図書館に入った。


ξ゚⊿゚)ξ 館長。アサピーさんが1週間自宅で療養したいとのことです


( ^ω^)ニヤリ

(終)




ご支援ありがとうございました
  1. 2010/03/22(月) 22:42:18|
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(´・ω・`)スースーするようです

27:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 15:55:25.23 ID:2TYbOJMAO
(´・ω・`)ねえ

('A`)なに

(´・ω・`)股間がめっちゃスースーするんだけど……

('A`)……ああ

(´・ω・`)うん

('A`)あれじゃね

(´・ω・`)なによ

('A`)ガンとかその類

(´・ω・`)マジで

('A`)いやしらんけど

(´・ω・`)……

('A`)……

28:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 15:56:13.03 ID:2TYbOJMAO
(´・ω・`)……どうしよう

('A`)あれだ、キンカンとか効くんじゃね

(´・ω・`)マジ?

('A`)うん





(´゚ω゚`)



('A`)ごっめーん

29:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 15:57:01.66 ID:2TYbOJMAO
(´・ω・`)なんなんだろう

('A`)そうね

(´・ω・`)あれかね

('A`)なに

(´・ω・`)性病とかその類

('A`)えっなに、えお前、え?あの、非童貞、えっ?

(´・ω・`)冗談だよ

('A`)え?ああ、ちょ、おま、あせらせんなし

(´・ω・`)流石にキモい

('A`)自覚してる

30:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 15:58:14.72 ID:2TYbOJMAO
(´・ω・`)これで死んだら死因はなんなんだろう

('A`)おまた死じゃね

(´・ω・`)やっぱりエイズとか?

('A`)もうひっかからんぞ

(´・ω・`)チッ

31:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 16:00:18.24 ID:2TYbOJMAO
('A`)逆転の発想だ

(´・ω・`)なによ

('A`)凍傷とかって冷た過ぎて逆に熱くなるだろ

(´・ω・`)うん

('A`)だからスースーし過ぎれば治るかもしれん

(´・ω・`)なるほど






(´゚ω゚`)

('A`)ごっめーん

32:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 16:02:31.41 ID:2TYbOJMAO
(´・ω・`)あれ

('A`)なによ

(´・ω・`)治ったかも

('A`)マジ?

(´・ω・`)マジ

('A`)やっぱりキンカンは効くな

(´・ω・`)かもね

('A`)あってよかった、キンカン

33:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 16:03:34.37 ID:2TYbOJMAO
(´・ω・`)あれ

('A`)今度はどした






(・ω・)眉毛が無くなった……

('A`)もうヤダこの人

34:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 16:04:40.53 ID:2TYbOJMAO
(・ω・)どうしよう

('A`)やっぱり育毛剤かしら

(・ω・)うん







(”・ω・")キリッ

('A`)なんもいえねぇ

35:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 16:05:35.19 ID:2TYbOJMAO
('A`)原因はわかるのかい

(・ω・)喰いすぎとかかね


('A`)うーむ、それは一理あるな

(・ω・)じゃあ断食するかな

('A`)やめとけって……






(ヽ・・)……

('A`)もう誰だかわからないよ

36:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 16:06:26.77 ID:2TYbOJMAO
(ヽ・・)なんかこのままでもいい気がしてきた

('A`)よくないだろ

(ヽ・・)理由Kwsk

('A`)名前ショボンじゃなくなるやーん

(ヽ・・)確かに

('A`)何になるんだろうか

(ヽ・・)うーんショボン~眉毛粉砕ド淫乱超絶倫限界解除マラ持ち雄汁MAX~とか

('A`)そんな感じかね

(ヽ・・)うん

('A`)でも呼ぶ時大変だろjk

(ヽ・・)確かに

('A`)略してみるか

そうだね

('A`)雄汁とかでいいか

(ヽ・・)至極妥当だね

38:(´・ω・`)スースーするようです :2010/03/18(木) 16:07:32.16 ID:2TYbOJMAO
(・ω・)眉毛から離れてしまった

('A`)ああ

(・ω・)やっぱりこのままなのかしら

('A`)生やすことよりまず書いてみたらどうで御座るか



(”・ω・")


('A`)あれ?デジャヴュ

(”・ω・")うふふ

('A`)とりあえず眉毛拭けよ………雄汁
  1. 2010/03/18(木) 21:54:12|
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( ・∀・)色々噺するようです

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:23:07.05 ID:cBfKXuGU0

( ・∀・)

( -∀-)ペコリ

( ・∀・)「えー、よくこの、お焼餅のお笑いを申し上げます」




ξ-⊿-)ξ ジョルジュ提灯のようです ζ(゚ー゚*ζ

(参考文献『古典落語 金馬・小圓朝集』)




( ・∀・)「俺なんかはアレですね。有り難い事に“モテ過ぎて困る”なーんてもんなんですが、すると、恋人やらなんやらが妬くわけです」

( -∀-)「ギャルゲじゃないですが、うっかり死亡フラグ乱立した暁にゃあ……色男も辛いもんですよ。ハハッ」

( ・∀・)「…ま、冗談はこれぐらいにして」

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:26:09.10 ID:cBfKXuGU0

( ・∀・)「『燐気は女の慎むところ』っつー言葉もあるわけですから、古来より、嫉妬は女のもんと相場は決まってたらしいです」

( -∀-)「……第一、男の嫉妬はみっともないしね。いや、マジで」

( ・∀・)「話をご婦人方に戻しますと、個人主義ゆとり教育の世の中、まぁ個性ってのが出ます」

( ・∀・)「性質によって妬き方、もとい焼き方が違うわけでございます」


( ・∀・)「おばあちゃんのぽたぽた焼きみたいに、ほんのあっさり狐色。とか」

( ・∀・)「中ぐらい。西洋被れに言えばミディアムレアってやつ。とか」

( -∀-)「…さて酷いのはって言うと……真っ黒焦げ。もはや単なる炭素の塊。癌誘発ってね」


( ・∀・)「こうなった日には、もう、日々命がけ」

(;・∀・)「ちょっと女友達と話しただけで……一日帰らなかっただけで……おお、怖い怖い」

( -∀-)「今で言うヤンデレです。それが好きー、って方も勿論いらっしゃるんでしょうが、」

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:29:07.37 ID:cBfKXuGU0

ξ ー)ξ『うふ、うふふ…。今日は帰ってくると思ったのに、あの人ったら……。もう何処にも行かないように足切り落しちゃおうかしら』


( ・∀・)「こーんな風に、綺麗なお手々に似合わぬ鋸をホームセンターで選んでたりすると、たとい他人事でも背筋が冷えます」

( ・∀・)「しかし男にもプライド、自棄ってのがありますからね、」


( ^ω^)『どうもアレは束縛したがりだお……。昨日帰ってないし今日は帰らないといけないけど、また帰ると面倒だお……』


( ・∀・)「『ええい、もう一晩空けちゃえ』なんて思ってしまうわけです」

( ・∀・)「まぁ、こんなヤンデレは極端ですが、丸っきり妬かないのも駄目らしい」

( ・∀・)「男ってのは勝手ですから、」


( ^ω^)『昨日は帰ってないけど……どうせ妬かないし今日も大丈夫だお!』


( ・∀・)「なんつって……。もう、どうしていいのか分からない。さて妬いていいのか、それとも妬かない方がいいのやら」

9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:32:04.88 ID:cBfKXuGU0

( ・∀・)「『綺麗な女は世間のもの、醜い女はお前だけのもの』って言葉もありますし、女側も、そうあるべきなのかもしれません」


( -∀-)「……話は変わって、今度は男」

( ・∀・)「先ほど俺が『みっともない』と評した男の嫉妬」

( ・∀・)「別に嫉妬は女の専売特許じゃありません。ちゃんと男だって妬きますよ」


ξ゚ー゚)ξ (´∀` )キャッキャッ

( ^ω^)『……あんにゃろめ』


( ・∀・)「いやまぁパターン的に、それこそ有りがちーな展開で、話してた相手は彼女さんの兄貴だったりとかするんです」

( ・∀・)「本当、漫画じゃ見飽きたほど」

( ・∀・)「…てか実生活でもままありますけどね」

12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:35:06.27 ID:cBfKXuGU0

ξ゚⊿゚)ξ『悪かったって言ってるじゃない。ごめんなさい。…ほら謝るから』

ξ゚⊿゚)ξ『大体男ってのは細かいことを気にしないもんでしょ。何も、そんなに怒らなくても……』

(#^ω^)『いーや、駄目だお。もー駄目だお。いっつもいっつも、親しげに話して……』

ξ-⊿-)ξ『じゃ、何?私が気に入らないって言うの?』

(#^ω^)『そうだお!お前みたいなの、さっさと出て行けばいいお!!』


( ・∀・)「…当然、内心では『ヤベェ、謝るタイミング逃した』って感じです」

( ・∀・)「亭主関白気取りも大変だ」

( ・∀・)「まぁ、こうなっちゃうと奥さんの行動なんて限られてきて、」


ξ ⊿)ξ『…いいわ。いいわよ、もうっ……』

ξ ⊿)ξ『いいもん。私、出て行くから。お世話になりました』

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:38:06.15 ID:cBfKXuGU0

(;^ω^)『お、お……』

ξう⊿;)ξ『今までありがとう。お酒飲み過ぎちゃ駄目だよ。高カロリーのものは控えてね。洗濯は、色落ちしないように気をつけて……』

(;^ω^)『いや、あの…』

ξ;⊿;)ξ『じゃあね』


( -∀-)「……こういう場合、改めて見てみると中々可愛かったりするんですよ。自分のやつも」

( -∀-)「普段一緒にいるから忘れがちですけどね。…まったく、どーしようもないな。どいつもこいつもよ」

( ・∀・)「しかしながら、今更引き止めるわけにもいかない。んで、」


( ^ω^)『ちょっと待つお。一体何処へ行くんだお』

ξう⊿;)ξ『何処って……あなたが言った通りに出て行くのよ』

(;^ω^)『それはそうだけど……』

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:41:07.27 ID:cBfKXuGU0

(;^ω^)『そう!そうだお!今別れた女房に大手振って玄関から出て行かれちゃ、僕の面子は丸潰れだお』

ξ;⊿;)ξ『…あ、ああ。そっか。……うん、気遣いが足りなかった。じゃ、裏口からこそっと』

(;^ω^)『何言ってんだお。たとえ別れたと言えど、女房を裏口からこそっと出すわけにはいかないお』

ξう⊿;)ξ『表も駄目。裏も駄目。じゃ一体私は何処へ行けばいいのよ……』

( ^ω^)『…なぁに。行くとこないなら僕の傍にいればいいお』


( -∀-)「馬鹿ップルは死ね、って話でした」

( ・∀・)「こんな結果になるぐらいなら、まぁ最初から男は妬かない方がいいんでしょう」

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:44:14.69 ID:cBfKXuGU0

( ・∀・)「…対照的に、全然妬かない、って奥方の話もたまには聞きます」

( ・∀・)「これはある商人衆……今で言うブルジョワな御仁の奥さん、」

( -∀-)「その人は妬くことが嫌い。見るのも聞くのも嫌だ。妬くことは全部嫌だ……っと」

( ・∀・)「ですから食事でも焼いたものは食べない」


(;^ω^)『あのう、つかぬ事をお伺いしますが……今日の夕飯はなんでしょう』

ξ-⊿-)ξ『鮭よ。見て分からないの』

(;^ω^)『(なんで素茹でしてるんだろう……)』


( ・∀・)「こんな風にね。うまくもなんともない。鍋じゃああるまいし」

( ・∀・)「まぁそんなわけで、うちの奥さんは妬かない、ってなわけで安心したわけじゃありませんが、旦那様は気に入りました婦人を囲いました」

( -∀-)「…今じゃ、基本的に考えられないことですけど。でもこれは落語。お話なんで、どうぞよろしく」

21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:47:11.27 ID:cBfKXuGU0

( ・∀・)「だからつまり、旦那様には奥方ともう一人。愛人ができたわけです」

( ・∀・)「自宅のちょいと近場に住まわせて。女中なんかをつけてやったりしてね」

( -∀-)「…しかしまた不思議なことに二号さんも妬くことが大嫌いで……」

( ・∀・)「本妻も妬かず、愛人も妬かず、ですから家庭は凄ぶる円満。円満そのものでした」



( -∀-)「さて」

( ・∀・)っ「向かって右手、そちらの方には『ジョルジュ提灯』と題が出ていますが……まぁ『権助提灯』です」

( ・∀・)「ここからが本編です。今までのは前戯……って間違えた。前戯じゃ夜の営みになっちゃう」


( ・∀・)「…まぁ、いい具合に夜から始まる話なんですけどね」

( -∀-)「それでは。もうしばしのお付き合いを」

23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:50:20.65 ID:cBfKXuGU0


 ちょうど暮のこと。
 旦那様は商人さんですから、その日も遅くまで帳尻を合わせていらっしゃいました。

 …それを終えまして「さぁて寝床に入ろうか」という時。
 あるいは奥方を食べてしまおうか、なんて時。
 西北の風が、ビュウビュウと強く吹いてまいりました……


( ^ω^)「大変な風になったもんだお」

ξ-⊿-)ξ「ええ、まったく。火事が起こらないといいけど……」

( ^ω^)「ふぅん。…じゃ、お茶飲んで寝るとするお。一杯頼むお」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと聞いていい?ご用事はすっかり全部終わったの?」

( ^ω^)「すっかり、ではないけど、大体は終わったお」

ξ゚⊿゚)ξ「なら、私言いたいことがあるんだけど」

( ^ω^)「なんだお藪から棒に」

24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:53:09.79 ID:cBfKXuGU0

ξ゚⊿゚)ξ「何処に火事があってもいい、ってわけじゃないけど、少なくともうちは男手が沢山あるし大丈夫よね」

( ^ω^)「うんうん」

ξ゚⊿゚)ξ「…でもそうすると、ちょっと行ったところ横丁、あの娘の方は大変なんじゃない?」

ξ-⊿-)ξ「あちらは女中と二人っきり。この風で、ぐっすり眠ることもできずに不安を募らせていると思うと不憫不憫で……」

ξ゚⊿゚)ξ「だからね。お疲れのところ申し訳ないけど、あの娘の所に行ってやったらどうかしら」

ξ゚⊿゚)ξ「そうすれば、あの娘、安心して休むことができるでしょ?」

(;^ω^)「…ははぁ。これはどうも恐れ入ったお」

(;^ω^)「お前の懐の深さ、心の大きさと言ったら……。平たい胸に反比例するようだお」

ガスッボコッバキッ

(メメ^ω(#)「すんません。調子乗りました」

ξ-⊿-)ξ「分かればいいけど」

26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:56:06.81 ID:cBfKXuGU0

( ^ω^)「いやぁ、本当にお前は自慢の妻だお。僕も鼻が高い」

( ^ω^)「よしよし行こう。行って伝えよう……『うちの家内がこれこれこう言ったわけで泊りに来た』と」

ξ゚ー゚)ξ「うん。それがいいと思うわ」

( ^ω^)「すると、夜道だ。誰か提灯を……」


 と、見回してみましても、夜分、起きてるものなどいやしない。
 しかし起こすのも悪い。
 ってーと……


( ゚∀゚)「よぉ、旦那さんよ、なんかお困り?」

(;^ω^)「うわぁ…よりにもよってお前かよ……」

( ゚∀゚)「よりにもよって、とはご挨拶じゃん」

( ^ω^)「主に向かって『ご挨拶じゃん』とほざくお前がご挨拶じゃん」

28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/17(水) 22:59:13.03 ID:cBfKXuGU0

 出てきたのはジョルジュ。
 旦那様が雇ってるもんの中でも一番年下で、最も使えず、手に負えないほどふざけた奴。
 彼の素行の悪さや喧嘩っ早さは有名至極。周知のところでございます。

 …しかし、起きてるのがジョルジュだけなんだから仕方がない。
 あるもので我慢するしかない。
 人生妥協が大事。


( ^ω^)「まぁいいか……おいジョルジュ、供するんだお。提灯の仕度してくれお」

( ゚∀゚)「仕度ゥ?供するって、奥方のかい」

( ^ω^)「なんでだお。流れから言って僕のだお」

( ゚∀゚)「いや、いい加減奥方愛想尽かしたのかと……」

( ^ω^)「お前はなんつーことを。縁起でもない」

( ゚∀゚)「チッ。おっしーなぁ。狙ってたのによ」 続きを読む
  1. 2010/03/17(水) 23:57:37|
  2. 短編まとめ
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(´・ω・`)バーのつもりのようです(`・ω・´)

244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/14(日) 01:24:03.83 ID:yQSV6fhA0 [sage]
昨日もらったお題消化

~AM1:00~

(´・ω・`)「兄さん、今日も新しいお客さん来なかったね」

(`・ω・´)「弟よ、昨日は1人きたじゃないか」

(´・ω・`)「・・・・・・。それは誇れることじゃないよ」

(`・ω・´)「今日「も」という点につっ込んだだけだ」

(´・ω・`)「兄さん、やっぱり・・・・・・」

(`・ω・´)「またその話か。いってるだろ、知名度がないだけだって」

(´・ω・`)「うん、それはたぶんあってるよ。バーとしての知名度が低いから
     お客さん来ないんだと思う」



(´・ω・`)「バーとしての」



(´・ω・`)バーのつもりのようです(`・ω・´)

245:(´・ω・`)バーのつもりのようです(`・ω・´) :2010/03/14(日) 01:25:30.41 ID:yQSV6fhA0 [sage]
(`・ω・´)「それはどういう意味だ?」

(´・ω・`)「あのね、ちょっと今日来たお客さんを振り返ってほしいんだ」

~PM8:00~

(,,゚Д゚)「やっぱなぁ~、俺は思うんだよ。親の形見を質に入れて酒を飲む生活も悪くないって」

从 ゚∀从「なにいってんだよこの親孝行モノが。お前、親の面倒見るからって地元就職しやがったくせに」

(,,*゚Д゚)「ば、ばかヤロー。恥ずかしい話してんじゃねーぞゴラァ」

(゜д゜@「こんなにやさしいご主人もらって、ホントしぃちゃんも幸せモンだよ」

(,,*゚Д゚)「べ、べつにそういうわけzy」

(゜д゜@「あらやだ、もうこんな時間。私先に帰るからお金ここに置いとくわね」

ΩΩΩ「あ、おつかれさまでーす!!」

247:(´・ω・`)バーのつもりのようです(`・ω・´) :2010/03/14(日) 01:28:19.20 ID:yQSV6fhA0 [sage]
~回想終了~

(`・ω・´)「ふむ、金払いもいいし、愛想もいい。問題ないだろ」

(´・ω・`)「よく考えて。バーってこんなに盛り上がるところじゃないよね?」

(`・ω・´)「そうか? 別に賑やかなのは問題ないだろ」

(´・ω・`)「・・・・・・なら次の問題だけど、清算時を思い出してほしい」

~PM10:00~

(,,゚Д゚)「けっこう飲んだな~。ヒックッ一人3500円だぞ~」

从 ゚∀从「シャキンさん、相変わらず料理うまかったよ。また次もお世話になるわ4649」

(`・ω・´)「またご贔屓に。7名様で24500円です」

バタンッ

ノパーンy-~「ふぃ~、すっきりした。会計すんだか?」

248:(´・ω・`)バーのつもりのようです(`・ω・´) :2010/03/14(日) 01:29:12.26 ID:yQSV6fhA0 [sage]
从 ゚∀从「お前・・・」

ノパーンy-~「あ、足りなかったか? 3500円じゃねーの? ギコ出しといてよ。お前の金、はオレの金、オレの金もオレの金ってな~」

(,,゚Д゚)「氏ね。つーか社会の窓からパンツ突き抜けて鉄砲が見えてるぞ・・・・・・」

ノパーンy-~「おぉっと、オレの6inが火を噴くぜ?」

从 ゚∀从「子供用水鉄砲だろwww」

一同「「wwうぇwwうぇwwwww」」


(´・ω・`)「どう考えても居酒屋のノリだよね!?」

(`・ω・´)「そういうバーもあるだろ」

250:(´・ω・`)バーのつもりのようです(`・ω・´) :2010/03/14(日) 01:30:28.46 ID:yQSV6fhA0 [sage]
(#´・ω・`)「ないよ!? 日本全国どこを探したってコ-ス料理飲み放題のあるバーとかないからね!? それと今日、付きだし覚えてるよね?」

(`・ω・´)「自信作の筑前煮だ」

(#´・ω・`)「居酒屋か!? 居酒屋の付きだしか!? せめてナッツ類かチーズだろ?」

(`・ω・´)「いや、うんまぁそういう日もあるだろ」

(#´・ω・`)「ないからね!? その日もあの日もないからね!!」

(;`・ω・´)「わ、わかったよ・・・。今度から気をつけるから。な、とりあえず何か飲んで落ち着け」

(´・ω・`)「うん。そうだね、とりあえず」





(´・ω・`)「百年の孤独で」
  1. 2010/03/14(日) 22:11:22|
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ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです

951:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 22:56:17 発信元:123.221.192.183
デレの足は自然と、近所のコンビニに向いていた。
明日は結婚式。その前に、実家に帰って荷物の整理をし終わったところだ。
そしてふと、街を歩きたいという衝動にかられた。

ζ(゚ー゚*ζ「なつかしいな.....」

彼女は知らず知らずのうちに10歳に戻っていた。
10歳の時、一番うれしかったのはこのコンビニに来ることだった。

*******

952:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 22:58:11 発信元:123.221.192.183
毎週金曜日の放課後は、少女にとって神聖な儀式があった。

学校から帰るとすぐ、ランドセルをおっぽり出して鏡の前に座り込む。
働きに出て留守なので、母親の化粧品を使い放題使う。
そして、ハートの付いたヘアピンで髪を止めて、
お父さんにおねだりしてかってもらった真っ赤なエナメルの靴を履いて....準備は整った。

家から歩いて7分のところにあるコンビニに行くのだ。そしてそこに、少女の片思いの相手がいた。

川 ゚ -゚) 「いらっしゃいませ」
この瞬間から彼女の心臓の鼓動は否応なく高まる。

ζ(゚ー゚*ζ「........」

商品を選ぶ素振りをする。しかし、何度も視線をレジの方に向ける。目が合いそうになると、恥ずかし紛れにまた
商品棚に視線を戻す。そのような彼女の習性上、いつも選ぶのはパン陳列棚と決まっていた。
もっとも買い物などはどうでも良かった。少女はいつもカレーパンを持って、レジへ向かった。

川 ゚ -゚) 「いつもありがとうございます。120円になります」

ζ(゚ー゚*ζ「........」

オーデコロンの、微かな匂い。スタイリッシュで、紳士的な物腰。そして自分を上から見下ろすスラッと高い背丈....
ああ、やっぱりクラスのバカ男子どもとは全然違う。同じ生き物とは思えない。

953:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 23:00:31 発信元:123.221.192.183
少女にとってクライマックスは手が触れ合うことにあるのだ。
だから、いつもおつりが出るような金額を払い、商品は袋に入れてもらった。

川 ゚ -゚)「ありがとう。またきてね」

ζ(゚ー゚*ζ「........」

マニュアルどおりの接客から、素の応対に戻るときの落差。手が触れ合うときの微かな温もり。
少女は高揚感と眩暈でくらくらしながらドアを出る。そして、公園前までダッシュで駆け抜け、家まで歩きながら余韻に浸るのだ。


ζ(゚ー゚*ζ
(恋をしたら大人。じゃあ、わたしはもう大人じゃん。その先に待っているのは....結婚。真っ白なウェディングドレスを着て、
大きなケーキを二人で切って、チュウ。きゃあ。
あの人は今何才なのかな。10歳くらい、ちがうのかな...)
.

しかし年齢差などはまだピンとこない年頃でもあった。
10歳という年月がいかに長くもあり短くもあるか知らない。
子供と大人、いつから大人ってなるんだろう....そのぐらいにしか考えられなかった。

そんなことを逡巡しながら家に帰る。そして家に帰るとベッドに潜って、お母さんが帰ってきて、ご飯ができるまでニヤニヤしている。
そしてこっそり、飼い犬のポーギーにカレーパンをあげる。

これが少女の金曜日のフルコースであった。

954:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 23:03:48 発信元:123.221.192.183
もっとも、週300円のお小遣いでは辛いものがあった。
金欠に困り果てた彼女はコンビニ通いに行きたい一念で、ついに親の財布から盗みを働いた。

だがすぐにそれはバレた。

J( 'ー`)し「何に使ったの?正直に言いなさい」

ζ(゚ー゚*ζ「ま、まんがが欲しくて.....」

J( 'ー`)し「理由がどうあれ、盗みは盗み。罰を与えます」

彼女は、所持金(500円)没収の上、一ヶ月の外出禁止令を喰らった。

J( 'ー`)し「隣のおばちゃんに見張ってもらいますからね」

自分の部屋にもどると、しくしく少女は泣き出した。

ζ(゚ー゚*ζ「ポーギー、あんたのせいよ」

と理不尽な八つ当たりなんかしたりした。


955:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 23:05:57 発信元:123.221.192.183
それから1ヶ月の間、少女の中の一部分が死んだような感じだった。
時々、片思いの彼を夢想して似顔絵を描いたり、その横にウェディングドレス姿の自分を足したりした。

忘れかけていたころに禁止令は解かれた。そして、没収された500円は彼女の手の平に返された。

J( 'ー`)し「欲しいものがあったら盗みなんかせずママにいいなさい」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。ごめんなさいママ」


握った500円玉が温まらないうちに、少女はコンビニへ着いていた。しかし、その時にはもう彼のシフトは終わっていた。
習性でカレーパンを買ったものの、少女は諦めて外へ出た。

ζ(゚ー゚*ζ「あーあ、せっかくお金があるのになぁ....あれ?」

みると前方にバイトが終わって帰る彼がいた。

しかし、彼とよくお似合いのかわいい娘が連れ添って仲睦まじく自転車を押して歩いていた。
遠ざかる影に、彼女のシルエットがはっきりと移った。膨らんだ胸、突き出したお尻...

少女は自分の胸を撫でてみて、何もないことを改めて確認した。

2人の声は遠ざかり、やがて聞こえなくなった。
少女は夕暮れの道をとぼとぼと帰り出した。

ζ(゚ー゚*ζ「わたしは...どうせ子供」

956:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 23:07:38 発信元:123.221.192.183
いつもダッシュで帰る道を今日は歩いていく。今まで見えていなかったものが目に入ってくる。
ここに桜の木があったんだ...とか。でも、全ては夕暮れの中で生臭く、曖昧に見えた。

そこへはっきりと不快な声が聞こえた。

( ^ω^)「あ、デレじゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、ブーン」

ブーンは当然あだ名で、本名は内藤文男と言った。ブーンは男子には人気があったが、女子からは敵意の的となっていた。
ブーン三連星と称してスカートめくりの徒党を組んでいたからであった。
もちろんデレはこいつが大嫌いであった。

( ^ω^)「買い物かお?カレーパンだお」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、食べる?」

どうせ犬にあげるやつだから、とは言わなかった。

959:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 23:10:53 発信元:123.221.192.183
なんの遠慮も無かった。
ブーンはその場でカレーパンをムシャムシャと食べ始めた

( ^ω^)「おいしい、おいしいお!」

ζ(゚ー゚*ζ「......」

( ^ω^)「カレーってうんこいろっていうけど、ブーンのはちがうお!
      でもカレーって入れるものによって色が違うから、あれ、うんこも食べるものによって違うのかお?
      じゃあ、カレーを食ったらうんこは何色になるんだお?」

ばかばかしさに涙も出なかった。所詮、自分はこいつと同年齢、と思うと情けなくなってきた。


家に帰って食事を取った。母親は、沈鬱な顔をしている娘を見て、理由を尋ねた。

ζ(゚ー゚*ζ「なんでも、なんでもないの....」

J( 'ー`)し「もしかして.....そう、ママ分かった。

      あんたもとうとうきたのね。明日はお赤飯ね。」

それからみっちり一時間生理についての講釈を受け、ナプキンを与えられた。

その2ヶ月後本当の生理がきたが、この予習のおかげで彼女が慌てふためくことはなかった。

*****

960:ζ(゚ー゚*ζコンビニに通いつめだそうです :2010/03/10(水) 23:15:28 発信元:123.221.192.183
ここまで回想して、デレは少し笑った。

明日彼女は内藤という姓になる。少女時代の彼女が知ったら、多分自殺するであろう。

ケーキのように甘いもの、と考えていた結婚。それも案外面倒なものであることに気づいた。

高校時代からブーンとなんとなく付き合い初め、そろそろという感じで、惰性で結婚が取り決まった。
お互いの両親への挨拶、結婚式の段取り、新居への引越し、勤務先の退社....。

いろいろな事がてんやわんやで少し疲れていた。だから、少女時代に帰りたくなったのかもしれない。

ζ(゚ー゚*ζ「あ、そうだ。カレーパン、食べてみようかな...」

結局一度もあの時は食べなかったカレーパン。
袋からとりだして食べようとする。

その時デレはふと思い出した。
地元の友達と約束をしてたんだ。7時からだったな。



カレーパンは2代目ポーギーの腹に収まった。

END
  1. 2010/03/11(木) 01:09:26|
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( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです

899:( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです :2010/03/10(水) 11:47:16 発信元:210.153.84.227
~シベリアの某路地裏~

( ^ω^)「寒!!天気の悪い朝ですお‥。夜までこんな天気なら今日は閉店しますお!‥とかいって昨日も休んだし‥」
( ^ω^)「こいつは思案のシドコロですおね‥ん?」

ウ~ウ~!通り向こうに荒っぽく止まるパトカー数台。
パトカー数台からコチラに向かって「発射」された警官達は、どうやら1人の男を追っている様だった

(*‘ω‘ *)σ!「追え!絶対に逃がすな!」

(#;`・ω・´)「チイイッ!捕まってたまるかってえの!くらえーい!」

つΞ【発煙筒5本】

( ><)「うわっ!ゲホッゲホッ!警部!発煙筒です!煙で、わかんないんです!」

(*‘ω‘ *)σ!「ええい見ればわかる!止まっとらんで突破せんか!」

(#`・ω・´)「ハハッ!ざまあみろー!‥さてどう逃げるか」

( ^ω^)「‥おいお前!コッチ来いお!入れお!」

(#;`・ω・´)「!?誰だ?‥考えてるヒマはねえか!よし!」

901:( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです :2010/03/10(水) 12:41:11 発信元:210.153.84.163
(*‘ω‘ *)σ!「奴はどこだ!」

( ><)「わかんないんです!」

(*‘ω‘ *)σ!「バカモン!探せー!」

(#`・ω・´)「‥‥行ったな‥いやあ助かったぜえ‥って、ウオオ!なんだココ!バーじゃねえか!外からじゃボロアパートにしか見えなかったぜ!スゲー!」

( ^ω^)「ボロは余計だお!」

(#`・ω・´)「ハハッすまんすまんwいやあシブいなあ~!いいなあこーゆーの‥って、ココ看板もなかったろ!?」

( ^ω^)「よく見るお、看板ならあるお。」

(#;`・ω・´)「嘘っ?」

そっとドアを開けてみる。黒くペイントされたドラム缶の上に乗っかった小さな木の看板に
「BAR BOON」とある。ソイツを照らす為だろう、申し訳程度の豆電球がドラム缶の天板からチョコンと顔を出していた

(#`>ω<´)「なんだこりゃwやる気ねえwwけど“譲れない何か”を感じるwww」

( ^ω^)「おっ!このテイストの良さが解るかお!面白れーヤツだお!」

(#`>ω<´)「アハハハw最高だよ!この豆電球、赤にしようぜ!」
(#`・ω・´)「‥おっとすまねえ、マジ助かったぜ。ありがとう。俺はマッドだ」

( ^ω^)「ブーンだお。コーヒーいれるから適当に座って待ってるお」

906:( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです :2010/03/10(水) 13:31:02 発信元:210.153.84.75
~1時間後~

          /⌒ヽ
   ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /       ブーン
         ( ヽノ
         ノ>ノ
     三  レレ

(#`>ω<′)「アハハハハ!!ちょwだからブーンかwwはっ腹いてっ‥!!マジ勘弁してくれ!」
(#`・ω・´)「だが負けんぞ!!マッド、歌います!曲はマサシ・サダで“関白宣言”!行きます!!」
オマエヲヨメニ-♪モラウマエニー♪
♪ ∧,_∧
   (#`・ω・ ) ))   
 (( ( つ ヽ、   ♪
   〉 とノ ) ))
  (__ノ^(_)

          /⌒ヽ
   ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /       ブーン
         ( ヽノ
         ノ>ノ
     三  レレ
(#`>ω<´)「畜生wwwwwww勝てねえwww」

908:( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです :2010/03/10(水) 13:52:21 発信元:210.153.84.161
(#`・ω・´)「いや久々に爆笑したぜ、サンクスだ、ブーン」

( ^ω^)「俺も楽しかったおマッド、お前のアホっぷりには開いた口が塞がらないお」

(#;`・ω・´)「オメーがゆーな!‥しかしブーン、なんで俺を助けた?」

( ^ω^)「‥マッドの格好だお。縦縞スーツにソフトハット被ってる奴に悪いやつはいないお。」

(#`・ω・´)「なんだよそりゃ単純なw‥でもありがとよ、俺もなんだかお前は信用できたよ。なんでか解らんが。‥さて、そろそろ‥」

( ^ω^)「行くのかお?またいつでも来るといいお」

(#`・ω・´)「ああ、出来りゃあな」

<ゴンゴン!

( ><)「すみません、シベリア警察署の者ですが!」

( ^ω^)「マッド、カウンターの陰に隠れてるお!」

932:( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです :2010/03/10(水) 15:59:34 発信元:210.153.84.174 [sage]
(*‘ω‘ *)「こんにちは、シベリア警察署のチ○○○ポと申します。実はこの辺に凶悪犯が逃げ込みまして」

( ^ω^)「凶悪犯?知らないお」

(*‘ω‘ *)「この男を見かけましたら(マッドの写真を見せる)署までご一報ください。この男、ギャングです。なんと5人殺しています。度々爆弾騒ぎもおこしている凶悪犯なのです」

( ^ω^)「‥‥わかったお。見つけたら知らせるお」

(*‘ω‘ *)「では失礼します」

ガチャ、ブロロロ

( ^ω^)「‥‥‥マッド、もう出て来ていいお‥‥」

933:( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです :2010/03/10(水) 16:02:38 発信元:124.146.175.135 [sage]
( ^ω^)「5人殺したのかお?」

(#`・ω・´)「事実だ。言い訳はしたくねえ。すまなかったなあ、隠すつもりは無かったんだが。裏口から出させて貰うぜ、あばよ」

( ^ω^)「‥マッド、待つお」

(#;`・ω・´)「?」
ブーンはショットグラスにバーボンを満たして差し出した

( ^ω^)「景気付けだお。コレを飲んでいくといいお」

(#;`・ω・´)「おい、5人殺した凶悪犯だぜ?」

( ^ω^)「事情は知らんし聞く気もないお。ただ、お前が凶悪かどうかは、俺が判断する事だお」

(#;`・ω・´)「‥‥酔ってお前を人質に立て籠もるかもしれないぜ?」

( ^ω^)「やれるもんならやってみるといいお。」

934:( ^ω^)が路地裏でバーを営んでいるようです :2010/03/10(水) 16:06:58 発信元:210.153.84.67 [sage]
(#`>ω<´)「はっはっはっ!やっぱ最高だなオメーは!いただきます」

マッドは決闘直前のガンマンよろしくソレを一気に飲み干し、大袈裟に「カッ!」とグラスを置いた。

マッドは普段、よく酒を飲む。一晩でウイスキー1瓶など、ザラだ。

だが今日、路地裏のBAR「BOON」で飲んだ小さなショットグラスのバーボンの酔いを、この先彼はずっと忘れない。

(#`・ω・´)「うまかった!ごちそうさん!きっと、また来るぜ!」

( ^ω^)「おーい!ガンマン!」

(#`・ω・´)「?なんだ?」


( ^ω^)つ「コーヒーとバーボンで2000ルーブルになりますお」

  BAR“BOON” (終)
  1. 2010/03/10(水) 19:02:08|
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( ^ω^)は研くようです

883:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:20:38 発信元:219.125.145.45
とある将軍様が天下を統一した時代のこと。


武士は刀を持ち、農民は農具を持っていたこの時代に、ある刀鍛冶がいた。



( ^ω^)「とうとうこの日が来たおね」



彼の名は、ブーン。
十六歳で、刀匠ヒッキーに弟子入りし、現在四十歳だ。

彼の師であるヒッキーは、武士の間では名を知らぬ者がいないほど、有名な人物だった。
ヒッキーが叩き、研き上げた刀は、大名をも唸らせる程の出来であった。


ヒッキーの下へ弟子入りしてから初めの四年は、ブーンはただひたすらに鋼を叩き続けた。

しかし叩くといっても、仕上げまでする訳ではない。
仕上げどころか、ブーンは材料である玉鋼だけを、ひたすら叩いていた。

884:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:23:52 発信元:219.125.145.58 [sage]
弟子入りして一年経った頃、ブーンはヒッキーに申し出たことがあった。



( ^ω^)「――師匠」

(-_-)「……なんだ? 早く叩かないか」

( ^ω^)「弟子入りして一年、僕も刀を叩き上げたいですお」

(-_-)「駄目だ」

(;^ω^)「なんでですかお? 他の所では、二年目には刀を叩かせてもらってるお」

(-_-)「他では良くとも、ここでは駄目だ」

(;^ω^)「で、でも――」

(-_-)「……ならば、今回だけ許そう。叩いてみるがいい」

(*^ω^)「本当ですかお!?」

(-_-)「但し、私は一切口を出さぬ。全てを一人でこなせ」

885:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:27:05 発信元:219.125.145.48 [sage]
一年間、玉鋼だけを叩いてきたブーンにとって、
「刀を叩いてよい」
という一言は、何より嬉しい言葉だった。

刀を作り上げるまでの工程は、一年間隣で見ていたのでわかっている。
それに、一年間ずっと叩いてきたのだ。



( ^ω^)(もしかしたら、師匠より良い刀が打てるかも……)



そんな下心を持ちつつ、ブーンは刀を打ち始めた。

886:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:30:14 発信元:219.125.145.88 [sage]
そして、ブーンは初めての一振りを叩き上げた。のだが、



( ´ω`)「……」

(-_-)「お前が見て、これはどうだ?」

( ´ω`)「……鈍刀――いえ、ただの鉄屑ですお」

(-_-)「明日から、お前はこの様な刀を打ちたいのか?」

( ´ω`)「……」

(-_-)「お前は基本がまだ出来ていない。基本をしっかり身に付けてから、言いたいことを言え」

( ´ω`)「……わかりましたお」



この日を境に、ブーンは師匠に一切物申さなくなった。

887:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:34:23 発信元:219.125.145.54 [sage]
とはいえ、得たものもあった。

たどたどしくはあったが、一度全工程を経験したブーンは、
より一層師匠の行動に注目するようになった。

日が経つにつれ、師匠の動きに一切の無駄が無いことに気が付き、それを見て学んだ。


ブーンにとって、学べることが無い日など、一日も無かった。




それから三年、玉鋼を叩くだけだった一年目とは違い、師匠の行動全てをブーンは学んでいた。

それでも、師匠から命じられたのは、玉鋼を叩く事だけだったが。

888:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:38:20 発信元:219.125.145.45 [sage]
弟子入りして四年目のある日、ブーンは師匠に呼ばれた。


( ^ω^)(叩き方が悪かったのかお……?)


そう思っていたブーンに、ヒッキーは告げた。



(-_-)「ブーン、叩くのは終わりだ」

( ^ω^)「すみませんお、今回は……え?」

(-_-)「今日からは、研け」

( ^ω^)「はい?」



ブーンは耳を疑った。
師匠は何を言っているのだろう?、と。

889:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:41:54 発信元:219.125.145.47
( ^ω^)「研くって……僕が?」

(-_-)「そうだ」

( ^ω^)「師匠が叩いた刀を、砥石で研ぐ、という最後の工程を僕が?」

(-_-)「そんな説明口調をせずに、さっさと研け」

(;^ω^)「そんな、無理ですお」



ずっと師匠を見てきたから、とはいえ、いきなり刀を研き上げることなどできるはずもない。

しかし、ヒッキーは言った。



(-_-)「すぐに完璧にする必要は無い。今は経験しろ。いずれ役に立つ」



ブーンは、刀を叩き上げる前に研くことを経験させることに、疑問を持ったが、師匠の言葉に従って刀を研き始めた。

890:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:45:47 発信元:219.125.145.87 [sage]
刀を研く、というのもまた大変な作業である。

目の粗い砥石で形を整え、細かい砥石で刀の見所を引き出す。
それから砥石目を拭い、磨いて刃文を浮き立たせる。


それを初めてでやれ、という方が無茶である。



(;^ω^)「研ぎすぎて刀が薄く!」

(;^ω^)「磨きすぎて鏡のようになっちゃったお!」

(;^ω^)「あぁっ! 傷が!」



悪戦苦闘しながら、それなりに研げるようになった頃には、弟子入りから既に八年が経っていた。

891:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 04:52:47 発信元:219.125.145.86 [sage]
それでも研ぎ続けろ、と言う師匠に対し、ブーンは反論することなく、刀を研ぎ続けた。

そして弟子入りしてから、十年目のある日、師匠が倒れた。



(;^ω^)「師匠!」

(-_-)「……ブーンか」

(;^ω^)「師匠、お身体は……」

(-_-)「自分の身体だ。私が一番わかっている」

(;^ω^)「……」

(-_-)「逝く前にお前に伝えたいことがある」

( ^ω^)「――はい」

(-_-)「お前が最初に作った刀を、研げ」

( ^ω^)「……あのナマクラ刀をですか?」

(-_-)「そうだ。あれを完璧に研いでみせろ。そしたら、私の机を開け」

( ^ω^)「――わかりましたお」


言葉を交わした次の日の夜明けに、ヒッキーは息を引き取った。

892:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 05:02:13 発信元:219.125.145.54 [sage]
ブーンは師匠の言葉に従い、あの鈍刀を研いだ。

しかし、師匠が叩いたものと違い、過去の初心者だった自分が作った刀であり、一筋縄ではいかない。
ブーンはそれを慎重に、細かく研いでいった。


その作業は数ヶ月に及んだ。






( ^ω^)「――出来たお」


自分がこれ以上する事はない、という出来だ。

これなら、一般の刀と比べても、見劣りしないだろう。

893:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 05:07:21 発信元:219.125.145.52
無事研ぎ終えたブーンは、師匠の言っていた机を開けた。

そこには一振りの刀と一通の手紙が入っていた。
手紙には、師匠の達筆な字が書かれていた。


『ブーン、これは私が叩いた生涯最高の一振りだ。
 今、世の中は平和だろ?
 そこに必要なのは人切り刀ではない。
 私が、今のこの世の為に作ったこいつを、お前が仕上げてみせろ』


その刀は、人を切る為に作られた物ではなく、見た人を魅了する何かがあった。



そして手紙にある通り、確かに今は泰平の世の中、となっていた。


( ^ω^)(まさか師匠はこのことがわかってて……)

894:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 05:12:03 発信元:219.125.145.86 [sage]
師匠の集大成ともいうべきこの刀。
いかなる失敗も許されない。




( ^ω^)「……」




ブーンは一本の刀に全力を注ぎ、再び数ヶ月の時間をかけて研いだ。

895:( ^ω^)は研くようです :2010/03/10(水) 05:17:17 発信元:219.125.145.55
完成したその刀は、今はある大名が持っている。
いくら見栄えを重視したとはいえ、刀は刀だ。
刀鍛冶の自分は刀を作るまでが仕事なのだ。
だから、刀鍛冶の名前など刀に入れなくても構わない。



( ・∀・)「師匠、今日からよろしくお願いします」

( ^ω^)「よし、まずはひたすら叩いてもらうお」



それに、どうして自分だけがその刀に名前を入れることが出来ようか。



( ^ω^)は研くようです  終
  1. 2010/03/10(水) 18:54:50|
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(・∀・)デジタルリマスターして発売されるそうです 後日談

801:(・∀・)デジタルリマスターして発売されるそうです :2010/03/08(月) 23:10:57 発信元:123.221.192.183
17日。
ドクオのインタビューが掲載された記事は2日前に出た。見出しは、「Heavy Blues」。マタンキニコフは「ドクオ、ブーンを語る」にしようとしたのだが、
編集長の独断で握りつぶされてしまった。

   _、_
 ( ,_ノ` )y━「ふむ、なかなかの反響だな」


編集部に寄せられた問い合わせやら手紙に、編集長は正直驚いていた。ドクオとブーンのThe Mondqucesがこれほどの知名度を
得ているとは思わなかったからだ。この企画は、新米記者マタンキニコフの強い提案によって実現したのであった。


(・∀・)「ドクオさんは....どうしてるでしょうね。
     本当に、全部終わらせてしまうつもりなのかな」

   _、_
 ( ,_ノ` )y━「神のみぞ知るだが、一つ言えることは彼は最高のブルースを演ったんじゃないか」


不安、抑圧、恐れ。ドクオの言うように、それらを声高に語ることがブルースならば、この間のインタビューはまさしく最高にヘビーなブルースではないか。
新米は意味を掴み損ねていたが、当然ながら説明などしなかった。

807:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/08(月) 23:24:10 発信元:123.221.192.183
反応は、ドクオに同情的なものが殆どであった。しぃのインタビューも同時掲載されたことによって、一種の毒消しの効果もあった。
マスコミはさらなる情報を求めて情報を嗅ぎ回り、音楽誌には大々的な見出しが踊った。

やがてリマスター盤の発売日となった。

('A`)「..........................」

マスコミを避けるように、ドクオは別荘にいた。TVではリマスター盤の驚異的な売れ行きが報じられていた。

彼らの歩み、この前の衝撃的な報道、彼らを尊敬するアーティストの談、しぃのインタビュー.....

ドクオは不意にスイッチを切った。

世の人々に自分を裁いてもらいたい、とも思っていたが、世間の反応はもはやどうでもよくなっていた。
大きく息を吸い込み、思いだしたように伸びをした。

この数年間、ドクオの頭は常に薬物やアルコールの影響でぼんやりとしていたが、それもさえざえとしてきた。

時計が午後4時を打った。

時間だ。

彼は新品の縄と、件のインタビューが掲載された新聞をもって地下の物置へと階段を降りて行った。

809:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/08(月) 23:30:40 発信元:123.221.192.183
こつこつと音を立てて降りてゆく。さえた頭も手伝ってより響いて聞こえた。

('A`)「俺が人生最後に聞く音楽は、靴の音か」

心の中で冷笑した。


埃っぽい物置に電灯を入れた。
一瞬の明滅の後にぬうっと黒い物体が現れた。

ブーンがドクオにプレゼントしようとしたギターケースだ。ドクオは、ブーンの亡霊のごとくこれを恐れていた。それで、別荘の物置に
しまいこんだのだが、今の今にいたるまで一度も開けたことは無かった。しかし彼はもう怖くは無かった。

立ち会ってもらうのだ。

彼は天井から縄を吊るすと、先端を半径30cmの輪にした。

ドクオはケースを壁に立てかけた。

そして初めて、それを開けた。

中から磨きこまれたビンテージのギターが現れた。
彼は、しゃがみ込んでしばらくそれを見つめていた。

811:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/08(月) 23:39:00 発信元:123.221.192.183
ドクオは立ち上がった。
この最後の瞬間に、ドクオはギターに対峙するように立っている。

やがて輪っかに手をかけた。



その時である。

ギターの横にレターサイズの紙が挟まっているのに気づいた。


つまみ上げて開ける。すると、殴り書きの文字でこう書いてあった。


813:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/08(月) 23:44:07 発信元:123.221.192.183

「ごめんだお!ほんとにごめんだお!
ドクオがあんなに怒ってたなんて....

ギャラはちょろまかさずにちゃんと折半するお!

それから....ちょっとしぃちゃんをいい女だと思ってごめんだお!
でもしぃちゃんは凄くいい娘だったから、何もなかったんだお!

ほんとだお!勘弁してくれお!

それともあれかお?

ドクオがインキンだなんて言いふらしてごめんだお!
酒の席の出まかせなんだお!........」

816:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/08(月) 23:53:04 発信元:123.221.192.183
それからさらにブーンがドクオの知らないところで犯した些細な悪事が書き連ねられていた。

だお、だお、だお...と際限なく書かれている文面を読むうちに、ドクオの手はブルブルと奮え出した。
やがて、ボタボタと熱い涙が手紙を濡らした。

('A`)「あいつ....ほんとにしょうもないやつ....いまさら何だよ.....こんなことしやがってたのか
   ちくしょう、何がインキンだ....ギャラもちょろまかしやがって.....」

そうだ。あいつは、本当にしょうも無い奴だった。でも、いいやつだった。
一緒に二人で大笑いした。そして、バカだった。
大飯食らいだった。そしてバカだった。
したたかだった。そしてバカだった。
ほんとにバカ。
今更こんなこと言うんじゃねえよ。

顔の無い影に苛まれていたドクオに、生前のブーンが蘇ってきた。
泣きべそをすする度に、バカと言う度に。

そして、得体のしれない笑みを浮かべながら

( ^ω^)「何か弾くお?」

と言っている。

818:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/08(月) 23:59:52 発信元:123.221.192.183
その時である。
春の突風のように激しく、生温かい感触がドクオを包んだ。

その刹那、
彼の頭の中に、聞いたことのないメロディが流れた。それは久しく無かったことだった。
ドクオはしばらくそれに耳を傾けていた。

すると、炸裂するようなギターソロが入ってきた。ブーンだ。飄々と、軽やかに弾いてやがる。

おい、ソロが長すぎるぞ。
止めろバカ....目で合図を送る....

でもブーンはウィンクして、もっとやらせろと言う...

このやろう、俺のアレンジをいつも台無しに
しやがって。でも、でも....最高だ.....!

地下室の床は、涙でほてった体に心地よかった。

ドクオは、半分寝そべりながら、頭の中でなっているブーンのソロにしばし酔いしれた。
あの時みたいに。

822:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/09(火) 00:06:26 発信元:123.221.192.183
次の日の昼、しぃの働くレコード会社に一本の電話が入った。
電話の主は名乗らずに、そちらの販売部長を呼んでほしいと述べた。
しぃが応対に出る。

('A`)「俺だ。」


(*゚ー゚)「ドクオ....」


('A`)「もう、契約終わっちまったんだよな。でも、聞いてくれないか。
   昨日の晩、ブーンとセッションしたんだ」

(*゚ー゚)「ブーンと...」


   そういって、ドクオはギターでメロディを奏で始めた。

   しぃは受話器を握り締めながら、


(*゚ー゚)「聞こえる、聞こえるよ。凄く、凄くいい」

   と何度も何度も言った。


826:(・∀・)デジタルリマスター :2010/03/09(火) 00:12:44 発信元:123.221.192.183
3ヶ月後。

街はもう初夏の陽気である。
濃い緑の街路樹の下、マタンキニコフは息せきかけて走っていた。
新聞社に帰る途中、ドクオの最新作についてのインタビューを終えた後だった。

でも前回のように陰鬱な気持ちでは無い。
彼にはアイデアがあった。記事の内容を的確に表す、最高の見出しが。

「リマスターされた記憶」

これだ。今回はこれで行く。見出しは絶対自分の案を通すんだ。
そう心に誓っていた。



新聞社は丘の上にある。


(終)







831:(・∀・)デジタルリマスター(おまけ) :2010/03/09(火) 00:23:26 発信元:123.221.192.183
ここはブーン系シベリア劇場。お隣ヴィップグラードからやってきた劇団一座のホームだ。

今日も役者達が演技を終えて楽屋に戻る。座長はブーン、一番の売れっ子はドクオだった。

しかし劇団一のスターには悩みがあった。

('A`)   「なんでさ、俺は非イケメン非リア充の役ばっかりあるわけ?」

( ^ω^)「そりゃあ君のフラ(キャラクター)っていうもんだお

      君の不幸....いや、悲しみや苦しみを見て、みんなは共感するんだお!君は現代の渥美清だお!」

('A`)   「それでもさあ、俺だってたまにはリア充の役をやりてえよ」

( ^ω^)「無理があるお。どうしてもというなら、脚本書く奴にいえお」






836:(・∀・)デジタルリマスター(おまけ) :2010/03/09(火) 00:32:33 発信元:123.221.192.183
('A`) 「よろしくたのむよ。ひとつ」

( ^ω^)「まあ無理とは思うお」


しかしブーンの働きかけもあって、彼の要望に叶う脚本が見出された。
最後、好きな人と添い遂げて死ぬ、と言う壮絶なラブロマンスだ。濃厚なラブシーンもあるらしかった。
ドクオは二つ返事で承諾した。

さて、稽古の日となった。

ドクオはまず服を全部脱ぐように演出家から言われた。

次いで銀のスプレーで全身が塗りたくられた。鏡にうつった自分の姿は、不気味この上なかった。

('A`) 「ちょっと奇抜すぎやしねえか」


構わず魚のヒレのようなものを渡される。
台本をみてみると、タイトルがこうあった。


「('A`)は溯上するようです」

( ´_ゝ`) 「鮭の話だよ、聞いてなかった?」
  1. 2010/03/10(水) 18:35:24|
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( ゚∀゚)の勧誘のようです

387:( ゚∀゚)の勧誘のようです :2010/03/08(月) 16:00:16.29 ID:cyzUTodYO
ピンポーン

从 ゚∀从「はーい」

ガチャ
  _
( ゚∀゚)「あー、お忙しいところすいません」

从 ゚∀从「何ですか?勧誘ならお断りですよ」
  _
( ゚∀゚)「え」

从 ゚∀从「図星ですか、じゃあ」
  _
( ゚∀゚)「あぁ、ちょっと待って下さいよ」

388:( ゚∀゚)の勧誘のようです :2010/03/08(月) 16:01:43.49 ID:cyzUTodYO
  _
( ゚∀゚)「あぁ、ちょっと待って下さいよ」
  _
( ゚∀゚)「今月営業成績厳しいんですよ」

从 ゚∀从「いや、間に合ってるから」
  _
( ゚∀゚)「ちょっとで終わるんですよ」

从 ゚∀从「何がですか」
  _
( ゚∀゚)「命取るのなんかすぐ終わりますから」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「えっ?」

389:( ゚∀゚)の勧誘のようです :2010/03/08(月) 16:02:44.29 ID:cyzUTodYO
  _
( ゚∀゚)「いや、私死神なんですよ」

从 ゚∀从「はー、初めて見ました」
  _
( ゚∀゚)「だろうね、見たらたいていの人は死ぬし」

从 ゚∀从「えっ」
  _
( ゚∀゚)「いや、なんかみんな受け入れるのよ。だからあなたみたいな人は珍しいの」

从 ゚∀从「じゃあなんで営業成績悪いんですか」
  _
( ゚∀゚)「なんか俺の行くところ全部先に死んでるんだよ」

从 ゚∀从「それ他の死神に先越されてるんじゃないですか」

390:( ゚∀゚)の勧誘のようです :2010/03/08(月) 16:03:32.98 ID:cyzUTodYO
  _
( ゚∀゚)「だからさ、久しぶりに生きてる人に逢えたんだよ」
  _
( ゚∀゚)「お願い、死んで」

从 ゚∀从「いやです」
  _
( ゚∀゚)「ほら、洗剤付けるから」

从 ゚∀从「死んだら意味ないでしょうが」
  _
( ゚∀゚)「ちぇっ」

391:( ゚∀゚)の勧誘のようです :2010/03/08(月) 16:04:14.49 ID:cyzUTodYO
从 ゚∀从「だいたいなんでそんな営業成績にこだわるんですか」
  _
( ゚∀゚)「そりゃリンゴが欲しいからね」

从 ゚∀从「あ、死神ってやっぱりリンゴ好きなんだ」
  _
( ゚∀゚)「そりゃうまいよ」
  _
( ゚∀゚)「リンゴのためなら死んでもいい」

从 ゚∀从「まず生きてないんじゃ」

392:( ゚∀゚)の勧誘のようです :2010/03/08(月) 16:05:51.91 ID:cyzUTodYO
从 ゚∀从「じゃあ隣の部屋に行って下さいよ」

从 ゚∀从「あの人よく死にたいとか言ってるし」
  _
( ゚∀゚)「あー、じゃあそっちに行ってみます」

ガチャ

从 ゚∀从「あー、びっくりした……」

ガチャ
  _
( ゚∀゚)「あのー、隣の人部屋で首吊って死んでたんですけど」

从 ゚∀从「よし、引っ越そう」
  1. 2010/03/08(月) 19:55:55|
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総合短編

42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/06(土) 02:17:25.41 ID:vJ+fFZdtO
( ^ω^)「今日は土曜日だお!」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね」

( ^ω^)「じゃあツン。今、ブーンが食べたいもの分かるかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「分かんないわよ」

( ^ω^)「うなぎだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでよ」

( ^ω^)ニヤリ

( ^ω^)「ツン? 今日は何曜日だお?」ニヤニヤ

ξ゚⊿゚)ξ(馬鹿………………)

43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/06(土) 02:18:18.33 ID:vJ+fFZdtO
( ^ω^)「やったお!テストで99点取ったお!」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、すごいじゃない」

( ^ω^)「でも実は66点なんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「? どういうこと?」

( ^ω^)「66って文字を反対からみると………どうなるおwツン?」

ξ゚⊿゚)ξ「まぁ………99になるかしらね」

( ^ω^)「そういうことだおw」

ξ゚⊿゚)ξ(馬鹿………………)

44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/06(土) 02:19:02.19 ID:vJ+fFZdtO
( ^ω^)「ドクオー遊ぶおー」

('A`)「あー悪い。俺今日ちょっと用事あるんだわ」

( ^ω^)「じゃあブーンも行くお!」

(;'A`)「いや、お前には関係ない用事だから。家族でどっか食いに行こうってな」

( ^ω^)「ドクオ、頭が固いお」

(;'A`)「はぁ?」

( ^ω^)「ブーンも一緒にいけば、ドクオの用事を手伝えるお!」

(;'A`)(…………馬鹿?)

45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/06(土) 02:20:03.70 ID:vJ+fFZdtO
( ^ω^)クッチャクッチャ

( ^ω^)「ツン! 今ブーンが食べてるパンが、何パンか分かるかお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「うーん……わかんないわね」

( ^ω^)「パン! パンを食べてるんだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「……?」

( ^ω^)「食べちゃったから、これはもう食パンだお! 食パン!」

( ^ω^)「もう食べちゃったから!」

ξ゚⊿゚)ξ(馬鹿…………)

46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/06(土) 02:20:51.07 ID:vJ+fFZdtO
(*゚ー゚)「いらっしゃいませ」

( ^ω^)「おっおっ」

(*゚ー゚)「今日はどうなさいますか」

( ^ω^)「どう?」

(*゚ー゚)「髪型です」

( ^ω^)「あぁーえーと」

(*゚ー゚)「なにかご要望が?」

( ^ω^)「あの、我が家の猫だお!」

(*゚ー゚)「………? 猫のようにということですか?」

( ^ω^)「あ! アメリカンショートヘアー! アメリカンショートヘアーにして欲しいぁ!」

(*゚ー゚)(馬鹿…………)

47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/06(土) 02:22:02.16 ID:vJ+fFZdtO
( ^ω^)「ドクオ、ウサギは寂しいと死んじゃうって知ってたかお?」

('A`)「あぁ、有名なドラマのセリフだな」

( ^ω^)「お、じゃあ結構な人が知ってるのかお?」

('A`)「まぁ、そうだろうな」

( ^ω^)「じゃあ寂しくないおね、うさぎも!」

('A`)「へへっ……馬鹿野郎…………」

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/06(土) 02:23:27.28 ID:vJ+fFZdtO
( ^ω^)「ツン! 塩ラーメンに醤油かけたら、何ラーメンなんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ(馬鹿……)

( ^ω^)「ツン! クッキーモンスターって、クッキーが苗字なのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ(馬鹿……)

( ^ω^)「ツン! TシャツとYシャツがあるのに、なんでMシャツがないんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ(馬鹿……)

( ^ω^)「ツン! 急がば回れって、くるくる回ったら、目が回るだけだお!」

ξ゚⊿゚)ξ(馬鹿……)

( ^ω^)「ツン! 大好きだお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「馬鹿……」

おわり
  1. 2010/03/08(月) 13:08:49|
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(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです

278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/03/07(日) 20:56:37.57 ID:Zi+KkjDr0
(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです


――――――――――――――――

随分長いこと眠っていたようだ。太陽は既に高く昇っている。
蝉の声が聞こえる。風鈴も耳障りだ。風が通る音も鬱陶しい。
だが、その日はやけに静かだった。

(゚、゚トソン 「ミセリ?」

ミセ* - )リ

昨日と同じく、縁側の柱に身を預けたまま、ミセリはどこか遠くを見ている。
いや、何も見ていないような気もする。よく分からない。
よく分からないが、私の心臓は早鐘を打つ。足は竦み、背筋が強張る。

(゚、゚トソン 「薬はもう飲んだのですか?」

ミセ* - )リ

(゚、゚トソン 「……何か、言ってください」

ミセリは、動かない。

――――――――――――――――

280:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 20:58:49.28 ID:Zi+KkjDr0
目が覚めると、見知らぬ場所に居た。
自分の周りには茶色い壁がある。天井が無いが、その代わり変な奴がこちらを眺めている。

ミセ*゚ー゚)リ 「なんだぁ、お前?捨てられたのか?」

(゚、゚トソン 「何ですかはこっちの台詞です、じろじろと何ですか」

ミセ;゚ー゚)リ 「うんうん可愛い、可愛いんだけど、うーん……わたしホラ、アレだから、うん……」

言いながらしゃがみ込んで、私の顎下と頭を撫でた。随分冷たい手だ。
それがあんまり気持ちよかったので、暫く目を瞑って悦に浸っていた。おのれ、懐柔するつもりか。
変な奴改めテクニシャンは何か考え込んでいる様子だったが、やがて日傘を取って立ち上がった。

ミセ;゚ー゚)リ 「じゃあね、猫ちゃん。いい人に拾われなよ」

(゚、゚トソン ニャーン

さようなら。
まぁ、通じるはずも無いのだけれど。

282:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:01:45.91 ID:Zi+KkjDr0
なんだかひどくだるい。日陰に行きたいが、体を起こすのも面倒臭い。息をするのも億劫だ。
底に敷かれた布の上に倒れこむように横になると、真っ青な空から熱い光が燦々と降り注いでいるのが目

に入る。心底鬱屈とした気持ちになって、目を閉じた。このまま寝てしまいたい。

l从・∀・ノ!リ人 「子猫なのじゃー!」

しかし上手くはいかなかった。主に朝と夕方、黄色い帽子の子供やスカートの短い女の子に、コシが命と
言わんばかりにこね回され、体力をごっそりと奪われた。
辺りも暗くなり、やっと涼しくなってきた頃には、私は疲れきって、寝転んだまま尻尾をぴくぴくと動かす肉塊と
化していた。
視界は妙にぼやける。だるさはいつの間にか鈍い痛みに変わって、全身を嬲る。

ミセ;゚д゚)リ 「……い、生きてるよね……?」

( 、 ;トソン 「?」

突然、電灯の光が遮られた。
ずっと半分閉じたままの瞼は、今更開く元気も沸かない。眼だけを動かして上を見ると、今朝のテクニシャンが
こちらを眺めている。ぽけーっと口を開いた、何ともいえない表情だ、面白い。
その何ともいえない表情との因果関係は不明だが、私はなんとなく心地の良い気分になった。

284:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:04:50.76 ID:Zi+KkjDr0
( 、 ;トソン 「見てないで、撫でるとかしてくれませんか」

それが貴方の取り柄でしょうが。
口は殆ど開かない。これが自分のものかと疑いたくなるほど、あまりに細く、弱々しい声が出た。
おそらく、聞こえなかったのだろう。テクニシャンは立ち上がって、足を踏み出す。立ち去るのだろうか。

ミセ;-д-)リ 「……うあぁっ……もう!」

しかしテクニシャンは立ち止まって、おっさんのような呻きと共に頭を掻き毟った。
あぁ、昼間の暑さだ、気がふれるのも無理はない。
暢気に思っていると、自分の寝ていた場所が急に不安定になった。
どうも、私の居る箱ごと持ち上げられているらしい。

ミセ;゚ー゚)リ 「堪えろ……」

少し傾いたままの箱の壁に体を預けて、テクニシャンの顔を見上げた。
なんでもいいからとりあえず撫でて欲しいなぁと、そう思った。

286:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:09:10.47 ID:Zi+KkjDr0
全身隈なく力が入らない。暑苦しいくらいタオルに包まれても、体の震えは止まらない。そのせいでもう随
分長いこと眠っていない。
頭の中は、掻き回した水溜りのように濁っていてグチャグチャで、何も考えられない。
暑いのか寒いのかもよくわからない。息をしようにもうまく吸えない。
つらい。

ミセ;゚ー゚)リ 「死ぬな!」

( 。 ;トソン 「……」

わかってますよ。
声にならない。喉の奥のほうから、情けなく空気が漏れる音がしただけだった。
テクニシャンのほうを見ようとしたが、最早目を開けることも叶わない。

ミセ;゚ー゚)リ 「駄目、あんたは……あんたは生き続けないと……!」

体が持ち上げられた。テクニシャンの膝の上で、顎を彼女の手に乗せると、ほんの少しだが息をするのが楽になった。
お腹の底のほうから、ぽかぽかと温かくなってくる。
グチャグチャに波立っていた頭の中が、静かに、穏やかになっていく。

ミセ;゚ー゚)リ 「大丈夫、大丈夫だから……」

微かに、でも確かに体に染み付いた、母の温もりと似ているような。
この温もりがあるのなら――貴方が傍に居てくれるのなら。
私はこのまま、安心して眠れると思います。

290:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:12:26.45 ID:Zi+KkjDr0
――――――――――――――――

(゚、゚トソン 「ねぇ、ミセリ」

ミセリの膝の上に座って、彼女を見上げた。
うとうとしていただけなら、ここではっとして、びっくりしたなーもう、なんて言いながら撫でてくれる。

ミセ* - )リ

どうして、何も言わないのですか?
強い風に木々がざわめく。風鈴が狂ったように叫び続ける。

⊂(゚、゚トソン

爪を立てた手をゆっくり、ゆっくり伸ばして、彼女の唇に触れた。
痛いじゃないか、何してるんだクソバカ。いつもみたいに、そうやって怒るだろうか。怒ってくれるだろうか。

しかし、彼女は動かない。
気付いている。分かっている。

爪を離すと少しして、珠のような血が1粒、唇に浮かんだ。
少しずつ大きくなっていき、すぐに自らの重みを支えきれなくなる。
真っ白い彼女の肌を伝い、ぽたりと落ちた。白いワンピースの膝元に、小さな染みがひとつ、ふたつ――

――――――――――――――――

292:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:16:31.08 ID:Zi+KkjDr0
(゚、゚トソン 「ごはん」

数日経つと、随分身体も軽くなった。全快したと言って差し支えないだろう。

ミセ*゚ー゚)リ 「はは、もうすっかり元気だね。わたしの献身的な看護の成果だな、うん。感謝しろよー?」

(゚、゚トソン 「私の生命力の賜物ですね。いいからごはん」

ミセ*゚ー゚)リ 「ん、あぁ、もしかしてご飯?オッケー、ちょっと待ってなさいよっと!」

四六時中私の傍を離れない寂しがりやのテクニシャン、もといミセリには、決定的に足りないものがある。
言わずもがな洞察力だ。基本的にコミュニケーションが成立しない。哀れみを感じる。

ミセ*゚ー゚)リ 「じゃじゃーん。夏といえばコレ、カキ氷!」

そう言いながらミセリが持ってきたのは、彼女がいつも食べている、キラキラした白い山だ。
何が出てくるのかと期待していただけに、見慣れたそれは正直全く面白くない。
彼女はいつも、その山の上に何だか危なそうな色の水をかける。果たしてあれは食べられる色だろうか、甚だ疑問だ。

293:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:19:08.55 ID:Zi+KkjDr0
ミセ*゚ー゚)リ 「ほれ、あーん」

まぁ、彼女が薦めるなら大丈夫だろう。

(゚。゚トソン 「あーん」

この暑い中、何故か冷気を纏ったそれを口に入れた。

(゚、゚トソン しゃくしゃく

(゚*゚;トソン ニ゛ャュァン!

冷たっ!

ミセ*;∀;)リ 「うはははは!お前、面白い声出すなー!」

(゚、゚#トソン 「からかってるんですか?」

ミセ*゚ー゚)リ 「うーん、嫌い?でもお前もあれだよ。ウチの子なら、カキ氷好きになって貰わにゃ困るね」

言いながら、私を悶絶させたそれを次々と口に運んでいく。
私くらいになると、頭が痛くならずに済むスピードも熟知してるんだ。
自慢げにそう言うが、世界広しといえど最も役に立たないスキルの1つに数えられるだろう。

ミセ*゚ー゚)リ 「なにせウチにはカキ氷くらいしか食べ物が無いからねー。わたし1人だし、この家」

(゚、゚トソン 「ヘンッ、なんですかい、お前に食わせる物は無いぜってことですかい」

ミセ*゚ー゚)リ 「お前が食べないなら、わたし食べようっと」

294:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:22:16.48 ID:Zi+KkjDr0
カキ氷を食べ終えたミセリは、縁側に腰掛けて足をぶらぶらさせながら、ぼーっと空を眺めている。
私も彼女に倣い、隣に座って空を眺めてみたが、空腹で景色を楽しむどころではない。

(゚、゚トソン 「ごはん」

ミセ*゚ー゚)リ 「ここ、風が通って気持ちいいでしょ?」

(゚、゚#トソン 「ごーはーん!」

ミセ*゚ー゚)リ 「あーあー、ご飯だったね。……そうだ、スナックパン貰ったんだった。
       私食べないし、未開封のまま消費期限が近づいてて、どうしようかと思ってたんだよね」

そう言って袋から取り出したのは、私より大きい、というか長いパンだった。
ミセリはその1/4程を千切って私の前に置き、残りを袋に戻した。
仄かに漂う甘い香りが食欲をそそる。変な冷気も纏っていない。今度は少し警戒しつつ、かぶりついた。

295:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:26:17.70 ID:Zi+KkjDr0
(゚、゚*トソン 「これはうまい」

ミセ*゚ー゚)リ 「お気に召したかい、お坊ちゃん。ん、お嬢さん?猫の性別ってどこで分かるの、股?」

(゚、゚*トソン 「うまっ、何これ、甘っ、うまっ、信じられん……」

ミセ*゚ー゚)リ 「ちょっとみしてみ」

(゚、゚;トソン 「うまい……あっちょっ、やめてくださっ、やっ///」

ミセ*゚ー゚)リ 「女の子か!うはは、オトコノコだったら恥ずいぞー、お姉さんにこんな、ほーれ、開脚!」

(゚、゚;トソン 「やーめなさいってば!」

297:(゚、゚トソン 静かに燃えていたようです :2010/03/07(日) 21:30:27.85 ID:Zi+KkjDr0
それから1ヶ月が経った。
彼女は仕事などもしていないらしく、ずっと家に居る。寝ているか、氷を食べるか、私に構うか。ニートだ。
寂しがりやなプリティキャットの私としては、遊び相手に欠かないので好都合だった。

ミセ*゚ー゚)リ 「今日から3日間、神社のほうでお祭りがあるの」

携帯電話いじりに満足したらしく、私に話を振ってきた。
ミセリは縁側に座って、垣根の向こうの山を指差した。遠目だが、いくつか旗が立っているのがわかる。

ミセ*゚ー゚)リ 「神社、あの辺りにあるんだけど、お前行ったことある?」

(゚、゚トソン 「貴方と同じくひきこもりですよ」

ミセ*゚ー゚)リ 「一緒に行こうって、友達に誘われたんだけどね……断っちゃった。人ごみも苦手だし」

頬杖をついて笑いながらそう言ったが、私にはとても悲しそうに見えた。
彼女は溜息をついて、何も言わなくなった。その間、あまりに静かで、風鈴の音が酷く耳障りに思えた。

ミセ*゚ー゚)リ 「3日目の夜、送り火があるの。どこぞの大文字とは比べ物にもならないけど、綺麗だよ。
       あれに見送られたらさ、気持ちよく帰れると思うんだよね、きっと……」

(゚、゚トソン 「……」

ミセ*゚ー゚)リ 「まっ、女2人で寂しく楽しみにしてよっか」

近頃彼女は、ここで遠くを眺めていることが多くなった。 続きを読む
  1. 2010/03/08(月) 02:15:24|
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(・∀・)デジタルリマスターして発売されるそうです 2/2

431 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:07:20 発信元:221.185.10.115
(・∀・;)
そう、ですか。

でもリスナーとしては、そんなことは感じさせません。あなた方の4枚目のアルバム「Mosaic」は、緻密なアレンジの曲と
ブーンさんのアドリブを全面に押し出した曲とが入り混じった傑作です。

('A`)
このアルバムで俺が作った曲はブーンはほとんど参加していない。逆に、ブーンの曲では俺は参加していない。
実質的な2人のソロアルバムだ。タイトルの「Mosaic」は、そういう寄せ集めの感を表している。あと、見せたくない
部分をごまかすという意味合いもある。

(・∀・)
なるほど。

やはり音楽性の違いが顕著になってきた、ということですか。

('A`)
それはあるけど、でも一番の原因じゃない。2人で続けていくモチベーションが下がったということなんだよ。
そういうのは、ささいな行き違いとか、もう昔みたいにいかなくなったという実感かな。成功の代償であるのかも知れない。

でもこのアルバムは売れに売れたね。俺の曲は、必死で受けのいいアレンジとメロディーを考えたからね。

432 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:11:06 発信元:221.185.10.115
(・∀・)
ブーンさんの方はその自由奔放なアドリブをさらに推し進め、未だにカルト的な人気を誇っていますね。

('A`)
そうだな、ブーンの最高傑作だ。ブーンはアーティストとして成功して、俺は商業音楽家として成功したんだ。
このあと、映画のサントラとか、いろいろと仕事の幅が広がった。

(・∀・)
この曲の中で、あなたはキャリアの中で唯一のラブソング(失恋の歌ですが)を弾き語りで歌っています。

とても心に迫る曲で、私も5年間付き合ってた彼女から「別れましょう」と言われたときに毎日聞いては
泣いていました。この名曲「behind you」については?

433 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:12:39 発信元:221.185.10.115
('A`)
君も隅に置けないな。

でもこの曲は男女の恋愛をモチーフにしたものじゃないんだ。
ブーンとの距離が広がったことについて歌っているんだ。

自分にないものを相手に発見する、こいつと一緒ならきっと毎日楽しいんだろうな、と思う。
でも相手を知るに連れて、求めることが多くなりすぎる。もう昔のようには行かない。

これっていわゆるリア充ラブソングでよく歌われていることじゃないか、と思ったんだ。実際の男女の場合が、
性的魅力で、俺たちの場合がお互いの音楽的才能だったんだ。でも長く付き合うに連れて、人間的な部分が
衝突するようになってきた。

売れるってのは良い事だよ。でも責任も増えるんだ。期待に答えなきゃいけない、一般受けしなきゃいけないっていうね。
俺は責任を果たそうとした。ブーンは、自分の才能に忠実であろうとした。

434 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:15:20 発信元:221.185.10.115
売れるってのは良い事だよ。でも責任も増えるんだ。期待に答えなきゃいけない、一般受けしなきゃいけないっていうね。
俺は責任を果たそうとした。ブーンは、自分の才能に忠実であろうとした。

ある日、俺が渡した譜面がレコーディング室のゴミ箱に入れられていた。俺はすぐに奴をとっつかまえて、ブーンの横っ面を
殴った。ブーンはすぐさま俺のみぞおちに反撃した。とっくみあいさ。

('A`) この野郎、俺が夜も寝ないで仕事している時にも遊びほうけていやがって!

( ^ω^)あ!?このワンマン野郎!ブーンをそんなに支配したいのかお!

('A`) だれがお前なんかを支配したいと思うか。ナイトウ、どこの馬の骨とも解らない混血野郎め!


( ^ω^)ナイトウって、ナイトウって言うな!お前こそあばずれの母子家庭じゃないかお!



最悪だった。お互いが持っている傷に塩を塗りこみまくったんだ。それから3ヶ月間、俺たちは絶縁状態だった。
だから外部のミュージシャンがたくさん起用されているのさ。

437 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:21:01 発信元:221.185.10.115
(・∀・)
そうでしたか、そのような壮絶な内幕が.....
その後どのように関係を回復したんですか。

('A`)
完全な回復なんて最後までなかったよ。でも、どうにかしなきゃってのはあった。
だから俺はブーンの家にいって、また昔みたいにやろう、って持ちかけたんだ。
俺はブーンのために特注のギターを用意して奴の家にいったんだ。ちょうど結成から5周年の節目さ。
オフの日の午後、ヲッカを何本か持ってな。

ブーンはギターをとても喜んでくれたよ。
それから、テレビを見ながらとりとめのない話をした。
奴は猫を飼い始めてたから、猫の品種の話をした。


ブーンは少しうつむいた。そして新品のギターを手にとって、

( ^ω^)「弾くお」

と言った。

でも、どんなにアンプに耳を傾けても、もうあの時みたいには聞こえないんだ。
あの頃よりも数段にいいギターとアンプなのにさ。
結局、音楽を聞いているのは人の心なんだ。

俺は「いいね」とだけいった。お土産に冷凍ピロシキをもらって家に帰った。

439 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:24:16 発信元:221.185.10.115
(・∀・)
なるほど。

いよいよ最後のアルバム、make up になります。このアルバム制作中に、ブーンさんが不慮の事故でなくなっていますが....

('A`)
冒頭でいっただろ。

俺が、殺した。


(・∀・;)


でも警察の発表では不慮の事故だと...


('A`)
俺はこれが言いたくて今日の取材を受けたんだ。
裁かれたくても裁かれない俺を、君の新聞の読者に裁いてほしいんだ。



では話そう。

440 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:26:56 発信元:221.185.10.115
俺はそのころアシスタントの娘と付き合っていた。
というよりも、彼女が付き合ってくれていた、ともいうべきかな。

しぃ っていった。


俺は長いこと女性を信頼できないでいた。

加えて、有名になってからというものへつらいで近づいて来る奴ばっかりだった。
そんなときに、そうだな、生まれたときから持っているようなやさしさで接してくれるっていうのかな
その娘だけだった。

まわりの奴等は俺が何をレコーディングしても「いい」としか言わなかった。
レコード会社の奴等は、数字でしかものを言わなかった。

でも彼女ははっきりとものを言ってくれた。ブーンと仲直りするように進言してくれたのも彼女さ。


俺は、女をずっと遠ざけてたけど、この娘とだったらやっていけると思い始めてた。

441 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:31:43 発信元:221.185.10.115
でもある日、ツアー先のホテルで、ブーンの部屋からしぃが一緒に出てくるのを見てしまったんだ。
二人は俺に気づかなかった。

俺は心がめちゃくちゃになってしまった。
特に打ちのめされたのは、彼女が耳たぶに俺が数日前に挙げたエメラルドのイヤリングをしてたってことだ。
その時、俺はカーチャンのことを思い出した。
カーチャンはよく男からプレゼントされたものを身につけて、別の男と遊び歩いていた。俺はそれが嫌でたまらなかったんだが、その姿がよぎった。

どっと疲労感が押し寄せた。そのあとにムラムラと、ブーンを殺したい、と思った。
でもそれはできないから、奴の分身を粉々にしてやろうと思った。


その日のライブは7時からだったから、夕方には楽屋入りした。


( ^ω^)おいっす

('A`)

( ^ω^)ん?気分でも悪いのかお?

('A`)


(; ^ω^)なんか.....あったのかお?

俺は何も言わず、俺がプレゼントしたブーンのギターを取り上げた。
そしてそれをアンプに叩きつけて粉々にしてやったんだ。

444 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 19:35:54 発信元:221.185.10.115
俺は憤然として会場を去って、その晩はすっぽかして近くのバーで酔いつぶれていた。


奴は楽器がなくなって、近くのインチキな楽器屋から整備不良のギターとアンプを借りざるを得なくなった。

で、リハ中に感電死した。
翌日俺が帰ってみると大騒ぎさ。


(・∀・;)
確か、公式の発表では楽器の輸送中に不手際があったのでレンタル機材を使ったと...

('A`)
マネージャーがかばったんだよ。運送会社の連中は相当な責めを追わされた。
俺はそれを訂正もできずにいたんだ。腰抜けの最低野郎だろ。


俺は既に無感覚になっていた。現実感がなかった。
あの女が知ったらどんな顔するだろうな、と心のどこかで思ってさえいた。

448 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 20:02:43 発信元:221.185.10.115
ところが、翌日しぃが俺に近づいてきたんだ。


(*゚ー゚) これ.....昨日ドクオにプレゼントしよう、ってブーンと朝から計画してたの
     でも、もう...


ってビンテージのギターを渡された。それとしぃとブーンが書いたカードのようなものを渡された。
昨日は俺たちのデュオ結成記念日だった。二人で内緒で準備していたんだ。


全部俺の思い込みに過ぎなかったんだ。


目の前が真っ暗になった。えぐり出して捨て去りたいと思うほど、胸が痛んだ。
自分を激しく痛めつけたい、と思い、睡眠薬を大量に飲んだ。
それでも俺は死にきれなかった。

死ねないなら、死んだように生きるしかない。俺はドラッグに手を染めた。

449 (・∀・)デジタルリマスター3/3 2010/03/03(水) 20:04:44 発信元:221.185.10.115
(・∀・;)
あなたの罪悪感は深いものかも知れません。ですが、これは事故であって、あなたに直接の
責任は無いと思います。

('A`)
俺はブーンを疑い、憎んだ。そしてブーンは死んだ。俺が願っていた事がその通りになったんだよ。
それ以外の何がある?

聖書にもあったろう、「誰でも汝の兄弟憎む者これすなわち人殺しなり」って。

人殺しには金輪際音楽を人に聞かせる資格なんてないんだ。


(・∀・;)
そんなことは決して....最後のアルバムは、


('A`)
知ってるかい?
5枚目のアルバムは、デモをかき集めた寄せ集めだよ。
それを外部のアレンジャーに委託して聞けるものに仕立てただけなんだ。

その後も俺のキャリアはだらだらと続いた。
死ぬべき時に死ねなかった、善人にも悪人にも中途半端なのが俺さ。 続きを読む
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(・∀・)デジタルリマスターして発売されるそうです 1/2

266 (・∀・)デジタルリマスター1/3 ◆Ai.p5y3NWQ 2010/02/26(金) 21:13:18 発信元:123.221.194.146
「ブーンは俺が殺した」

あのカルト的人気を誇ったThe Mondequces(ザ マンドクセ)の全タイトル5作が、デジタルリマスターされる
ことを聞いて興奮を覚えた人も少なくないだろう。解散から15年目を迎える孤高のデュオ、The Mondequcesの
リーダードクオが語る自身の生い立ち、ブーンとの日々、 「ブーンは俺が殺した」という衝撃の告白。
(インタビュー:マタンキニコフ)

(・∀・)
こんにちは。取材に応じてくださってありがとうございます。ではさっそく.....

('A`)
君らブンヤの趣向は分かってる。でも、俺が伝えたいことは半分も記事にしてくれない。
あのな、ブーンは俺が殺したんだよ。これ活字にしてくれよ。今まできた記者の奴等、全部カットしやがったからな。
つまらない小奇麗な提灯記事にされるのは我慢ならないんだ。

俺がここで述べたこと全て活字にするって、約束するか?できないなら取材を受けない。

(・∀・;)
.....はい。

267 (・∀・)デジタルリマスター1/3 2010/02/26(金) 21:15:09 発信元:123.221.194.146
('A`)
ならいい。じゃあ何から喋ればいいんだ?

(・∀・;)
弊社の取材方針は「記事は人なり」なので、ドクオさんと音楽との出会いから話していただけますか。

('A`)
物心ついてないときからだよ。母親がシンガーだったんでな。若い時分にはどこかのバンドにいたらしいけど、
俺が生まれた頃には一人でバーやレストランで歌ってた。意外とシベリアにはバーとか飲み屋が多いんだよ。
それで、俺は10にもなるとバックでギターを弾かされた。3つか4つしかコードがない簡単な曲ばっかりだったけどな。

今にして思うと、ほんとの理由は子供が出るとチップをたんまりもらえたからだと思う。俺はそこで、つまり
ヲッカと騒音と酔っ払い客で溢れかえった環境で育ったんだ。まるでゴミ溜めだよ。

よかったことと言えば、タダでレッスンが受けられたこと、そして譜面の読み書きを教わったことかな。

譜面の読み書きを教えてくれたのは、たしか、アントンとかいうジャズピアニストだったと思う。いい奴だった。
ジャンキーだったからよくギグに穴を開けてたけど、生きてたら会いたいね。

270 (・∀・)デジタルリマスター1/3 2010/02/26(金) 21:17:35 発信元:123.221.194.146
(・∀・)
なるほど。そういう普通とは違う環境で育ったり生活した事で、何か支障はありましたか。

('A`)
学校生活にはそんなに深刻な影響はなかったよ。特に冬なんかは、日が落ちるのが早いからさっさと、8時ぐらいには
しまっちゃうんだ。でもブリザードが吹いたりすると、バーに缶詰になるから、そこから学校に通ったね。
夜じゅうすることもないんで、みんなで即興で歌ったりとかした。そうすることで、自然と曲が作れるようになったんだ。

まあ、友達みたいに放課後誰かと遊んだりってのはあまり出来なかった。それで、カーチャンを恨んだりもしたよ。

(・∀・)
そうですか。

('A`)
カーチャンを恨んだのには別の理由もあった。よく、ギグがはねると、お客や伴奏者のミュージシャンとしけこんじまうんだ。

俺は小遣いを手に握らせられて、一人で家に帰ったりした。その逆、つまり俺を通してカーチャンに会わせてくれ、ってのも
あった。小さい頃はよかったが、だんだんとものが分かるようになるに連れて、カーチャンを汚らしく思うようになった。
俺を養うため、ってのは感謝してるけど、純粋に男好きでもあったと思う。

性の目覚めの時期にそんなだから、俺はすっかり女嫌い、正確に言えば苦手になっちまたんだ。今もそうだよ。

272 (・∀・)デジタルリマスター1/3 2010/02/26(金) 21:22:20 発信元:123.221.194.146
(・∀・)
お母様はたしか....

('A`)
ああ、そうだよ。早くに死んだ。

春の夜だね、その日も俺は一人で家に帰ったんだ。
朝になって、川に女が落ちて死んでるって近所で騒ぎになった。
駆けつけてみると、女のうなじが透き通るような青白さで水面に浮かんでた。
それがカーチャンだった。

その日は真っ赤なドレスを着てたから余計に映えた。カーチャンてこんなに美人だったんだ、て驚いた。
こりゃ男が寄り付かないわけがない。多分酒に酔って道を踏み外したんだろう。

最初は何とも思わなかった。まあ、後始末で忙しかったてのもあった。

でも2週間ぐらいたった夕方、なんかすごく部屋がまぶしく感じられた。気づいたんだ。
居間には窓際に鏡台と椅子があって、そこでいつも夕方カーチャンは化粧をしていた。かなり念入りにね。
でもカーチャンいなくなって、遮るものが何もなくなった。


その時始めて泣いた。人が死ぬってのは、影を失うってことなんだって思った。
俺の17歳の春だよ。


275 (・∀・)デジタルリマスター1/3 2010/02/26(金) 21:25:40 発信元:123.221.194.146
(・∀・)
そうですか。その後ブーンさんと出会われたわけですね?

('A`)
君ら記者連中はやっぱりブーン目当てで俺のところに取材にくるのな。
そのあと4年間、俺は一人で活動してたんだよ。

(・∀・:)
失礼しました。ではその点を詳しく...

('A`)
まあシベリアの飲み屋で歌ってただけなんだけどな。シベリアってのは住民は穏やかだけど、
抑留されたり、凶悪犯が追放されて来る場所でもあるんだ。おまけにこの厳しい気候にうんざりしてる人も多い。
そういう奴等相手に演奏するわけさ。かなり鍛えられたな。

だいたい、クレムリン(中央)への不満がすごくある場所だから、党の指導者を揶揄したような歌を歌うと大ウケした。
ち○ちーた死ね とか 削○ェンヌ死ねとかね。恐れ、抑圧、不安、こうしたものを声高に歌うと人は共感するって分かった。

それをブルースと呼ぶってのは、もっと後になってから知った。

(・∀・)
なるほど。

277 (・∀・)デジタルリマスター1/3 2010/02/26(金) 21:30:13 発信元:123.221.194.146
('A`)
で、君のお待ちかねのブーンの登場だ。どっかのもぐり酒場だ。
演奏が終わって、俺が一人で飲んでたら、近づいてきた。

( ^ω^)「すごく演奏よかったお」

この話ぶりで、俺はこいつがヴィップグラードからの流れ者だって気づいた。

('A`)   「ありがとう。君も何か演奏するのかい?」

( ^ω^)「ギターを弾くお」

('A`)   「どんなタイプのギターだい?」

( ^ω^)「エレキギターでギュンギュンいうお」

('A`)   「.......え、と」

普通こういう場合には、目標にしているギタリストの名前をあげたりとか、プレイスタイルをいうもんだ。
相当の初心者だな、と思って話をギターの話をやめようとした。そしたらバーのマスターが、

(=゚ω゚)ノ「そいつのギターはすげえぞ」

というんだ。マスターは滅多に人を褒めない。俺も褒めてもらった事が無かったから、どんなだろうと思って、
誘われるがままそいつの避難者用簡易宿舎に行ったんだ。

357 (・∀・)デジタルリマスター2/3 2010/02/28(日) 01:57:05 発信元:123.221.196.119
('A`)
そこはまるでドヤ街だった。いろいろな人種や国籍の奴等が、古ぼけたコンクリートの建物に集められていた。
人いきれと熱気で気分が悪くなった。冬だったが、湿気でコンクリの壁が汗かいてたよ。

個室、っていってもだいたい3畳ぐらいしかない。昔あったラーゲリ(収容所)を改造して使ってるらしかった。
薄汚いベットの上に、安物のエレキギターが投げ出されていて、これまたおもちゃみたいなアンプに
接続されていた。

部屋に通されてしばらく雑談したあとだ。
ブーンはアンプの電源を入れて、ヒョイとギターを取り上げた。

( ^ω^)「弾くお」

そこで、俺の時間はとまったね。

(・∀・)
それだけ、素晴らしかったと?

('A`)
いや、素晴らしいとか美しいとか、そういう批評の基準を越えているんだ。

だいたいミュージシャンというのは仲間の演奏を聞くときに、分析しながら聞いているものだ。
でも、そういった部分を停止させるようなー音楽と共に流れていきたいと思わせるような感覚さ。
一言で言えば、エクスタシーだね。

気がつくと演奏が終わっていた。俺は何も言わず指でもう一回、と合図した。2度目、俺は無意識のうちに
アンプに耳を近づけて脳髄で演奏を感じていた。夜だったんで、隣の部屋から壁を殴られたが、構わず
聴き続けた。アンプが安物だったから音が割れてたけど、コンクリ壁のリバーブと相まって渦を巻くような
サウンドになった。俺はその渦に巻き込まれた、ってわけさ。

359 (・∀・)デジタルリマスター2/3 2010/02/28(日) 01:58:55 発信元:123.221.196.119
(・∀・)
なるほど。それでブーンさんとデュオを組むことを決意なさったわけですね。

('A`)
ああ。

(・∀・)
デュオの命名について教えてください。Theがついていますが、なんか響きはフランス語のような....

('A`)
何てことはないよ。
二人でいろいろとデュオ名の候補を挙げていったんだ。でもどれもしっくりこなかった。
それで俺が、「考えるのマンドクセ」っていったんだ。そしたらブーンが気に入ってね。

(・∀・)
なんだ、そういうことだったんですね。

('A`)
なんだとはなんだ。

361 (・∀・)デジタルリマスター2/3 2010/02/28(日) 02:01:27 発信元:123.221.196.119
(・∀・;)
いえ.....。えっと、あの、

それで第一作目の「Motor and Wings」が生み出されるわけですね。
このアルバムはおもにカバー曲で構成されていますが、ドクオさんの地を這うような歌唱にブーンさんの
炸裂するようなギターソロが好対照を成す、初期の名盤です。

ではまず、このアルバムタイトルの意味について教えていただけますか?

('A`)
これはブーンを紹介してくれた酒場のマスターの言葉を借りたんだ。
俺たちがデュオを組んだときにこう言ってくれた。

(=゚ω゚)ノ「ドクオ、お前のその力強い情念的な歌は、言ってみりゃエンジンのモーターだ。
     ブーン、お前のその飛び上がるようなプレイは、飛行機の翼だ。

     お前たちが一緒になるなら、どこまでも飛んでいける。」

ってね。ほんとはだからタイトルは「Airplane」にしようかと思ったんだけど、まだ俺たちが一つになりきれてるかどうか
解らなかった。だからあえて「Motor and Wings」にしたんだ。でもこのアルバムをリリースした時には、迷いは確信に
かわってたよ。

(・∀・)
ああ、なるほど。それで2作目は「Airplane」になったわけですね。
カバー中心ですが、オリジナルはその頃歌ってなかったのですか?

('A`)
いや、結構歌ってたよ。でも、スタジオ代がかさむのがいやだったから、アレンジが鉄板なオリジナルにしたんだ。
もちろんブーンは天才だったから即興でも十分演奏できたけど、それでもアレンジとしてうまく行くかは別問題だ。 続きを読む
  1. 2010/03/03(水) 21:56:26|
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小説作家

406 小説作家 1/2 sage 2010/03/01(月) 01:39:32 発信元:222.228.220.145
 

 私は小説を書いてはいけないのではないだろうか。


('A`)y―・~


 紫煙を燻らせながら、ビルの屋上から落ちゆく夕陽を見て、一人思索に耽る。

 私は小説家である。
 と、いっても著書はまだ3冊ほどの駆け出し作家なのだが。
 
 
 言葉ベタで、他人と意思疎通をうまく計ることのできない私にとって
 自分の裡のある思想、情念を文章として世に送り出す小説家という職業は
 実に自分にしっくりとくる、据わりのいい職業のように思えた。

 実際に自分の脳内で燻る妄想を文章として書き出し
 それを誰かに読んでもらう事は他の何にも変えがたい悦びがあった。

 自分の考えをただ話すだけでは理解してもらえないが
 文章、物語として世に出せば、読んでもらえ、賞賛してもらえるのである。

 だが最近どうも、書く事が楽しくない.......

 そればかりか苦痛ばかり伴っている。
 原因はわかっている、編集による指示で書きたい事が書けず、執筆内容を制限されているからだ。

 その制限された枠内でどうにか物語を紡ごうとするのだが、うまく。、書けない。

407 小説作家 2/2 sage 2010/03/01(月) 01:41:42 発信元:222.228.220.145

 何を書こうとしても閉塞感が付きまとい、息苦しいのだ。

 それでもうまく書けないとなると、今度は別の重圧が私を襲った。

 文章しか取り得のない私が、文章を書けなくなると、一体何の価値があるのだろうか。

 襲い来る焦燥感。
 執筆作業は、さらに停滞する。

 苦しい精神状況で無理やり物を書く事は、水の底のように昏く、また痛みやすい内心を、力ずくで暴く行為に似ていた。
 キーボードを叩く度に、神経は過剰に刺激され、張り裂けんばかりに肥大するのである。
 心の闇を穿り返す余り、時として恐ろしい幻を見ることがあった。

 私の心の中心に居座っている顔の無い化け物が............大口を開けて私を喰らおうとするのだ.........

('A`)y―・~ 「―――ふぅ」

 夕陽を見つめ、私は一つ決心した。
 化け物に飲み込まれるのも、取り得が無くなり死んだように生きるのも真っ平ごめんである。

 それなら私は、自ら死を選ぼうか

 最後の一服を終え、私は屋上から身を投げた。落ちて逝く、深遠に。
 不思議と恐怖より、開放感を強く感じた。


 その場に残った紫煙だけが、静かに空間に溶けいった。
  1. 2010/03/03(水) 21:21:55|
  2. 総合作品まとめ
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