ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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川д川はお尻がはまって上腕筋がムキムキになったようです 後編

2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/27(土) 23:15:16.49 ID:dyLo9o3G0

~前篇のあらすじ産業で~
・川д川、世界腕相撲大会に参加
・川д川、迷子になる
・川д川よりぶっちゃけ(*゚ー゚)が好き


【;  】ゞ゚)そ「アバウトにも程があるだろ!?」

( ∵)「どうした?」

【;  】ゞ゚)「あ、いや、何でも…………」


(;><)「駄目です、全っ然見つからないんです!!」

(;’e’)「こっちにも見当たりません、センパイ!」

(#∵) 「うん、ハナっから期待はしてなかったけどな!?
    そりゃ、自動販売機の釣銭のところ覗いても見つかる訳ないがなこの馬鹿共がァア!」

【+  】ゞ゚)「いや……貞子のことだ、可能性はある!」

(;∵)そ「あんのかいいいいいい!?」

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/27(土) 23:28:12.61 ID:dyLo9o3G0
+  】ゞ゚)「よし!向こうの自動販売機は俺が探すから、君たちはあっち側の方を見てくれ!」

( ><)ゞビシッ「アイアイサー、なんです!」

(’e’)ゞビシッ「了解しました!」


【+  】ゞ゚)「よしビコーズ、僕らも行こうか!」

(#∵)「誰が行くかァア!!」


     ザワザワ……      ザワザワ……

キョロ川д川キョロ「えーと…受付はどこかしら……」

  ウケツケ
('(゚∀゚∩「はーい!受付はこちらだよー!」

川д川「あら?貴方は商店街の……」

  ウケツケ
('(゚∀゚∩「商店街?ああ、兄さん達の事だね! 僕ん家、四つ子なんだ!」


 ニクヤ    サカナヤ                       トウフヤ   ウケツケ
('(゚∀゚∩('(゚∀゚∩「「「「ホーラね!ソックリでしょ!」」」」('(゚∀゚∩('(゚∀゚∩

川д川「woo...」

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/27(土) 23:43:18.52 ID:dyLo9o3G0
~そんなこんなで~

('(゚∀゚∩「選手登録したよ!」

('(゚∀゚∩「選手はあちらの控え室テントでお待ち下さいだよ!」


【控え室】
<シアイカイシ ゴフンマエデース

川;д川「うう……きんちょうしてきたわ……」


⌒*リ´・-・リ(´・く_・`;)ワイワイ ξ゚⊿゚)ξ(^ω^ )ワイワイ (,,゚Д゚)(゚ー゚*)


川;д川「(……カップル率高杉だろjk……)」

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/27(土) 23:50:41.72 ID:dyLo9o3G0

J( 'ー`)し「あらあら貞子ちゃん、貴女も出場するの?」
      ウツダ
川д川「あ、射田さん!」

          ザ     ワ    ッ  ・  ・  ・ !!
⌒*リ;´・-・リ(´・く_・`;) ξ;゚⊿゚)ξ(^ω^;) (,,;゚Д゚)(゚ー゚*;)

(,,;゚Д゚)「射田!?あの射田だと…!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「“極東の剛腕神”の射田……!?」

川;д川「何か凄い肩書がついてるッ!?」


「ヘッ、極東の剛腕神だと?」

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/27(土) 23:52:17.95 ID:dyLo9o3G0
         Λ Λ
        ( ゚∀゚ )
       __〃`ヽ 〈_
   γ´⌒´--ヾvーヽ⌒ヽ
  /⌒  ィ    `i´  ); `ヽ
  /    ノ^ 、___¥__人  |
  !  ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ >  )
 (   <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/  /    「そんな伝説、この俺様がぶち破ってやるぜ!!」
  ヽ_  \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
    ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈  ソ、
      〈J .〉、|   |, |ヽ-´
      /""  |   |: |
      レ   :|:   | リ
      /   ノ|__| |
      | ,,  ソ  ヽ  )
     .,ゝ   )  イ ヽ ノ
     y `レl   〈´  リ
     /   ノ   |   |
     l  /    l;;  |
     〉 〈      〉  |
    /  ::|    (_ヽ \、
   (。mnノ      `ヽnm

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 00:00:47.22 ID:Dy6zQQmU0

川;д川そ「ぎゃあああああああさっきの変態!!?」

J( 'ー`)し「…………」

⌒*リ;´・-・リ「なん……だと……!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「“肉体美の化身”、アヒャだわ!」

(*゚ー゚)「素敵な肉体だわ!抱いて!!」

(,,;゚Д゚)「し、しぃ!?」

(*゚ー゚)、ペッ「モヤシに興味はなくてよ、このヒモが!」

(,,;Д;)「しぃいいいいい!!戻ってきてくれぇええええ!!」


川;д川「な、なんという昼ドラ……」

( ゚∀゚ )「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャwwwwwww」

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 00:10:04.12 ID:Dy6zQQmU0

(‘_L’)「もうすぐ試合が始まります、選手の方はこちらへ」


J( 'ー`)し「貞子ちゃん、お互いに頑張りましょ?」

川;д川「は、はい!」



(-@∀@)「さーて始まりました、第1206回世界腕相撲大会コンテスト!……」

【;  】ゞ゚)「クソっ!試合が始まっちまった!」

(;∵)「なぁオサム、俺もう帰っていいか」

【+  】ゞ゚)「ああ、もういいよこの役立たずの短足め」

【+  】ゞ゚)、 ペッ

<サダコヤーイ



( ∵)「………………………」

( ∵)「……何だろ、凄く死にたくなってきた……」

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 00:16:30.82 ID:Dy6zQQmU0

(-@∀@)「さーて始まりました、第1206回世界腕相撲大会コンテスト!
      二回も言った気がするって?きっと気のせいさ!」

(-@∀@)「実況はこの私、朝日あさぴーと」

<ヽ`∀´> 「解説のニダーと」

(゚A゚* )「相方ののーでお送りしまーす」



(-@∀@)「さて、挨拶も済んだところで、選手、入場ですッ!!」

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 00:23:26.10 ID:Dy6zQQmU0

(-@∀@)「その肥えた肉体で勝利を掴めるか!? エントリーNo.1、内藤ホライゾンッ!!」

               ワ―      ( ^ω^)      ワ―

(-@∀@)「その華奢な体にはどんな力が潜むのか!?エントリーNo.2、盛岡リリィイ!!」

ワ―      ⌒*リ;´・-・リ      ワ―

(;-@∀@)そ「ッて、そっちが参加するんかいいいいい!?」

(-@∀@)「…っと、気を取り直して……その肉体、まさに芸術!“肉体美の化身”、アヒャ選手ゥゥウッ!!」

               ワ―      ( ゚∀゚ )      ワ―

(-@∀@)「女だからとて侮るなかれ!前回の準優勝者、“極東の剛腕神”射田カヨ選手!!」

               ワ―      J( 'ー`)し       ワ―

(-@∀@)「今回初出場!頑張れテレビにはまった少女、貞子選手ー!!」

               ワ―      川;д川      ワ―

(-@∀@)「全てが謎で満ちている!強敵となるか、覆仮面“D”選手ー!!」

                ワ―      (●A●)      ワ―

(-@∀@)「尚、ギコ選手は振られたショックで棄権しました」

(-@∀@)「雑魚とモブは省略!!」

13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 00:43:35.60 ID:Dy6zQQmU0

【;  】ゞ゚)「貞子ー!貞子ー!!」

(゜д゜@「あらやだ、棺桶死さん?」

【+  】ゞ゚)「あ、お隣の…」

(゜д゜@「棺桶死さんも大会に出場?」

【;  】ゞ゚)「あ、いえ…そういえば、貞子を見ませんでしたか!?
        迷子になってしまったみたいで……」

(゜д゜@「あらやだ、貞子ちゃんならあそこにいるじゃないの」


           ワ―       オロ 川;д川 オロ     ワー

【+  】ゞ)         ゚


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 00:57:01.69 ID:Dy6zQQmU0

(-@∀@)「さて、前回チャンピオンの流石母者さんですが…………」

(-@∀@)「本日は夫の流石父者さんと23回目の結婚記念日の旅行のため」

(-@∀@)「     不  在  で  ご  ざ  い  ま  す  ッ  !  !」
                      ドドンッ!!!


                  \な、なんだってーーーーーー!!!/

(-@∀@)「という訳で、代理として流石姉妹+αにお越しいただきましたー!!」



              ワ―     ∬´_ゝ`)ノシ ヾl从・∀・ノ!リ人     ワ―


( ´_ゝ`)「おい何だよαって、オイコラ実況この野郎」

(-@∀@)「予選で勝ち抜いた三人だけが、この代理三人と腕相撲する事になります!」

(-@∀@)「三人の内、一人にでも勝てた一人だけが優勝となります!皆さん頑張ってくださいねー!」

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 01:06:31.27 ID:Dy6zQQmU0

( ^ω^)「ふむ、女が二人にモヤシ男が一人……」

( ゚∀゚ )「コイツァ楽勝っぽいな、アヒャヒャヒャwww」


(-@∀@)「あ」

(-@∀@)「言い忘れておりましたが」

(-@∀@)「流石姉者さんと妹者さんのパワーは、それぞれ前チャンピオンの力を1/2ずつ(※)引き継いでおられすそうなので、お気をつけください」


(-@∀@)「尚、流石家の長男さんの流石弟者さんが行方不明だそうで、只今情報を募っていらっしゃるそうです
      つーか長男なのに弟者とか きが くるっとる!」

( ´_ゝ`)「ナースさんが間違えたんだよ」

(-@∀@)「許す」



※1/2ずつ~……母者がダンプカー三台をと軽々持ち上げられるとお考え下さい

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 01:18:36.46 ID:Dy6zQQmU0
(-@∀@)「さて、まずは予選!」

(-@∀@)「面倒くさいのでダイジェストでお送りします!」


(#^ω^)「シャアアアアアおらあああああああ!!」
 _
(; p )「あべしッ!?」


(#゚∀゚ )「ふんぬらばッ!!」

ミ,,;Д;彡「ぎゃああああああああ腕があああああああああああAAAAAHHHH!!」


J(#'ー`)し「どっせいい!」

| ; o  |「ぱしへろんだす!!」


(-@∀@)「修羅場!まさに修羅場だあああああ!!」

(,,;Д;)「うう……鬱だ死のう……」

<ヽ`∀´> 「涙を拭くニダ、男が泣いちゃいかんニダ」

(゚A゚* )「エエ男になって見返してやればええやん、な?」

(@∀@-;)「おおっとこっちも修羅場だー!つーかお前ら解説しろよ!!」

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/28(日) 01:34:32.43 ID:Dy6zQQmU0


(-@∀@)「っと、ツッコんでる間に予選試合終了だー!!」

【;  】ゞ゚)「早えー!終わるの早えー!!

(-@∀@)「外野からもツッコミがきたところで結果発表だー!
      最後まで残ったのはー……この三人だァーーーー!!」


        ド                     ンッ   !!

            (●A●)  J( 'ー`)し  ⌒*リ´・-・リ

(;-@∀@)「おおっとぉ!!意外も意外、一名を除き意外すぎる三人が残ったぞぉーーーー!!」


:(; p ):「グフゥ…………」

:(メ Д ):「がはッ……!!」

:川;д川: 「…………つ、強い………」

(;-@∀@)「女性である貞子選手も容赦なく倒す!まさに弱肉強食の世界を垣間見ました……!!
      本戦は一体、どんな戦場と化すのでしょうかァアア!?」 続きを読む
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  1. 2010/02/28(日) 02:57:45|
  2. 短編まとめ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

川д川はお尻がはまって上腕筋がムキムキになったようです 前編

前作 川д川はお尻がはまって抜け出せないようです



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 21:05:52.10 ID:IvA8QaEy0


川д川ノジ「オサム君、オサム君」

【+  】ゞ゚)「ん?どうしたんだい?」

川д川「私、世界腕相撲大会に挑戦するわ」


【+  】ゞ゚)






【+  】ゞ゚)「えっ」

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 21:07:41.48 ID:IvA8QaEy0






川д川はお尻がはまって上腕筋がムキムキになったようです





5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 21:12:15.05 ID:IvA8QaEy0
どうも、棺桶死オサムです。皆様如何お過ごしでしょうか。
春も近いこの季節、どうやら僕の同居人に早すぎる春が来たようです。主に脳の。

【;  】ゞ゚)「…えーと……2、3質問いいかい?」

川д川「何?」

【;  】ゞ゚)「何、その腕相撲大会って」

川д川「世界腕相撲大会よ」

【;  】ゞ゚)「うん、だからなんだよその世界腕相撲大会って!!
        なんで腕相撲如きで世界大会!?スケールでか過ぎだろ!!」

川д川「ツッコミ所はそこなのね」

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 21:17:03.83 ID:IvA8QaEy0

【;  】ゞ゚)「フゥ…5レス目にしていきなりツッコませないでくれよ」

川д川「どうでもいいけど、その言い方なんかエロいわね」

【#  】ゞ゚)「シャラップ!!」


【+  】ゞ゚)「で、だ」

【+  】ゞ゚)「その世界相撲大会とやらは何なんだい?
        そんでもって、君が出場する理由は?」

川д川「面倒だから回想でいいかしら?」

【;  】ゞ゚)「ああもういきなり色々と突っ込みたいんだけど……まあいいか……」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 21:40:42.61 ID:IvA8QaEy0

【二週間前】

【+  】ゞ゚)「それじゃ、行ってくるよ」

川д川「行ってらっしゃーい」

【+  】ゞ゚)ノシ

川*д川ノシ

<バタン

川д川「(…………)」

川д川「(……何だか、新婚夫婦みたいね……)」

川*д川 ポッ

川д川そ「おっといけない!玄関のお掃除しないと!!」

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 21:48:36.09 ID:IvA8QaEy0

川д川「よーい……」

:川д川: プルプル


┌─┐
[ TV ] シュタッ!
川д川 「しょっと!!」
∪ ∪从

※説明しよう!川д川は下半身がテレビに納まってしまっている為、このように
 逆立ちをして移動しているのだ!
※よい子の2ちゃんねらーは、真似しないように!


川*д川9m「オサムクンには内緒だゾ☆」

川д川「さーて、お掃除お掃除!」

12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 22:11:55.00 ID:IvA8QaEy0

┌─┐
[ TV ]
川д川 ザッザッ
 ∞

(゜д゜@「あらやだ!おはよう貞子ちゃん!」

川д川「あ、おはようございます!」

J( 'ー`)し「おはよう貞子ちゃん、いつも元気でいいわねぇ
      うちの息子にも見習わせたいわぁ!」

川*д川「そ、そんな…照れちゃいます……」


ペチャクチャ J( 'ー`)し川д川(゜д゜@ ペチャクチャ


|A`)「………………」

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 22:23:26.57 ID:IvA8QaEy0

川д川「?」

|A`)「!」

|彡 ピャッ!

川д川 ?

(゜д゜@「あらやだ!もうこんな時間!!」

J( 'ー`)し「あら本当、時間が経つのって本当早いわよねぇ……」

川д川「じゃあ、私もこの辺で……」


川д川ノシ    ヾJ('ー` )し(゜д゜@ノシ


川д川「……」

川д川「……買い出し、行かなきゃ」


|A`)「…………」

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 22:38:03.40 ID:IvA8QaEy0
【商店街】

 :袋袋:
 ┌─┐ グラグラ・・・
 [ TV ]
 川;д川
 ∪ ∪
川;д川「お、重い……買いすぎちゃったわ……」

  ヤオヤ
('(゚∀゚∩『へいらっしゃい!お嬢ちゃん綺麗だから安くするよー!』

川*д川『じ、じゃあ一つ……』
  ニクヤ
('(゚∀゚∩『へいらっしゃい!お嬢ちゃん綺麗だから安くするよー!』

川;д川『あ、あら?貴方さっきも居たような……』
  ニクヤ
('(゚∀゚∩『気のせいだよ!』

川д川『そう?じゃ、じゃあ一つ……』
 トウフヤ
('(゚∀゚∩『へいらっしゃ(ry』


川;д川「ヒィ……フゥ……」

|A●) +

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 22:45:22.07 ID:IvA8QaEy0

≡(●A●)
      袋袋
      ┌─┐
      [ TV ]
≡(●A●)そ川д;川
      ∪ ∪

ドンッ!

川;д川「キャッ!?」

       ┌─┐
       [ TV ]
     ⊂川;д川⊃そ   ≡(●A●)ノ袋袋

川;д川「だ、誰かーーーー!ドロボー!!」

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 22:55:28.88 ID:IvA8QaEy0
(;><)「だ、大丈夫ですか!?」
  _,_
≡(#∵)「くぅおらあああああああ!!待ちやがれひったくりがあああああああ!!」



             _,_
           ≡(#∵)    ≡(;●A●)ノ袋袋

 _,_
:(; . ):「クソー……に、逃げ足の速い…………」

(;><)「先輩が喫煙者の上に短足だからですよ!」


    _,_  パーン
ウルセー! (#∵)
 ⊂彡☆))><)゙∴'、 メメタァッ








20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 23:00:06.20 ID:IvA8QaEy0

【自宅前】

川;д川「……結局、荷物取り返せなかったなぁ……」

川;д川「……はぁ…………」

川д川「…………ん?」


チョ―――――――袋袋――――――――ン


川*д川「……………………!!」


|A`)「………………」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/24(水) 23:50:47.88 ID:IvA8QaEy0

川д川「…それにしても……」

キョロ 川д川 キョロ

川д川「…誰が取り返してくれたのかしら…………」

川д川「…………あら、これは……………」

川д川ノ□


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

川д川ノ□「で、買い物袋に入ってたのが、このチラシって訳」

【+  】ゞ゚)ノ□「ふうん……どれどれ…………」

22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/25(木) 00:00:07.20 ID:IvA8QaEy0




『          ”世界腕相撲選手権”
  前チャンピオンに勝利すれば、賞金1000万円は貴方のモノ!?
          極めろ、世界の頂点!!』


【+  】ゞ゚)ノ□「……成程なあ……」

【+  】ゞ゚)「(つーか、かなり説明がアバウトだなぁ……)」

川д川「これで、オサムに新しいTVを買ってあげようと思って……」

川///川「べっ別にプレゼントとか、そういうのじゃないからね!?
     オサムのTV壊しちゃった(?)のは私なんだし……」

【+  】ゞ゚)「うん、そこで何故ツンデレるのか分かんないけど分かったから」

23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/25(木) 00:06:35.31 ID:j8G/b3NL0

【+  】ゞ゚)「つーか、お前は大丈夫なのか?」

川д川「? 何が?」

【+  】ゞ゚)「いや、貞子は(仮にも)女だから、明らかに不利が……」

川д川「ああ、そこら辺は大丈夫よ」

┌─┐    n    ババ――――――ン!!
[ TV ]⌒`ヽ( E)
川д川人 γ ノ
      `ー´

【;  】ゞ゚)「うわあああああああああムキムキだああああああああああAAAAAAAAAA!?」

川д川「毎日逆立ちしていたせいか、こんなにムキムキになっちゃって……」

【+  】ゞ゚)「で、でもこれなら優勝も夢じゃないな!!」

川д川「(しかしこのオサム、何気にノリノリである)」

24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/25(木) 00:14:53.91 ID:j8G/b3NL0

【+  】ゞ゚)「お、前回チャンピオンの写真が載ってるぞ」

川д川「どれどれ…………」


                 @@@
    ババ――――――――――@# _、_@――――――――――ン
                 ( _ノ`)


川;д川「…………うわぁ、ムキムキなりぃ……」

【;  】ゞ゚)「さ、貞子なら大丈夫だって!………………多分」

川;д川「(え?)」


【+  】ゞ゚)「ところで、大会はいつなんだ?」

川д川「明日よ」

【;  】ゞ゚)そ「早!!なんでもっと早く言わなかったのさ!?」

川д川「いや、サプライズプレゼント的ノリで…………」

【;  】ゞ゚)「いらんわ!!」

26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/25(木) 00:22:13.75 ID:j8G/b3NL0



【母者のAAがずれたけど気にせず翌日】

            ザワザワ…   ザワザワ……
┌─┐
[ TV ]
川д川 「ふわーー…やっぱり人が多いわねー…」
∪ ∪

【;  】ゞ゚)「何で会場が児童公園なんだよおおおおおおおおおお!!?
        せめて東京ドームとかにしろよ!!狭すぎだろ!?」



「いよーオサム!お前も来てたのか!」


【+  】ゞ゚)彡クルッ「へ?」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/25(木) 00:31:16.70 ID:j8G/b3NL0

    ∧_∧
    ( ゚∀゚ )  <ヨッス!
  r⌒ー ―⌒ヽ
  / 、_, 、_ヘ ヘ、
  |  ハ´⌒`イ ヘ イ
  ハ イノ、ここ〈_ノ ノ
  |{ ここ ミ_/
  ヘ_ュ}=======l
   L,/  ) フ
   !/   / |
   >ム _| |
   | / > )
   L ) / /
   | |/ /
  (⌒_ノ ヘ_⌒)
    ̄    ̄

川;д川「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA変態だAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

【+  】ゞ゚)「アヒャ先輩!?」

川;д川「先輩!アレが!?」

28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/25(木) 00:36:32.17 ID:j8G/b3NL0

( ゚∀゚ )「何だ、お前も大会に参加すんのか?」

【+  】ゞ゚)「いえ、僕は付き添いで…隣の彼女が参加しm……」


【+  】ゞ゚)「あれ?貞子?」


川;д川「あービックリしたー…
     変態の上にズレズレだったから思わず逃げ出しちゃったけど……」


              ( ゚∀゚ )


川;д川「(彼……凄い筋肉だったわ……!!)」

川;д川「(変態だったけど、油断は出来ないわね……!!)」

30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/25(木) 00:46:13.18 ID:j8G/b3NL0

【;  】ゞ゚)「貞子ー!貞子ー!?」

【;  】ゞ゚)「参ったなー……こんな人の数じゃ探しきれないし……」


( ∵)「あん?オサムじゃねーか」

【+  】ゞ゚)「ビ、ビコーズ!お前もか!?」

(;∵)「何のこっちゃ……俺達はただ通りかかっただけだよ」

(*><)「凄いんです!人がいっぱいなんです!!」

(*’e’)「センパイ!屋台ありますよ屋台!!」

(;∵)「ガキかテメーらは!……ったく……」

【+  】ゞ゚)「ははは……じゃ、俺はもう行くからな、人探してるし」 続きを読む
  1. 2010/02/28(日) 02:55:07|
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( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです

246:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/26(金) 19:29:28 発信元:43.244.133.131
面前に広がる小川はせらせらと流れ、かつ濁っている。
遠くない水底から時折顔を出す鮒たちもどこか生気薄だ。

( ^ω^)

僕は俯いたまま、静かに川の中へと手を入れた。
ヒンヤリとした冷たさが妙に心地いい。

満足した僕が手を引き上げた時、バサバサと大げさな羽音が耳に届いた。
音のした方を向くと、そこには白鳥がいた。
凛と澄んだ白色を目一杯に広げるその様は、神々しいとすら思われた。


そして、彼女と重なった。


僕は嘆息し、そしてもう一度目の前の水面に触れる。
今度は何故かその温度を生温いと感じる。
そこまでして手を引き上げ、ようやく思いだすことができた。

( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです

247:( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです :2010/02/26(金) 19:31:23 発信元:43.244.133.131
――彼女は優れたバレエダンサーだった。
ジュニア大会の会場でその姿を初めて見たときから、彼女は他を圧倒していた。少なくとも僕からすれば。
だがあまりに惜しいことに彼女はその素質をその時はまだ一部の人間にしか理解されなかった。
だからこそ僕は入賞すら逃した彼女の控室へおしかけ、こう言ったのである。

( ^ω^)「僕の指導を受けてみないかお?」

余りに簡潔すぎる言葉の後、僕は自身のスクールに関する資料を渡してそれを補った。
僕は自分の指導力に自身があったし、今まで何人も世界レベルのダンサーを鍛え上げている。
そして彼女はその誰よりも上を行くダンサーたる素質を持っていた。

ξ゚ー゚)ξ「ありがとう、あなたみたいな指導者に見染められて光栄よ」

彼女はにっこり笑ってそう答え、僕に右手を差し出した。
それを僕が握手で返し、そこから彼女のコーチとしての生活が始まった。

僕が彼女に指示を出すと、彼女は論理的な説明を求める。
僕が説明をすると、彼女は要求以上のもので応える。
そんな関係で僕らは歩んでいった。

彼女はメキメキと力をつけ、実際大会でも結果を残すようになった。
彼女がそれまで結果を残せなかったのは、恐らく自分の魅せ方を知らなかったからだろう。
出で立ち、身体能力、センスが抜群の彼女に対し僕はプロデューサーのようなものだった。

そして、僕は彼女に惹かれていっていた。

249:( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです :2010/02/26(金) 19:33:18 発信元:43.244.133.131
僕が彼女と出会って三年が経った。
その頃になると彼女は国内でも有数のバレエダンサーになっていた。
もはや国内では比肩するものなどおらず、僕と彼女の目は世界に向いていた。

そして、世界へ飛び出すためのチャンスが僕らに訪れた。
国内でも最も歴史のあるそのコンクールで優秀な成績を残せば、海外のコンクールに参加できるのだという。
彼女が国内でトップなのは間違い無かったので、まさにこれは千載一遇のチャンスだった。

ξ゚⊿゚)ξ「…………」

しかし、僕の中で高まる期待とは裏腹に、彼女は元気を無くしていった。
練習中も精彩を欠き、前哨戦と位置付けたコンクールでも賞を逃した。
期待が裏返ったような不安に突き動かされ、僕は自室で彼女を問い詰めた。コンクール前日のことである。

ξ;゚⊿゚)ξ「怖いんです、足がすくむんです」

僕の問いに対し彼女は震える声で言った。
それまでの強気な様子からのあまりの変化にとても驚いたことを良く覚えている。

ξ;゚⊿゚)ξ「夢、それも足が切られる夢を見るんです」

( ^ω^)「切られるって一体誰にだお?」

ξ;⊿;)ξ「うっ、……コ、コーチに、です……」

そう言って彼女は泣き崩れた。
こんなにも彼女は小さかっただろうか、と僕は思った。

250:( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです :2010/02/26(金) 19:34:45 発信元:43.244.133.131
(;^ω^)「何を言ってるんだお、僕が君に危害を加えるはずが無いお」

ξ;⊿;)ξ「でも……でもっ……!」

声の震えが全体に及び、彼女は嗚咽を上げた。
僕は思わず彼女を抱きしめた。
芳しい香りが鼻を擽る。いつしか震えは止まっていた。

それからどれぐらいそうしていただろう。
ふと彼女を見ると目を瞑り、頬を染めていた。
心のどこかで待ち望んだ光景に、僕は頷き、唇を重ねた。

ξ ⊿ )ξ「これっていけないことなんでしょうか」

彼女は震えの止まった声でそう言った。電気を消したせいで顔は良く見えない。
僕はさあね、と言ってもう一度キスをした。
舌を絡ませると彼女は熱い吐息を吐き、体をくねらせた。

そうして僕らは一つになった。

翌日、予定よりもだいぶ早く目覚めた僕は、一足先にコンクール会場へ向かうことにした。
目覚ましをセットし直し、タクシー代とカギを机の上に置いて家を出る。
彼女の可愛らしい寝息が僕を送り出してくれた。

251:( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです :2010/02/26(金) 19:36:18 発信元:43.244.133.131
(;^ω^)「遅いお……」

それから数時間後。
大会の会場で、僕はにわかに焦り出していた。
アップの時間も考えると、そろそろ到着していなくては困る。

彼女に連絡をしようと取りだした携帯電話が突然鳴りだした。
驚きのあまり手の中で二度三度それを躍らせたあと、番号を確認する。
――僕の知らない番号だった。背筋を冷たいものが通り過ぎた。

(;^ω^)「もしもし、内藤ですお」

『内藤さんですか!?津出選手の乗っていたタクシーが事故で――』

そこからのことは良く覚えていない。
確か、僕はすぐにタクシーか何かを使い、彼女が運ばれた病院に行った。
そして次に僕が彼女を見たときには……

ξ ⊿ )ξ「ごめんなさいコーチ、私はダメになってしまいました」

緊急手術が終わり、目覚めた彼女は僕から目を背け、こう言った。
ベッドの左側に腰かけていた僕には『それ』が良く見えた。
彼女の左足は、付け根のところから先が無くなっていた。
最初からそうだったのじゃないかと思うくらい、『それ』は恐ろしく、そして美しかった。

253:( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです :2010/02/26(金) 19:38:08 発信元:43.244.133.131
(  ω )「また、来るお……」

励ましの言葉も絞り出せず、僕は逃げるように病室を後にした。
あの日と違い、僕を送り出したのはあまりにも冷たい無言の哀しみだった。

病院を背に、フラフラと歩きだす。
後悔、自責、愛憎、自己嫌悪……様々な感情が渦を作り、ゆっくりと僕を飲み込んでいく。
曇天は厚く、そして清々しいほどに憎たらしい。

いつの間にか、僕の知らない場所に出ていた。
そこには小さな川が流れていた。
僕は何の気なしにそこへ向かっていった。

(  ω )

川面に映った僕の顔は酷く醜い。
諦めたように顔を上げ、川の中へ入ってみた。
川は思ったよりも浅く、腰までしか浸からなかった。
これじゃあ間違っても死ねないな、と僕は呟き、そして川辺へ座り込んだ。

川はせらせらと流れ、かつ濁っている。

254:( ^ω^)白鳥が小川で死んだこと、のようです :2010/02/26(金) 19:39:56 発信元:43.244.133.131
――そうだ、そうだったのだ。

いかにも昔話のように語ってしまったが、これは今の僕の話なのだ。
先ほど入れた手だけでなく下半身も濡れているのが何よりの証拠だろう。
何故、ここまで他人事のような口ぶりなのか、当人の僕には余計に分からない。

僕はもう一度、川面に映る自分の顔を見た。
能面のように張り付いた笑顔がそこにはあった。

彼女とはもう会うこともないだろうな、と僕は予感した。
片足を無くした彼女はもう白鳥ではない。フラミンゴなのだ。
そんな劣等種を愛でるような趣味は、僕には無い。
純粋無垢な白ではない、ピンク色などただの売女にしか思えないのだから。

バサバサと、白鳥が飛び去る音が聞こえた。

僕は立ち上がり、軽く伸びをした。
近くに落ちていた石を拾い、振りかぶって投げる。
平なその石は、ポンポンポンとリズミカルに水面を飛び跳ねる。


それはどこか、ワルツのリズムに似ていた――。

終わり
  1. 2010/02/26(金) 20:46:16|
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( ^ω^)は開拓使になるようです

207:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 10:49:16 発信元:219.125.145.86
北暦2010年


自然の気紛れか、定められていた運命か。

とある民族の住まう土地『VIP』では異常気象が続いていた。
ある学者は言った。


「この異常気象は正に我々を戒める『規制』だ」と。

208:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 10:52:45 発信元:219.125.145.54
( ^ω^)「ヤバいお! 新たな干ばつで鯖が落ちたお!」

('A`)「チッ、こっちはdatの海が荒れてやがる」


異常が異常を作り出す、最早無秩序というに相応しい状況。
そんな状態が続けば、当然とある意見が出てくる。

『移住』という話だ。


(#'A`)「このままじゃブーン系民族はおしまいだ! 何処かへ移住するべきだ!」
  _
(#゚∀゚)「お前は今まで先祖様が生きてきた土地を手放すというのか!」



主に対立するは、

ドクオ率いる移住推奨勢力と

ジョルジュ率いる移住反対勢力。

209:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 10:57:37 発信元:219.125.145.43 [sage]
首長であるブーンは、ある決断を下した。


( ^ω^)「VIPを離れたい奴は離れるお」

(;・∀・)「しかし首長! それでは――」

( ^ω^)「この規制が終わるまで、の話だお。それと、モララー」

( ・∀・)「はっ」

( ^ω^)「規制に強いお前には、この二つ土地のパイプ役になってほしいお」

( ・∀・)「――承りました」

210:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:01:17 発信元:219.125.145.46 [sage]
こうして、ブーン及び、移住推奨勢力は新たな土地を目指してVIPを離れた。
ブーン系民族の新たな門出だ。


( ^ω^)「ジョルジュ」
  _
( ゚∀゚)「はっ」

( ^ω^)「僕たちは一旦ここを離れるけど、規制に屈せず頑張るんだお」
  _
( ゚∀゚)「首長……」

( ^ω^)「大丈夫、またすぐに戻ってくるお」

212:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:05:03 発信元:219.125.145.43
向かうは北。
未だ誰も足を踏み入れたことが無いという極寒の地『シベリア』


(;^ω^)「流石にここは寒いおね……」


そこで、ある人物に異変が起きた。


('A`)「首長……」

( ^ω^)「どうしたお、ドクオ」

('A`)「ガリの俺には……この寒さは……」

(;^ω^)「ドクオ!? 大丈夫かお!?」

('A`)「ジョルジュと……仲直りしたかっ……」

( ;ω;)「ドクオ!? 誰か、誰か居ないのかお!」




  ,,,,,,,,,,,,,
  [,|,,,★,,|]
 ( ´・ω・`)「ん?」

213:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:09:02 発信元:219.125.145.45 [sage]
( ^ω^)「この度は、ありがとうございましたお」

(´・ω・`)「いやいや、気にすることないさ」

( ^ω^)「あの、あなたのお名前は」

(´・ω・`)「僕はショボーンビッチ、シベリア民さ」

( ^ω^)「僕はブーンといいますお、ブーン系民族ですお」

(´・ω・`)「君たちは何処から?」

( ^ω^)「VIPからですお」

(´・ω・`)「ああ、規制か」

(;^ω^)「規制について、何か知っているんですかお!?」

(´・ω・`)「いや、実はほとんど知らないんだ。ただ、その規制の影響でここにくる人が多くてね」

( ^ω^)「あの……僕たちは……」

(´・ω・`)「ああ、大歓迎さ。我々シベリア民は何者も拒まない」

( ^ω^)「ありがとうございますお」



こうして、ブーン達のシベリアでの生活が始まった。

214:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:13:34 発信元:219.125.145.51 [sage]
シベリアでの土地を借り受けたブーン達だったが、
そこには多くの問題が存在していた。


( ^ω^)「まずは、この荒れた氷の大地を開拓しないといかんね」



('A`)「首長、あちらこちらで、いざこざが発生しています」

(#^ω^)「クォラお前ら! 他の民族に迷惑かけんじゃないお!」



( ・∀・)「首長、VIPからの新たな移住者が」

( ^ω^)「よく来たお、お前たちも頑張るお」

215:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:18:11 発信元:219.125.145.45 [sage]
こうして忙しい時間は瞬く間に過ぎて、季節は秋も半ば。



('A`)「首長、これからシベリアはとてつもなく寒くなるようです」

( ^ω^)「大丈夫だお。シベリア民達がここで生きる術を教えてくれたお」

(´・ω・`)「やぁ」

( ^ω^)「あなたはアナルビッチさん」

(´・ω・`)「いや、ショボーンビッチね。随分開拓が進んだようだね」

( ^ω^)「糞ビッチさんを始め、シベリア民達のおかげですお」

(´・ω・`)「一回氏ね。それよりちょっと相談があるんだ」

( ^ω^)「なんですかお?」

(´・ω・`)「このシベリアは世界の中でも、開拓されたばかりでね、色々と施設が欲しいんだ」

( ^ω^)「なるほど」

(´・ω・`)「何かいい案は無いかな?」



( ^ω^)「――図書館はどうですかお?」

217:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:23:05 発信元:219.125.145.43 [sage]
(´・ω・`)「図書館?」

( ^ω^)「僕たちは小説を書くのが好きですお。これを機にその素晴らしさを皆さんに知ってもらいたいですお」

(´・ω・`)「図書館――図書館か。いいね、図書館を建てよう」

( ^ω^)「本当ですかお!」

(´・ω・`)「じゃあ、その管理は君たちに任せてもいいかね?」

( ^ω^)「もちろん、任せて下さいお」




こうして、シベリアに図書館が設立された。

219:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:28:38 発信元:219.125.145.46 [sage]
またもや時が過ぎ、初冬。



('A`)「今日は小春日和ですね」

( ^ω^)「このシベリアでは中々無い気温だおね」

('A`)「――首長」

( ^ω^)「どうしたお?」

('A`)「どうやらVIPで規制の影響が緩くなっているようです」

( ^ω^)「そうかお……」

('A`)「首長はどうしますか?」

( ^ω^)「……ドクオは?」

('A`)「私は、しばらくここシベリアで生活したいと思います。図書館も賑わってきましたし」

( ^ω^)「……」

('A`)「もちろん、私だってVIPが好きですよ。それに、どちらかに限定する必要もないと思うんです」

222:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:32:24 発信元:219.125.145.57 [sage]
( ^ω^)「というと?」

('A`)「私はVIPとシベリア、両方好きです。片方なんて決められません」

('A`)「このシベリアの良さをもっとVIPにいる人に知ってもらいたいんです。もっと気軽にシベリアに遊びに来れるように」

('A`)「この図書館をその橋渡しに少しでも役立つようにしたいんです」

('A`)「もちろん、最低限のマナーは守って貰いますがね」

( ^ω^)「……もの凄い時間がかかるお」

('A`)「承知の上、です。シベリア図書館を続けることで、みんなが幸せになれる、と信じています」

( ^ω^)「――わかったお。シベリアはドクオに任せるお」

('A`)「首長は約束通り、早くVIPに戻られた方が良いでしょう。ジョルジュも待っていると思います」

( ^ω^)「済まないおね」

('A`)「いえ、私のわがままです」

( ^ω^)「春になったらまた来るお」

('A`)「その時には、今以上に素晴らしい図書館をお見せ出来るでしょう」

225:( ^ω^)は開拓使になるようです :2010/02/26(金) 11:36:13 発信元:219.125.145.50
この先、彼らはどのようなことを経験し、進んでいくのだろうか。


それは、神が知っている?
それは、運命が知っている?


そんな訳がない。
誰も知り得る訳がない。


その先は神が作るのではなく、俺達が作っていくものだから。


( ^ω^)は開拓使になるようです END
  1. 2010/02/26(金) 20:33:24|
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从 ゚∀从は赤面症のようです

85:从 ゚∀从は赤面症のようです :2010/02/23(火) 23:24:17 発信元:124.146.175.103
赤面症というものは、なんとも厄介なものだ

自覚してから異性と話をする機会が素晴らしく、そりゃもう驚く程に減った。
何かと多感な中学生時代に自覚して、
何かと多感なおかげでクラス内での異性交流は少なく、目立ちはしなかった。
が、当の本人も何かと多感なお年頃。
赤面症に伴うドキドキを未知の恋心と勘違い。

从*゚∀从(・・・)

それでも何とか否定をする。

从;゚∀从(いやいやいやいや!!違うだろ!!これは恋じゃねぇ!!!)

そう。
解ってはいるが心は勘違いを認めるつもりはないらしく、否定と心とが混ざりあう。

从*゚∀从(違う違うdifferent!!!)

从;゚∀从(もっと仲良くなりてぇなぁ・・・)

そんなことが何回も何人もの異性に起こるものだから、ストレスが溜まる溜まる。

86:从 ゚∀从は赤面症のようです :2010/02/23(火) 23:25:37 発信元:124.146.175.104

从 ゚∀从







从 -∀从 すぅ











从#゚∀从「赤面症ぶっ殺す」



89:从 ゚∀从は赤面症のようです :2010/02/23(火) 23:29:45 発信元:124.146.175.104


「いやん」



憎々しくありったけの殺意と怒りを籠めて叫んだその言葉にあるはずのない返事が返ってきた。

从#゚∀从「あ゙?」

('A`)「あ、どうも赤面症のセッキーです」

从;゚∀从「・・・・・・あ?」

何を言い出すのかこの男は。
いや、そもそも人間なのかこの顔面は。

(;'A`)「ひでぇ!!」

从;゚∀从「は!?」

91:从 ゚∀从は赤面症のようです :2010/02/23(火) 23:31:56 発信元:124.146.175.104
ハインの頭が益々混乱する。
何だ。
何なんだ。
アレか?
精神病院から抜け出してきたのか?
それともただの変態で奇形なのか?
いや、奇形でもこんなに酷くはないだろう。
とすると、

从;゚∀从「呪いか」

('A`)ウツダシノウ

思わず口にしてしまった結論を聞いて男は、どこからともなくロープを取り出すと首にくくりつけ始めた。

从 ゚∀从

(;'A`)「いや止めろよ!!目の前で死なれちゃ目覚め悪いだろ!!?」

从 ゚∀从

(;'A`)「お願い!何か反応して!!!」

94:从 ゚∀从は赤面症のようです :2010/02/23(火) 23:33:47 発信元:124.146.175.104
从 ゚∀从「あー・・・・・何?」

('A`)「うわぁ☆すごく嫌そうだねっ!!でも俺は嬉しいよっ☆」

从 ゚∀从

(;'A`)「ちょっと待って!!引かないで!!話すから!!!」

从 ゚∀从「・・・・簡潔に話せ」

('A`)「あれ?なにこの上下関係?」

从 ゚∀从

(;'A`)「解ったよ!!だから引かないで!!!」

从 ゚∀从「チッ・・・・・・・・で?」

(;'A`)「あー・・・・・っと、俺はさっきも言ったけどアンタの赤面症です」

从 ゚∀从

(;'A`)「待って!!本当だから!!!いい加減引くのやめて!!!」

95:从 ゚∀从は赤面症のようです :2010/02/23(火) 23:38:03 発信元:124.146.175.103
从 ゚∀从「・・・・・・・そうだな。悪かった」

(;'A`)「だから・・・・・・・・・・・って、え?」

从 ゚∀从「悪かった」

(*'A`)「え・・・・・・・じゃあ引かずに信じてくれるの!?」

从 ゚∀从「俺、精神病院行ったことないから紹介できねぇんだ」

('A`)「」

从 ゚∀从

('A`)

从 ゚∀从

('A`)「あ・・・・・スミマセン。もう帰ります」

从 ゚∀从「いい病院見つかるといいな」

('A`)「・・・・・・・はい。では」

97:从 ゚∀从は赤面症のようです :2010/02/23(火) 23:39:54 発信元:124.146.175.103


何の縁か、訳の解らない男と会った次の日から赤面症は治まった。
赤面症なのに赤面もドキドキもしなかったあの男。もしかしたらアイツは本当に赤面症だったのかもしれない。
なんて考えることはないけれど、
二度と会いたくないな、とは思う。




赤面症というものは、なんとも厄介なものだ。


(終)
  1. 2010/02/24(水) 00:20:39|
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('A`)は無限ループに陥るようです

71:('A`)は無限ループに陥るようです :2010/02/23(火) 20:33:51 発信元:220.98.213.242
 シベリアの長い冬は、読書にうってつけだ。雪と過疎に閉ざされた人々にとって
読書こそが外の世界への扉、最大の娯楽だからだ。

 最近、大都会ヴィップグラードからたくさんの蔵書を携えて、ブーン系の図書館がオープンした。
これは福音であった。人々は新たな図書を求めて連日図書館に殺到した。

 それでも、相当の読書家になるとやはり読了するのも早く、かつ読んでいるうちに
パターンとか仕掛けが分かってしまって刺激に欠けると言うものもいた。

 こんな時は司書に聞くのに限る。ここの司書は、当人の要望に会わせて本を薦めてくれるからだ。

( ^ω^)「いらっしゃいだお。もう読み終わったのかお?」

('A`)「ああ。最近何読んでもさっさと片付けちまう。なんかこう、時間を忘れて読むとか、
   そういうのができねえんだな」

( ^ω^)「そうかお。いい本があるお」

73:('A`)は無限ループに陥るようです :2010/02/23(火) 20:35:23 発信元:220.98.213.242
 そういって司書のブーンは閉架図書室に行き、やたらと薄い
印刷物を携えてきた。

( ^ω^)「これを読むと、時間が経っているのも忘れるお」

('A`)「こんな薄っぺらい本が、か?こりゃ本というよりもパンフレットじゃねえか」

( ^ω^)「まあ騙されたと思って帰って読めお。さすがのあんたでも、なかなか
      読みきらないお」

('A`)「わかった」



家に帰るとドクオはさっそく本を開いた。

題名は「('A`)は無限ループに陥るようです」

 (>>71へ戻る)

(終)
  1. 2010/02/23(火) 21:14:32|
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川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです

44:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:03:21 発信元:221.187.246.151

川 ゚ 々゚) やっほー☆みんな元気に心臓動かしてる!?
      恋愛の達人と言われたわたくしことクルウがイケイケ男子のハートを
      がっちりキャッチする方法を誰か教えてー!

lw´‐ _‐ノv クルウちゃん、好きな人できたの?

川 ゚ 々゚) うん!モララーくんって言ってね、すっごい格好いいんだよ!
      優しくてね、スポーツも万能なの!自炊とかもちゃんとしてるみたい
      コンビニ弁当とかゴミで出してないし。特売日を狙ってちゃんとスーパーにいくしね
      電気代も水道代もガス代も節約してる今時マメな男!あー彼とお話してみたいなあ

46:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:06:25 発信元:221.187.246.151

lw´‐ _‐ノv バレンタインも過ぎちゃったしね
       でもふつうに渡すより、ちょっと過ぎてから渡すのもおつなものだよ

川 ゚ 々゚) なんでー?

lw´‐ _‐ノv そういうとき男子はね
       「この子・・・バレンタインの日に俺に渡すはずだったのにきっと恥ずかしくて渡せなかったんだ…」
       とか勝手に補間してくれるから効果絶大なんだ。もちろんちんこもびんびんだよ

川 ゚ 々゚) わかった!チョコレート渡してみる!材料はなににしようかな

lw´‐ _‐ノv 牛肉とかどうかな?

川 ゚ 々゚) 高いから鶏肉でいい?

lw´‐ _‐ノv 豚肉で妥協しよう

47:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:08:58 発信元:221.187.246.151


( ・∀・) やあみんな!いつもニコニコさわやかモララーだよ!
      趣味はスポーツ!好きなことは陰口!嫌いなものは努力だよ!


川 ゚ 々゚) イケメンモララーくん、チョコレートあげるよ

( ・∀・) ありがとうクルウさん。でももうバレンタインは過ぎてるよ

川 ゚ 々゚) でもちんこびんびんなんでしょ?

( ;・∀・) ちんこがびんびんに!?いや息子はいたって通常状態だけど…
       ありがとう。家に帰ってから食すよ




( ・∀・) このチョコ…めっちゃ脂ぎってる!

50:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:11:25 発信元:221.187.246.151

川 ゚ 々゚) やった-!チョコ渡せたよ。今日から私はセフレかな?

lw´‐ _‐ノv チョコあげられたんだもんね。あとはセックスくらいしか残ってないよ

川 ゚ 々゚) 絶対に子供産むからね。挙式にはきてね

lw´‐ _‐ノv 新婦として入場するよ

川 ゚ 々゚) 駄目だよー!新婦は私だもん。余命3ヶ月の新婦なんだもん

lw´‐ _‐ノv じゃあ神父で妥協する。ところで病気にでもかかってんの?

川 ゚ 々゚) ううん。私じゃなくてモララーくんの余命
      ほら、残り少ない命なのに結婚するって感動するじゃない。だから私が殺すの

lw´‐ _‐ノv 映画化決定!

53:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:15:30 発信元:221.187.246.151


( ・∀・) やあみんな。お腹の調子がすこぶる悪いモララーだよ
       昨日から下痢、吐き気、頭痛もするよ。テンションがた落ちだよ


川 ゚ 々゚) モーララ!セックスしよ?

( ;・∀・) し、しないよ!なんだよ急に!

川 ゚ 々゚) あれ、おかしいな?でもちんこはびんびんなんでしょ?

( ;・∀・) ちんこもテンションも萎え萎えだよ!
       ところできのうのチョコ、なんか変わったものでも混ぜた?

川 ゚ 々゚) いや、変なものは混ぜてないよ。チョコも混ぜてないし

( ;・∀・) チョコは混ぜようよ!というかチョコになにか混ぜようよ!
       それもうチョコじゃな…ウワァァァお腹が…と、トイレー!

57:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:18:31 発信元:221.187.246.151

川 ゚ 々゚) 今日もモララーくんとお話しちゃった!

lw´‐ _‐ノv 口にチョコついてるよ?

川 ゚ 々゚) チョコじゃないよ。モララーくんったら、用足したのに流し忘れちゃったみたいでさ

lw´‐ _‐ノv 悪いけど私から3メートルほど離れてほしいなあ

川 ゚ 々゚) 早くセックスしたいなあ。私の膣の中にモララーくんの愛をぶちまけるの

lw´‐ _‐ノv でも生での挿入は様々な性病を引き起こす原因となるらしいよ

川 ゚ 々゚) それは怖いね。でもちんこを使わずにセックスするなんて…あ、出来る!
      出来るよシューちゃん!

60:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:21:23 発信元:221.187.246.151


(ヽ・∀・) やあみんな…モララーだよ。全身から水分が抜けてきたみたいだよ
       目は充血してるし肌はかさかさ。爪は真っ黒になっちゃったよ


川 ゚ 々゚) モララーくん!今日もちんこはびんびん!?

(ヽ・∀・) 君のまえでちんこがびんびんだったことは無いじゃないか…なんの用?

川 ゚ 々゚) モララーくんの精子が欲しいなーって!

(ヽ;・∀・) あ、あげないよ…!

川 ゚ 々゚) 大丈夫!精子ってキンタマにあるんでしょ?直接取り出すから!

(ヽ・∀・) な、なにそのナイフ…え?



   ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

63:川 ゚ 々゚)恋するクルウの恋愛講座のようです :2010/02/23(火) 20:25:32 発信元:122.19.57.132

川 ゚ 々゚) えへへへへ!モララーくんとセックスしちゃった!

lw´‐ _‐ノv 全身に水っぽいケチャップついてるよ

川 ゚ 々゚) 意外と血が出ちゃってさ。どれが精子かわかんないから、全部すくって膣に入れたの!

lw´‐ _‐ノv 挙式にはいくよ。ゴッドファーザー役で

川 ゚ 々゚) そのまえにお通夜があるかもしれないけどね!



川 ゚ 々゚) 全国の内気な女子たち!
      イケイケ男子たちはほっとくとすぐに盛っちゃうから、早めに保護しようね!

lw´‐ _‐ノv サイレンの音が聞こえるけど、救急車かな。警察かな

川 ゚ 々゚) あ、やばーい。ホワイトデーまで生き延びてもらわないとお返しがもらえない!
      最新の医療に期待しましょう!
  1. 2010/02/23(火) 21:12:48|
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('A`)ミッションインポッシブルのようです

9:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:26:05.41 ID:UEA4Ia680
カタカタカタカタ

カタカ……バチーン、パチ、カタカタ

カチッ、スー、パチ、カ…………

    
('A`)(……あれ? 画面が暗くなった
    電源おしてねえのに)
    
(;'A`)(つかねえ……なんだこれ? )

ブォン

(´・ω・`)

(;'A`)(画面の中に人が!? )

(´・ω・`)「おはよう、ドクオ君
       突然だがこのパソコンはジャックさせてもらった
       話をきいて――おい、消しても無駄だ」
       
(;'A`)「電源を押してるのに消えねえだと……)

(´・ω・`)「電源も何もかも全て我々の管理下だ       
       とにかく、無駄だ」

10:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:29:04.11 ID:UEA4Ia680
('A`)「んー、テレビ電話みたいな感じか? 」

(´・ω・`)「そういうことだ
       なかなかいい理解力だ」
       
('A`)「あんたいったい何者だ」

(´・ω・`)「私の名前はショボンだ」
       
('A`)「ショボンさんね」

(´・ω・`)「あー……偽名だ」

('A`)「嘘つけ」

(´・ω・`)「本当だ。信じてくれ
       信じてくれなきゃ私はヤバい」
       
('A`)「もうちょい具体的に言えねえのかよ」

(´・ω・`)「無理なんだ
       なんたって私は――」
       
(´・ω・`)「ス・パ・イ だからな」

12:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:32:03.08 ID:UEA4Ia680
('A`)「…………」

(´・ω・`)「驚かないのか」

(;'A`)「いや、なんといっていいのやら
    仮にそうだとしても普通名乗らねえもんじゃないか? 」
    
(´・ω・`)「やれやれ、昔の子どもたちは
      『俺がジェームズ・ボンドだ』というとキャーキャー騒いでくれたというのに」
      
('A`)「個人名じゃねえか、しかも作中の
    つーか話反らしたろ今」
    
(´・ω・`)「君が昨今話題となっている三つのRということはよくわかった」

('A`)「たぶん三つの無だな。無気力・無責任・無関心ってやつ」

(´・ω・`)「話を反らすな」

(;'A`)「お前が言うなお前があ」

(´・ω・`) 「とにかく改めて言おう」

(´・ω・`)9m「ドクオ君、君にミッションを言い渡す」

13:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:35:01.35 ID:UEA4Ia680
('A`)「ミッション・インポッシブルかよ」

(´・ω・`)「違う。スパイ大作戦だ」

('A`)「どっちでもいいだろ」

(´・ω・`)「よかねえんだよ屑が
       ぶち殺すぞ」
       
(;'A`)(なんで俺こんなに怒られてるんだ)

(´・ω・`)「さて、ミッションの内容を説明する」

(´・ω・`)「まずは君の家の向かいにあるファミマで」

('A`)「ちょっと待ってくれ」

(´・ω・`)「むう、なんだ? 」

('A`)「まさかそれはうちを出たところにあるファミマじゃないだろうな? 」

(´・ω・`)「まさしくそれだと思うんだが」

('A`)「…………悪いな       
    やっぱりこれはミッション・インポッシブルだ」

15:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:38:01.49 ID:UEA4Ia680
(#´・ω・`)「てめえ、まだ言いやがるのかこの」

('A`)「まてまて、そういう意味じゃない
    無理なんだよ、不可能なんだ」
    
('A`)「俺はもう何年も家から出たことがないんだ」

(´・ω・`)

(;´・ω・`)「はあ? 」

('A`)「部屋からも出てねえ」

(;´・ω・`)「え、ええ? 」

('A`)「そういうことだから、ミッションは無理だって」

(;´・ω・`)「まあ待て、落ち着こうか」

('A`)「落ち着いてるつもりだ」

(´・ω・`)「自分に言い聞かせたんだ。さて……」

(´・ω・`)「お前ばっかじゃねーの? 」

16:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:41:02.95 ID:UEA4Ia680
('A`)「なんだよ今度は」

(´・ω・`)「どうして外に出ないんだ? 」

('A`)「そりゃあお前、外が怖いからだろ
    おっかねえんだぜ」
    
(´・ω・`)「具体的にどんな感じだ」

('A`)「そうだなあ
    人々の目線を避けて、なるべく人の迷惑にならないようにして
    容姿に対する言葉に耳を塞いで寝たふりをして過ごす毎日」
    
('A`)「もう二度と経験したくないね」

(´・ω・`)「それで社会からドロップアウトしたってわけか」

('A`)「ああ、もう俺を邪魔するものはねえ
    面倒くせえことともおさらばよ」
    
(´・ω・`)「……ホントにそうかな」

('A`)「ああ? 」

17:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:44:01.98 ID:UEA4Ia680
(´・ω・`)「とにかく、君は逃げてるだけだ
       そうだろ? 」
       
('A`)「よしてくれ
    そんな言葉はもう聞きあきた」
    
(´・ω・`)「もう誰の言うこともきかない、と」

('A`)「そういうことだ」

(´・ω・`)「…………」

('A`)「そういうわけだからミッションは他の人に言ってくれ」

(´・ω・`)「外は楽しいぞ」

('A`)「そんなの知るか
    怖いんだ。それでいい」
    
(´・ω・`)「よくはない
       確かに怖いこともあるが、楽しいこともあるんだから
       そしてその楽しいことの大半は、苦しみの後に来るものだ」
       
('A`)「そんなもの、いくら口で言っても信じられねえよ
    あんたの場合はどうなんだ? 」

18:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:47:03.69 ID:UEA4Ia680
(´・ω・`)「私か?
       そうだな……まず仕事の日はボスからの指令で始まる」
       
(;'A`)「まさかそのボスともこんな通信を? 」

(´・ω・`)「そこら辺はボスの趣向による
       例えば巨大企業、VIP運輸の拳銃密輸現場を発見するミッションだったとしよう」
       
('A`)「お、らしくなってきたな」

(´・ω・`)「私はまずVIP運輸本社の内部関係について調べる
       自分の力でも、情報屋伝い、内部に仲間のスパイがいればなお容易い」
       
('A`)「おお……」

(´・ω・`)「ある程度調べたら、隙が見えてくる
       騙せそうな相手を見つけることだ。偏った趣向や、弱みを握ったり
       そして密輸の情報を聞き出し、どこで行われているか、護衛はどれくらいかを知るわけだ」
       
(´・ω・`)「そして行動を始める
       といっても相手も大企業、こっちの存在がばれることはよくある
       護衛もそのつもりでいるから、いざとなったら暗殺も行わなければならない」
       
('A`)「暗殺…………」

(´・ω・`)「あくまで危ないときだけだ
       隠密行動がスパイの本分だからね」

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/22(月) 13:51:06.27 ID:UEA4Ia680
(´・ω・`)「私は数多くの罠を避け、死線を潜り抜けなければならない
       奴らはスパイ相手に容赦することはない
       俺らは影の存在……殺されたら存在を消されるだけだ」
       
(´・ω・`)「そして無事に現場写真を撮り、戻ろうとしたらまた戦う
       何故か今度は強敵が現れてくる
       とにかくスパイらしく、迅速に対応しなきゃならん」
       
(´・ω・`)「そうしてようやく一日は終わる
       帰ってきたら束の間の休息
       まさに至福の時ってやつだ」
       
(´・ω・`)「どうだ、わかったか? 」

('A`)「まあ……うん」

(´・ω・`)「外に出たくなっただろう? 」

('A`)「全然ならん」

(;´・ω・`)「え!? なんで、どうして! 」

(;'A`)「いやあ、だって……」

('A`)「どう考えても危険じゃねえか」

21:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:54:02.39 ID:UEA4Ia680
(;´・ω・`)「ぐっ……!? 」

('A`)「そんなエライ目にあうくらいなら部屋から出ない方がましだってのjk」

(´・ω・`)「小癪な……」

(´゚ω゚`)「小癪なガキめええええ!! 」

(;'A`)「怒るなよ、事実じゃねえか」

(´・ω・`)「ああ、そうだな
       思わず我を見失った」
       
('A`)「だいたい、そんな危険な仕事どうしてやってんだ?
    もっと安全な仕事があっただろうに」
    
(´・ω・`)「ふ……スパイになりたかった
       それだけだ」
       
('A`)「かっこいいようでかっこよくないぞ」

(´゚ω゚`)「夢追っかけてるだけでお前より上なんだよバーカwwww」

(;'A`)「うるせえな
    比べた覚えはねえし
    どっちにしろ落ちるとこまで落ちてんだよ」

23:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 13:58:21.31 ID:UEA4Ia680
('A`)「さて、もういいだろ
    俺には無理だ。他を当たれ」
    
(´・ω・`)「そいつはできない相談だ
       この機能はこのパソコンにしかついてないからな」
       
(;'A`)「いつ付けたんだよ」

(´・ω・`)「ス・パ・イ だからな」

(;'A`)「ちい……最初から俺を狙ってたのか? 」

(´・ω・`)「ああ、こっそり入らせてもらったよ。誰の家でもよかったんだが
       これ以上ないってくらいたまたまだ」
       
(;'A`)「すっげえ運が悪かったんだな俺
    つーか誰でもいいってのかよ」
    
(´・ω・`)「なあ、たまたまってすばらしい言葉だと思わないかい? 」

('A`)「知らんがな」

(´・ω・`)「ふふ、冗談はさておき
       運が悪かったのは君のお母さんだろう
       息子はこんな奴なんだからな」

24:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 14:00:08.53 ID:UEA4Ia680
('A`)「かーちゃんは……悪くねえよ」

(´・ω・`)「ほう……そりゃまたなんで? 」

('A`)「それは…………」

(´・ω・`)「ふん、こんなときだけ親孝行ってか? 」

(#'A`)「……るせえ」

(´・ω・`)9m「こんなところに引きこもってる時点で貴様は親不孝者なのだよ」

(#'A`)「……ぐぅ」

('A`)「へ、悔しいがその通りだよ」

('A`)「俺が親不孝だなんて、最初からわかってんだ
    でもだからってどうすることもできねえ」
    
(´・ω・`)「ただ部屋から出るだけでもか」

('A`)「そうさ」

(´・ω・`)「…………」

('A`)「…………」

25:('A`)ミッションインポッシブルのようです :2010/02/22(月) 14:03:02.03 ID:UEA4Ia680
ガチャ
タダイマー

(´・ω・`)「おっと、ボスが来たようだ」

('A`)「ただいまって……同じ家にいるのかよ」

(´・ω・`)「ああそうだ
       とにかく今替わる」
       


J( 'ー`)し




('A`)「…………」

Σ(゚A゚)「って、かーちゃん!? 」 続きを読む
  1. 2010/02/22(月) 18:06:13|
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('A`)はカード発行人になったようです 2/2

790:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/20(土) 18:47:55 発信元:220.98.213.242
( ´W`) 「やはりそうだったか」
    桜の樹の影から所長が出てきた。

('A`) 「所長」
  ドクオは我に帰った。





( ´W`) 「黙ってついてこい」

     ドクオはまるで夢遊病者のように、所長の後についていった。
     闇は二人を飲み込むほどに濃くなっていた。

878:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:28:58 発信元:220.98.213.242
やってきたのは、バーというより立ち飲み屋というべきヲッカ販売所であった。
2chスレ

     普段の紳士的な所長ではなかった。まるで、肉体労働の親方のようだった。
     あふれんばかりにショットグラスにヲッカを注ぐと、
( ´W`)「飲め!さあ、飲むんだ、グズ野郎」 と迫ってきた。
    ドクオは呆気にとられていた。
    ぐっと煽る。
   
( ´W`)「お前あの娘が好きだったんだろう?」

('A`) 「わかりません」
    焼け付く喉をゼイゼイいわせながら答えた。

( ´W`)「そうやってお前は自分の気持ちをはぐらかしつづけたんだ。
     いいだろう、もう少し正直にならせてやる」

    2杯目のヲッカを注ぐ。ドクオは性急に煽った。

('A`)「そんな好きだなんて....ツンは俺より全然頭がよくて、特別で、俺みたいなグズとは
   違うんです....」

( ´W`)「ああ確かにてめえはグズだ。 馬鹿、ドジ、グズ、死ね!」
   
    ドクオは朦朧とした意識の中で、先ほど自分自身に対して吐いた言葉を所長が言っているのを聞いて
    少し驚いていた。もしかしたら口に出して言っていたのかもしれない、とぼんやりと思った。

879:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:31:17 発信元:220.98.213.242
( ´W`)「でも俺はお前に同情してやる。だからさあもっと飲め!」

   3杯目を注いだ。でもそれはただの水であった。もうすでにドクオが前後不覚なのを見てとったからである。
   ドクオはのろのろと煽った。

( ´W`)「お前あの娘と一緒にいたいんだろう?」

('A`)「はい」

( ´W`)「俺の目を見て言え!お前ずっと待ってたんだろう?」

('A`)「はい」

( ´W`)「グズ野郎が、そういうのを好きっていうんだよ」

('A`)「そんな好きだなんて.....ただ、いつもツンは朝俺を迎えに来てくれて...そして、いつかまた俺を連れ出してくれると
   思っていて....でも...」

( ´W`)「でもなんだ」

('A`)「ツンが、ツンがあんな風に迷ってただなんて思ってなくて.....俺は何にもしてやれなくて....でも遠くに言ってほしくなくて」

880:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:37:43 発信元:220.98.213.242
( ´W`)「ガキみたいな事いいやがって。てめえは仕事も気持ちも生半可な青二才だ!
    なぜ好きだ、と言えなかった?」

    確かにその通りだ。俺は、すべてを曖昧なままにしておきたかったのだ。
ツンがこの街を去るときも、ドクオは自分からよそよそしく離れていった。怖かったのだ。
その一方で、「いずれツンが戻って来て、この退屈でしょうもない日常から俺を救ってくれるかも知れない」
    という根拠のない希望を捨てられずにいた。モラトリアムに浸っていた。


( ´W`)「もうお前に出来ることはただ一つしかない。あの娘が最後に言った言葉、覚えてるか?」

('A`)「覚えてません」

( ´W`)「馬鹿野郎!思い出すまでくたばってろ!」

('A`)「そうしま......す」
   不意に足の力が抜けて、ドクオはお尻からごろんと倒れた。
   そして、そのまま仰向けにいびきをかいて寝てしまった。

881:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:39:45 発信元:220.98.213.242
マスターはドクオに手際よく毛布をかけてやり、またグラス磨きに専念し出した。
マスターはドクオによく似た男であった。所長に目を合わせずに声をかける。

( 'A`)□「あんた、久しぶりだね。炭鉱を引退してからしばらくご無沙汰だったじゃないか」

( ´W`)「ああ、ここにくると昔の言葉遣いになっちまう。やだな」

( 'A`)□「今の炭鉱の親方が懐かしがってたよ、よく飲みにつれていってもらった、
     ひでえ目によくあわされたって」

( ´W`)「あの野郎、フフフ
     あ、そうそう。
     あいつがまだひよっこだったときに、あいつをつるはしの柄で殴ってやったことがあった。
     それを真似しやがってあいつ、この坊やを殴ったんだ。そしたらこいつ逃げ出して、カード発行所に来たんだよ。
     これも何かの因果かな」

882:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:40:50 発信元:220.98.213.242
マスターは半笑いしてテレビのスイッチをつけた。この時間帯になると、古いジャズの演奏をひたすら流している。
   
http://www.youtube.com/watch?v=uLeKvqrQVIw&feature=related

           ♪孤独のなかで

           君の面影が離れない

           過ぎ去った日々とともに

かつての鬼親方はピアノに合わせてハミングした。


( 'A`)□「へたくそ」 


という賛辞をすぐに頂戴した。

883:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:44:30 発信元:220.98.213.242
ドクオは夢を見ていた。それは雪の日の光景だった。学校に遅刻しそうになったツンとドクオは、
近くをとおりかかったソリの荷台に飛び乗った。でも、ソリが大きく揺れて、ドクオはふるい落とされてしまった。
走り去るソリの上で、ツンがドクオに何か言おうとしている、何だ.....?

ξ゚⊿゚)ξ「私にも、カードちょうだい」

ドクオはガバッと飛び起きた。
これだ。別れ際にツンが言った言葉。そういえば、まだツンにカードを渡してなかった。

その時彼はヲッカ販売所の床の上で一晩を過ごしたことを知った。

今日は発行所は休みであったが、鍵を開けてカード発行にとりかかった。
彼は夕方までかかって、それは壮麗な、完璧な一枚を刷り上げた。

でもこの中に書く言葉が思い浮かばなかった。一体自分が、ツンに何を与えられるというのか。

ドクオの足は、自然と恩師の家へと向かっていた。

884:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:47:12 発信元:220.98.213.242
(=゚Д゚)「なんだこんな夜更けに....今度はカード発行所もクビか?」

('A`)「いや、仕事のことで相談が....先生ならいい言葉を知ってると思って
   先生にはずいぶんと助けられたんで」

(=゚Д゚)「わしか?わしは気の利いた言葉など言わんぞ。ただ自分の役割を全うしようと
    していただけだ」

('A`)「役割.....」

(=゚Д゚)「お前にも役割があるはずだ。このシベリアで、お前の、な
    お前自身が立派である必要なんかない。人は誰でも、役割に応じて言えることがある。
    ここまで言えば充分だろう。さあ、帰った帰った」

シベリアタイガー先生は奥へと引っ込んだ。帰ろう、としたとき、「待て」と声がした。
先生は一冊の本を手渡した。それはシベリア民の詩集であった。

(=゚Д゚)「お前は語彙が貧弱だから、この本でも読め」

そういって本当に奥へと引っ込んだ。ドクオは思いだしたように、

('A`)「先生、今まで本当にありがとうございました」

そう大声でいって去っていった。

(=゚Д゚)「あいつ、とうとう自殺でもするつもりじゃあるまいな」

シベリアタイガー先生はその後ドクオの家に安否確認の電話を入れた。

885:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:51:20 発信元:220.98.213.242
翌日は通常勤務であった。

「おはよう、ドクオ君」

何事もなかったかのように所長が挨拶してきた。この間のお礼をいった後、

('A`)「所長。今日お昼から外出していいですか。ツンを見送りたいんで....」

( ´W`)「おおそうか。それはいってらっしゃい」

('A`)「あの、所長も一緒に来てくれませんか」

所長の顔がキッと厳しくなった。しかしドクオは、これは仕事の一環なので、と言った。
所長は、ならばよろしい、といった。所長は駅で先に待つことになった。

886:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 07:55:12 発信元:220.98.213.242
ドクオは、ツンが滞在しているホテルシベリアに迎えにいった。

道中、二人は空白の期間を埋め合わせるようにたくさんの話をした。
いや、話をした、というよりもドクオはたくさんの「ごめん」を連発した。
そんなことはもういいのよ、とツンがいっても、あれこれ思い出しては
さらに「ごめん」を重ねた。

小さな橋に差し掛かるころ、ドクオはこう言った。

('A`)「ツン、幸せになってくれよな」

ツンはこっくりとうなずいた。

887:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 08:01:06 発信元:220.98.213.242
駅についたら、所長がかしこまった顔をして待っていた。ツンは、ニコニコしながら
所長の前にたった。ドクオも所長の横に並んだ。

所長はカードを両手でツンに手渡した。カードと行っても大判で、二つ折りになっている。

( ´W`)「本来であれば、これは観光初日に発行すべきところを、こちらの不手際により
     著しく遅延致しました事誠に遺憾であります。しかし同志ドクオ君の尽力により、
     この世に二つとないカードとなりました。これは列車が発進するまで中を見ないで
     いただきたい.....いいですかな?」


カード発行人たちは顔を見合わせた。そして
('A`)( ´W`)「シベリアにようこそ!同志よ!ハラショー!」

('A`)「ツン、ありがとう」

発行人たちは改札の奥の闇へ引き下がった。

やがてベルがなった。

889:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 08:14:05 発信元:220.98.213.242
ツンは記念カードを開いた。

そこには、シベリア開拓の歴史がリトグラフで精緻に描かれていた。
そして真ん中には、在りし日の少女ツンがいた。

下の方のメッセージにはこう書いてある。
先生から借りた詩集の引用だ。
2chスレ
  
 不意に列車の連結部が音を出す
 ゆっくりと景色は移ろい
 やがて流線型に変わっていく
 君がいたところはやがて地平の一個の点になるだろう
 しかしいついかなるときでも

 シベリアは君を応援する

891:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/21(日) 08:17:22 発信元:220.98.213.242
ツンはふと窓の外をみた。収穫間近のライ麦畑が、風に揺れていた。

その後方、シベリア村はもうすでに小さな一個の点となっていた。


ツンは窓の上からその点に、いつまでもやさしくおでこをゆだねていた。 続きを読む
  1. 2010/02/21(日) 11:36:50|
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('A`)はカード発行人になったようです 1/2

480:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/15(月) 22:11:45 発信元:220.98.213.242

ーーーー('A`)はカード発行人になったようですーーーーー

ここはシベリアカード発行所。訪れた観光客にヲッカと記念カードを手渡して歓迎する村営の施設だ。

2chスレ

通常ここでは、現役を引退したような村の職員が応対するのだが、最近は若い人もいるとのことだった。

その若者の名はドクオ。若いのに雰囲気だけは年寄りくさい、との定評があった。


       ,,,,,,,,,,,,,,, ハッハッハ
       [,|,,★,,,|,]___
     ミ('A` 彡 / |     < よく来てくれた
  日⊂ へ  ∩)/ .|          歓迎する、ヲッカでも飲んでゆっくりしていってくれ
   i'''(_) i'''i ̄,,,,,,/ 
    ̄ (_)|| ̄.              

なんとなくぎこちなさは残るが、でもこれでもかなり慣れた方なのだ。

彼がカード発行人というある意味特殊な職業についたのにはいきさつがある。

482:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/15(月) 22:16:52 発信元:220.98.213.242
地元の学校を卒業した後、とくにつきたい職があるわけでもなく、また職を選べるほどの技能や頭脳があるわけでも
ないドクオは学校の斡旋どおり近くの炭鉱で職を得た。
2chスレ
|H             |
|ト/=(○)        ..|
|ト('A`) 乙 <ゼエゼエ
|⊂ ))_|乙乙  
|H( .ノ~~~~     |
|Hし〃        .|
|H          \_
|H          λ;;;;|\_
|H    ,.:-一;:、  /`'ソ\\\\\\'   |
|H    ミ;;: =(○) /ρノノ  |   ザックザク
|H  c (;`・ω・)/ ミ    |
|H  ι / ⌒っ/   __∧_/  ザックザク
|H   (  )'、)   /;;;乙
\  (( し'  J )) /乙;;乙;

だが炭鉱で彼を待っていたのは想像を絶する重労働であった。1露里ほど歩いただけでもゼイゼイ言うドクオの
体力では到底勤まるものではなかった。勤務三日目の昼、みんなに先駆けて早弁をしているところを親方に
みつかり、ヘルメットの上からつるはしの柄でガツンと殴られてのびてしまった。

4日目に彼は辞表を提出した。

486:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/15(月) 22:23:20 発信元:220.98.213.242
もう自分のような者には重労働の底辺職しかない。それは向いていない。だが、技能も体力もない。
こうなったら、ひとつコネで楽な仕事に付くよりほかはない。

彼は恩師であるシベリアタイガー先生のところに相談に行った。

2chスレ


('A`) 「先生、一つ俺みたいなへたれでもできる仕事はないですかね」

(=゚Д゚)「まったくお前というやつは........人間向き不向きがあるというが、お前は生きることそのものが
     向いていないんじゃないか?」

('A`) 「そんな元も子もないことを」

(=゚Д゚)「だいたいな、貴様はいつも授業中でも上の空で、そのくせバカなことばっかりワシにききおって。
    そのつけがいまきたんだ。貴様のような奴にできる仕事はない」

489:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/15(月) 22:32:12 発信元:220.98.213.242
('A`)  「そんな.....................」。

(=゚Д゚)「いいから帰れ。いつまでも人を当てにしてはいかん」

    彼は泣きそうになってまんじりともしなかったが、このままだとらちが開かない。

('A`)  「わかりました..................」 と言ってのろのろと立ちあがり、脇に置いてあった紙包みに手を伸ばした。
    
(=゚Д゚)「ちょっとまて。なんだそれは」
 
('A`) 「アザラシの燻製です...........二人で食べようと思って」

    先生はそれをまんじりと見つめた。柱時計が8時を打った。やがて、
    「皿をもってくる」

    先生は皿をもってくると言ったが、やたらと時間がかかった。先生はどこかへ電話をしているらしかった。

492:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/15(月) 22:39:51 発信元:220.98.213.242
    やがて先生は大きな皿とヲッカ、グラスを2つ手にしてやってきた

(=゚Д゚)「せっかく持ってきたのに、先にそれを言え。まったく...............」

 ドクオは再びソファに腰を下ろした。肉を並べながら先生は言う。

(=゚Д゚)「役場の人間に用があって聞いたんだが、カード発行所の空きがあるそうだ。本来ならお前のような若いのは
    とらんらしいが、ワシの口利きでなんとかなるそうだ。あくまで、ついでに聞いたまでだぞ、ついでに」

('A`) 「ありがとうございます。やっぱ袖の下ってのは有効ですね」

(=゚Д゚)「ん?何か言ったか?」

('A`) 「いやこっちの話。先生、ヲッカつぎましょうか」

ここまでがドクオがカード発行所に努めることになったいきさつである。

496:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/15(月) 22:45:26 発信元:220.98.213.242
 たしかに、炭鉱の仕事に比べればはるかに楽ではあった。一日中座って、カードを発行し、ヲッカを振る舞い、暇な
時には自らもヲッカを飲み、定時に(或いはもっと早く)帰ることができた。

 ただ月給は定年後の年寄りが年金の足しにするぐらいの額なので安かったが、それでも親元にいるドクオには十分であった。

 今日もまた夕暮れが近づく。そろそろ閉めよう......と思ったその時、誰かが発行所に入ってきた。

 「私にもカード発行してくれる?」

 若い女の声でそう言われた。聞き覚えのある声だった。

 ('A`)(ツ............ツン!?)

それは久しくシベリアを離れていた、ツンの声であった。

540:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/16(火) 21:57:00 発信元:220.98.213.242
そこにいたのは確かに、ツンだった。かつての少女の面影は残っていたが、若草色のワンピースを着て
うっすらと化粧をしている姿は品のいい町娘、といった風になっていた。

ξ゚⊿゚)ξ「私にも発行してくれる?」

ドクオと向かい合わせの椅子にすとんと腰を下ろした。

ツンはドクオに気づかなかった。今の彼は髭と鬢の毛を深々と伸ばしていたし、うつむきがちでいたからである。
もちろんドクオの方は気づいていて、そしてなぜか気まずい思いをしていた。

ξ゚⊿゚)ξ「私ね、前にこの街にいたこともあるのよ」

('A`)   「そうですか」

ξ゚⊿゚)ξ「寒かった。ヲッカくださる?」
(
('A`)   「あ、それ」

ξ゚⊿゚)ξ「自分でついで飲めっていうの?」

そう言いはしなかったが、そう言う目つきでドクオを一瞥して、グラスにヲッカを注いだ。
グラスに口をつけて飲んだ刹那、彼女は目をしばたかせてドクオを見た。

543:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/16(火) 22:04:49 発信元:220.98.213.242
ξ゚⊿゚)ξ「何髭なんか伸ばしちゃって.......似合わないの」

('A`) 「バレたか」

ξ゚⊿゚)ξ「へぇあんたがカード発行人ねえ ってアンタ炭鉱はどうしたのよ」

ツンは微笑んだ。ドクオもつられてうつむいたまま苦虫を噛み潰したように笑った。

('A`)  「ええっ、あの、それはそうとお久しぶり」

ξ゚⊿゚)ξ「まあいいわ、どうせあんたのとこよるつもりだったの。手間が省けてラッキーだわ」

( ´W`) 「ややや、若い娘の声がすると思ったら........ようこそ」

奥から出てきたのはカード発行所の所長だ。所長といっても、ここには所長とドクオの2人しかいないのだが。
所長は中背中肉の中年で、ハゲがかっているがりっぱな口髭を蓄えた人だった。

544:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 22:10:31 発信元:220.98.213.242
ξ゚⊿゚)ξ「いつもドクオがお世話になってます」

( ´W`) 「おや?ドクオ君のお知り合いですかな?これは隅におけませんなあ」

ξ゚⊿゚)ξ「そんなんじゃないんです。古い友達で、私は元々この街にいたんです」

( ´W`) 「まま、立ち話も何ですので。どうです、これから食事でもご一緒に?なあドクオ君」

やってきたのはシベリア随一の老舗、シベリア飯店である。老舗とは言うものの、庶民的な店だ。

シベリア飯店
2chスレ


 地方の食堂などどうやって営業しているのだろうと不思議になることがあるが、この老舗もまさに
その類であった。

 がらんとしたフロアには、ドクオと所長とツンの三人だけ。奥の中華風丸テーブルに座っている。
ツンと所長は歓談していたが、ドクオは完全に蚊屋の外であった。

545:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 22:19:57 発信元:220.98.213.242
 所長は天候と自分の妻の話をしていた。これは彼が見知らぬ人に必ず最初にする話題である。
最初から相手の領域に立ち入らないことは彼なりの礼儀であり優しさであった。

 話は最近のドクオの勤務ぶりに移った。決して評価は低くなかったが、自分の名前が出る度に
顔から火がでるような気恥ずかしさを覚えた。

 ドクオは気まずさを持て余すように回転テーブルをぐるぐる指で回していた

ξ゚⊿゚)ξ「こら、行儀の悪いことするんじゃないわよ!」

('A`)   「いてえ、手をはたかなくったっていいじゃないか」

( ´W`)  「はっはっは、まるで犬をしつけとるみたいですな。犬といえばそうそう」

所長の言葉を遮るようにウェイトレスが料理を運んできた。

549:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/16(火) 22:25:45 発信元:220.98.213.242
| l| ゚ー゚ノl「おまたせしました。アザラシ丼三つ、同志スターリン風サラダです」


( ´W`)  「おお、きたきた。これがうまいのです」

ドクオもツンもこの店に来たことは数回しかなかった。地元の人間ほど名所とは行かないものである。

ξ゚⊿゚)ξ「ん、おいしい!アザラシ丼て、こんなおいしかったっけ」

 店によって流儀はいろいろとあるが、ここのはアザラシの肉をさっと直火で焼いて甘辛いタレにからめたものを
炊きたてのご飯の上に載せるものである。通に言わせると、これがアザラシの一番うまい食べ方だそうだ。

550:('A`)はカード発行人になったようです :2010/02/16(火) 22:30:35 発信元:220.98.213.242
('A`)   「ん、うまい。腹減ってるときは何食ってもうまい」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたってばどうしてそう無粋なことしか言えないわけ?
     ところで、この同志スターリン風サラダっていうのはどうやってたべるんですか」

 グリーンサラダの上に肉がさいのめに散らばっている。
 所長は真っ赤なドレッシングをぐるりと回しがけして、おもむろにそれを攪拌しだした。
なおも攪拌しつづけながら、

( ´W`) 「どうです?かのスターリンの血みどろの粛清を思い浮かべるでしょう?」
      ドヤ顔である。

ξ゚⊿゚)ξ 「趣味の悪い冗談だわ」

( ´W`)   「粛清の流刑地、シベリアならではといえますな」

味は悪くなかった。 続きを読む
  1. 2010/02/21(日) 11:34:28|
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( ^ω^)は遺言を受け取ったようです

35:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:35:01.87 ID:85W9DzD+0
/ ,' 3「わしゃあもう、ダメみたいじゃのお……
    ブーン、そんなに……泣くんじゃあない」 
    
祖父がどれほど制しようと、少年は泣くのを止められなかった
そのかすれ気味の声がひどく胸を痛めつけていたから

祖父はため息をつき、震える手でブーンの頭を撫でた
とても愛おしそうに

少年は肩を震わせて泣いていた

ここは病院の一室だった
少年の他には両親と、看護師が一人きり
窓の外に見える真っ青な空が、祖父の最期を見送っていた

/ ,' 3「ほれ、ブーン……少し耳を近づけろ」

少年はハッと顔を上げて、祖父の顔を見る
祖父はわずかに頷いた
少年は言われた通り、耳を祖父の口に近づける

/ ,' 3「親には内緒じゃぞ……男と男の約束じゃ」 
    
その後続けた言葉が、祖父の最期の言葉であった 

~~( ^ω^)は遺言を受け取ったようです~~

37:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:38:35.51 ID:85W9DzD+0
~~~~~~~~~~~~~~~~
(´・ω・`)「本当にすまないが、無理なものは無理なんだ」

(;^ω^)「どうにかならないものかお?
      こんなチャンス滅多に無いんだお! 」
      
あの日病室で涙してた少年ブーンは今、親友のショボンと口論していた

(;^ω^)「お前はもうじきあの空に行くんだお
      僕の悩みを解決するにはうってつけなんだお! 」
      
ショボンは数週間後にスペースシャトルへ載ることになっていた
宇宙飛行士になりたくて海外の大学へ行き、そのチャンスをつかんだのだ

(´・ω・`)「確かに君のおじいさんは航空業の第一人者だ
       僕も大いに尊敬している
       まあ航空と宇宙じゃ随分違うけれど、空を目指した点では同じだ」
       
(´・ω・`)「とにかく――これは」

ショボンは白い粉末の入った瓶を取り出し、ブーンにつきつける

(´・ω・`)「持って行けないよ
       おじいさんの遺骨なんて、持ち込めない
       そういう規則なんだ」

39:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:41:35.13 ID:85W9DzD+0
ブーンは瓶を受け取り、しばらく唸る
それから困り顔でショボンを見つめた

(;^ω^)「ほんのちょっと、宇宙の撒くだけでもだめかお? 」

(´・ω・`)「無理だね」

(;^ω^)「外の装甲にくっつけといたり」

(´・ω・`)「燃えるよ」

(´・ω・`)「だいたい君のおじいさんは、君にどんな言葉を遺したんだい?
       まだはっきりと聞いていないんだが」
       
ブーンは残念そうに瓶をしまい、ショボンに向き直る

( ^ω^)「『わしの遺骨を、あの青い空に撒いてほしい』
      僕のじーちゃんはそう言って、息を引き取ったんだお」
      
その後、ブーンは自宅へ帰る準備を始めた

(´・ω・`)「こんなこと言っちゃなんだが、宇宙に撒くのはやはり違うと思う
       宇宙は真っ暗だ。青くなんかない
       もっと別の方法を探した方がいい」
       
( ^ω^)「ご忠告ありがとうだお」

40:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:44:03.21 ID:85W9DzD+0
ブーンは自転車に載って自宅へ向かった

スペースシャトルに載る友達がいるというのに
未だに車すら運転できない自分のことがひどく惨めに感じた
もっともしばらく風を受けていると、そんな気持ちは無くなっていったが

( ^ω^)「……お? 」

自宅の前に一人の男がいる


('A`)

男はブーンの家を見上げていた


( ^ω^)(あのひしゃげた口は――)

ブーンはブレーキを掛けて、男の傍で止まる
男はわずかにびっくりした様子だが、依然として気だるそうな顔だった

( ^ω^)「ドクオかお? 」

('A`)「ああ、やっぱりブーンの家か
    見たことあるとは思ったんだ」

43:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:47:01.29 ID:85W9DzD+0
( ^ω^)「ただいまだおー! 」

J( 'ー`)し「おかえりなさい
      ショボンちゃんをちゃんと見送れたかしら?
      ……あら」
      
('A`)「あ、ども
    おじゃまします」
    
( ^ω^)「昔近所にいたドクオだお! 」

J( 'ー`)し「ああ! あの引っ越しちゃったドクオちゃんね!
      こんなに大きくなっちゃって
      口元がお父さんそっくりだわ」
      
('A`)「はあ、そうですか」

( ^ω^)「僕らは部屋にいってるお」

母親にそう告げると、ブーンはドクオを率いて自分の部屋へ向かった

( ^ω^)「ホントに懐かしいお
      ドクオ、あれからどうだったんだお? 」
      
部屋に入ってすぐ、ブーンは興味津津な様子でドクオに質問した

44:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:50:01.17 ID:85W9DzD+0
('A`)「まあねえ、いろいろ大変だったよ
    お前ら家族みたいなやたらと明るい人はいなかったが」
    
( ^ω^)「軽いスキンシップだお
      大学は行ったのかお? 」
      
('A`)「いや……高校でドロップアウトしたよ」

さすがにブーンは答えにくくなって、黙ってしまう
そんな様子を見て、ドクオは軽く鼻で笑った

('A`)「そんな深刻な顔すんなよ
    俺は元々人づきあいが苦手なんだ
    それに、やることだってあるから心配ねえ」
    
('A`)「今はよ……絵を描いてるんだ」

( ^ω^)「絵、上手いのかお? 」

('A`)「描きたいものを描くだけだ。上手さなんてわからねえ
    それがよ、この前結構有名な画家さんに目を掛けられてな
    その人の作品展に、一つ作品出せることになったんだ」
    
(*^ω^)「それは凄いお! どんな絵だお? 」

('A`)「空の絵なんだ」

46:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:53:00.91 ID:85W9DzD+0
( ^ω^)「空…………」

('A`)「そう、空だよ
    その作品展のテーマでもあるんだ
    けどさ、その肝心の空がなかなか決まらなくて」
    
ドクオは深いため息をつく

('A`)「ただ青く塗るだけじゃだめだ
    空にはもっと深く、鋭く、そんでもって人を惹きつける力がある
    それを表したくて……なかなかできねえんだよこれが」
    
ドクオの目線が自然と動く
ブーンもそれにつられて動いた

窓の外の空が目に映った

ブーンはふと、自分の祖父を思い浮かべた

( ^ω^)「ひょっとしてドクオがここに来たのって、僕のじーちゃんのことが関係するのかお? 」

('A`)「んー、どうなんだろうな
    たしか有名なパイロットだったんだっけ
    空が好きだったんだろうなあ」
    
空に惹かれた祖父――気がつけばブーンはあの瓶を取り出していた

48:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:56:01.99 ID:85W9DzD+0
(;'A`)「な、なんだあ? 」

( ^ω^)「僕のじーちゃんの骨だお
      『青い空に撒いてくれ』って言われたんだお
      遺言として」
      
( ^ω^)「ドクオ、お前の空の絵に撒いてみていいかお? 」

('A`)「う~ん、どうだろうねえ
    まあ少量ならいけるかな」
    
('A`)「でもさ、やっぱり絵ってのは良くないんじゃないの?
    こんなこと言うと元も子も無いが、俺の描く空はお前のじーちゃんの言う空じゃねえ」
    
(;^ω^)「やっぱりダメそうかお? 」

('A`)「ああ
    上手く言えねえが、絵に撒くのは違う
    そんな気がする」
    
しょんぼりした様子で、ブーンは瓶をしまった
ついさっき同じようなやりとりをしたばかりであり、同じように失敗したのだ

('A`)「…………
    なあ、じーちゃんの写真とかないの? 」

50:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 22:59:14.23 ID:85W9DzD+0
ドクオに言われてブーンはアルバムを取ってくる
部屋で広げて、埃っぽさに目を細めながら写真を指差す

( ^ω^)「これがじーちゃんだお
      パイロットとして活躍していたころの写真だお」
      
      
/ ,' 3  


('A`)(…………)

('A`)「ブーン、この写真貸してくれないかな? 」

( ^ω^)「お? 別に大丈夫だけど
      何に使うんだお? 」
      
('A`)「いやなーに、ちょっと閃いただけさ
    なあブーン」
    
('A`)「じーちゃんは本当に空が好きだったみたいだぜ?
    そのことをよーく考えれば、遺骨撒くことの答えも見つかるかもな」
    
その後、ドクオは満足そうに帰って行った
気だるそうな感じは無くなり、希望に満ちた表情で

51:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 23:02:02.02 ID:85W9DzD+0
数日後
ブーンは祖父の墓参りに来ていた

( ^ω^)(じーちゃん、ごめんだお
      今年もまた、骨は撒けそうにないお)
      
墓の前で手を合わせて、頭の中で謝る

「あれ、ブーンじゃない? 」

突然掛けられた声に反応して、顔を上げて振り向く

ξ゚⊿゚)ξ「家この辺りだったのね
     知らなかったわ」
     
(;^ω^)「ツンさんかお?
      どうしてここに」
      
ξ゚⊿゚)ξ「さん付けは止めてって、大学生のときから言ってるでしょ」

ξ゚⊿゚)ξ「あたしのおばあちゃんがこの辺りの出身なの
     墓もこの墓地にあるってわけ」
     
( ^ω^)「なるほどだお
      大学も懐かしいお
      最後にツンと会ったのは卒業後にサークルのみんなで遊びに行ったときだったお」

52:( ^ω^)は遺言を受け取ったようです :2010/02/20(土) 23:05:01.49 ID:85W9DzD+0
( ^ω^)「ハングライダーのサークルなんて変わってたお」

ξ゚⊿゚)ξ「まあ、あまりポピュラーじゃないわね
     でもあんたはその中でもかなり変わってたほうよ」
     
墓地からの帰り道、二人は一緒に歩いていた
日は傾いて、徐々に山に沈もうとしている

( ^ω^)「何か変なことしたかお? 」

ξ゚⊿゚)ξ「なんとなく、態度が違ったのよねえ
     他の人は飛ぶことに夢中になってたけど
     あんたは空そのものが好きみたいだった」
     
ξ゚⊿゚)ξ「スキューバダイビングに行ったのに、ただ海に浮かんで満足しちゃってるって感じ」

( ^ω^)「おっおっお、まるで温泉だお」

ξ゚⊿゚)ξ「変だって言ってるの
     まあ嫌いじゃなかったけどね」
     
陽光が、橙色の光を投げかけて
二人の足元には長い影ができていた

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、あんたどうしてあのサークル入ったの? 」 続きを読む
  1. 2010/02/21(日) 11:16:11|
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(´^ω^`)どうやら先生は道を踏み外したようです

128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:23:49.20 ID:MFH3O3X80
(´^ω^`)どうやら先生は道を踏み外したようです


( ゚∀゚) 「修学旅行だぜー」

( ・∀・) 「いえーい」

( ゚∀゚) 「……」

( ・∀・) 「……」

( ゚∀゚) 「寺つまんなかったなー」

( ・∀・) 「あんなもん高校生は見ないよね」

( ゚∀゚) 「だな……」

( ・∀・) 「うん……」

( ゚∀゚) 「2人部屋って、気まずいな……」

( ・∀・) 「他の部屋行こうよ……」

129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:25:05.29 ID:MFH3O3X80
(´゚ω゚`) 「てめぇらぁ!鬨をあげろォォォォォ!!」

(*<●>・・<●>)=3 (*゚ω゚)=3 『うおおおおおおおおお!!』  £=(@∀@-*) £=(゚Д゚,,;)

(´^ω^`) 「そうだ、今はその情熱を叫びに変えるしか無いが、あと2時間。2時間だけ堪えるんだ」

(*´゚ω゚`) 「2時間後!我々は全裸でヘヴンに舞い降りるのだ!」

(*<●>・・<●>)=3 (*゚ω゚)=3 『うおおおおおおおおお!!』  £=(@∀@-*) £=(゚Д゚,,;)

扉|∀゚)。(やだきもい……)
扉|∀・)。(よくない病気なんだろうか……)

(´^ω^`) 「ところで、それで隠れているつもりかい?ジョルジュ君、モララー君」

扉|。(バレてる、バレてるぞ!?どうする!?)
扉|。(無視だ!知らん振りしてやりすごせ!)

130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:27:12.09 ID:MFH3O3X80
(´^ω^`) 「ほう、やりすごせるとでも?」

(´^ω^`) 「おい、実は嫌々参加で溜息ついてるだけのギコ」

(,,゚Д゚) 「なぜばれたし」

(´^ω^`) 「ひっとらえい」

(,,゚Д゚) 「はいはい……」

扉|<ホラ、イクゾテイコウスンナ
扉|<ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

(,,゚Д゚) 「連れてきたぞ」

(#);∀;) 「なんなのこいつら……」

(#);∀;) 「おいお前が泣いてたら僕と完全にカブるんだよ、泣くなよ」

(´^ω^`) 「やぁ。どっちがどっちか知らんけど、ジョルジュとモララー」

(´^ω^`) 「おじさん達が何してるか、あててみ?」

( ・∀・) 「知りません」

( ゚∀゚) 「先生まじでなにしてんすか?ついに理性の箍が外れましたか?」

131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:28:46.26 ID:MFH3O3X80
(´^ω^`) 「ハッハッハ。ま、どうせお前らは旅行のしおりなんて見てないと思ったよ」

(´^ω^`) 「ほら、布教用に15万部刷った予備のしおりだ、くれてやる。12ページ、ホテルの項『入浴について』」

(´^ω^`) 「音読しろ」

( ゚∀゚) 「えーっと……」

( ・∀・) 「浴場は大浴場で……」

( ゚∀゚)

( ・∀・)

(*゚∀゚)=3 「混浴でええええええええええええええす!!!!」

(*・∀・)=3 「滑りやすいので注意しましょおおおおおおおおおお!!」

133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:30:48.72 ID:MFH3O3X80
(;,,゚Д゚) 「お前らもノリノリかよ」

(#゚∀゚) 「うるせぇ!前々からてめーのことは気に入らなかったんだリア充が!しぃは隠れ巨乳ってほんと?」

(#´゚ω゚`) 「一人だけ彼女作りやがって!ナメてんのか!もう食ったのか?あぁん!?」

(;,,゚Д゚) 「教師まで修学旅行のノリになるなよ」

(#´゚ω゚`) 「おい、俺の授業中に寝ることも無く真面目に聞いてたお前だが」

(#´゚ω゚`) 「1学期の生物、赤点だったなぁ?残念だったなぁ?ギコよ。フヒヒwwwwwwww」

(,,゚Д゚) 「そうだっけ」

(#´゚ω゚`) 「そうだよ劣等生が。29点にした理由を教えてやろうか?」

(,,゚Д゚) 「いやべつにいいっす」

(#´゚ω゚`) 「女子高生と付き合ってるのが羨ましいからだよバーーーカwwwwww2学期の成績も、もうつ

けちゃったよーん。29点でwwwwww」

(*゚ω゚) 「さすが先生、平然と職権濫用してのける!」

(*<●>・・<●>) 「憧れはしませんけれど」

134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:32:33.91 ID:MFH3O3X80
(*-@∀@)=3 「うっ、先生僕もう我慢できません……女子部屋に突撃の許可を……!」

(´^ω^`) 「堪えるんだアサピー。貴様は『普段根暗なのにおっぴろげ』要員として女子どもに衝撃を与えるた
めに居る。我が師団に不可欠な存在なのだ」

(´^ω^`) 「まずは夕食の場に向かって、女子どもを嘗め回すように見てやろうじゃないか」

(´^ω^`) 「想像してみろ、裸を。希望に胸をふくらませるんだ」

(´^ω^`) 「お前の妄想力を、俺は信じている」

(*-@∀@) 「せ、先生……」

(´^ω^`) 「ジョルジュ、モララー。貴様らも来るな?」

(*゚∀゚)(*・∀・) 「サー、イエッサー!」

135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:34:24.08 ID:MFH3O3X80
(´゚ω゚`) 「よぉし、では貴様らにも役目を与える!」

(#´゚ω゚`) 「ジョルジュッ!貴様は貧乳どもにゴミでも見るような視線を浴びせ、失意の底に放り込むんだ
。悔しさに涙する奴らをよぉ、ヘラヘラ笑いながら見物だぜ。考えるだけで興奮するだろ……?」

(*゚∀゚) 「あぁ、ゾクゾクしてきたぜ……!」

(#´゚ω゚`) 「モララーッ!無味無臭を体現するその無特徴を活かし、貴様には我が軍の斥候として働いて
もらう!見えない位置で油断している女子を監視!隙あらば忍び寄り、耳元でムフヒュッwwwwだ!」

(#´゚ω゚`) 「難しいミッションだが、成功の暁には腰を抜かした奴らを高みからニヤニヤと眺められる。最
高だろう?やってくれるな?」

(*・∀・) 「やり遂せてみせましょう!」

(´^ω^`) 「その言葉が聞きたかった!」

(´゚ω゚`) 「てめぇら、もう一度だ!鬨をあげろおおおおおおお!!」

(*<●>・・<●>) (*゚ω゚) (*゚∀゚)  『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』  (@∀@-*
) (・∀・*)

136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:35:37.67 ID:MFH3O3X80
( ゚∀゚) 「夕飯、うまいな」

( ^ω^) 「あぁ、これ程うまい物、食ったことが無いかもしれん」

( <●><●>) 「しかし、何か足りない。そうですね?」

(-@∀@) 「あぁ。僕達が欲しいのは、こんなものじゃない」

( ・∀・) 「ギコ」

( ・∀・) 「僕の妄想では、しぃちゃんロリ巨乳で淫乱だった」

(#,,゚Д゚)=○)∀・)フヒヒヒヒwwwwww

(´^ω^`) 「無駄だぜぇ、ギコ君よぉ」

(´^ω^`) 「性欲の魔術に捕えられた男達に、お前のチンケなパンチなんて効かないぜ?」

( ・∀・) 「フヒヒヒヒwwwwww」

(;,,゚Д゚) 「こいつら……」

138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:37:08.78 ID:MFH3O3X80
ξ゚⊿゚)ξ 「なんかこっち見てるわよ」

(*゚ー゚) 「ショボン先生の目、怖い……」

从 ゚∀从 「なんか楽しそうだな」

ノハ;゚⊿゚) 「気になる、気になるぞ……」

从'ー'从 「なんだろー?」


(´^ω^`) 「いつまで食ってる気だウジムシども。さっさと行くぞ。ギコ、貴様もだ」

(;^ω^) 「ま、まだ半分も食べてないですお?」

(´^ω^`) 「いいからさっさと風呂に行くんだ。見取り図はあらかじめ俺が用意したものがある。それを踏まえて、各自のポジションを確認する」

(´^ω^`) 「安心しろ。勝利の暁には、積立金を流用して盛大な祝杯をしようじゃないか」

( ・∀・) 「自腹切れよそこは……」

149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:54:22.33 ID:MFH3O3X80
(´^ω^`) 「さて、風呂に入るぞ。脱ぐか」

(;,,゚Д゚) 「ショボン、お前……」

(;,,゚Д゚) 「ちっさ(´゚ё゚`) 「ウワアアアアアアアア!!!!」

(´゚ω゚`)

(´^ω^`)

(´・ω・`)

(´-ω-`)

(´-ω-`)

( ^ω^) 「ショボおじさま死んじゃった……」

( ・∀・) 「あの子はプライドを守ったのじゃ……」

150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:56:21.64 ID:MFH3O3X80
(´゚ω゚`)カッ

(´^ω^`) 「バーカwwwwwwwwwwwww短小なんざ俺が一番わかってんだよバーカwwwwwwwwww」

(´^ω^`) 「でもなぁ先生傷ついちゃった!ギコてめぇは3学期も赤点決定だwwwwwwwww
        2度も修学旅行に行けるなんて幸せだなぁ?どんな気持ち?ねぇどんな気持ち?wwwwwwwwww」

(;,,゚Д゚) 「……」

(´^ω^`) 「2年B組短小先生ってかwwwwwwいくぞてめーら、腐ったみかん臭がするって教え子にふられた事がある俺についてこいwwwwwwwwwww」

153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 00:58:50.43 ID:MFH3O3X80
(´-ω-`) 「――きたか」

(´^ω^`) 「では各自、静かに、速やかに位置につけ――健闘を祈る」

(´-ω-`)。(荒巻先生……見守っていてください)

―――――――――――

(;´・ω・`) 「荒巻先生!」

駆けつけて、扉を開いた。
真っ白な部屋に、ベッドがひとつだけの部屋。その上に荒巻先生が体を横たえていた。

/ ,' 3 「これはこれは、ショボン君。わざわざすまないね」

先生は、いつもと変わらない調子で、顔をしわくちゃにして笑った。

154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/20(土) 01:01:05.98 ID:MFH3O3X80
(;´-ω-`) 「――っ……」

思わず目を伏せてしまった。
その場から逃げ出したくなった。認めたくなかった。信じたくなかった。分からないフリをしたかった。
でも、分かってしまった。

(´・ω・`) 「……ご無沙汰しておりました」

自分が学生だったころ、居眠りするとすぐに飛んできたその声が、
悩み苦しんでいた自分に、教師としての道を示してくれたその声が、
あまりに細く、消えてしまいそうなものだったから。

もう、永くはないのだろう。 続きを読む
  1. 2010/02/20(土) 02:40:15|
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( ・∀・)まだまだなようです

79:Kwo◆Zvzlx5Nv4. :2010/02/19(金) 21:34:17.13 ID:4HOD6yGQ0
( ・∀・)まだまだなようです



日はとうの昔に沈み、あたりは既に闇に包まれていた。
表通りからすこし奥に入ったその道には、灯りはほとんど無いに等しい。
廃れた訳のわからないスナックや飲食店、或いは住宅の窓から灯りがこぼれているが、
残念ながらそれらは彼の足もとまでは照らしてくれなかった。

( ・∀・)「畜生、なんだってんだよこの野郎……」

よれたグレーのスーツを着た、
中年にみえる男は、ゆっくりとつぶやいた。

多少白髪があるように見えるが、髪は整髪剤まとめているらしく、綺麗に整っていた。
それ故か、昼間働いている姿が容易に想像できる。

81:Kwo◆Zvzlx5Nv4. :2010/02/19(金) 21:35:21.20 ID:4HOD6yGQ0
( ・∀・)「冴えない街だねぇ……」


別にこの道をいつも通っているわけでは無い。
ただなんとなく、今日は夜の街を闊歩してみたかったのだ。
帰りを待つ家族には、既に帰りが遅くなる旨をメールで伝えておいた。


だが悲しいかな、ここは残念ながら田舎であり、繁華街と呼べるほどのものは存在していなかった。
せいぜい駅前に飲み屋が何件か集まり、営業しているのかどうかさえよくわからないような、
スナックやバーが点在しているくらいだった。

84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:40:33.20 ID:4HOD6yGQ0
何故この道を歩いているのか、本人にもよくわかってはいなかったが、気がつけばここにいた。

ふと前方に暖かい灯りが見えたので、何の店かと目を凝らし近づいてみる。


( ・∀・)「……バーボンハウス?
      本当にやってんのかよ?」


これといって用事も無かった彼は、この店に入ることにしてみた。
理由など本当に無かった。この店も、周囲にある訳のわからない飲み屋の仲間に見える。
だがしかし、この時の彼を惹きつけたのは事実だった。

85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:42:23.20 ID:4HOD6yGQ0
ドアを開けて、店の中へ入る。同時に来客を知らせる鐘の音が鳴った。
店内に客の姿はなく、暖色系の間接照明に照らされた店内はなんとも暖かい雰囲気につつまれている。
調度品もアンティーク系のもので揃えられており、悪くない店構えだった。

カウンター席に着くと、奥から店主と思われる男があらわれた。

(´・ω・`)「いらっしゃいませ、バーボンハウスへようこそ」

87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:43:56.34 ID:4HOD6yGQ0
店主が、一杯のテキーラを差し出す。

(´・ω・`)「このテキーラは初めてのお客さんにサービスしてるんですよ。
      よろしければどうぞ」

( ・∀・)「テキーラなんて久しぶりだね……、ありがたく貰うよ。
      最近、会社の飲み会以外では家でしか呑まなくなってね」

久々に呑む酒の味に、彼は自分の若いころの記憶を重ねていた。
そのころは都会で働き、仕事帰りにバーでよく酒を飲んだものだった。

しかしこの街に戻ってからは、酒を飲むのは家か年に数度の会社の飲み会くらいだった。

88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:44:54.74 ID:4HOD6yGQ0
(´・ω・`)「そういう方も多いと思いますよ。最近は飲み屋街も廃れてきましたからね」

( ・∀・)「そうなのかい?この街に戻ってきたのも最近だからね……」

(´・ω・`)「……地元はここだけど、若いころはもっと都会の方で働いていた、といった所ですか?」

( ・∀・)「ん、そんな所かな、少し前にこの街に戻ってきてね……
      いや、気がつけば10年前の話だ。
      気がつけばこの街に来てもうかなりたつなぁ……」

90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:45:49.36 ID:4HOD6yGQ0
そう言われてみれば、もう10年も前の事だった。

実家に一番近い支社――それでも特急で一時間はかかるが――に行かせてくれと何度も頼みこんだが、
自分の要望を会社は聞き入れてはくれなかった。

皮肉にも、自分の能力を買われての事だった。
若いころから一生懸命に身を粉にして働いた、その結果が仇になった。

しびれを切らし、退社してこの街の会社に就職したのはもう10年も前の事だった。

91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:46:53.08 ID:4HOD6yGQ0
(´・ω・`)「……ご注文はどうなさいましょうか?」

ふと、マスターの声が思考を遮った。
そうだ、注文をしなければいけない。

( ・∀・)「今と同じの、貰えるかな?」

(´・ω・`)「かしこまりました。」

92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:47:53.35 ID:4HOD6yGQ0
そういうと、店主は酒を作りながら話しかけてきた。

(´・ω・`)「お悩みがあればお聴きしましょうか?
      このお店にいらっしゃるお客さんは不思議とね、
      何かお悩みを抱えた表情をしてらっしゃるんですよ」

( ・∀・)「本当かい?悩んでそうに見えた?」

あまり意識しないようにしていたつもりではあったが、どうやら表情に出ていたらしい。
いや、バーのマスターなのだからそのあたりは百戦錬磨なのかもしれない、とも思った。

(´・ω・`)「まぁ、無闇に詮索しようって訳ではありませんがね。
      バーを長くやってると、いろいろとできるようになるものなんですよ」

94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:51:06.22 ID:4HOD6yGQ0
( ・∀・)「店を始めてどれくらいになるんだい?」

(´・ω・`)「もうかれこれ30年になります。あちこちに年季が入ってきましてね」

( ・∀・)「それは外見とかかな?」

そう言うと、彼は苦笑いを浮かべながら、2杯めのテキーラを差し出した。
さっそく、できた酒を口にする。
やはり甦るのは、若かりし頃の記憶だった。

95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:51:47.44 ID:4HOD6yGQ0
( ・∀・)「会社の経営が思わしくないようでね」

(´・ω・`)「ええ……」

( ・∀・)「昔は同じ業種の大手に勤めていてね、エースなんて言われたもんだった。
      それが今じゃ倒産寸前の弱小企業で唯一業績を上げれる奴、なんて言われようだ。
      安月給で働きまくってね。本当に報われないよ。
      僕には妻も子供もある。年老いた両親だっている。
      僕に能力が無いわけじゃないと思うんだ。
      でももう50にもなって、あと何十年も働けるわけじゃない。
      もう八方塞がりというか、訳が分からなくなってね……」


何をべらべらと喋っているのだろうかと思った。
初対面のバーの店主に自分の悩みを打ち明けるなんて。
しかし、彼のもつ雰囲気――或いは店の雰囲気だろうか――が、それを感じさせなかった。

96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:54:21.99 ID:4HOD6yGQ0
(´・ω・`)「僕と同じ年代じゃないですか。
      もう少しお若く見えましたがね……」

( ・∀・)「若く見えるのは嬉しいけどね……」

少し間を置いて、店主が語りだす。

(´・ω・`)「能力が適正に評価される、というのはなかなか難しい事です。
      環境やタイミング、運の要素だってあるでしょうから」


(´・ω・`)「ただ……、あなたが悩んでいるのはもっと深く、本質的なことのように思われますがね」

98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:55:58.00 ID:4HOD6yGQ0
初対面の、バーのマスター風情が面白い事を言うものだ、と思った。
普通なら怒ってしまいそうな言葉を平気で投げかけてきた。

( ・∀・)「……聞かせてよ、その”本質”ってやつをさ。」

非常に面白かった。彼の話に興味がわいた。

(´・ω・`)「仕事に悩み、過去に想いを馳せる人は、基本的に同じことに悩んでいるんですよ。」

99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:57:49.19 ID:4HOD6yGQ0
(´・ω・`)「……仕事に対する情熱を失ってしまった、のではないですか」

( ・∀・)「……」

再び酒に口をつけると、男の言葉がより一層身に染みた。
思ってもみなかったが、確かにその通りだった。

(´・ω・`)「若さがそうさせるのかもしれませんがね、
      自分に合った仕事であれば、はじめのうちは多くの人が一生懸命に取り組むものです」

(´・ω・`)「年齢とともにね、衰えていくらしいんですよ、それは。
      ……かく言う僕もそうなんですけどね。」

100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 21:59:12.12 ID:4HOD6yGQ0
確かにその通りかも知れない。
若いころは深く考えずに仕事に取り組み、やりがいを感じていた。
能力が評価されるのが嬉しく、誇らしかった。

それが最近では、仕事にあまり身に入らず、考え事をすることも多かった。

どうせ、もう倒産寸前だ。
どうせ、もう何年かしか働けない。
どうせ、もう人生は折り返し地点。

こんな思考が渦を巻いて行くだけだった。


( ・∀・)「……それで、どうやって情熱を取り戻した訳?」

(´・ω・`)「いいえ、取り戻してはいませんよ。
      御覧の通り、あなたの他にお客もありませんし。」

101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 22:00:55.51 ID:4HOD6yGQ0
( ・∀・)「じゃあ……」

言葉を遮るように、店主は言った。

(´・ω・`)「少し前向きになっただけですよ。」

( ・∀・)「前向きに、ねぇ……」

確かに最近は後ろ向きだったかもしれない。
前向きになるだけでも少しはマシかも知れない。

そう思って、店主が言葉を紡ぐのを待った。


(´・ω・`)「とっておきの魔法をお教えしましょうか」

104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 22:03:34.49 ID:4HOD6yGQ0
勿体ぶるように、店主は言った。


(´・ω・`)「……”もう”をね、”まだ”に換えるんですよ」
  

一瞬の静寂が、訪れた。

105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 22:04:36.25 ID:4HOD6yGQ0
そしてすぐに、店内には笑い声が響いた。

( ・∀・)「ははっ、はははは。
      そいつは良いや。あんたが考えたの、それ?」

(´・ω・`)「ある人の受け売りですよ。
      ただ、思いのほか素晴らしいでしょう?
      そして理解して頂けるあなたも素晴らしい、と私は思いますよ。」

その時、男のポケットからバイブレータの音が鳴った。
妻からのメールだった。

『ご飯、まだ暖かいですから、早くお帰りになって下さいね』

106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 22:07:40.66 ID:4HOD6yGQ0
( ・∀・)(”まだ”暖かい、か……)

男は席を立ち、店主に告げた。

( ・∀・)「すまない、どうやら帰らなければならないみたいだ。」

(´・ω・`)「いえいえ、お越しいただいただけでありがたいですよ」

( ・∀・)「はいよ、お会計」

(´・ω・`)「確かに。またのお越しをお待ちしております。」

108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/19(金) 22:08:58.80 ID:4HOD6yGQ0
席を立ちドアを開けると、鐘の音とともに少し肌寒い空気が頬をなでた。


( ・∀・)「”もう”を”まだ”にね……」

彼の足取りは、幾分か軽かった。 続きを読む
  1. 2010/02/20(土) 02:16:05|
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( ^ω^)と(*゚ー゚)の不思議な旅のようです

632:571 :2010/02/17(水) 23:06:19 発信元:210.233.171.53 [sage]
( ーωー)「…………zz」

Σ( ^ω^)「……ん、あれ」

目を覚ましたとき、ブーンはとても不思議な感じがした
体がふわふわ浮かんでいるかのような、現実から浮遊した感じ
やがて、それが目の前の景色のせいだと気づく

目の前には荒野が広がっていた
草も、木も、山さえもない
ただただ広い、赤茶けた大地と、何故か左側でのびている線路が一本

ふと、気配に気づいてブーンは右隣を向く

(*-ー-)「……zz」

10歳になる娘のしぃだ
ブーンはホッと胸を撫で下ろし、その安らかな寝顔を見つめる

しかし、同時に何か不安も感じていた
一体何が不安なのか考えてみるが、何も思い当たらない
どうしても――

そうして、一つの重大な事実に気付き、思わず呟く

(;^ω^)「……何も覚えてないお
      ここは一体どこで、俺は何をしていたんだお? 」

634:571 :2010/02/17(水) 23:09:04 発信元:210.233.171.53 [sage]
親も、親戚もわからない
友達も、娘がいるのだから存在するはずの妻も
記憶に残されていなかった

Σ(*゚ー゚)「ん、……うう」

しぃが目を覚まし、辺りをキョロキョロと見回す
そしてブーンに目を止めた
ブーンは若干緊張しながら、その顔を見つめ返す

(*゚ー゚)「お父……さん? 」

その言葉を聞いて、ブーンは安心した
もし娘が自分のことを忘れていたら、と一瞬考えてしまったからだ

ブーンはしぃと話し、状況を確認した
しかし何も覚えていないのはしぃも同じで、結局得られるものはなかった

( ^ω^)「ここは何なんだお
      線路があるってことは人がいるのかお? 」
      
ブーンとしぃは果てしなくのびる線路の先を見つめ
今度は逆に自分たちの後ろ側へのびていく方を確認する

意外にも、赤茶色の壁がすぐそばにあり、線路は途切れていた

636:571 :2010/02/17(水) 23:12:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*;゚ー゚)「大丈夫なの? お父さん」

青い顔をしたしぃをじっと見つめ、それからブーンは微笑んだ

( ^ω^)「線路ってのは駅まで続いてるもんなんだお、きっと」

もちろん根拠なんて無かった
ただ動かなくちゃいけない気がした

止まってはいけない――止まりたくない――何故か
その感情はどこから来たのか、ブーンにはわからなかった


最初、太陽は真上にあった
それがだんだんと動いていき、ある程度の軌道がわかる
もしここが北半球ならば、ブーンとしぃは北から南へ向かっているはずだ
さすがにここが別の惑星で、軌道そのものが違うなんてことはないだろう

そしてさらに不思議なことに、いくら歩いても二人は疲れなかった
エネルギーを使っているが、いつの間にか補給されている
足はいくらでも前へ出せる

記憶は無くても、自分がどれほど動けば疲れるかくらいは覚えている
けれどここでは通用しない
何かが根本的にずれているのだろう

638:571 :2010/02/17(水) 23:15:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
( ^ω^)「しぃ、疲れないかお? 」

(*゚ー゚)「ううん、大丈夫
     なんだか不思議だけど、全然疲れないの」
     
(*^ω^)「それはよかったお」

少なくとも娘とは同じ感覚を共有している
それは精神的に大きな励みになった

人間は一人きりになって、三日もすれば発狂するときいたことがあるが
娘のおかげで無事なのだろう
っと、ここまで考えてブーンは「あれ? 」と思った

何故このようなことは覚えているのだろう
そこでまた考える――が、今度はなんとなく予想がついた
要は知識として定着しているものは覚えているというわけだ

ブーンは立ち止まって天を見上げ、拳を突き上げる

(*゚ー゚)「お父さん、何やってるの? 」

( ^ω^)「出発してどれくらい経ったか見てるんだお
      こうして拳で太陽の動いた距離を測るんだお」
      
おおよそ1時間――ブーンはそう計測した
そのときだった

642:571 :2010/02/17(水) 23:18:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*゚ー゚)「ねえお父さん、あれはなあに? 」

しぃは前方の線路の上に立っているものを指差した
50メートルほど前で佇んでいる、真っ黒な何か

( ^ω^)「人……かお? 」

二人は黒いものまで走って行った
近づくと、人型であることははっきりとわかる
しかし、本来目があるところで赤い光を輝かせながら、その黒いものはぴくりとも動かなかった

しぃは恐れつつも興味に惹かれた様子で、黒いものに一歩近づく

Σ(;^ω^)「……! 」

咄嗟にブーンはしぃを抱えて数歩退いた
黒いものの腕が、さっきまでしぃのいたところで空を切る

――捕まえようとしている

ブーンがそう感じたのと、黒いものの赤い光の目が合うのは同時だった

(*;゚ー゚)「ぁ……なにが、え」

(;^ω^)「逃げるお!! 」

ブーンはしぃの腕をしっかり掴んで駆け出した

643:571 :2010/02/17(水) 23:21:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
黒いものも歩こうとしていたが、幸い歩みは遅い
二人には到底追いつけそうもない

(*;゚ー゚)「お父さん! 前にもいるよ! 」

後方に気を取られていたため、しぃの声ではっとするブーン
立ちはだかる黒いものが、二体
腕は既に持ち上げられて、歩み寄っている

(;^ω^)「お、おい、くるなああああああ!! 」

無我夢中で、ブーンは足元の拳大の石を掴み、投げる
片方の黒いものに命中――大勢が崩れる

(;^ω^)「抜けるお! 」
(*;゚ー゚)「うん! 」

二人はよろめいた黒いものを押し倒して、先へと駆けてゆく
前へ、前へ、前へ――――走り続けた

疲れないこの世界でも、急激な運動の後は汗も出るし、呼吸も荒くなる
だから回復が速いという方が正確なのかもしれない

昼の陽光が斜光に変わるころ、二人は足を止める
後ろに黒いものは見当たらない

646:571 :2010/02/17(水) 23:24:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*;゚ー゚)「ああ! お父さん! 」

突然しぃが叫ぶ

(*;゚ー゚)「影が……影が無いわ、あたしたち! 」

驚きながらも、ブーンはしぃの足元、そして自分の足元を見る
どちらにも、本来あるべき影が無い

(;^ω^)「どういうことだお!? 」

影が無い――黒い影が無い――黒い――

(;^ω^)「ひょっとしたら、さっきのは影なのかお? 」

(*;゚ー゚)「でも三つあったよ」

(;^ω^)「わからないお、なんでとかそんなことさっぱり」

(*;゚ー゚)「ねえお父さん、怖いよあたし、夜が怖い
     どうするの、真っ暗な中であんなの出てきたら何も」
     
(#^ω^)「だからわからないって言ってるんだお!! 」

(*;゚ ゚)「…………」

しぃの眼からは、明らかに恐怖が伝わってきた
ただし、怒られたから怖い、というのとは違う
もっと別の、何か

649:571 :2010/02/17(水) 23:27:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
/ ,' 3「夜は来やせんよ」

いきなり声がして、その時二人は初めて隣の岩に寄りかかっている老人に気付いた

/ ,' 3「この世界に夜はない
    あの太陽が沈みきると、また東から別の太陽が昇るんじゃ」
    
二人は線路から見て左、つまり東の方角へ顔を向ける
確かに色が明るくなりつつある
夜明け前のように

だいぶ落ち着いた二人は老人に話しかけた

( ^ω^)「おじいさんは誰なんだお? 」

/ ,' 3「わしは荒巻
    他は覚えとらんのじゃ」
    
(*゚ー゚)「おじいさん、あたしたちと同じように記憶がないのね? 」

/ ,' 3「ああ、そうじゃ」

( ^ω^)「この世界って……なんなんだお? 」

/ ,' 3「当然のことながらわからん
    ただ、お前らのようにここへ来る人間を何人か見てきた
    みなあの黒いものに連れてかれてしまったがの」

652:571 :2010/02/17(水) 23:30:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(*;゚ー゚)「や、やっぱり連れて行かれるのね?
     どこへ行くの? 」
     
(;^ω^)「もしかしてあの世かお!? 」

/ ,' 3「連れて行かれるまでわからんよ
    わしも昔は連れて行かれそうになったが、今ではさっぱりじゃ
    やはりさっさと捕まっておけばよかったのかのお」
    
(*゚ー゚)「? 怖くないの? 」

/ ,' 3「ほっほ
    怖いが、孤独の方がつらいのじゃ」
    
/ ,' 3「さて、お二人さんはこれからどうするのじゃ? 」

荒巻の発言で、ブーンとしぃは少し考える

( ^ω^)「進むしか、ないと思いますお」

(*゚ー゚)「線路の先には駅があるはずだって、お父さん言ってたもの」

老人は「ほうほう」とつぶやいて、それから続ける            

/ ,' 3「止めはしないが、一つ言っておく
    もはや何も無くなってしまったわしだからわかるのじゃ
    あの黒いものは恐れるものじゃない、それを忘れるな」

656:571 :2010/02/17(水) 23:33:02 発信元:210.233.171.53 [sage]
二人は老人を後にした

二つめの太陽が昇り、沈むと、また次の太陽が昇る
それが何回も繰り返された
そのうちいくつかの決まりを発見した

黒いもの――二人はそれを『影』と呼ぶことにした――は奇数回目の太陽のときにしか現れないこと
きっと影にとっての活動期間が奇数回目の太陽なのだと推測した

そして線路から真横にいくら走っても、また線路に辿り着くこと
たとえば線路に石で傷をつけ、真横に走って次の線路を見つける
そして確認すると、先ほどつけた傷があるのだ

( ^ω^)「僕らはこの線路からは逃れられない、ということかお」

気付くことは他にもある

この世界に雲がないこと
水がないからなのだろうか

線路なのに電車はおろか汽車も走らないこと
これでは駅の存在も疑わしい

(*゚ー゚)「…………」

そして、しぃのこと

658:571 :2010/02/17(水) 23:36:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
( ^ω^)「しぃ、少し休憩するお」

時折エネルギーがあまり回復されないときがある
特に偶数の太陽のときだ
そんな時には少し休む必要があった
もっとも食料なんて無いし、要らない
足を止めてれば自然と回復する

(*゚ー゚)「う、うん」

( ^ω^)「…………」

ここのところ、しぃの様子が変わっている
ブーンを恐れている
そんな気が、ブーンにはした

ブーンが怒ってからだ
初めの影の襲撃以来、しぃの眼が変わったのだ

休憩している間に、ブーンは質問した

( ^ω^)「しぃ、いったい僕の何が怖いんだお? 」

(* ‐ )「…………」

(* ‐ )「また、怒ったから」

660:571 :2010/02/17(水) 23:39:01 発信元:210.233.171.53 [sage]
(;^ω^)「また? 」

(* ‐ )「うん」

(;^ω^)「も、もしかして記憶が戻ったのかお!? 」

(* ‐ )「…………」

(;^ω^)「しぃ! 」

(* ‐ )「答えたく、ないの」

それ以上追及することは、ブーンにはできなかった

記憶が戻ったのかどうか、それすらわからない
しぃをどうして怒ったのか、何故答えたくないのか
ブーンは自分の記憶が戻らないことをひどくもどかしく感じた

二人は歩き続けた
この果てしない荒野で
ただ一本のびる線路を頼りに進み続けた

そしてとうとう
壁が見えてきた 続きを読む
  1. 2010/02/18(木) 22:20:56|
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('A`)と秘密の隠れ家のようです

584:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:08:41 発信元:219.125.145.51
俺は、やってしまった。


(;'A`)「ハァッ、ハァッ」


俺は逃げる様に、自宅へと入った。


(;'A`)「俺が……やっちまった……」

(;'A`)「殺すつもりなんて無かったのに……」


そう、俺はたった今、人を殺してしまったのだ。


('A`)「全部あいつが悪いんだ、全てモナーが悪いんだ……」

586:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:11:03 発信元:219.125.145.45 [sage]
以前、モナーには百万円を貸した。
しかし返済を要求すると、あいつは

( ´∀`)「知らんモナ」

と、シラを切る始末。

そこでついカッとなってしまい、首を絞めて殺してしまった。
その感触は今も手に残っている。


モナーはしばらく前に家族や親類がいなくなり、一人のはずだ。
特に親しい友人というも、聞いたことがない。


しかしここは腐っても法治国家である。
警察も首相の脱税は見過ごしても、殺人事件は見過ごすわけにはいかないのだろう。

早速、次の日のニュースで殺人事件が報道されていた。



('A`)「逃亡生活か……」

588:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:13:56 発信元:219.125.145.43
漫画であれば、何も気にせずに色々行動したりしている。

しかし漫画のように甘くないのが人生だ。
何をするにしても、人目を過剰に気にしなければならなかった。


(;'A`)「ここは大丈夫かな?」

(;'A`)「もっと遠くに買い物に行った方がいいかな?」


それはいつしか誰かに監視されている気分を生み出した。


(;'A`)「だ、誰かに見られてるよね……」

590:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:16:01 発信元:219.125.145.52 [sage]
もともと俺は精神が強くない。
その上逃亡生活ともなれば、精神に異常をきたすのは当然だった。

俺は事件から三日後に近所の精神科の病院へと向かった。


(-@∀@)「鬱田さん、鬱田ドクオさん」

('A`)「はい」

(-@∀@)「本日はどうしました?」

('A`)「実は……いつも誰かに見られてる気がして、落ち着かないんです」

(-@∀@)「そう感じる原因は何か思い当たりますか?」

('A`)「……」

(-@∀@)「?」

592:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:19:10 発信元:219.125.145.86
これは困った。

確かに医者が患者のことを詳しく知ろうとするのはわかる。


しかし、今ここで話してしまったならば、明日にでも警察に連れていかれるだろう。
それは避けたい。

かといって、このままでは気がおかしくなるのも時間の問題だった。


びくびくしながら一生、生活するか。
しばらく我慢をして、解放されるか。


俺は一瞬躊躇したが、正直に話すことにした。

593:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:22:17 発信元:219.125.145.47
('A`)「実は俺、人を殺してしまったんです」

(-@∀@)「ほぅ」

(;A;)「つい勢いで……でも、俺は人を……」

(-@∀@)「では、自首をなさったらいかがですか?」

(;A;)「いやですよ、ブタ箱は……」

(-@∀@)「……わかりました」

(;A;)「……? 警察に……連絡しないんですか?」

(-@∀@)「医者は患者のプライバシーを守る義務があります」

(;A;)「先生ぇ……!」

(;@∀@)「ちょっと鼻水が汚いです……」

594:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:24:38 発信元:219.125.145.58 [sage]
(-@∀@)「しかし流石に犯罪が絡むと、私には対処しきれないので、ここへ」

('A`)「ここは?」

(-@∀@)「ここは今のあなたには最適な場所ですよ」

('A`)「?」

(-@∀@)「一週間後にその場所を訪れて下さい」


医者の言葉が気にかかったが、一週間後に俺は指定された場所へと向かった。

597:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:28:15 発信元:219.125.145.57
その店は大通りから一本離れた道に面した、いわゆる穴場のようだった。

意を決して店のドアを開けた。


カランカラーン


(´・ω・`)「やあ。ようこそ、バーボンハウスへ」


('A`)「あの……」

(´・ω・`)「このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。」


ここでドクオは医者から聞いた合い言葉を発した。


('A`)「そのテキーラは黒の組織の一員だ!」


すると男がピクリ、と反応して声をかけてきた。


(´・ω・`)「ようこそ鬱田さん、お待ちしておりました」

598:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 21:32:39 発信元:219.125.145.48
('A`)「えっと……」

(´・ω・`)「事情は聞いているので大丈夫ですよ」

('A`)「ここはどういう?」

(´・ω・`)「ここは特定の人物に隠れ家を用意しています」

('A`)「隠れ家、ですか」

(´・ω・`)「はい。各地に散らばる仲間から情報をもらっているんですよ」


助かった。
何をしてくれるのか気になっていたが、まさか隠れ家を用意してくれるとは。

しかし、その申し出を受ける為、俺には一つ確認しておかねばならないことがあった。

605:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:09:25 発信元:219.125.145.88 [sarutue-]
('A`)「あの、俺……お金はほとんど持ってないんですが……」

(´・ω・`)「お金については大丈夫です。無償でなんとかします」

(*'A`)「本当ですか!」

(´・ω・`)「しかし色々と規則があるのです」


助けてくれるならば、規則なんて関係ない。

俺は男に隠すことなく、事件の全てを語った。



時折、男が警察と繋がっているんじゃないか、と不安にもなったが


(´・ω・`)


男の顔を見ていると、不思議と安心させられた。

607:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:13:13 発信元:219.125.145.53
(´・ω・`)「実は私、社会心理学を専門に研究をしているんですよ」

('A`)「……どういうことですか?」

(´・ω・`)「つまり、あなたが起こした事件を、世の中の人間が完全に忘れる時間が計算できるんです」

('A`)「なるほど、その期間だけ隠れればいいんですね?」

(´・ω・`)「そうです。今回のケースだと……恐らく七年程は隠れていないと」

('A`)「な、七年ですか」

(´・ω・`)「殺人ですからね。かなり人々の記憶に残るでしょう」

('A`)「けど、人なんてすぐに忘れると思うんですが……」

(´・ω・`)「人が忘れても、警察の捜査は続くんですよ」

('A`)「そうなんですか……」

609:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:16:26 発信元:219.125.145.86
('A`)「しかし七年は……」

(´・ω・`)「別に私はいいんですよ? 自首なさろうと、一人で逃亡しようと」

('A`)「そ、それは……」

(´・ω・`)「ご安心下さい。衣食住はちゃんと提供します」

('A`)「本当なんですね?」

(´・ω・`)「もちろん、無償ですから多少の仕事や外出制限はあります」

(´・ω・`)「ですが、刑務所よりは格段に良いと思いますよ」

('A`)「そう、そうですね」

611:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:22:29 発信元:219.125.145.55
(´・ω・`)っ□「このメモをどうぞ」

('A`)っ□「これは?」

(´・ω・`)「明日、これに書かれた荷物だけを持ってここにいらして下さい」

(´・ω・`)「そしたら隠れ家へ案内しましょう」

('A`)「あの……」


ここで俺は気になっていたことを聞いてみた。


('A`)「聞いていいのかわかりませんが……どうしてこんなことを?」


その男は少し考えてから、口を開いた。


(´・ω・`)「私も昔ね、犯罪を犯したんですよ」

('A`)「そうなんですか?」

(´・ω・`)「その時にね、もし隠れ家があったら……と思いましてね」

('A`)「その……ありがとうございます」

(´・ω・`)「いえいえ。こちらとしても隠れ家を提供する人を選り好みしてますから」

613:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:27:39 発信元:219.125.145.55
次の日から私は隠れ家へと移住することになった。

そこは高い壁に囲まれた場所だった。
壁の外に出てはいけないと言われたが、捕まる危険を侵してまで外には出たくなかった。
そして外から不審者も入ってこない分、安心も出来た。



この施設にはかなりの人数がいたが、入れ替わりも激しいようだった。


仕事もきつかったが、規則正しい生活のおかげもあり、それなりに充実した日々を過ごせた。





やがて、七年の歳月が経った。

615:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:31:34 発信元:219.125.145.88
(´・ω・`)「鬱田さん」

('A`)「はい、次の仕事ですか?」

(´・ω・`)「いえ、もう大丈夫ですよ」

('A`)「え?」

(´・ω・`)「もう世間の人間に、あの事件の記憶はありません」

('A`)「ほ、本当ですか?」

(´・ω・`)「はい、警察の捜査も打ち切られています」

('A`)「本当に……ありがとうございます」

(´・ω・`)「それよりもうここに戻ってこないでくださいよ」

('A`)「ええ、例え安全であっても、流石に七年は長かったですからね」

617:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:35:46 発信元:219.125.145.88
それから俺は町の中を歩き回ったが、誰からも注目はされなかった。

勇気を出して警察署の前も通ったが、何も反応されなかった。



七年の歳月は事件の記憶と共に、俺の中の不安も取り除いてくれたのだ。


('A`)「よし、俺も人の為になる仕事をしよう」



俺は、そう心に決めた。

619:('A`)と秘密の隠れ家のようです :2010/02/17(水) 22:39:01 発信元:219.125.145.54
(´・ω・`)「ふぅ……」


男は誰もいない部屋でため息をついた。


(´・ω・`)「今日もこれを送らないとな」


男は『警察署宛て』の封筒の中にいくつかの便箋を入れた。

その内の一枚にはこう書かれていた。



『鬱田ドクオ モナー殺人事件犯人
       七年間服役、本日釈放』



('A`)と秘密の隠れ家のようです

END
  1. 2010/02/18(木) 00:10:27|
  2. 総合作品まとめ
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( ・∀・)は野菜嫌いのようです

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 17:47:55.27 ID:BvlIXVcC0
( ・∀・)「…お腹空いたな」

( ・∀・)「ボールが壁をすり抜ける確率の検証するのも飽きたし、ご飯食べるか…」


( ・∀・)「母さん、なんか食うものない…って、あれ」

( ・∀・)「なんだこの書置き」
 つ□と


       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /
       / 暇だからバンクーバー/
     /   行ってきます     /
     / 飯は適当に食え    /
    /   ____     /
   /             /
 /         父母 /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(;・∀・)「急に!?父さんも!?嘘だろ!!」
 つ□と

2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 17:50:33.30 ID:BvlIXVcC0
(;・∀・)「息子に一言も言わないで海外行くか普通…」

( ・∀・)「…はぁ。まぁいいや。なんか食べ物探すか」

( ・∀・)「冷蔵庫はーっと」

ガチャ

( ・∀・)

( ・∀・)「野菜室しか埋まってない…だと…」

( ・∀・)

( ・∀・)「野菜…嫌いなんだけどな…」

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 17:53:00.34 ID:BvlIXVcC0



( ・∀・)は野菜嫌いのようです


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 17:57:10.79 ID:BvlIXVcC0
( ・∀・)「…一応整理すると…」

( ・∀・)「にんじんきゅうりたまねぎキャベツが各一つずつに…」

( ・∀・)「…ピーマンが…七十五個…」

( ・∀・)「いや…おかしいだろ…このピーマンの山はおかしいだろ…」

( ・∀・)「三人家族にピーマン七十五個って…一人頭二十三個って…」

( ・∀・)「ただでさえ野菜苦手なのにピーマン七十五個って…」

( ・∀・)

( ・∀・)「マジでどうすんだよ…」

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:00:15.63 ID:BvlIXVcC0
「何かお困りかな少年」

( ・∀・)「いやそれが…ってえ?何?誰?」

       £
   /⌒/⌒'⌒丶
   | ::|  ::::i  |
   | i::i  :::  i
   `i::::i 川 ゚ -゚)  「こっちだ」
    i::i (ノ:::: iつ
    ゙:ゝ____ノノ
       U"U

( ・∀・)

川 ゚ -゚)

( ・∀・)

川 ゚ -゚)「よっ」

(;・∀・)「うおおおおお!!ピーマンが喋ってる!!日本語喋ってる!!日本語を!!中国産なのに!!」

川 ゚ -゚)「言語どうでもいいだろ」

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:03:48.36 ID:BvlIXVcC0
(;・∀・)「え、てか、え!?ピーマンだよね!?」

川 ゚ -゚)「うむ。チンジャオでおなじみピーマンだ。名はクーという」

(;・∀・)「名前あんの!?ピーマンとは別にあんの!?」

川 ゚ -゚)「当たり前だ。ちなみにあっちにいるのがスージーで」

( ・∀・)「…これ、スージーなんだ…」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「他は全部秀雄だ」

(;・∀・)「今めんどくさくなったろ!!名前付けるのめんどくさくなったろ!!」

川 ゚ -゚)「なってねーし、そこのが秀雄Ⅰで向こうのが秀雄Ⅱだし」

(;・∀・)「やっぱめんどくさくなってんだろ!!」

9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:07:35.20 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「まぁスージーでも秀春でもどうでもいいんだよ」

(;・∀・)「早速間違えた!!」

川 ゚ -゚)「問題は今お前が何か困ってるっぽく見えるということだ」

( ・∀・)「え、ああ…まぁ確かに困ってるけど…」

川 ゚ -゚)「言ってみろ。ピーマンの女帝たるこのクー様がたちどころに解決できそうな気がする」

(;・∀・)「微妙に自信ないのかよ!」

( ・∀・)「えと…なんていうか、あと何週間かこのピーマンの山で食いつながなきゃいけないんだけど…」

川 ゚ -゚)「ふむふむ」

( ・∀・)「僕、野菜嫌いなんだよね…特にピーマンとか…」

川 ゚ -゚)「ほうほうなるほなるほどファック!!!」

(;・∀・)「急に!?」

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:11:00.08 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「当たり前だこの変態が!!!」

(;・∀・)「なんで変態!?」

川 ゚ -゚)「万物の長たるピーマンの良さを知らずに生きているとか変態以外の何物でもねーよ」

川 ゚ -゚)「むしろ変態の風上にも置けねーよ、一周してまともだよ」

(;・∀・)「じゃあいいじゃん!!変態言わなくてよかったじゃん!!」

川 ゚ -゚)「ともかくピーマンに対してピーマン嫌いって言うとかマジふざけんなっていう」

( ・∀・)「う…まぁ、それは確かに…」

川 ゚ -゚)「ゴキブリに対してゴキブリ嫌いって言ってるのと同じだからね」

(;・∀・)「同じだけどゴキブリと同列でいいの!?」

12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:13:52.85 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「まぁともかくイラッと来たからお前にピーマンの良さをレクチャーしてやろう」

( ・∀・)「うえぇ…マジっすか…」

川 ゚ -゚)「みっちり教え込んでやるとも」

川 ゚ -゚)9m「お前のその空っぽなピーマン頭にな!!!」

( ・∀・)

川 ゚ -゚)9m

( ・∀・)「言ってて空しくない?」

川 ゚ -゚)9m

川 ゚ -゚)「すごく…空しいです…」

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:18:14.58 ID:BvlIXVcC0
【レクチャー1・栄養成分】

川 ゚ -゚)「まずはピーマンの栄養分からな」

( ・∀・)「はぁ」

川 ゚ -゚)「具体的には、だ…何々…カロチンとビタミンCと鉄とカリウムと…」

(;・∀・)「読むなよ!!お前が入ってたトレーの栄養成分表示を読むなよ!!」

川 ゚ -゚)「たべ…もの…せんい…?」

(;・∀・)「しょくもつせんいだろ!!読めねぇの!?」

川 ゚ -゚)「だって頭空っぽだし…」

(;・∀・)「だから自分で言うなよ!!」

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:20:55.65 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「とにかくそんな感じで色々入ってるわけだ」

( ・∀・)「まぁ健康にいいのはわかるけど」

川 ゚ -゚)

( ・∀・)

川 ゚ -゚)「以上」

(;・∀・)「終わり!?もっと効能とかどれぐらい入ってるとかないの!?」

川 ゚ -゚)「そんなもん野菜が知るかよ…」

(;・∀・)「急に野菜ぶった!!」

川 ゚ -゚)「お前ら突然もぎり取られる野菜の気持ち考えたことあるのかよ…」

(;・∀・)「悲しい話っぽくしてもなんとも思わないよ!!」

18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:25:04.39 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「いいか?もぎり取られるってことは野菜にとって死を意味するんだぞ?」

川 ゚ -゚)「お前はピーマンが嫌いとかなんとか言ってるがな、ここにいる七十四個の秀三郎の亡骸に申し訳ないと思わないのか?」

(;・∀・)「だから思わないよ!!また名前変わってるし!!ってかスージーは!?」

川 ゚ -゚)「私だってそうだ…もぎり殺されて運ばれて、いざ出てきたら嫌いとかなんとかかんとか…」

( ・∀・)「…っていうか君完全に生きてるよね…もぎられてるけど…」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「Oh…」

(;・∀・)「なんだその米国人みたいな驚き方!!腹立つな!!」

21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:29:29.02 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「っつーか生きてるとか死んでるとかいいんだよ、栄養の話してんだよ」

川 ゚ -゚)「真面目に聞けよなピーマンヘッド」

(;・∀・)「お前に言われたくないよ!!あとその悪口ブーメランだって!!」

川 ゚ -゚)「まずカロチン。栄養素の王道だよな」

( ・∀・)「栄養素に王道とかあんの?」

川 ゚ -゚)「なんと老化防止に効果がある。風邪の予防にも効果的だ」

( ・∀・)「へー」

川 ゚ -゚)「まぁお前のようなバカは?風邪引かないだろうから?すげぇどうでもいいだろうけど?」

(;・∀・)「言い方ムカつくな!!せめて普通に言えよ!!」

26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:33:58.25 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「あとガン予防にも効果があるとかないとか」

( ・∀・)「あ、それはすごいな」

川 ゚ -゚)「他にもハゲやデブやワキガにも効くとか」

(;・∀・)「それは嘘だろ!!」

川 ゚ -゚)「ここで体験者の声です」
 つ□と

(;・∀・)「その葉書どこから出したの!?」

川 ゚ -゚)「ピーマンのおかげで彼女ができました!年収も上がって人生緑色です、ピーマンだけに(笑)」
 つ□と

(;・∀・)「どこのインチキパワーストーンだよ!!人生緑色って嬉しくないから!!」

川 ゚ -゚)「※効果には個人差があります。無職の短小野郎には一生彼女はできません」
 つ□と

(;・∀・)「特定の人を抉るなよ!!」

31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:37:37.42 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「はい次ビタミンC。これは白内障予防にいいらしい。さらに鉄の吸収を促進してくれる」

( ・∀・)「鉄ねぇ…」

川 ゚ -゚)「つまりビタミンCはガテン系だ」

(;・∀・)「鉄って建築現場的な意味なの!?」

川 ゚ -゚)「一般的に熱に弱いが、ピーマンはしっかりした体つきなので加熱してもビタミンスィーが失われにくいぞ」

(;・∀・)「今発音変になったよ!?」

川 ゚ -゚)「しっかりした体つき…つまりガテン系だ」

(;・∀・)「ガテン系はどうでもいいよ!!」

32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:41:13.60 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「ビタミンスィーが失われにくいのにはビタミンプィーの影響もあるらしいな」

(;・∀・)「スィーとかプィーとかなんなんだよ!!」

川 ゚ -゚)「そしてプィーマンのすごいのはそのビタミンスィーの量だ」

(;・∀・)「プィーマンになっちゃったよ!!」

川 ゚ -゚)「なんとでかいものではレモン一個分ものビタミンスィーが含まれている」

( ・∀・)「そんなに?すごいな」

川 ゚ -゚)「おいスィーにツッコミ入れろよ恥ずかしいな」

(;・∀・)「恥ずかしかったのかよ!!じゃあ止めろよ!!」

川 ゚ -゚)「いやなんか律儀に反応するから欲しがってるのかと思って」

(;・∀・)「欲しがってねぇよ!!どんな欲張り方だよ!!」



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:44:51.91 ID:5+QjhdgN0
>>4
( ・∀・)「三人家族にピーマン七十五個って…一人頭二十三個って…」

25じゃry



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:45:57.99 ID:BvlIXVcC0
川 ゚ -゚)「まぁ主な栄養はそんな感じだよ、あとはググれ」

(;・∀・)「投げた!!」

川 ゚ -゚)「だってさぁ栄養素結構色々入ってんだもんよ」

(;・∀・)「自分の体のことだろ!!それぐらい把握しろよ!!」

川 ゚ -゚)「じゃあお前人体の栄養素知ってんのかよ!!!」

(;・∀・)「何その逆ギレ!?」

川 ゚ -゚)「捕食者の立場に回ったからって調子こいてんじゃねぇぞヒューマン共が!!!ピーマンみたいな名前しやがって!!!」

(;・∀・)「多分それ逆じゃないかな!?」

川 ゚ -゚)「私なんか五回に一回は間違えんだぞ!!!」

(;・∀・)「間違えすぎだろ!!本当に頭空っぽか!!」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/16(火) 18:46:19.32 ID:HXAlULzR0
>>33
頭空っぽだから仕方無いんだろ・・・ 続きを読む
  1. 2010/02/16(火) 22:28:14|
  2. 短編まとめ
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( ^ω^)鐘の音が響くようです

506:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 05:31:06 発信元:210.153.84.8
ガラン、ゴロン
ガラン、ゴロン

鐘の音が響いた

(;^ω^) お……

ごくり、と唾を飲み込んだ
この鐘が鳴った時、それは攻撃の合図だからだ

('A`) 時間だ、ブーン 行くぞ

友人が青白い顔で立ち上がった

(;^ω^) うんお

508:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 05:33:38 発信元:210.153.86.114
軍服に身を包んだ大勢の若者が、飛行機に乗り込む

( ´∀`) 第一陣は、04隊に任せましょう

( ´∀`) 05隊は、その直後に

( ´∀`) 他の隊は、適宜指示します

たくさんの勲章で飾りつけられた、垂れ目の将校が言った

('A`) 俺が先か

まあ、しょうがねえよな
言い聞かせるようにぼやく友人

('A`) さっきにいって待ってる

('A`) 出来れば、来て欲しくないがな

そう言って、彼は先に飛び立った

(;^ω^) おー

操縦席で思い出すのは
故郷のこと、家族のこと
そして、恋人のこと

509:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 05:35:27 発信元:210.136.161.109
照れ屋で、素直じゃない彼女
でも、あの日は珍しく人前で泣いてたっけ

ξ;⊿;)ξ 帰ってこれるわよね? ね?

( ^ω^) お! 僕は整備班だから、直接戦場に出る訳じゃないお!

だから、大丈夫だお って言ったら

ξ;⊿;)ξ よかった……でも、帰って来てね、必ず

なんて、もっと泣き出す可愛い娘
本当に、本当に可愛い娘

でも、ごめんね
僕は君に嘘をついた
僕は、整備班じゃない 特攻隊なんだ

言える訳がない
言える訳がないだろう
自分だって、信じられないんだ
僕だって、怖いんだ

511:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 05:37:37 発信元:210.153.86.1
「05隊、発進して下さい」

(;^ω^) お……

冷静な知らない誰かの声で我に返った

(;^ω^) いかないと

国のために
家族のために
愛する彼女のために

(;^ω^) いきますお

燃料を詰め込んだ機体が、ぶるると走り出す

「回線周波を75に固定 その後、このまま北へ直進してください」

(;^ω^) 了解

二、三分経たないうちに、回線に雑音が走った

……ガガ………万歳……!

……畜生……ザザ…!……

(;^ω^) ……

もう覚悟を決めるしかない
逃げられる訳は無いんだ

513:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 05:39:09 発信元:210.153.86.105
死に……ねえ……ガガ…

僅かに聞き取れた声
紛れも無い、友人のもの

(;^ω^) くそっ……

「敵艦に発見されました これからは各自で攻撃を続けて下さい
 一隻でも多くの船を沈められる事を祈ります」

ぶつり、と通信が途絶えた


( ;ω;) 畜生! 畜生!

死にたくない死にたくない死にたくない!
家族に、彼女に会いたい!
まだ、生きていたい!

( ;ω;) 畜生! 畜生ぉ!!

515:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 05:41:03 発信元:210.153.86.4
海上からの射撃を急激な降下で、回避しようと試みる

( ;ω;) があぁぁぁ!!!

だが、そんなに上手くいくはずもなく被弾し
下半身の感覚が消失した

( ;ω;) ツン! ツン! ツン!


無我夢中で彼女の名を
最後の一時まで彼女といたいから

( ;ω;) うおぉぉぉぉ!!!

雄叫びを挙げ、一番近くの戦艦に突っ込む

( ;ω;) あぁぁぁぁぁ!!

後、何十メートルも無い

( ;ω;) ツン、愛してるおぉぉぉぉ!!!!

517:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/16(火) 05:42:31 発信元:210.153.86.10
ξ゚⊿゚)ξ ブーン、遅いなあ

膨らんだ腹をさすり、ぽつりと
女性がつぶやいた

ξ*゚⊿゚)ξ ふふっ、きっとあなたが生まれてくる頃には、帰ってくるわよね

ξ*゚⊿゚)ξ あ、お腹蹴った!

ξ*゚⊿゚)ξ ブーン、まだかなあ


終り
  1. 2010/02/16(火) 22:19:25|
  2. 総合作品まとめ
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川 ゚ -゚)たった一億のようです

426:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:31:21 発信元:210.153.84.179 [sage]
川 ゚ -゚)「ふぅ」

高層マンションの一室。

明かりの点いていない自室に入り、彼女、素直クールはまず溜息を吐いた。

普段と変わらない、何より落ち着く自分だけの空間。
深い夜の静寂が支配する、闇に沈んだ空間。

他の以外の誰もいないはずのそこに、クールは『語りかけた』


川 ゚ -゚)「……いい夜だ。君もそう思わないか?」

「!」

闇が震えた。

川 ゚ -゚)「出てこい、ドクオ。そこに居るんだろ?」

気配が形を作る。

闇の中に、かつてのクールの同僚が姿を浮かべた。

小柄かつ痩せすぎで今にも病に倒れそうな彼と、髪の長い細身の美しい彼女。

何も知らない人は、対峙する2人が共に殺人術の達人だとは想像だに出来ないだろう。


川 ゚ -゚)たった一億のようです

427:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:33:30 発信元:210.136.161.238 [sage]
('A`)「俺が何をしに来たかは分かるな?」

川 ゚ -゚)「私を殺しに、だろう。無理をするなよ、こそ泥君」

('A`)「……へぇ、余裕じゃねーか。お前は今からオレに殺されるのに、よぉ!」

川; -)「がはッ」


言葉が終わるより早く、ドクオは一瞬でクールとの距離を詰めた。

小柄な体躯から繰り出される素早く力強い体術は、
同業者から最強と呼ばれたクールにも容易に受けきれるものではない。

深く沈んだ姿勢からのドクオの槍のような蹴りを、
クールは鳩尾に突き刺さる寸前で受け、
その衝撃で壁に叩きつけられた。

クールは、決して油断していた訳ではない。単にドクオが速かったのだ。

ほんの一瞬でも対処が遅れていたならば、
彼女は内臓を潰されて絶命していただろう。

黒みがかった血反吐を吐き、クールは内心で舌打ちした。
これだけの痛手を受けて『戦利品』が『これ』1つなど、とても割に合わない。

428:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:35:40 発信元:210.136.161.244 [sage]
('A`)「あぁ? お前なんでまだ生きてるんだよ……面倒くせーなぁ」


川; -)「げほッ、げほッ! ……予想したより、っ、速いな、」


蹴りを受けた左手にぶら下げた安全靴を無造作にドクオの足元に投げた。

それが数秒前まで穿いていた物だと気付いたドクオの顔から、余裕が消える。


(;'A`)「ああ? てめえ、いつの間に……」

川;゚ -゚)「人の家に、上がる時は、靴くらいは、脱ぐ、ものだ……」

( 'A`)「流石は最強の素直クール様、って事か。仕方ねぇ……」


ドクオは、大振りなナイフを抜いた。

彼がナイフに関しては天才的な実力を持つことを、クールは知っていた。

彼がナイフファイトで敗れたところなど、
訓練生時代から一度として見たことがない。

429:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:37:26 発信元:210.153.84.181 [sage]
( 'A`)「ちょっと痛いかも知れねぇけど、我慢しろよ」

川;゚ -゚)「くッ!」


ドクオの体術とナイフの巧みな組み合わせに、クールは圧倒された。

回転をベースとした彼の変則的な動きは
クールの予測を尽く掻き乱し、反撃を許さない。

もしもクールの着ているタートルネックが防刃・絶縁その他の機能に優れた
特注品でなければ、彼女は既にドクオに3回は殺されているだろう。

('A`)「ッと!」

片方の靴を失ったままのドクオが、不意にバランスを崩した。

僅か一秒にも満たない、逆転には十分すぎる隙。

生まれた一瞬の隙を突いて、クールは懐に隠し持った武器を押し当てた。


川;゚ -゚)「喰らえッ」


超高圧の電流が流れ、それをもろに食らったドクオは崩れ落ちる

……はずだった。

430:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:39:35 発信元:210.153.84.175 [sage]
('A`)「スタンガン? 無駄だよ!」

川; -)「な……?」


零距離から放たれた強烈な膝蹴りがクールの無防備な腹に突き刺さった。

クールの足から力が抜け、持っていた必殺の武器も取り落とす。

ドクオは崩れ落ちる彼女の髪を掴み強引に引き摺り上げ、続けた。

('A`)「絶縁スーツだ。お前のしそうな事にはすでに対策してある」


ドクオはクールの首元にナイフを押し当て、低く恫喝した。


('A`)「大人しくしろよ。そうしたら、なるべく楽に殺して……!」ペチャッ

川;゚ ー゚)「ふん……」


ドクオが全て言い終わるよりも早く、クールはその顔に唾を吐きかけた。


川;゚ -゚)「断る。私はまだ貴様ごときに殺されるほど、落ちぶれていない」

431:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:42:05 発信元:210.153.84.163 [sage]
('A`)「……俺はよぉ。俺の思い通りにならねぇ女は大嫌いなんだよ……」


川;゚ー゚)「相変わらずの見下げ果てたクズ野郎で安心したよ。
     どうせ今年もバレンタインデーとも絶縁状態だろう?」


(#'A`)「貴様……!」


川;-ー-)「図星のようだな。忠告してやるが、お前の顔は
     しかめない方がいい。不快さが増す」


(#'A`)「ああ分かったよ。聖ヴァレンティヌスよろしく、頭を砕いて殺してやる」

ドクオが力任せに振るう拳を、クールはただ受ける事しかできなかった。

1回、2回、3回……

気絶できない程度の力で何度も何度も繰り返し殴られ、
ようやく解放された彼女は、よろめきながら壁に背をついた。

432:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:44:42 発信元:210.153.84.233 [sage]
川;゚ -メ)「……まともに抵抗出来ない女を殴るのは……楽しいか……?」


('A`)「良く回る口だな。どうせなら惨めに命乞いでもしてみせろよ」

川;-ーメ)「悪いが、クズに下げる頭は、持っていないんだ」

('A`)「ふーん。別に俺はお前の生き方には口出ししねぇけど、なァ!」

川; -)「ぐッ、げほッ……うぐ……」


利き足での容赦の無い蹴り。
クールは壁際の棚に体を預け、かろうじて倒れるのを防いだ。


('A`)「もっと賢い生き方だってできたんじゃねーのか?
    なんで俺が送り込まれたのか位は分かるよな?」

川;゚ -メ)「……どうせ、荒巻にでも、雇われたんだろう?」

過去の自分の雇い主の顔が否応なしに浮かんだ。

自らに都合の悪い事は手を尽くして完全に闇に葬る、冷酷で不快な男だ。

暗殺を重ねた証拠を道具もろとも消す位は、躊躇わない。

433:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:46:47 発信元:210.153.84.82 [sage]
('A`)「厳密には違うが、まぁその辺りだ」


川;゚ -メ)「だったら、その秘書のモララーかな」


('A`)「ちっ、その通りだ。余程あんたを殺したかったらしいぜ」


彼等らしい。クールはそれだけ思った。
栄達と保身以外は、連中の頭の中に無い。


川;- _メ)「ずいぶん話してくれるな。良いのか?」


('A`)「お前だって、理由も知らずに殺されたく無いだろ?
    お前は別に気にするなよ。これは俺の主義だ」


川;-ーメ)「成る程。プロらしくない。ついでに教えて欲しいんだが……」


ずっと知りたかった事を聞く機会を得た。
それなのに問う少し声が震える。

クールは、雇われて人を殺してきた頃から抱えていた問いを口にした。

436:川 ゚ -゚)たった一億のようです :2010/02/14(日) 23:50:03 発信元:210.153.84.242 [sage]
川;-ーメ)「私の命は一体いくらなんだ?」


('A`)「……一億だ。他に前金と実行費で二千万貰ってる」


その金額は、決して安くはない。
むしろ、かつて自分が手にかけた者よりも、はるかに高い。
クールは、はじめて罪の意識を感じた。

他人の命を奪って金にしたこの外道の命は、
奪ったどの他人の命より金になるのだ。

たった今目の前にいる殺人鬼も、
同じ感覚に捕らわれているのだろう。

クールはそこで思考を打ちきった。

今考えるべきは、そうじゃない。
今は……

437:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/15(月) 00:00:06 発信元:210.153.84.173 [sage]
川;゚ーメ)「そうか。たった一億、か!」

呼吸を整える時間は十分に稼げた。
生き残る為に、ドクオに勝つ為に、何をすればいいのか。

答えは既に見つけてある。

クールは勢いよく爪先を蹴り上げ、ドクオの顎を打ち抜いた。
間髪入れずに、凭れていた棚を引き倒す。


('A`)「がッ!? てめ……、!!」

なんとか棚を避けたドクオの視界いっぱいに、黒い布が広がった。

周囲が明るければ、その程度は一瞬の目隠しにすらならない。
だが、光源の無い真っ暗な現状では、いかに夜目に優れた
自分たちと言えども、対処するのは難しい。

素直クールを相手にするなら、ほんの僅かな隙でも命取りだ。


ドクオは後ろに飛び退いて、クールの着ていた黒いコートを避けた。

視界を遮る布が落ちた時、ドクオの前にクールは居なかった。


('A`)「く……逃がすかよ!」

439:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/15(月) 00:06:23 発信元:210.153.84.69 [sage]
ドクオは、物音を頼りに闇の中を追った。
玄関とは反対の方向から、足音が聞こえる。
どうやら、外に逃げるつもりのではないらしい。

ドクオの耳に、ドアを閉じるくぐもった音と、
鍵を掛ける軽い金属質な音が聞こえてきた。

('A`)「まさか……風呂場だと!?」

自分から逃げ場を無くすなど、馬鹿げている。
鍵があれば安心だとでも思ったのか? そんなもの、何の役にも立たない!

ドクオは、風呂の扉のすりガラスをナイフでぶち破った。


(#'A`)「おい、てめぇ一体どういうつもりだ!?」

川;゚ -メ)「どういうって、一応私も女の子だからな」

風呂に押し入ったドクオは、全身に凄まじい熱を受けた。

(; A)「ぐあぁああぁああッ!?」

川;゚ーメ)「キレイ好きなんだよ」

視界の外れから、スタンロッドを構えたクールが襲い掛かってくる。

彼女が洗面器いっぱいの熱湯をぶちまけたと気付いたのは、その直前だった。

441:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/15(月) 00:11:06 発信元:210.153.84.76 [sage]
(;'A`)「くっ……そがぁッ!」

川;゚ -メ)「ぐっ!?」


飛び掛かるクールの喉と左手は、ドクオに掴まれた。
ダメージの抜けていないクールでは、ドクオの腕力には敵わない。しかし、


川;゚ -メ)「……どうした? そのまま私の首の骨をへし折れば、
     お前の望み通り、私は死ぬぞ?」

(;'A`)「……そんなに死にてぇのかよ?」


ドクオは、躊躇ってしまった。掴んでいた勝利を再び取り落とした。


川;゚ -メ)「断じて御免だね。それにしても、つくづくお前はプロらしくないな」

( 'A`)「……?」

川;゚ーメ)「お前の敗因はそれだけだ」


クールは、右手に隠し持ったもう一本のスタンガンを
素早くドクオの脇腹に押し付け、スイッチを入れた。

水浸しの絶縁スーツの表面を、剥き出しの顔や手を、右足を、高圧の電流が走る。

444:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/15(月) 00:15:32 発信元:210.153.84.170 [sage]
(;゚A゚)「あが……」

川 ゚ -メ)「まだ気絶するなよッ」


直接首に押し当てて、もう一度。


(; A)「がかか……」

川;゚ーメ)「こんなに可愛い女の子をボコボコやってくれた罰……その身に受けろ!」


クールは、全力で右ストレートを振り抜いた。
固めた拳は、ドクオの顔面に吸い込まれるように叩き込まれ、
彼の脳髄に衝撃を余すところなく伝える。

川 ゚ -メ)「鉄拳制裁ッ(フィアーズ・ノックダウンッ)!!」

゚(A(#)「べぶらッ」 続きを読む
  1. 2010/02/15(月) 23:27:22|
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(#゚;;-゚)伝わらない『大好き』を伝えたいようです

352:(◆u85LrHmG.kFA :2010/02/14(日) 21:26:59 発信元:124.146.174.42
女の子の一大イベント、バレンタインデー



好きな人のために頑張って手作りチョコを作りましょう



少々形が悪くても、少々味が悪くても、
気持ちがこもっていれば大丈夫!



大丈夫……ですよね?









(#゚;;-゚)伝わらない『大好き』を伝えたいようです

353:どうやら名前欄にでぃはいれられないようだ :2010/02/14(日) 21:29:29 発信元:124.146.174.42
(;#゚;;-゚)「……」



これで7個目


私は一体どれだけのチョコを無駄にすればいいのでしょうか


大好きなあの人のために一生懸命作ったものの、
これではさすがに渡す相手に失礼です


ああ、なんで人間はチョコレートなんてめんどくさい物をプレゼントするようになったのでしょうか



小声で文句をいいながら新しいチョコを細かく刻みはじめます

まな板の上で右手を器用につかって


包丁は危なくて使えません
あれに触るとケガをしちゃいますから

354:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:31:26 発信元:124.146.174.41
細かく刻んだチョコをちょっと底の深い皿に移し、今度は鍋に生クリームを入れて温めます


ああ、熱い熱い

私は火は嫌いです


だって触ると熱いし、妖しくゆらゆらと揺れて怖いじゃないですか

キッ!
(;#`゚;;-゚)「……」



でも、負けません!

そんな小さな障害、愛の力で乗り越えてみせます!


鍋に入れた生クリームをゴムべらでゆっくり掻き混ぜます


両手から何度も何度もゴムべらが滑り落ちそうになるので、集中が必要です


……なんで私は普通の人と違う手の形をしているのでしょうか

355:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:33:18 発信元:124.146.174.42
―――私は普通の人とは違います


でも、そんな私を彼は愛してくれました


( ・∀・)


ボロボロに傷ついて、雨の中ひとりでないていた私を、暖かい家に入れてくれました


( ・∀・)


家族を失った私を、優しく迎え入れてくれました


( ・∀・)


優しい、とても優しい私の大好きな人

357:>>356頼りにしてるぜ :2010/02/14(日) 21:36:03 発信元:124.146.174.41
生クリームを温めている間に今度はお皿にラップを敷きます


このラップというのもなかなか手強い相手で、
すぐに私の手にくっつくし、折りたたまれてラップどうしでくっつくし、
ちょっと気を緩めるとぐちゃぐちゃになる恐ろしい相手です


私は二本の手だけではどうしても上手くいかないので、両足も使うことにしました


今までは何度も失敗しましたが、ようやく慣れたのか、今回は上手くいきました


(;#゚;;-゚)ホッ……


安心してラップを見ると、私の毛がついているではありませんか

私は人より多く毛が抜けるので、気をつけないと大変です


3回目に作ったチョコは私の毛がいっぱい混入していたのでボツとなったくらいです

359:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:39:01 発信元:124.146.174.41
―――私は、普通の人と同じように喋れません


私がどんなに頑張って言葉を紡ごうとしても、それは『言葉』にはなってくれません


(;・∀・)


私が何かを伝えようとすると、彼はちょっと困ったような表情になります


(;-∀-)


私の言いたいことを理解しようとして、一生懸命考えてくれます


( ・∀・)!


例え、私が言いたいことがわかってもらえなくても、
彼が私の言いたいことを理解しようとしてくれるだけで幸せです

361:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:42:00 発信元:124.146.174.41
さて、生クリームがグツグツとなる直前に火を止めます


私は鍋を持ち上げる程の力はないので、お玉を使って生クリームをチョコの入った皿に流し込みます


お玉を上手く掴めない私は、口も使ってお玉を支え、生クリームを掬います


ビクッ
(;#>;;-<)そ


ちょっとした拍子に熱々の鍋に触ってしまい、腕を何箇所か火傷してしまいましたが、

これも愛の力で我慢します


(;#゚;;-゚)「……」


大変でしたが、今回は生クリームをこぼすことなくお皿に移し替えることが出来ました

363:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:44:33 発信元:124.146.174.41
―――私は、普通の人と同じように二本足で立って歩くことが出来ません



だから家ではほとんど動かず、じっとしています


( ・∀・)


どうしても動かなきゃいけない時は、四つの足全てを使って歩きます


(*・∀・)


でも、もっと遠くに行くときは、あの人に抱かれて遠くに行きます


(*-∀・)


遠くと言っても、家の庭かすぐそこの公園なんですけどね

364:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:47:14 発信元:124.146.174.41
生クリームが冷めないうちに、チョコをよく掻き混ぜて溶かします


ここでチョコが溶けきらないとまた温めなくちゃいけないので大変です


さすがに7回目となると慣れたのか、ゴムべらを落とさずにチョコを溶かしきることが出来ました


チョコが溶けたところで、私の大好きなアレを隠し味に入れます


それをしっかり混ぜこんだら、ラップ敷いたお皿の上に流します


(#゚;;ー゚)


うん、いい調子です


今度は成功出来るでしょうか?

365:うん、さるった :2010/02/14(日) 21:51:37 発信元:59.106.88.246
―――私は、普通の人より知らない事がいっぱいあります



昔、一度だけ一人で外に散歩に行ったことがありました


(;・∀・)


普段家から出ない私にとって、外の世界には『ハジメテ』がいっぱいありました


(・∀・;)


それでつい興奮してどんどん歩いていったら、帰り道がわからなくなってしまいました


( ;∀;)


心細くなってないていたら、彼が私を見つけてくれました

彼は泣くほど私の事を心配してくれていたみたいで、

不謹慎ですがとても嬉しかったです

367:とりあえずibis使って :2010/02/14(日) 21:54:10 発信元:59.106.88.246
ラップの上に流したチョコレートをゴムべらを使って均一の厚さにしたら、冷蔵庫の中に入れます


冷蔵庫を開けるのにもちょっと力が必要です


両手を扉の隙間に入れて、全体重を後ろにかけると、やっと扉が開きました


(;#゚;;-゚)



さて、ここが一つの難所です

私は普通の人と比べると段違いに背が低いので、
冷蔵庫の空きスペースにチョコを入れるためにはジャンプが必要です

前回、前々回はジャンプした拍子にチョコを落としてしまいました


今回は落とさないようにしないといけません

チョコの入った皿を口にくわえ、両手でしっかり支えます

371:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:56:32 発信元:59.106.88.246
(;#゚;;-゚)


慎重に……慎重に……


思い切ってジャンプ!


冷蔵庫の空いてるところにお皿を押し込んで着地


すぐさままわりを確認します


幸い、チョコが落ちた跡はありません


(;#-;;o-)=3


安堵のため息が漏れました


ここまでくれば、ほぼ完成したも同然です


あとはチョコが固まるまで待って、
チョコが固まったら切り分けて飾り付けをするだけですから

373:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 21:59:21 発信元:59.106.88.246
冷蔵庫の扉を閉めて、時計を確認します


もう14日の午前3時でした


なんとか朝までには間に合いそうです


私は生まれて始めて料理をしたのですが、それがこんなにも大変なことだとは思いませんでした


ですが、それも私の大好きなあの人のためだと思うと、
この大変なチョコ作りも苦ではありませんでした


彼に救われて、この家にやって来てから5年


この5年間は彼のおかげでとても素晴らしいものとなりました


そしてきっとこれからも彼と一緒に素晴らしい毎日を過ごしていけるのでしょう

374:携帯にもどった :2010/02/14(日) 22:01:36 発信元:124.146.174.35
―――私は、誰かに『大好き』と伝えることが出来ません


私は、普通の人間とはあまりにも掛け離れた姿をしています


両手を上手く使えないし、言葉も話せない
二本足で立って歩くこともできないし、世間の常識を知りません



でも、私は普通の人間と同じような感情を持っています


嬉しいときは喜びます
悲しい時には涙が滲みます
腹が立ったら怒ります
楽しい時ははしゃぎます


誰かを『大好き』になります


たとえそれが相手に伝えることのできない『大好き』だとしても

376:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 22:03:19 発信元:124.146.174.35
私は彼が大好きです


一人ぼっちになった私の家族になってくれた彼が、大好きです


誰からも愛されなくなった私に愛情を注いでくれた彼が大好きです


できることならこの気持ちを彼に伝えたいです


例え彼が私の気持ちに答えてくれなくとも、伝えたいです


伝わらないとわかっていても、どうしても伝えたいのです


だからこのチョコは、私の気持ちを代弁したもの


私の『大好き』がこもったチョコレートなのです

377:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 22:06:02 発信元:124.146.174.35
(#゚;;-゚)


チョコを冷やし始めてから、2時間経ちました


もうチョコも固まっているでしょう


冷蔵庫を開けて、チョコが取れる位置までジャンプします


両手でしっかりお皿を支え、バランスを崩さないように飛び降ります


ちゃんと固まっていたおかげか、チョコは皿から落ちることはありませんでした


さぁ、最後の仕上げです


まず固まったチョコをラップごとまな板に取り出します

379:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 22:08:36 発信元:124.146.174.36
次にチョコを切るのですが、さすがにこれは包丁を使わなければいけません


しかも、包丁を温めて切らないといけないのでまたコンロに火をつける必要があります


(;#゚;;-゚)


ここまで来たらもう火が怖いなんて言ってられません


ツマミを軽く押しながら回すと、「バチチチチ!」という音が響きます

この音も心臓に悪いです


手を離し、同時にその場から大急ぎで離れます

「ボッ!」と大きめの音がしてコンロに火がつきました


やはりこればかりは何度やっても慣れません……

382:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/14(日) 22:11:20 発信元:124.146.174.35
火がついたら両手で包丁をしっかり握り、コンロの上で温めます


ある程度温まったらチョコレートを一口サイズに切り分けます


チョコは私の力でも簡単に切ることが出来ました


これなら怪我をする心配もありませんね


(*#゚;;-゚)


チョコを切り分け終えたらちょっと飾り付けをします


世の女の子はこれにココアパウダーをかけたりするようなので、
私もそれを真似て、私の大好きなあの粉をかけてみました


すごく美味しそうな匂いがしてきます 続きを読む
  1. 2010/02/15(月) 23:07:52|
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( ><)宇宙色のバレンタインのようです

153:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:31:16.49 ID:xJP67quS0


何の痛みもなく得られる物はない。


そんな感じの言葉を、何度も聞かされた覚えがある。
気に入っていた曲の歌詞だったようだが、もとは英語のはずなので、訳は彼なりの意訳のはずだ。
自分が訳すなら、痛みではなく、努力と訳すと思う。

彼がそれを痛みと訳したのは、彼がきっと生きる上でずっと痛みを感じてきたからかもしれない。

彼は優し過ぎる人だったから。

気付けば私は時折、彼が残した言葉を呟いている事がある。
それほど心に残った言葉だとは思えないのにそうしてしまうのは、きっと彼が私の心に深く残っているからだろう。

目を閉じれば思い出す、彼の少しはにかんだようなあの笑顔を。

そう、今もこうやって……

( <-><->)

(;><)「いや、僕生きてますからね?」


 ( ><)宇宙色のバレンタインのようです

154:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:32:53.90 ID:xJP67quS0

( <●><●>)「ああ、おはようございます、ビロード」

( ><)「おはようなんです。てかさっきのは何なんですか?」

( <●><●>)「今日は珍しく早いですね」

(;><)「スルー?」

( <●><●>)「いつも遅刻ギリギリの君が珍しいですね」

(;><)「べ、別に珍しくはないですよ? いつも通り早起きしたから学校に来ただけで……」

( <●><●>)「まあ、今日はいわゆるバレンタインですからね。ビロードがさかる気持ちもわかります」

(;><)「『さかる』じゃなくて『はやる』なんです!」

( <●><●>)「図星ですか」

(;><)「あうあう……」

156:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:34:26.68 ID:xJP67quS0

(;><)「て、ていうかさっきのは何なんですか?」

(;><)「朝っぱらから一人でぶつぶつと気持ち悪いんです」

( <●><●>)「いえ、恐らく今日がビロードの命日になると思いますのでその予行演習を」

(;><)「何か演技でもない事言い出した!」

(;><)「え? 何? 何なんですか、命日って?」

( <●><●>)「読んで字の如く、あなたの人生が終わる日ですよ」

(;><)「いや、だから何でなんですか ?」

( <●><●>)「わかりませんか?」

(;><)「わかんないんです!」

┐( <-><->)┌「やれやれ」

(;><)「その顔、ムカつく以前に怖いんです」

157:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:36:38.45 ID:xJP67quS0

( <●><●>)b「いいですか、ビロード、今日はバレンタインです」

( ><)「知ってるんです」

( <●><●>)b「バレンタインといえば、女性が男性にチョコを贈る日です」

( <●><●>)b「しかしながらそこには、『好意を持った』という前提がつきます」

(;><)「そ、そうですね」

( <●><●>)b「そこを踏まえればこうなります」


①バレンタインに期待するビロード
 ↓
②しかしながらビロード如きに好意を持った女性は地球上の生命体の中には存在しません
 ↓
③失意のビロード
 ↓
④仕方なく、地球外生命体との出会いを求めるビロード
 ↓
⑤ビロード、宇宙へ
 ↓
⑥そして星になるビロード

158:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:39:29.14 ID:xJP67quS0

(;><)「何ですか、この壮大なストーリーは?」

(;><)「ていうか、③と④の間にどんな葛藤があってそんな結論に落ち着いたんですか?」

( <●><●>)「②の段階で気付いたのでしょうね」

(;><)「いやいや、宇宙なんて行かないんです!」

(;><)「大体どうやって宇宙行くんですか?」

( <●><●>)「確かに宇宙へ行ける可能性などないに等しいかもしれません」

( <●><●>)「しかしながらビロードがチョコをもらえる可能性よりは高いはずです」

(;><)「どんだけ僕、チョコもらえる可能性ないんですか?」

( <●><●>)「知りたいですか?」

(;><)「え?」

159:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:42:11.09 ID:xJP67quS0

( <●><●>)「知りたいならばお教えしましょう」

( <●><●>)「これです」

(;><)「何です、このずっしりと重い書類の束は?」

(;><)「なになに……問1 あなたはこの写真の男性をご存知ですか? はい・いいえ」

(;><)「これ、僕の写真じゃないですか!? 何です、これ?」

( <●><●>)b「先日までに集計したビロードinバレンタインアンケートの結果です」

(;><)「人の写真で何勝手な事やってるんですか!?」

( <●><●>)「結果はご覧の通りです」

(;><)「あなたはこの写真の男性にチョコをあげてもいいですか……」


はい                 0人
いいえ               132人
知らないからあげない     1296人
知らないけどあげてみたい   . 0人

160:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:45:44.57 ID:xJP67quS0

(;><)「何か妙にリアルな結果来た!」

( <●><●>)「学校の女生徒や女性教官、近所のおばさんや若奥様、ビロードのお母さん等に答えて頂いた結果です」

(;><)「お母さんすらくれない!?」

( <●><●>)「あげても付け上がるだけなのであげないそうです」

(;><)「冷た! 確かに、もらってあげよう的な態度で受け取ってたんです、お母さんごめんなさい!」

( <●><●>)「とまあ、このような根拠に基づき、先の②のような結論が出るわけですね」

( ><)「……宇宙行くしかねーか」

( <●><●>)「ですねえ……」

( ><)「あ、やっべ、今手持ち三百円しかないけど宇宙行けっかな……」

( ><)「あーでも、今年はちょっと期待してたんだけどな」

161:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:47:57.04 ID:xJP67quS0

( ><)「幼馴染のちんぽっぽいるじゃん? 幼馴染のくせに一度もチョコくれてないけど」

( ><)「あいつに一年以上も前からちょっと優しく振舞ってたんスよね」

( ><)「いや、まあ、去年のバレンタイン目当てでその数日前からやってたんだけど、そのまま一年経過しちゃってさ」

( ><)「一年も優しく振舞ってりゃ、チョコの一つもくれるかなーって淡い期待を抱いてたわけなんスよね」

( ><)「でもまあ、蓋を開けてみりゃこのざまですわ」

( ><)「人生なんて所詮こんなもんスよね」

( ><)「痛みしかなく、何も手に入らない」

( ><)「それが人生」

( ><)「やっぱ宇宙にでも行くしか──」

( <●><●>)「あ、そういえばちんっぽっぽちゃんにアンケート取るの忘れていましたね」

162:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 20:51:26.04 ID:xJP67quS0

(*><)「誰が宇宙なんか行くかボケェェェェ!!!」

(*><)「おいおい、それを先に言ってよ、ワカちゃん?」

(*><)「危うく勘違いしちゃうとこだったじゃん?」

(*><)「全く、ワカちゃんも人が悪いナァ」

( <●><●>)「果てしなくウザいのはワカッテマス」

(*><)「んじゃ、さっさと学校行きますか」

( <●><●>)「そうですね。しかし……」

( <●><●>)「ちんっぽっぽちゃんは果たしてビロードにチョコをくれるでしょうかね」

( ><)「……くれるんじゃね?」

( ><)「多分、いや、恐らく、その、わずかに、万が一……」

( ><)「……くれるといいなァ」

165:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 21:15:09.78 ID:xJP67quS0

┐( <-><->)┌「やれやれ」

( <●><●>)「わかりました。私が行って来ましょう」

( ><)「え?」

( <●><●>)「行ってこのアンケートに答えてもらってきます」

(;><)「いや、アンケート取る必要なくね?」

( <●><●>)「何を仰います。アンケートは回答数が多いほど精度は上がるものですよ?」

(;><)「今、パーセンテージ0ですけどね」

( <●><●>)「万が一、あげるという回答がもらえれば、パーセンテージは0.069%ぐらいまで跳ね上がりますよ」

(;><)「跳ね上がってねーよ」

(;><)「それでも千五百人いてやっと一人なんです」

( <●><●>)「ビロード、人は多くの人に愛されればいいというわけでもないのです」

( <●><●>)「最終的に心から愛せる人間はたった一人なのですから」

( ><)「!」

167:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 21:17:06.46 ID:xJP67quS0

( <●><●>)「たった一人にでも、愛してもらえるならばそれで十分ではないですか」

( ><)「ワカッテマス君……」

( ><)「……僕が間違ってたんです」

( <●><●>)「わかってもらえればそれでいいのですよ」

( <●><●>)「それでは、ちんぽっぽちゃんの所へ行ってアンケートを取って来ますね」

( ><)「よろしく頼むんです」


┗(<●><●> )┓三 スッタカラッタッタ~
   ┏ ┗


タダイマッタッタ 三┏( <●><●>)┛
            ┛ ┓


(;><)「予想以上にAAキモいんです」

169:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 21:19:01.01 ID:xJP67quS0

( <●><●>)■「では─ボリッ─、回答を元に─ボリッ─集計し直した結果をどうぞ─ボリッ─」

(;><)「ちんっぽっぽちゃんの回答だけでよくね?」

(;><)「まあ、いいんです。結果を見るんです」

(;><)「あなたはこの写真の男性にチョコをあげてもいいですか……」


はい                 0人
いいえ               132人
知らないからあげない     1297人
知らないけどあげてみたい   . 0人


(;><)「あのクソアマ! よりによって知らないの方に付けやがった!」

( <●><●>)■「人生そういうこともあるでしょう─ボリッ─」

(;><)「いや、さっきからボリボリ何食ってんですか?」

( <●><●>)■「ああ、これですか? なんでも義理チョコだとかでちんぽっぽちゃんから頂きました」

(;><)「うぉぉぉぉぉいッ!?」

171:( ><)宇宙色のバレンタインのようです :2010/02/14(日) 21:22:45.63 ID:xJP67quS0

(ヽ><)「もういいんです。僕は宇宙に逝きます」

( <●><●>)「まあまあ、落ち着きなさい、ビロード」

( <●><●>)つ■ スッ

(ヽ><)■「なんですか、これは?」

( <●><●>)「聞けばバレンタインには友チョコという風習もあるらしいじゃないですか」

( <●><●>)「ならば友達が友達にチョコを渡しても不思議はないでしょう」

(ヽ><)■「ワカッテマス君……」

( ><)■「……出来れば女の子からもらいたかったんです」

( ><)■「でも、ありがとうなんです」

( <へ><へ>)

( へへ)


 ヘブァ!?
゚'.・(><(#∩(<●><●>#) マネスンナヤ! 続きを読む
  1. 2010/02/14(日) 22:42:46|
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( ^ω^)は新商品を作り出すようです

236:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:38:05 発信元:219.125.145.56
( ´∀`)「今日、君を呼んだ理由は……わかっているモナね?」

( ^ω^)「奴の後始末……ですね?」

( ´∀`)「違うモナ」

( ^ω^)「あっ、これじゃねえ」

□と(^ω^ )

( ^ω^)「新商品の開発……ですね?」

( ´∀`)「お前はカンペが無いとわからんのか」

( ^ω^)「芸人だって、ボケる場所はカンペで指示されている!」

( ^ω^)「なら我々社会人だってカンペで行動したって良いはずだ!」

( ´∀`)「とりあえず落ち着け」

238:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:39:14 発信元:219.125.145.88 [sage]
( ´∀`)「最近我が会社は不況の波で経営が危うい」

( ^ω^)「へー」

( ´∀`)「このままでは会社の利益を私の趣味の競馬に注ぎ込むことが出来ない」

( ^ω^)「――おい、お前今なんつった?」

(#´∀`)「ブーン! お前が私の休日の命運を握っているんだ! 任せたぞ!」

( ^ω^)「すげーやりたくねえんだが」

( ´∀`)「成功したら給料は倍にしてやるモナ」

( ^ω^)「この身が粉になろうとも、この計画を成功させてみせましょう」

239:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:40:10 発信元:219.125.145.58
( ^ω^)「ノリで受けたは良いがどうするかね」

(-_-)「ブーンさん、ですか?」

(^ω^ )「お? そうだけど?」

(-_-)「私、商品開発部のスタッフのヒッキーです、よろしく」

( ^ω^)「こちらこそどうも」

(-_-)「他のスタッフは食堂に待機してます」

( ^ω^)「んじゃ食堂へ行こうか」

241:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:41:30 発信元:219.125.145.46
( ^ω^)「食堂に着いたわけだが」

(-_-)「では改めて自己紹介をしましょうか」



(-_-)「商品開発部チーフのヒッキーです」

lw´‐ _‐ノv「商品開発部料理長のシュー」

ξ゚⊿゚)ξ「商品開発部食材長のツンよ」

( ><)「商品開発部食材処理長のビロードなんです」

<ヽ`∀´>「商品開発部総書記のニダーニダ」



( ^ω^)「下二人の給料俺に寄越せ」

243:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:43:34 発信元:219.125.145.44
( ^ω^)「まあいいや。部長になるブーンです、よろしく」

(-_-)「えっと……どうしましょうか」

( ^ω^)「まずどんな商品を作るか決めないと」

ξ゚⊿゚)ξ「はい」

(^ω^ )「どうぞ」

ξ゚⊿゚)ξ「現状として我々の会社はス○カバーのチョコの部分を専門的に製造してます」

( ^ω^)「……よく今まで続いたな、この会社」

(-_-)「社長が競馬で大穴を当てまくってますので」

(;^ω^)「競馬の話マジかよ……」

244:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:44:55 発信元:219.125.145.52 [sage]
( ^ω^)「しかしこれからはそれだけじゃ無理だな」

ξ゚⊿゚)ξ「その通りです。これを機に他の部分にも手を出してみるべきかと」

(-_-)「具体策はあるのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「今はスイーツでもなんでも『塩』を押して人気が出ています」

( ^ω^)「塩か……」

ξ゚⊿゚)ξ「それに我が社のチョコを組み合わせてはどうかと」

(-_-)「塩とチョコを使った商品か」

<ヽ`∀´>「とりあえず何でも良いから組み合わせてみるニダ」

lw´‐ _‐ノv「調理は私がやるから完璧」

( ><)「適当に案を出してみるんです」

246:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:45:48 発信元:219.125.145.54
( ^ω^)「塩……」

(-_-)「チョコ……」

<ヽ`∀´>「キムチ」


lw´‐ _‐ノv「把握」








( ^ω^)「え?」

247:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:47:23 発信元:219.125.145.50 [sage]
lw´‐ _‐ノv「塩チョコキムチ出来た」

<ヽ`∀´>「やったニダ! やっぱり一番はキムチニダ!」

( ^ω^)「えっと……味は?」


<ヽ`~´> モグモグ

<ヽ´д`>「普通のキムチの方が美味いニダ……」


( ^ω^)「塩チョコキムチ却下ね」

250:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 00:48:47 発信元:219.125.145.55
(^ω^ )「何か好きな食べ物ある?」

<ヽ`∀´>「たこ焼きが好きニダ!」

( ^ω^)「じゃあ塩チョコたこ焼き( ´∀`)「イモ」

lw´‐ _‐ノv「把握」








( ^ω^)「おいちょっと待てや」

258:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:00:05 発信元:219.125.145.87 [さるっょぃ]
( ^ω^)「お前なんでいきなり出しゃばってんだよ」

( ´∀`)「そこに良い匂いがする食べ物があったから」

( ^ω^)「山じゃねーんだから」




lw´‐ _‐ノv「塩チョコたこ焼きイモ出来た」

( ^ω^)「……今回は二つ?」

lw´‐ _‐ノv「正直わけわからないから二種類作った」

260:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:01:29 発信元:219.125.145.57 [さるっょぃ]
( ´∀`)「どれちょっと味見を……」



( ´~`) モグモグ

( ´~`)「たこ焼きの中にイモがあってさらにドロドロの塩チョコが豊かな味わいを……」

<ゲロゲロゲロゲロ



( ^ω^)「言わんこっちゃない」

261:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:03:11 発信元:219.125.145.44
( ^ω^)「もう一つもお前が責任もって食えよ」

( ´∀`)「当然だモナ。喜んでいただくモナ」



( ´~`) モグモグ

( ´~`)「たこ焼きかと思いきやイモの中に塩チョコでコーティングされたたこが見事なハーモニーを……」

<ゲロゲロゲロゲロ



( ^ω^)「コピペ乙」

265:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:04:50 発信元:219.125.145.87
( ^ω^)「うーん……」

ξ゚⊿゚)ξ「食べ物といえば子供の好きな物はどうかしら」

( ><)「僕は大人だけど、唐揚げが好きなんです」

( ^ω^)「じゃあ塩チョコ揚げで」

lw´‐ _‐ノv「いや、無理」

( ^ω^)「なんで?」

lw´‐ _‐ノv「お前チョコのコーティングで揚げたら大変だろ」

( ^ω^)「確かに」


※本当に危ないかは知りません
 ただし、作者的にはすごく油が飛ぶ気がします

266:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:06:22 発信元:219.125.145.54
( ^ω^)「ふむ……どうしたものか」

(-_-)「やっぱりチョコといったらアイスですかね」

( ^ω^)「アイスか……一度やってみようか」

( ^ω^)「シュー」

lw´‐ _‐ノv「はい」

( ^ω^)「塩チョコアイス( ><)「カレー!」

lw´‐ _‐ノv「把握」







( ^ω^)「え?」

267:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:08:01 発信元:219.125.145.46 [sage]
lw´‐ _‐ノv「塩チョコアイスカレー出来た」

(*><)「やっぱり日本人といえばカレーなんです」

( ^ω^)「……味は?」



( ><) モグモグ

( ><)

<ウゲェー ゲロゲロ ウゲェー



( ^ω^)「……塩チョコアイスカレー却下、と」

269:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:09:49 発信元:219.125.145.51 [sage]
( ^ω^)「しかし日本人といえば、って視点は良いかもしれん」

(-_-)「日本人、ですか」

<ヽ`∀´>「ウリは日本人ニダ!」

ξ゚⊿゚)ξ「納豆……とか?」

( ^ω^)「ちょっとやってみるか」

(^ω^ )「シュー」

lw´‐ _‐ノv「はい」

( ^ω^)「塩チョコ納豆ξ゚⊿゚)ξ「巻き」

lw´‐ _‐ノv「把握」








( ^ω^)「え?」

270:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:11:36 発信元:219.125.145.58
( ^ω^)「いや、なんで寿司にしてんの?」

ξ゚⊿゚)ξ「その方が食べやすいかと」

( ^ω^)「……一理あるな」



lw´‐ _‐ノv「塩チョコ納豆巻き出来た」

ξ;゚⊿゚)ξ「これは……」

( ^ω^)「うん、どうみても見た目の茶色アウト」

lw´‐ _‐ノv「ご飯とチョコは合うのに」



※あくまでもシューの意見です
 作者はそうは思ってません

272:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:13:01 発信元:219.125.145.46
( ^ω^)「日本人ねぇ」

(-_-)「日本人といえば味噌汁ですかね」

( ^ω^)「それだ」

( ^ω^)「シュー、味噌汁に塩チョコ混ぜてみて」

( ´∀`)「たっぷりね」

lw´‐ _‐ノv「把握」








( ^ω^)「おい」

274:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:15:50 発信元:219.125.145.48
( ^ω^)「なんでわざわざたっぷりとか言うんだよ」

( ´∀`)「濃い味が好きだから」

( ^ω^)「的を射ているようで的外れだな」

lw´‐ _‐ノv「味噌汁塩チョコたっぷり出来た」

( ´∀`)「それじゃいただくモナ」



( ´~`) ゴクゴク

(;´~`) ウッ

バタッ



( ^ω^)「……どうやって作ったの?」

lw´‐ _‐ノv「たっぷりのチョコをお湯に溶かして塩を飽和するまで入れた」

( ^ω^)「……味噌は?」
lw´‐ _‐ノv「入れてない」

( ^ω^)「この状況一番楽しんでるよね」

279:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:26:03 発信元:219.125.145.45 [さるorz]
( ^ω^)「じゃあ洋風でいってみようか」

ξ゚⊿゚)ξ「チョコだし……パフェ?」

( ^ω^)「たまにはありきたりな物でもいいか」

( ^ω^)「シュー、塩チョコパフェ<ヽ`∀´>「風味のサンマ」

lw´‐ _‐ノv「把握」









( ^ω^)「……」

283:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:37:32 発信元:219.125.145.46 [さるwww]
( ^ω^)「もうお前自分の国に帰れよ」

<ヽ`∀´>「甘い物は嫌いニダ。日本大好きニダ」

( ^ω^)「お前今日何しに来たんだ」

<ヽ`∀´>「あとサンマを食べてみたかったニダ」

( ^ω^)「国に帰って食ってろ」



lw´‐ _‐ノv「塩チョコパフェ風味のサンマ出来た」

287:( ^ω^)は新商品を作り出すようです :2010/02/14(日) 01:40:16 発信元:219.125.145.57 [ちょいと間隔あけまつ]
(;^ω^)「チョコが完璧にサンマの形になってる……」

<;`∀´>「すごいクオリティニダ……」

<;`∀´>「えっと……食べてもいいニダか?」

(;^ω^)「多分大丈夫だと思う」



<ヽ`~´> モグモグ

<ヽ`~´>



( ^ω^)「味は?」

<ヽ`∀´>「チョコの味しかしないニダ」

( ^ω^)「だろうね」 続きを読む
  1. 2010/02/14(日) 22:14:40|
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( ´_ゝ`)と(´<_` )はスパイのようです

161:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:32:20 発信元:122.102.231.42


( ´_ゝ`)「もう少しだ」

(´<_` )「ああ、もう少しだな」


顔のよく似た2人が橋の上を走る。
2人とも手に剣を持っており、ただの一般人ではないとすぐにわかる。


( ´_ゝ`)「オレ達は解放される――」


163:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:35:36 発信元:122.102.231.42


( ゚∀゚)「って、んなわけねーだろ?」


2人の前に立ちはだかったのは、戦いのためだけにつけられた筋肉を持つ男。
身の丈ほどもある大きな剣を担ぎ、2人を見ている。


( ´_ゝ`)「しまった!」


慌てて戻ろうとするが、後ろには甲冑に身を包んだ者達が行く手を塞いでいる。


(´<_` )「兄者……」

( ´_ゝ`)「大丈夫だ。大丈夫……」


兄者の言葉は自分に言い聞かせるようだった。
瞳は不安げに揺れながらも、自分達の前に立ちはだかる男を見据えている。


( ´_ゝ`)「そこをどけ……ジョルジュ!」

剣を構え、ジョルジュを威嚇する。

164:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:38:38 発信元:122.102.231.42

( ゚∀゚)「はい。どーぞ。
     って、言うわけねーだろ?」

( ´_ゝ`)「もっともだな」


切先を兄者に向け、ジョルジュも戦いの意思を示す。


( ´_ゝ`)「だが、我ら兄弟が」

(´<_` )「貴様を倒す!」


兄者と弟者は横に並び、ジョルジュに向きあう。


( ゚∀゚)「お前ら、手ぇ出すなよ」


ジョルジュが2人の後ろに控えている兵士達へ声をかけた。
その顔には強者が弱者を見下すときの笑みを浮かべている。


( ゚∀゚)「いっちょ、教育してやるか」


166:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:41:29 発信元:122.102.231.42


( ´_ゝ`)「その口」

(´<_` )「すぐに開けられなくしてやる!」


2人は同時に地を蹴り、2手に別れる。


( ゚∀゚)「オレに勝てるとでも?」


鼻で笑い、弟者の方へ一気に跳躍する。

(´<_` )「早っ――!」

一瞬で詰められた間合いに、弟者が目を見開く。
目前まで迫った大剣を防ぐため、剣でなぎ払おうと腕を動かす。。

( ゚∀゚)「甘いな」

だが、そこにあったのは圧倒的な力の差。
金属同士がぶつかりあう高い音がした後、地面に落ちたのは弟者の剣だった。

無防備になった弟者の体をジョルジュの大剣が狙う。

169:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:44:31 発信元:122.102.231.42

( ´_ゝ`)「させてたまるか!」


大剣が弟者の体を2つにする前に、兄者がジョルジュの背中をとった。
突き刺そうとする兄者の剣を、ジョルジュは体を2人に対して横にすることであっさりと避けてしまう。

しかも、ジョルジュは大剣を片手に持ちかえ、あまった手で兄者の頭を鷲掴みにした。


(´<_`;)「兄者!」

(;´_ゝ`)「っく……。離せ!」


( ゚∀゚)「えー。ヤダ」


ニヤケた笑みで、兄者の頭を掴む手に力をこめていく。
伊達に戦いを経験してきたわけではないらしく、その力は兄者を確実に苦しめる。

ジョルジュが兄者に気を取られているすきに、剣を取り戻そうとしてみるが、
弟者も大剣を突きつけられており、動くことができない。

171:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:47:25 発信元:122.102.231.42

( ゚∀゚)「だからさ、大人しく戻ってこいよ」


(  _ゝ )「あ……うっ……」


呻きながらも、兄者は剣を離さない。


( ゚∀゚)「せっかくオレが拾ってやって、育ててやってんだしさ」


ニヤケた笑い。
2人の間にこみ上げてくるのは怒り。

172:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:50:29 発信元:122.102.231.42


(´<_` )「兄者! 恨むなよ!」


弟者が叫び、一歩退いて剣を取りに走る。


( ゚∀゚)「ほぉ。さすがオレの生徒」

(  _ゝ )「ああああああ!!」


ジョルジュは走っていく弟者を眺めながら、兄者の頭を潰そうとする。


( ゚∀゚)「戦場で孤独に生きていたお前達にオレは居場所をやった」

(´<_` )「無理矢理つれてきたの間違いだろ!」


弟者が剣を手に取り、ジョルジュへと突っ込んでいく。
左手しか使えない今ならば、どうにかなるかもしれない。
仮に、右手を使ってきたとしても、兄者が解放される。

弟者にとって、この攻撃は良い方向にしか転ばない。

174:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:53:25 発信元:122.102.231.42

( ゚∀゚)「稽古もつけてやった」

(´<_` )「拷問だろ?!」


剣と剣が再びぶつかりあう。

ジョルジュの利き手は右だと弟者は知っている。
左手で扱われる大剣は、先ほどのような力もキレもない。


( ゚∀゚)「何故、オレから逃げる?
     敬愛すべき王に牙を向ける?」

(  _ゝ )「憎いからだよ」


呻くばかりだった兄者が言葉を紡いだ。
握られていた兄者の剣が一線を描く。

( ゚∀゚)「っちぃ!」


兄者は自分を苦しめている右手ではなく、
大剣を奮っている左手を傷つけた。

176:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 19:56:29 発信元:122.102.231.42


(´<_` )「流石だな!」


左手に気を取られている隙に、弟者がジョルジュの右腕を切り落とした。


(;゚∀゚)「な、にぃ……っ」


( ´_ゝ`)「助かった。ありがとう弟者」

(´<_` )「こっちこそ」


互いに支えあい、剣を構える2人を前に、ジョルジュは混乱していた。

いくら予想外の攻撃だったとはいえ、弟者ごときに右腕をやるほど自分は弱くない。
あの瞬間、自分の体の動きが鈍かったのだ。

178:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:02:50 発信元:122.102.231.42 [猿怖いよ!]


( ´_ゝ`)「オレ特性の痺れ薬はどうだ?」

(´<_` )「即効性だぞ」


立場が逆転した。

弱者を見下すニヤケた笑みを浮かべるのは双子の兄弟。
唇を噛み、死を間近にするのはジョルジュ。

兵士達がどうするべきかと、後ろのほうでざわついている。


( ゚∀゚)「オレに恥かかせんじゃねーぞ!」


ジョルジュが叫ぶ。
暗に手を出すなと言い、剣を構える。


( ゚∀゚)「右腕? いらねーよ」

痺れている左手で大剣を振りかざす。

( ゚∀゚)「痺れ? ハンデだろ?」

180:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:05:50 発信元:122.102.231.42

不敵な笑みに、兄弟は背筋が凍った。


不本意ではあるが、何年もこの男と生きてきたのだ。
諦める男ではないし、弱い男でもない。

向かってくるからには、相手を殺す気でくる。


( ´_ゝ`)「さよならだ」

(´<_` )「あんたとも、この国とも……」


2人は剣を握りしめた。

ジョルジュから学んだことだ。
戦うならば、必ず殺せ。それがマナーだ。

聞いたときは、なんと凶悪な男だと思った。
けれど、ジョルジュは自分が殺される立場であっても、自論を崩さない。

ならば報いてやらねばならぬだろう。

183:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:08:34 発信元:122.102.231.42

兄者が剣を振りかざしながらジョルジュへ向かっていく。

( ゚∀゚)「あ、まい!」

その剣を弾き、兄者を足で蹴り飛ばす。
兄者の腹を踏みつけ、弟者のほうへ目を向ける。

(´<_` )「甘いのはお前だ!」

突き刺すように剣を構えながら、とっしんしていく。
単純に向かってくるだけならば、リーチの長いジョルジュの大剣の方が有利だ。

弟者に大剣の切先を向ける。

( ´_ゝ`)「それですむとは思ってないだろうな!」

踏みつけられていた兄者が、剣をジョルジュの足に突き刺した。

( ゚∀゚)「あ……ぐっ」

足を突き刺した剣を握る兄者の腕を、ジョルジュの大剣が貫いた。

( ´_ゝ`)「――――っ」

(´<_` )「終わりだ」


兄者の腕を犠牲に、ジョルジュの大剣が封じられた。

185:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:11:46 発信元:122.102.231.42


(  ∀ )「――――」


弟者の剣がジョルジュの体を突きぬけた。
赤い血が流れ、ジョルジュの体が崩れる。

(´<_` )「…………」

( ´_ゝ`)「……行こう」


貫かれた腕を抑えながら、兄者が先を促す。

後ろに控えている兵士達は、どのような行動をとれば、
ジョルジュの意思に一番かなっているのかと考えているようだ。


(´<_` )「ああ。そうだな」


憎かったし、嫌いだった。
それでも、ずっと一緒だった。


(  ∀ )

187:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:14:27 発信元:122.102.231.42

殺したのは自分達なのだ。
後悔はしていない。
ただ、少しだけ虚しい。


( ´_ゝ`)「なあ、弟者」

(´<_` )「……そうだな」


アイコンタクトで全てが通じる。
2人は協力して、ジョルジュを持ち上げた。

( ´_ゝ`)「重いな」

(´<_` )「でかいからな」

引きずられていく上司の姿を、兵士達が見ている。


( ´_ゝ`)「さよなら」(´<_` )

190:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:18:33 発信元:122.102.231.42

ボチャン。と、水の中に沈む音がした。


水は一瞬だけ赤く染まり、すぐにもとの色に戻った。


2人はそれを見届け、立ち去った。


(兵・A・)「ジョルジュ様!!」

(兵゚Д゚)「誰か! 引き上げろ!!」


そんな雑音も2人の耳には入ってこない。
2人は赤い道を作りながら、因縁の国を出た。

もう、二度とこの国に足を踏み入れることはないだろう。

193:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:23:24 発信元:122.102.231.42

( ´_ゝ`)「まあ、ジョルジュも死んだし、あの国はもう大したことないぞ」

川 ゚ -゚)「そうか。ありがとう」

(´<_` )「まったく。幼くて可愛いオレ達をスパイにするとは……」

lw´‐ _‐ノv「何を言う。米よりも可愛いものがあるものか」

ξ゚⊿゚)ξ「あんた、ちょっと黙ってなさいよ」


今、2人がいるのはジョルジュがいた国と敵対している国の会議室。
兄者は片腕を失っていた。


(*゚ー゚)「ま、ジョルジュに対して腕一本ですんだのはラッキーよね」

( ゚д゚ )「片方は死ぬと思ってたしな」


( ´_ゝ`)そ「ええっ?! 初耳だよ!」

(´<_`;)「恐ろしい計算をされていたのだな……」

195:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/13(土) 20:26:41 発信元:122.102.231.42

ミセ*゚ー゚)リ「ま、まあ、結果オーライってことで。ね?」

( ´_ゝ`)「ミセリさんがそう仰るのなら!」

(´<_` )「……はぁ」


【+  】ゞ゚)「ジョルジュも、人の子だった……というわけか」

川 ゚ -゚)「どういうことだ?」

【+  】ゞ゚)「おおかた、2人に情が移ったのだろう」

ξ゚⊿゚)ξ「てか、それを狙ってたんじゃないの?」

川 ゚ -゚)「……そうだ」

(*゚ー゚) 「嘘つきー」

川;゚ -゚)「う、嘘じゃないぞ!」



( ´_ゝ`)と(´<_` )はスパイのようです

~完~
  1. 2010/02/14(日) 21:45:10|
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バレンタインイブのようです

34:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:38:33.48 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
(´<_` )「兄者、明日は何の日か知ってるか?」

( ´_ゝ`)「ああ、明日は……」

( ´_ゝ`)「ヴァレンティヌスの処刑日……」

(´<_` )「違えよ。間違ってないけど違えよ」

( ´_ゝ`)「じゃあ何だって言うんだ!」

(´<_` )「現実を見ろよ。明日はバレンタインデーだ」

( ;_ゝ;)「それがどうした! 俺はお菓子会社の策略に何て踊らされない!」

(´<_` )「(今まで全戦全敗だもんなあ……)」

(#´_ゝ`)「お前は何をしに来たんだ! 俺を笑い者にしに来たのか?! このリア充が!」

(´<_` )「俺を他作品のイケ弟者と一緒にするなよ。兄者と同じ顔なのにもてるはずないだろ」

( ´_ゝ`)「(あれ、これけなされてる?)」

(´<_` )「ところで兄者、こんな言葉を知っているか」

( ´_ゝ`)「……?」

36:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:40:42.38 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
(´<_` )「世の中には『逆チョコ』というものがあるんだ!」

(;´_ゝ`)そ「!!」

(*´_ゝ`)「それならこちらから渡すことが出来る!」

(´<_`*)「しかも渡してさえしまえばホワイトデーにはお返しが貰えるという寸法だ!」

( ´_ゝ`)「……で、どうやって作るんだ?」

(´<_` )「それもそうだな。どうせなら手作りチョコを贈りたい」

( ´_ゝ`)「うーん……」

(´<_` )「……あ」

( ´_ゝ`)「どうした弟者」

(´<_` )「ドクオって料理出来なかったか?」

( ´_ゝ`)「……あー、めちゃくちゃ上手かった気がする」

(´<_` )「よし、ドクオ呼ぼう」

37:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:42:05.18 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
プルルルルル

(´<_` )「おー、ドクオ?」

『ああ、弟者か。どうした?』

(´<_` )「チョコ作りたいから手伝ってくれないか?」

『……え、何? 弟者もしかしてksmsに目覚め(´<_`#)「違えよ」

(´<_` )「逆チョコを贈ろうと思って」

『あーそういうことか』

(´<_` )「今からこれるか?」

『いいぞ。……あ、ブーン連れてっていい?』

(´<_` )「かまわん。あ、ついでにコンビニで材料買ってきてくれ。後で金は払う」

『りょーかい。じゃあ今から行くわ』

(´<_` )「待ってるぞ」

ピッ

(´<_` )「今から来るって」

38:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:44:36.69 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
( ´_ゝ`)「よし、じゃあ台所片付けてこようぜ」

(´<_` )「そうだな。幸い今日は俺ら以外に誰も居ないしな」

( ´_ゝ`)「だが台所はそれほど汚れていなかった」

(´<_` )「だが一応片付けた」

( ´_ゝ`)「それでも、ドクオが来るのにあと10分はかかるだろうな……」

(´<_` )「……レシピでも調べてみるか?」

( ´_ゝ`)「確かに調べておいて損はないだろう」

( ´_ゝ`)「目覚めよ我がPC!!」

(´<_` )「何で調べれば良いだろうか」

( ´_ゝ`)「とりあえず『チョコレート 簡単 レシピ』っと……」

( ´_ゝ`)「ほうほう、まずはチョコレートを溶かすんだな」

( ´_ゝ`)「湯煎……? なんだそれは」

(´<_` )「漢字で見ると湯で煎じる。チョコレートを湯に突っ込めば良いのか?」

( ´_ゝ`)「固まらないんじゃね?」

(´<_` )「……それもそうか」

39:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:46:04.03 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
( ´_ゝ`)「他のも見てみるか」

(´<_` )「えーと『チョコレートを溶かし(湯煎)』……」

( ´_ゝ`)「また湯煎か……」

( ´_ゝ`)「『湯煎 方法』」

(´<_` )「『湯を入れた鍋を弱火にかけ、その上にチョコレートを入れたボウルを乗せて溶かす』」

( ´_ゝ`)「鍋・オン・ボウル」

(´<_` )「溶けるの?」

( ´_ゝ`)「書いてあるからには溶けるだろう……多分」

( ´_ゝ`)「よし、大体掴めた」

(´<_` )「刻む→溶かす→固める→完成」

( ´_ゝ`)「おk」

40:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:48:31.98 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
ピンポーン

(´<_` )「ナイスタイミング」

ガチャ

('A`)「よぉ」

( ^ω^)「おいすー」

( ´_ゝ`)「待ってたぞー」

(´<_` )「主にチョコレートを」

(;'A`)「ひでえなそれ」

( ^ω^)「チョコを買うときの店員さんの目線が冷たかったお」

( ´_ゝ`)「『あの人たち男2人でチョコ買いに来てるよーww』」

(´<_` )「『自分へのチョコとかww』」

(;^ω^)「まさにそんな感じだったお」

('A`)+「だがイケメンな俺に死角はなかった」

(´<_` )「それはない」

( ´,_ゝ`)「wwww」

41:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:50:32.30 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
(´<_` )「まあ冗談は置いといて」

( ´_ゝ`)「チョコレートを作ろうか」

('A`)「2人は作り方知ってんのか?」

(´<_` )「刻む→溶かす→固める→完成」

( ´_ゝ`)「完璧だろう」

(;'A`)「略しすぎだろ……」

( ^ω^)「チョコ作りは簡単そうに見えて案外難しいお」

( ´_ゝ`)「mjd?」

('A`)「慣れれば簡単。最初は結構難しい」

(´<_` )「ド素人な俺らに分かりやすく教えてくれ」

( ^ω^)「僕も初心者だお」

('A`)「じゃあなるべく分かりやすく説明するからよく聞けよ」

42:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:52:43.63 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
――台所

( ´_ゝ`)「ドックンとー」

(´<_` )「愉快な仲間たちのー」

( ^ω^)「簡単チョコレート教室!」

('A`)「なんだこのノリ」

( ´_ゝ`)「細かいことはイインダヨー」

('A`)「……まあいいや」

('A`)「今日は生チョコ風チョコレートを作ります」

(´<_`;)「いきなり難易度高過ぎだろ……」

('A`)「ところがそうでもない」

('A`)「むしろ普通に溶かして固めるだけだと、逆にムズい」

( ^ω^)「どういうことだお?」

('A`)「チョコレートを湯煎で溶かす」

( ´_ゝ`)「鍋・オン・ボウルだな」

('A`)「それだ。実際に湯煎しようとすると、鍋の湯を火にかけることになるが、この温度調節が結構難しい」

43:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:55:11.90 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
(´<_` )「? 溶ければ問題ないだろ」

('A`)「いや、ここが上手い手作りチョコレートの分かれ目なんだ」

( ´_ゝ`)「kwsk」

('A`)「チョコレートを溶かすときには温度調節が大事なんだ。温度は高過ぎても低すぎてもだめだ」

(;´_ゝ`)「うへぇ……大変そうだな……」

('A`)「一度固まったチョコレートを溶かすと白く油脂が浮かんでくる。これが出ると風味が落ちる。チョコレートを作るときはなるべく一発で決めなきゃいけない」

(´<_`;)「これは料理ができすぎて逆に女子にひかれるパターン」

(#'A`)「……簡単な作り方教えないぞ」

(´<_`;)「『ドクオ君って料理できるんだ。すごーい! 今度私にも教えてくれないかな?』という声が聞こえてきそうなぐらいすごいな!」

(;´_ゝ`)「流石ドクオだな!」

(;^ω^)「その知識を僕らにもわけてくれお!」

(*'A`)「よし、じゃあ簡単な作り方教えるぞ!」

(;´_ゝ`)「(単純……)」

(´<_`;)「(単純……)」

(;^ω^)「(単純……)」

46:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:59:18.71 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
('A`)「さて、今回用意したのはこれだ」

〈テーブルの上〉
・チョコレート
・生クリーム
・ココアパウダー
・蜂蜜

('A`)「細かい分量を説明すると
・チョコレート……195g
・生クリーム……90ml
・蜂蜜……小さじ1
・ココアパウダー……適量
って感じだ」

('A`)「ちなみに15cm×21cmのバット一台分」

('A`)「台所と道具借りるぞ」

( ´_ゝ`)「おう」

('A`)「今回使う道具はこれだ」

〈テーブルの上〉
・まな板
・包丁
・耐熱容器
・15cm×21cmの箱(オーブンシートが箱に沿って敷いてある)

47:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 20:59:59.71 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
(´<_` )「鍋とボウルは使わないのか?」

('A`)「変わりに電子レンジを使う」

(;^ω^)そ「電子レンジでチョコが溶けるのかお?!」

('A`)「溶けるには溶ける、が風味が落ちる」

( ´_ゝ`)「じゃあどうするんだ?」

('A`)「まあそれは置いといて、先にチョコ刻むぞ」

(´<_` )「(置いといていいのか?)」

( ^ω^)「砕くお!」

( ´_ゝ`)「ばっきばっきにしーてしまえー♪」

(´<_` )「兄者歌下手だな。ばっきばっきにしーてしまえー♪」

( ^ω^)「弟者も同じようなもんだお」

('A`)「砕いても別にいいけど、大きすぎると溶けにくいから注意な」

( ^ω^)「できたお!」

48:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 21:02:01.51 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
('A`)「これぐらいなら大丈夫だろ。とりあえず一人分ずつ作るぞ」

('A`)「と、ここでチョコの溶かし方。まず耐熱容器に生クリームと蜂蜜を投入して混ぜる」

( ^ω^)「入れて混ぜたおー」

('A`)「その生クリームをレンジで温める。目安1分30秒ぐらいな」

(;´_ゝ`)そ「すげえゴボゴボいってる」

チン♪

(´<_`;)「熱っ! 器熱っ!」

('A`)「熱いから注意な……って遅かったか」

('A`)「熱々生クリームにチョコを投入」

( ^ω^)「入れたお!」

('A`)「そのあとはひたすらえぐるように練るべし! 練るべし!」

( `ω´)「うおおおおお!!」

('A`)「全体的に溶けたら箱の中に流し込む」

( ^ω^)「どろどろだお」

('A`)「流し込んだら表面を馴らして冷蔵庫で冷やす」

51:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 21:03:59.36 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
(;´_ゝ`)「なんかあっという間だったな……」

('A`)「仕上げは固まってからだな」

( ´_ゝ`)「じゃあその間に俺が作ろう」

('A`)「一人でできるか?」

( ´_ゝ`)「え、そんなに俺頼りない?」

(´<_` )「……」

('A`)「……」

( ^ω^)「……」

( ´_ゝ`)「無言やめて無言」

52:バレンタインイブのようです :2010/02/13(土) 21:06:16.54 ID:rgHv1e1Z0 [sage]
――台所in兄者

( ´_ゝ`)「一人でもできることを証明するため出ていってもらった」

( ´_ゝ`)「生クリーム……」

( ´_ゝ`)「分量適当でいいや」

(;´_ゝ`)「何分だっけ……?」

( ´_ゝ`)「見ながら判断しよう」

( ´_ゝ`)「うわゴボゴボいってる」

チン♪

(;´_ゝ`)「熱っ! 器熱っ!」

( ´_ゝ`)「チョコ投入!」

( ´_ゝ`)「混ぜる!」

( ´_ゝ`)「流し込む!」

( ´_ゝ`)「……」

(*´_ゝ`)「やっぱり俺一人でもできるじゃん!」 続きを読む
  1. 2010/02/13(土) 21:56:04|
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( ^ω^)は理解に苦しむようです 3/3

945:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 07:26:23 発信元:61.12.169.119 [sage]
ξ゚⊿゚)ξ「いつまでも寝てんじゃないわよ」

( ^ω^)「悪かったお」

現場には既に捜査の手が入っていた。
普段見ていたあの店舗の姿は見る影もない。

( ^ω^)「これは爆弾かお?」

扉は存在すらせず、中は真っ黒な煤にまみれていた。
先日見た景色を想像できないほどに滅茶苦茶で、まるで台風が通り過ぎたかのような。

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ」

( ^ω^)「それにしても、」

それにしても、こんなに目立つやり方を取るとはどういうことだ。
今までの殺人犯ではない? そもそもモナーはどうなった?
あのメッセージは? これほどの規模なら、目撃者が居るのでは?

ξ゚⊿゚)ξ「この件にモナーは関与していないわ」

( ^ω^)「現場のメッセージはあったかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「無いわよ。それに、あなたを叩き起こしたのは事件のためじゃない」

( ^ω^)「どういうことだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ついさっきまで逃走していた犯人のためと、この惨状を頭に入れさせるため」

946:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 07:30:32 発信元:61.12.169.119 [sage]
僕はそのままツンに引っ張られ、普段は来ない取調室まで連れてこられた。
取り調べは本来、僕らの領分じゃないんだけど。

ξ゚⊿゚)ξ「座って」

( ^ω^)「お」

顎でパイプ椅子をしゃくるツン。
まるで僕が容疑者みたいじゃないか。

ξ゚⊿゚)ξ「これからギコが容疑者を連れてくるから、待ってて」

( ^ω^)「……わかったお」

どうも、僕はついていけていない。
一体ツンは、いや、彼女に限った話でもない。
別の部署の取り調べ室に来たのに、誰も僕を見なかった。

どういうつもりなのだろうか。

まだ重い頭には、思考の余地が無い。

(,,゚Д゚)「連れて来たぞゴラァ」

ギコがやってきた。

( ^ω^)「これは一体―――」

彼の後ろにいたのは、僕のよく知っている女。
そいつは僕の、薄汚れた探偵時代のパートナーだった。

948:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 07:35:17 発信元:61.12.169.119 [sage]
川 ゚ -゚)「やぁ、内藤」

彼女の顔は相変わらずの無表情で、真っ直ぐに僕を見つめる。
ギコはそのまま静かに部屋を出ていき、残ったのは机を挟んだ僕とクーだけだ。

( ^ω^) ・・・

何を言えばいいのだろう。

川 ゚ -゚)「驚いたか?」

( ^ω^) ・・・

やはり頭が目に追いついていない。

川 ゚ -゚)「なんとか言ったらどうだ?」

( ^ω^) ・・・

クーが居る、ということは、クーがショボンを殺したのか。
それは、

( ^ω^)「どうして?」

川 ゚ -゚)「その質問、何について聞かれているのか私は判断に迷うんだが」

( ^ω^)「どうして、」

お前が?

949:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 07:40:16 発信元:61.12.169.119 [sage]
川 ゚ -゚)「頭を働かせろ、あまりにも単純な話だ」

( ^ω^)「……仕事を変えたのかお?」

川 ゚ -゚)「それはある」

( ^ω^)「……愉快犯かお?」

川 ゚ -゚)「それもあるな、二人目からは」

クーが仕事で殺人をしていた、なんだ、そんな単純なことか。
だったら、それでいい。こうして捕まったんだ、これでこの件は終わりだろう。

川 ゚ -゚)「だが、それは本筋じゃない」

( ^ω^)「意味がわからないお」

川 ゚ -゚)「私は、お前のために人を殺してきたんだよ」

( ^ω^) ・・・

まったく意味がわからない。
僕の捉え方に問題があるのか。
生憎だが、僕は誰かが死んで得するような職には就いていない。

( ^ω^)「全く、意味がわからないお」

川 ゚ -゚)「私は、お前を愛しているんだ」

僕は、殺人犯は御免だよ。

951:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 07:45:13 発信元:61.12.169.119 [sage]
( ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚)「なぜお前がここに呼ばれたかわかるか?」

( ^ω^)「見当も」

川 ゚ -゚)「私がそちらに条件を出したんだ。『私が君達に協力する』と」

( ^ω^)「……」

川 ゚ -゚)「『彼がこの事件の主犯である証拠をあぶり出すから、話をさせろ』と」

彼女は、何を馬鹿なことを言っているのだろうか。

( ^ω^)「僕と話す口実かお」

川 ゚ -゚)「そうだ。そう言っておけば、形だけでも彼らは私とお前を話をさせなければならなくなる」

( ^ω^)「この前ショボンの店で会ったじゃないかお、あそこに通っていればそのうち――」

川 ゚ -゚)「私はお前にメッセージを送っていたのに、お前は気付かなかった」

( ^ω^) ・・・

こいつは、何を馬鹿なことを言っているのだろうか。

川 ゚ -゚)「お前に私を止めて欲しかった。殺人衝動に駆られた私を、お前の手で。
     パートナーであるお前なら、私は殺されたって構わなかった。だから殺した。
     たくさん殺した。いつか私がお前に殺された反動が甘美なものになるように、
     いろんな死に方を試した。どんな風に殺されてもいいから、ただ、私は、」

952:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 08:00:16 発信元:61.12.169.119 [sage]
( ^ω^)「お前はもう、僕のパートナーじゃないお」

川 ゚ -゚)「違う、私の本来のパートナーはお前だけ、お前の本来のパートナーは私だけ。
     だから私をわかってくれると思った。お前なら私の痛む心を理解してくれると思った。
     これは独りよがりではない私たちの共通認識だろう。違うか? 違わないだろう?」

( ^ω^)「違うお、そもそも僕にとってパートナーというものは、個人を指すものじゃないお」

川 ゚ -゚)「二人で決めたじゃないか、同じ香りをパートナーの証にしようと。
     それを私は他の男でも試したのに、お前とは全然違う。
     やはりお前しかいなかったんだ。一人目を殺した時、私は思ったよ」

もう完全に話が通じないじゃないか。
こいつはさしずめ、初めての殺人の依頼を受けて罪悪感に潰れてしまったのだろう。
その時にすがるもの、自分を支えるものが僕だったのは、きっとたまたまだ。

( ^ω^)「お前の言い分はわかったお。でも、どうして知り合いのショボンまで殺したんだお」

川 ゚ -゚)「わからない」

( ^ω^)「……そうかお」

このまま話しても、得られるものはおそらく何もない。

( ^ω^)「…………ギコ、もうこいつと話すことは何も無いお」

戸の裏にいるであろうギコに声をかける。
もうこいつと話す必要なんてないのだ。
ただの気狂いの犯行に意味なんてないのだ。
こいつの言葉を理解する価値なんて、存在しないのだ。

954:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 08:03:24 発信元:61.12.169.119 [sage]
ξ゚⊿゚)ξ「おかえり」

( ^ω^)「……」

取調室からギコと帰ってくると、ツン達がコーヒーを飲んでいた。

('A`)「お前、大丈夫か?」

大丈夫、二日酔いが酷いだけなんだ。

( ^ω^)「お」

('A`)「顔色滅茶苦茶悪いぞ……」

ああやって、いつも彼女は僕を困らせて、意味不明な行動をして。
全然理解できない、面白い奴だと思っていたのに。

( ^ω^)「大丈夫だお」

そう思っていたのに。

ξ゚⊿゚)ξ「内藤?」

( ^ω^)「疲れてるだけだお」

('A`)「ふぅ……あー、探偵の権利はこれから剥奪されるかもな」

( ^ω^)「いかなる場所でも捜査することのできる権利、かお。あんなの、本当なら必要が無いのに」

('A`)「そもそも、街の権利体制がまだ確立されていないしなぁ」

955:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 08:06:12 発信元:61.12.169.119 [sage]
 _、_
( ,_ノ` )「内藤」

( ^ω^)「なんですお?」
 _、_
( ,_ノ` )「今日は帰れ」

( ^ω^)「でも……」
 _、_
( ,_ノ` )「おいおい、お前は上司にまで気を遣わせるのか?」

そんなつもりは毛頭ないのだけど、
こんな言い方をされては、僕もどうすることもできないじゃないか。

ξ゚⊿゚)ξ「あとで部屋行ってあげるから、帰りなさいよ」

ツンの言葉に黙って頷くことしかできないのは、何故なんだろうか。

そのまま僕は家のアパートまで歩いて帰り、手を洗って、
ずっと着替えていないスーツでベッドに潜った。

( ^ω^) ・・・

ああ、気持ちが悪い。

本当に、気持ちが悪い。

いつの間にか僕のまぶたは開かなくなっていて、
僕が意識を飛ばす寸前なんて、もう、よくわからない。

957:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 08:09:16 発信元:61.12.169.119 [sage]
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、起きたのね」

( -ω-)「あ……」

ツンの声だ。
ああ、なぜだか安心する。
理由なんてもう、考える必要なんてないじゃないか。

ξ;゚⊿゚)ξ「え、ちょっと、どうしたの?」

(  ω )「少しでいいから、こうさせて欲しいお」

僕は反射的に、彼女に抱きついていた。
考える頭を投げ捨てたい。もうこのまま、嫌なことは全部忘れていたい。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(  ω ) ・・・

ξ゚⊿゚)ξ「大変だったね、内藤」

(  ω )「ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「なに?」

(  ω )「ありがとうだお」

ξ゚⊿゚)ξ「……気にしないでよ。私達、パートナーじゃない」

その言葉は今の僕にとって随分、重い意味を持っているような気がした。

958:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 08:11:44 発信元:61.12.169.119 [sage]

(  ω )「パートナーって、なんなんだお」

ξ゚ー゚)ξ「え? だからそりゃー私よ、私」

体を離した僕の目の前では、ツンが胸を張って笑っていた。

それがどういう意味なのか、僕にはまだ理解できそうにない。

しかし誇らしげなその表情は柔らかく、安心感を与えてくれているのは事実であるといえる。

(*^ω^)「ぷっ」

ξ゚⊿゚)ξ「えー? なに噴き出してんのよ」

(*^ω^)「なんでもないお」

ξ-⊿-)ξ「ったくもー……」

だったら今ぐらいは。

この温もりに、甘えてしまっても。



( ^ω^)は理解に苦しむようです  おわり
  1. 2010/02/11(木) 13:52:49|
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( ^ω^)は理解に苦しむようです 2/3

914:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 05:23:20 発信元:61.12.169.119 [sage]
さっそく、なんて言ってみても現場周辺の聞き込みなんて終えているだろう。
なら、誰も手をつけていないところに行くのが得策だ。
おおーん、寝ていないと少し積極的なれるような気がするな。

からん。

( ^ω^)「ショボーン! いいかお!」

( ´∀`)「……お客だモナ」

(´・ω・`)「……それじゃ、今日の夜にでも」

先客が居た。
まだそれほど寒くはない時期なのに、カウンターに座っていた男は黒い布に身を包んでいた。
その男は大柄な体格には似合わない、優しそうというか間抜けそうな顔をしている。

( ´∀`)「……」

彼は檸檬のような匂いを散らしながら僕とツンの横を通り過ぎていった。
ちらりともこちらを見ず、僕らにはまるで興味がないのであろう動き。
間接視野で見られている感覚もなく、少々不思議な印象を受ける。

(´・ω・`)「どうしたんだい? もう明日になったのかと思ったよ」

( ^ω^)「この辺で闇市やってる奴らが居るのはどこだお」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、ちょ、内藤……何言ってるの……」

(´・ω・`)「………随分いきなりな質問をするんだね、刑士さん。いや……内藤くん」

915:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 05:27:36 発信元:61.12.169.119 [sage]
僕らが言葉を交わさないと、このあたりはなにも音がしなくなる。
車はこの街では使われていないので、外の大きな雑音と言えば何本も通る元気な路面電車の滑走くらい。
時刻はまだ早く、普段外を歩くような人はほとんど仕事か家事に追われているはずなので、外にはほぼ誰もいないのだ。

( ^ω^)「会合の場所が変わったみたいだから、個人的に聞きたいんだお」

その静寂を崩すのは僕の声。我ながら頭の悪そうな響きだ。

(´・ω・`)「あくまで個人的に? それで僕が納得するとでも?」

( ^ω^)「闇市が潰れたら、困るのは君達だけじゃないお」

ξ;゚⊿゚)ξ「……」

(´・ω・`)「外の正規のルートでも効率がよくなっているかもしれない。
      そうなればお上は僕らを手早く潰すように動くと思うよ? 理由がなくなるんだから」

( ^ω^)「一刑士、それも就いてから二年のペーペーにそんな大役は与えられないお」

(´・ω・`)「単なるスケープゴートの可能性は否定できないな」

(;^ω^)「うーん……僕はクーの元パートナー、って意味を理解してもらえれば……」

この調子だとショボンは折れなさそうだし。
あまり言いたくはないけどこう言えば納得してもらえるはずだ。

(´・ω・`)「……ああ、そうだったね。忘れていたよ」

かさり、と持っていた小さな紙を握り潰し、身を翻したショボンは店の奥に消えていった。
こっち関係の事はツンの前では話さないようにしていたのだが、まあこの際、いいだろう。

917:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 05:32:03 発信元:61.12.169.119 [sage]
ξ;゚⊿゚)ξ「あんたなに考えてんのよ!」

ちょっぴり安心したところで、ツンが小声で耳打ち。
何を焦っているのか知らないけれど、息が凄い耳にかかる。

( ^ω^)「え、闇市の人に情報提供を求めるためだお」

ξ゚⊿゚)ξ「あのね……暗黙の了解ってもんを知らないの?」

( ^ω^)「基本的に不干渉?」

ξ-⊿-)ξ「絶対的に不干渉よ、バカ。
       そこで聞き込みもいいけどねえ、あっちに私達が刑士ってばれたらぶっ殺されるわよ」

(;^ω^)「なんと!」

ξ゚⊿゚)ξ「表面上はうちとあっちは冷戦状態なの。殴りこみに来たかと勘違いされるかも」

( ^ω^)「そりゃーねえ」

ξ゚⊿゚)ξ「だーかーらぁ……」

(´・ω・`)「お待たせ」

カウンターの奥からショボンが帰ってきた。両手にはやたら大きな黒い布を持っている。
そういえば、さっきすれ違った男の着ていたものと同じ色のような気もする。

(´・ω・`)「これ持って。中に入っている紙の場所に行けばそれっぽい誰かは居るはずだよ」

やけにあっさり教えてくれるのはどういう意図もないのだろうか。微妙に引っ掛かるなあ。

918:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 05:37:17 発信元:61.12.169.119 [sage]
( ^ω^)「ていうかショボンは随分クーを信頼しているみたいだお」

(´・ω・`)「普段はちょっと変わっているけど、仕事は真面目だからね」

( ^ω^)「……まあいいお、助かるお!」

カウンター越しに布を受け取り、一枚をツンに手渡した。
その場で開いてみると、これは先程の男と同じもの?
白のラインが袖を周回している以外、他は全て黒の生地で作られている。
これを着て街を歩いていたなんて、あの男はかなりの強者だろう、精神的な意味で。

(´・ω・`)「くれぐれも気をつけて。何があっても責任は取れない」

( ^ω^)「その時はその時だお」

ξ゚⊿゚)ξ「アホね。アホよあんた」

( ^ω^)「ほら、さっさと行くお」

ξ-⊿-)ξ「………」

からん。

やることが決まればさっさと動くべきだろう。
殺人犯は今日にでも動く可能性があるのだから、先手を打てるなら打っておきたい。
仮に無駄足でも、それはそれでいいじゃないか。

( ^ω^)「にしてもこの布微妙に重いお……」

多分、無駄ではない筈だしね。

922:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 06:00:43 発信元:61.12.169.119 [sage]
ξ゚⊿゚)ξ「闇市行くのはいいけど、手かがりとかあてはあるの?」

黒い布を抱え、紙に書かれていた地図通りの道、倉庫街から少し外れた路地を歩く。
高い建物と建物の間はどうしてこう嫌な風が吹くのか。この辺は常に暗いからじめじめしているし。
手に持ったこれで風を防ごうとも思ったが、ツンは頑として着なさそうだから僕も着ない。

( ^ω^)「まあ、なくはないお」

「止まれ」

と、話していたらいきなり声を掛けられた。

( ^ω^)「え?」

(`・ω・´)「誰の遣いだ?」

( ^ω^)「いやいやショボン、足早すぎじゃないかお?」

(`・ω・´)「……」

何故かその場所にいたショボン。そして僕の声に何故か怪訝な顔を見せつけた。
そのまま僕らを見定めるように全身を視線が撫でる。これは一体どういうそういうアレの何なんだろう?

(`・ω・´)「……あいつの運び屋か。通れ」

微妙に声が低い、『闇っぽい』雰囲気でも出しているのか。

ξ゚⊿゚)ξ「この先はこれ着た方がいいんですか?」

(`・ω・´)「いや、それはこっちで預かる。貸せ」

924:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 06:05:25 発信元:61.12.169.119 [sage]
ξ゚⊿゚)ξっ「……ほら、行くわよ内藤」

( ^ω^)「マジかお」

ショボンに畳んで持っていたコートを奪われ、ツンにそのまま引っ張られた。
先は雑居ビルの変なとこについてる裏口だ。以前の入り口とは随分違うな。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ内藤、気付かなかったの?」

( ^ω^)「何に?」

ξ゚⊿゚)ξ「いまの人ショボンさんじゃないわよ」

( ^ω^)「あ、そうなの」

ξ゚⊿゚)ξ「リアクション薄いわね……」

戸を押しあけると中はすぐに、薄暗く幅の狭い下り階段になっていた。
おそらくここから地下に空間が広がるのだろうが、こんなつくりで耐震とかは大丈夫なのだろうか。

( ^ω^)「こっちには色んな人が居るし。ていうかツン、よく気付いたお」

ξ゚⊿゚)ξ「目元が違うわよ目元が。絶対アイツ過去に何人か殺してるわ」

( ^ω^)「じゃあボディチェックとかあったら僕ら死んでたんじゃないかお?」

ξ#-⊿-)ξ「……どこまで考え無しなのよ……………」

(;^ω^)「いや、あのね! 基本ボディチェック無いの僕知ってたからね? 頼むから怒らないで!」

926:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 06:10:22 発信元:61.12.169.119 [sage]
それからも、うーうー唸りながら僕に噛みついてきそうな圧力をかけ続けるツン。
しかもせっかくそれを無視してそこそこの距離を歩いてきたのに、なかなか人には会えなかった。

( ^ω^)「長いお……」

通路ならばどこかに行き当たるはずなのだが、どういう理屈かそこに辿りつけない。

ξ゚⊿゚)ξ「まだ?」

やがて歩を進める途中、背中の方から声がかかる。
ツンはもう怒っていないようで、いつもの調子で僕に問いをかけてくれた。
生憎答えは持ち合わせていないんだけど、それでまた機嫌損ねちゃうかな。

( ^ω^)「さぁ」

ξ#゚⊿゚)ξ「んー……ぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!」

(;^ω^)「うるっさいお! 叫ぶなお!」

両手を伸ばしきれないほどの幅しかない、天井が微妙に高くある細長い道。
壁の手触りは金属のようなコンクリのような、それが理由かツンの声はものすごく響いた。

ξ#゚⊿゚)ξ「おかしいわ!! 遠近感が狂ってる!!」

(;^ω^)「そりゃ!! こんな暗い細道じゃ狂うに決まってるお!!」

文句交じりの叫び声の押収はおそらく十数分に渡って続いた。

その間も僕らは歩き続けていたのだが、どこにたどり着くこともなく。

927:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 06:15:16 発信元:61.12.169.119 [sage]
「おい! 誰だ!」

なんと、途中で僕らの声に挟めるようにどこかから声がかかった。僕ら以外の人の声だ。

( ^ω^)「ちょっと荒巻に用があるんだお! 昼間は居るはずだお!」

とりあえずどこかに向かって叫ぶ。
なんとかこの窮屈から抜け出したい。

「………上だ! さっさと来い!」

( ^ω^)「上田?」

薄暗い中、しゅるりと上から紐のようなものが落ちてきた音がした気がする。
適当に空中を探してみると、何かが手にぶつかった。

( ^ω^)「縄梯子かお」

後ろのツンは眉間にしわを寄せたまま耳を塞いでいた。
手招きをして僕が先に昇ることをそれとなく伝えると、彼女はすぐに頷く。

( ^ω^)「んじゃ」

安全を確認した後に彼女を呼べばいいのだ。
僕は吊るされた縄梯子をひっつかみ、光が漏れている天井に向かう。
到達点には蓋のように張られた四角の黒い板。
重さはほとんどなく、軽々とそれは動かすことができた。

( ^ω^)「って……………あら?」

928:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 06:19:56 発信元:61.12.169.119 [sage]
/ ,' 3「久しいな、内藤」

抜け出た部屋、その真正面、すぐそこに荒巻が居た。
というか、それ以外はごちゃごちゃしたものが置かれ、目を向ける必要性を感じなかった。

( ^ω^)「いやいや、ここお前の自室かお」

/ ,' 3「だってこの市場を仕切ってるのはワシだし……」

皮のソファに寝転がり、手前のテーブルに置かれている太った瓶の口をつつきながら荒巻は言った。

(;^ω^)「市場じゃなくね……? 汚い部屋じゃね……?」

見まわしてみても、黄色の壁に映える黒々とした鉄製の部品や、
ちょっと素人が手をつけたら大変なことになりそうな醤油さしなどしか置いていない。
どう見ても、僕が知っている荒巻の部屋だ。あと狭さと臭さも。

/ ,' 3「ああ……お前は知らないか……」

と言いながら、荒巻はソファの下に手を突っ込む。
パッと取り出したのが一枚の紙で、それはやたらホコリにまみれていた。

(;^ω^)「きったねえお……」

/ ,' 3「これ、商相連合の規制対策」

きったねえ紙を渡された。
同時に座ろうと思ったが、きったねえから座れなかった。 続きを読む
  1. 2010/02/11(木) 13:50:10|
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( ^ω^)は理解に苦しむようです 1/3

888:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:01:07 発信元:61.12.169.119 [sage]
得意なこと、と言われれば何があるだろうか。
僕が自分を客観視して適当に引っ張り上げるなら、少し目が良いってくらいかな。
あとはそうだな……普通の人よりは運動は得意かな?

ξ゚⊿゚)ξ「内藤!」

(;^ω^)「はっ!」

またぼうっとしてしまった。何をやっているんだ僕め。
以前のように、のらりくらりとやっていていいような仕事ではなくなったのに。

ξ゚⊿゚)ξっ「こっちも」

隣の彼女から渡されたA4の紙束には、一枚一枚クリップで写真が留められている。
僕はそれを受け取り、それぞれをぱらぱらと眺めていった。
しかし見る項目は一か所なので、最後まで見るのに大して時間はかからない。

ξ゚⊿゚)ξ「何考えてたの?」

( ^ω^)「自分の得意なことはなにかなあ、と」

現在僕達はある人間を追っている。
この大きな都市で起きた小さくは無い事件の犯人だ。
その人間は男か女かもわからない、未だ全体像の見えてこない相手。

ξ゚⊿゚)ξ「ああ……」

わかっている部分はと言えば、犯行現場にいつも残されている意味不明のメッセージ。
『私のとくいなものはなんでしょう。』殺人犯の特技なんて、僕は知りたくもないよ。

889:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:01:51 発信元:61.12.169.119 [sage]



( ^ω^)は理解に苦しむようです



890:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:02:46 発信元:61.12.169.119 [sage]
体に悪そうな煙の充満する小さなオフィスで、僕とツンはまたうんうんと唸る。
紙とにらめっこしてもいい方向には動かないのはわかってるさ。

( ^ω^)「うーん、考えがまとまらないお。ツン、ちょっと喫茶店でもいくお」

ξ-⊿-)ξ「あたし先輩なんですけど?」

せっかくの誘いをしかめっ面で返す年下の彼女。確かに立場としては後輩だ、仕方ないな。

(;^ω^)「ぬう……ツン刑士、喫茶店にでも行きましょうか」

ξ゚⊿゚)ξ「うむ、そそうのないようにな」

やたら尊大な態度で髪をかきあげるツンを無視して僕は先程の資料を茶の鞄に詰め込んだ。
適当に書くものも二、三本手に取り、スーツのポケットに刺し込む。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ちょっと早いって!」

( ^ω^)「室長、ちょっと整理に出てきますお」
 _、_
( ,_ノ` )「おう、一時間半までなら許す」

毎度のように、頭を悩ませると僕は外へ出たくなる。
少しでも体を動かさないとどうにも思考停止のような感覚に陥るのだ。
そういう性質から、僕はなかなかまともな職に就けなかったんだよなあ……。

ξ゚⊿゚)ξ「一日最低一回はサボるよね」

僕的にはサボりではないんだけど傍からはどう見てもサボりなのは理解している。
それを受け入れてもらえるからこそ、僕は今の仕事に前向きに取り組めているんだ。

891:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:03:32 発信元:61.12.169.119 [sage]
からん、と大きな鈴を鳴らす音は、もう何度開いたかもわからない戸から発生する。
僕とツンは疲れた頭を癒すため、常連となった喫茶店へとやってきた。

(´・ω・`)「いらっしゃいませ、と思ったら刑士さんかい?」

主に茶色と深緑で作り上げられた空間は今や僕の心の安息の場となっている。
壁や柱に掛けられている、植物をテーマに造られた小物やインテリアが安らぎを与えてくれるのだ。

( ^ω^)「閉店時間には間に合ったみたいだお、いつもの頼むお」

(´・ω・`)「別に君たちなら時間外でも頼まれればコーヒーくらい出すよ」

ξ゚⊿゚)ξ「こんにちは、マスター」

(´・ω・`)「うん、こんにちは。仕事はまた煮詰まっているようだね」

( ^ω^)「刑士はなかなか大変なんだお」

『刑士』。それは僕の仕事の俗称だ。
この街は諸外国のような『警察』という組織が治安の維持に務めるのではないのだ。
『刑士』は一般的な警察組織を細分化した中の、ある一つ、殺人やら強盗やらの処理を担当する。
要するに街の危ないことを受け持つ人たちのことを『刑士』と呼ぶ。

実際は『○省○部○担当室所属、○執刑士』って言うけど、誰も使わない。
ちなみに僕らはいついかなる場合でも、街の中ならば『危険と判断した人間を無条件で排除する権利』を持っているのだ。
完全に独立国家のようにして動いているこの街では、そういった特別な権利を持つ人間がちらほらと居るわけで。

(´・ω・`)「まあせっかく来たんだ。ゆっくりしていきなよ」

例えば彼、店のマスター・ショボンも『どこでも自由に店舗を構える権利』を持っている。

892:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:04:23 発信元:61.12.169.119 [sage]
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても相変わらず人が居ないわね……」

カウンターについたツンは周りを見渡しながら失礼なことをのたまった。
そういうことはせめて店を出てから言えばいいのに、彼女はたまにデリカシーというものを投げ捨てる。

(´・ω・`)「ははっ、これは趣味でやっているからいいんだよ」

湯気の上がる白のカップに手際よくコーヒーを淹れながら彼は笑って応えた。
この穏やかな人柄も店の雰囲気に合致しており、なかなか味のある空気感を作り出している。

( ^ω^)「どうせ裏でがっぽり稼いでんだお」

(´・ω・`)っ「一応はノーコメント、ってことで頼むよ」

ξ゚з゚)ξ「あづい……」

ずずず、と今渡されたカプチーノを両手で摘まむように持ちすする。
さっきまで僕に先輩面をしていたのになかなか子供っぽい姿を見せつけてくれるなあ。
こういうしぐさがかわいらしいというか、彼女の魅力であると言えるだろう。

( ^ω^)「さてもう一回、目を通すかおー」

一息ついたところで肩にかけていた鞄から紙の束を取り出し、先の考えを練り直すことにする。

(´・ω・`)「おっと、じゃあ僕は少し離れていようか」

コーヒーカップを僕の邪魔にならないような位置に置くと、ショボンはそんなことを言って店の奥に歩いていった。
こっちが勝手にやってきて勝手にやっていることだし、そもそもあまり褒められたことをしていないんだから、

( ^ω^)「別に気ぃ遣わなくていいのに……」

893:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:05:17 発信元:61.12.169.119 [sage]
なんて、呟いても彼には聞こえていないだろう。
まずは被害者の名簿から覗いていこうかな。

(-_-)

えーっと、三十四歳男性会社員、南部の倉庫街にて発見。
現場は被害者の勤めていた会社からは真逆に位置している。
死因は窒息死で、ビニールのようなもので顔を覆って殺害されたとのこと。

死亡推定時刻は発見の五時間前。
発見者は配送業者の男性で、早朝倉庫を開けた段階ですぐに気付き、
刑犯省南部、つまり僕らが所属しているとこに通報したという。

ξ゚⊿゚)ξ「第一発見者にアリバイはあるし……さっさと次――」

――からん。

川 ゚ -゚)「あ」

( ^ω^)「お」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

いきなり、いやそりゃいきなりだろうが、店の戸を開けてやってきたのは僕のよく知る人物であった。
腰に届かない程度の長く艶のある黒髪と、意図的に作りこまれたかのような細やかな白い肌は未だご健在のようだ。

( ^ω^)「クーじゃないかお」

川 ゚ -゚)「まさかお前に出くわすなんて……!」

894:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:06:33 発信元:61.12.169.119 [sage]
からん。

(;^ω^)「いやちょっと! 出ていくなお!」

なんてこった。僕のせいでショボンの店への客が一人減ってしまう。
大声で引きとめてみるがきっともうどこかへ行ってしまうに違いない。
彼女はあんなふうにして、いつも僕を困らせていたのだから。
しかし、

川 ゚ -゚)「なんてな!」

(;^ω^)「うおおおっ!」

一瞬完全に出て行ったと思ったのだがすごい勢いでクーは僕に飛び膝蹴りをぶちかましてきた。
ちょっとは場所を考えてほしい。

(; ω )「どぅっ!」

ヤツが跳んできた段階で僕は店のカウンターを守るために覚悟を決めたのだが、これがあまりにも痛い。
全力で踏ん張ったこの腹筋でも、我慢するにはちょっと厳しいんじゃないかってくらい。

(´・ω・`)「いらっしゃいま……せ?」

後ろからショボンの声がするが、釈然としないような色が入っていた。
そりゃあそうだろう。現在僕とクーは絡みつくようにして店の真ん中に突っ立っていたのだから。

ξ゚⊿゚)ξ「どちらさま?」

ツンはといえば、クーが飛び込んでくる瞬間も僕が膝蹴りを喰らった後も至って冷静にその場を眺めていた。
まあ、ツンはそういう人なのだ、興味はあっても初対面の相手には過剰な干渉はしない。私事では。

895:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:07:29 発信元:61.12.169.119 [sage]
川 ゚ -゚)「昔の仕事仲間さ」

僕にかかったほのかに柑橘系の香りがする髪をばっと払い、手櫛ですぐに元通りにする。

( ^ω^)「いいからまず僕から降りるお」

そんなことをしつつもクーは両足で完全に僕をホールドしていた。
凄まじい脚力で僕を締めつけながら、彼女は僕とほぼ零距離に居て普通に話し続ける。

川 ゚ -゚)「こんな奴が刑士に引き抜かれるなんて、まったく世も末だよ」

ξ゚⊿゚)ξ「そう? けっこう仕事は真面目よ」

(´・ω・`)「クーさん、注文はあります?」

川 ゚ -゚)「オムライスを頼む。……仕事は真面目ねえ、っと」

僕から跳び離れ、スーツの皺を確認しながらツンの横の席に着く。
彼女は相変わらずの破天荒ぶりで、それは二年経っても変わっていないようだ。

川 ゚ -゚)「君は内藤の恋人かい?」

ξ゚⊿゚)ξ「パートナーよ。あくまで仕事上の、ね」

そういえばショボンがクーの名前を知っているということは彼女もここの常連だったのか。
通い始めて一年は経つが、意外にも知らなかったことだ。

川 ゚ ー゚)「……それはよかった。なかなかにあなたは美人だ、内藤には勿体ないよ」

ξ゚ー゚)ξ「どうもありがとう。まあ、あたしもまだ若いし、アレで妥協する気は無いわ」

896:( ^ω^)は理解に苦しむようです :2010/02/11(木) 04:08:22 発信元:61.12.169.119 [sage]
それから横で僕の悪口をこぼすのが聞こえるような気がしたが、理解しないように努めた。

( ^ω^)「マスター、クーは結構前から来てたのかお?」

手持無沙汰になると会話が耳に入りこんでしまう。
マスターに話しかけて気を逸らさなければやっていけないのだ。
彼がオムライスを作っていようが関係ない。仮に失敗しても食べるのはクーだし。

(´・ω・`)「うーん……半年前くらいからかな?」

( ^ω^)「へえ……」

(´・ω・`)「でも君達が知り合いだったとは驚きだね」

( ^ω^)「僕もここで再会するとは思わなかったお」

手元の資料にも適当に目を通しながら会話を流し合う。

ζ(゚ー゚*ζ

次、二十二歳女性、職業はイラストレーター。
死因は頸動脈の損傷による失血死。ガイシャは南部路面電車駅の駅員室で発見された、と。
ん? 身長152センチ、体重は42キロ、スリーサイズは……。

(;^ω^)「すばらしいロリ巨乳ときたもんだ……」

なんでこんなこと書いてるんだ、正気かうちの解剖医達は。
確かに写真も可愛いけども。

(*´・ω・)「ロリきょぬー? 萌えるねえ」 続きを読む
  1. 2010/02/11(木) 13:34:40|
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三日戦争のようです

811:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:30:56 発信元:124.146.175.165 [sage]
──前日──

|・∀・)コソッ

□ ζ(゚、゚ζ「うーん……」



□ ζ(゚、∩ζ「んー……」ペタペタ

|・∀・)ニヤニヤ

□ ζ(゚- ゚ζ「むぅ……」

|)彡スッ・・・


( ・∀・)「三日戦争のようです」ζ(゚ー゚*ζ

……

812:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:31:56 発信元:124.146.175.166 [sage]
──1日目、朝──

( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「行ってきまーすっ!」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、行ってらっしゃい」


( ・∀・)「さて、じゃあ僕もそろそろ出かけるよ。
     今日は早く帰って来れると思う」

ζ(゚ー゚*ζ「はい、あなた。行ってらっしゃい」

( ・∀・)「……」ニヤニヤ

ζ(゚ー゚*ζ「……?」ニコニコ

( ・∀・)「行ってきます」

ζ(゚ー゚*ζ「……??」

……

813:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:32:52 発信元:124.146.175.166 [sage]
──1日目、午後──

ξ゚⊿゚)ξ「ただいまー!」

ζ(゚ー゚*ζ「お帰りなさい。早かったのねー」

ξ*゚⊿゚)ξ「うん。ママ、これ、おみやげ!」

ξ゚⊿゚)ξっ□←マシュマロ

ζ(゚ー゚;ζ「マシュマロ……? なんで?」

ξ;゚⊿゚)ξ「だってママが……あ! 内緒なの!」

ζ(゚ー゚*ζ「……? よくわからないけど、ありがと。後で一緒に食べましょ」

ξ゚⊿゚)ξ「うん! ……じゃなくて! これはママにプレゼントなのっ!」

ζ(゚ー゚*ζ「……?? そうなの? ありがとう?」

ξ*゚⊿゚)ξ「うん! うがいしてきまーすっ!」

ζ(゚ー゚*ζ「……うーん」



814:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:34:18 発信元:124.146.175.165 [sage]


( ^ω^)「ただいまだお! ママ、おみやげだお!」

ζ(゚ー゚*ζ「お帰りなさい……おみやげ?」

( ^ω^)「はい、これ」

( ^ω^)っ□←アミノサプリ

ζ(゚ー゚;ζ「……なんで?」

(; ^ω^)「お……ぼく、手を洗って来ますおっ!」

ζ(゚ー゚*ζ「……んー?」


815:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:35:46 発信元:124.146.175.165 [sage]


σζ(゚~゚*ζ「ん、美味し……ん?」←マシュマロ食べてる

□⊂ζ(゚- ゚*ζ「これ……」

マシュマロ袋

『コラーゲン云々、肌の潤い云々』⊂

ζ*゚ -゚)ζっ□←アミノサプリ

っ『アミノ酸云々、肌の調子云々』


ζ*゚ -゚)ζ「……ツンー、ブーンー! ちょっと来てくれるー?」

ξ゚⊿゚)ξ「なーに、ママー」
( ^ω^)「おっ」

816:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:37:08 発信元:124.146.175.165 [sage]
ζ*゚ー゚)ζ「ねぇ、今日はどうしてママにおみやげを買ってきてくれたの?」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ」

ζ*^ー^)ζ「ママ怒らないから、誰に言われたのか教えてくれる?」

(; ^ω^)「い、言えないお! 内緒にするってパパと約束したお!」

ζ*^ー^)ζ「ふぅん、パパと……ね」

(; ^ω^)「あ」
ξ;゚⊿゚)ξ「わ、ブーンのばか!」

ζ*^ー^)ζ「ママこれからお出かけしてくるから、二人ともお留守番よろしくね」

(; ^ω^)「は、はいですお」
ξ;゚⊿゚)ξ「わかったの」

ζ(^ー^*ζ...「うふふ、嫌味ったらしい事したのを後悔させてあげるわ……」

(; ^ω^)「お、お……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」

……

817:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:38:15 発信元:124.146.175.165 [sage]
──1日目、夜──


( ・∀・)「ただいまー!」

ζ(゚ー゚*ζ「お帰りなさい! ご飯にします、お風呂にします?」

( ・∀・)「うーん、お風呂が良いかな」

ζ(゚ー゚*ζ「はい。もう用意出来てるわ」

( ・∀・)「ああ、ありがとう」



( ・∀・)「あれ……デレー! シャンプーが切れてるよ!」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、はーい、ちょっと待っててー!」ニヤ



818:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:39:21 発信元:124.146.175.166 [sage]


ζ*゚ー゚)ζっ□「はい、これ。詰め替えてくれる?」

( ・∀・)「ああ……ん?」

(; ・∀・)っ□「……ッ!」

っ『抜け毛予防~~』


ζ*゚ー゚)ζ「いつもと違うのにしてみたの。どうかな?」

(; ・∀・)「あ、ああ。良いんじゃないかな」

ζ*^ー^)ζ「そう、良かった。 それじゃ私は料理の途中だから、戻るね」

(; ・∀・)「……くっそ!あー、くっそ! 今に見てろよ!」

……

819:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 16:40:56 発信元:124.146.175.165 [sage]
──2日目、昼──

( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「ただいまー!」

ζ(゚ー゚*ζ「お帰りなさい! おやつのプリンがあるから食べましょ?」

(* ^ω^)「お! 食べるお!」

ζ(^ー^*ζ「よし、じゃあ手を洗っておいで」

ξ*゚⊿゚)ξ「はい!」


ζ(゚ー゚*ζ~♪

□]⊂ζ(ー゚*ζガチャ

冷蔵庫

ζ(゚ー゚*ζ「……ん? 何かしら、このメモ……」

...ζ*゚ー゚)ζっ□「んー?」

っ『間食し過ぎると太るぞ d(・∀・ )』

ζ(゚ー゚;ζ「く……こんな紙切れ一枚でッ……」

ζ(-ー-;ζ「……!」



823:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 17:02:04 発信元:124.146.175.165 [sage]


(* ^ω^)「プリン美味しいお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「あれ、ママは食べないの?」

ζ(-ー-;ζ「ママはダイエットするのよ……」

ξ*゚⊿゚)ξ「そんな事しなくてもママは十分きれいなの!」
(* ^ω^)「そうだお! 無理にやせたらダメだお!」

ζ(゚ー゚*ζ「あなた達……」

……

825:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 17:03:24 発信元:124.146.175.165 [sage]
──2日目、夜──

( ・∀・)「ただいまー!」

ζ(゚ー゚*ζ「お帰りなさい! 遅かったのね」

( ・∀・)「ああ、本屋に寄ってたんだ」

ζ(゚ー゚*ζ「本屋さんに?」

( ・∀・)「うん。ご飯出来てる?」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ。今温め直すわ」



( ・∀・)「デレ。僕が人参嫌いなの知ってるよね」

ζ(^ー^*ζ「もちろん。あなただって、私とツンが人参大好きなの知ってるでしょ?」

( ・∀・)「全皿オレンジ色ですか」

ζ(^ー^*ζ「ちょっと張り切りすぎちゃって」

( ・∀・)「……いただきます」

ζ(^ー^*ζ「うふふ」



826:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 17:04:29 発信元:124.146.175.165 [sage]


( ・∀・)「ごちそうさまです……」

ζ(゚ー゚*ζ「お粗末様。美味しかった?」

( ・∀・)「うん。前にブーンに『好き嫌いするな』
     なんて言った自分をSATSUGAIしたいね」

ζ(^ー^*ζ「良かった。口に合うか心配だったの」

( ・∀・)「……」ヒクッ

ζ(゚ー゚*ζ「そう言えば、今日はどうして本屋に?」

( ・∀・)「ああ、これを買いに行ったんだよ」

( ・∀・)っ□←本

□⊂ζ(゚ー゚*ζ「これ?」
『これだけは押さえておきたい、料理の基本』⊂

828:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 17:05:35 発信元:124.146.175.166 [sage]
ζ(゚ー゚*ζ「……今日は二段攻撃だったのね」

( ・∀・)「?」

ζ(゚ー゚*ζ「お風呂、沸いてるわ。お先にどうぞ」

( ・∀・)「あ、ああ。頂くよ」

ζ(゚ー゚*ζ「……基本からやり直せってかコラ」ボソッ

( ・∀・)「え、何?」

ζ(^ー^*ζ「ううん、何でもないわ」

(; ・∀・)「そ、そう?」

ζ(^ー^*ζ「うふふ」

(; ・∀・)「!?」ゾッ

……

829:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 17:06:16 発信元:124.146.175.166 [sage]
──3日目、朝。──

■ ζ(^ー^*ζ「うふふ……」ジョ-キジョ-キ

(; ^ω^)「おはよ……ママ、何してるんですかお?」

■ ζ(^ー^*ζ「何って、海苔を刻んでるのよ」ジョ-キジョ-キ

(; ^ω^)「お……」

■ ζ(^ー^*ζ「うふふふ……」ジョ-キジョ-キ

……

830:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 17:07:21 発信元:124.146.175.165 [sage]
……

──3日目、昼──

(*゚ー゚)「ツンちゃん、一緒にお弁当……って、えぇー……」

ξ゚皿゚)ξガフガフ

(;゚ー゚)「な、なんでそんなにすごい勢いで食べてるの……?」

ξ;゚⊿゚)ξ「げふ……それは言えないの。ごめんね」

(;゚ー゚)「……? うん」

ξ;皿;)ξ(なんで私のお弁当にハートの形の小さい味海苔がたくさん入ってるのー!?)



833:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 17:08:48 発信元:124.146.175.166 [sage]
──同じ頃──

川 ゚ -゚)「課長、それ奥さんの?」

( ・∀・)「うん、愛妻弁当……のはず」

川 ゚ -゚)「ずいぶん可愛いお弁当箱ですね」

( ・∀・)「たぶん娘のと間違えたんじゃないかな。……うわ、少ないなー」

川 ゚ -゚)「それなら、私と一緒に食堂に行きませんか?」

( ・∀・)「パス。せっかく妻が作ってくれたんだから、ありがたく頂くよ」

川 ゚ -゚)「……そうですか。残念です」

( ・∀・)「うん、気持ちだけ受け取っとくよ。
     ……うわ、良く見たら人参ばっかりだ」

川 ゚ -゚)、「……」

841:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 18:02:21 発信元:124.146.175.165 [sage]
ξ#゚⊿゚)ξ「ただいまー! ちょっと、ママ!」

ζ(゚ー゚*ζ「お帰りなさい! どうしたの?」

ξ#゚⊿゚)ξ「今日のお弁当、海苔と五百円玉しか入ってなかったの!」

ζ(゚ー゚ζ「……え」

ξ#゚⊿゚)ξ「すごい寂しかったの!」

ζ(ー *ζ「……ご、」

ξ゚⊿゚)ξ「ご?」

ζ(゚д゚*ζ(誤爆ったあああああぁあああぁ!)

ξ;゚⊿゚)ξ「!?」

842:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 18:06:27 発信元:124.146.175.166 [sage]
ζ(д *ζ(私のバカ!なんでこんな時に限ってこんな間抜けなミスを……うわぁああああ)

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ……ママ?」

ζ(;д;*ζ「ごめんね! ごめんねツン!」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、えっ?」

ζ(;д;*ζ「本当にごめん!」

ξ;゚⊿゚)ξ「いいの! あたし本当はそんなに怒ってないの!
味海苔とっても美味しかったよ!」

ζ(;д;*ζ「おろろーん……」

ξ;゚⊿゚)ξ「えぇー……」


845:三日戦争のようです :2010/02/10(水) 18:09:30 発信元:124.146.175.165 [sage]
──3日目、夜──

( ・∀・)「ただいまー」

ζ(- *ζ「お帰りなさい……」

(; ・∀・)「え、どうしたの? すごい暗いね」

ζ(- *ζ「お弁当……」

(; ・∀・)「ああー! いや、気にしなくて良いよ!
     ああいう弁当もたまには良いでしょ!」

ζ(-;*ζ「間違えてツンに味海苔だけのお弁当の方渡しちゃった……」

(; ・∀・)「……つまり本来なら僕の昼御飯は味海苔だけだったのか!」

ζ(-;*ζ「……私っ、ツンに酷い事を、」

(; ・∀・)「僕になら良いの!?」 続きを読む
  1. 2010/02/11(木) 02:40:30|
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(,,゚Д゚)は確かに見たようです

721:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:54:54 発信元:219.125.145.45 [sage]
あれ? ここは何処だ?



「ギコさん、気が付きましたか?」



何処からか誰かの声が聴こえる。


でも、誰なんだ?


ここは何処なんだ?










どうして俺は暗闇の中にいるんだ?

723:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:56:04 発信元:219.125.145.51 [書き溜めなのでご安心を]








ギコは確かに見たようです







725:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:57:28 発信元:219.125.145.53 [sage]
(;´∀`)「先生! 息子は!?」

从;'ー'从「先生……」

( <●><●>)「ご安心下さい。息子さんに命の危険はありません」

从'ー'从「ほっ……」

( ´∀`)「それは本当に良かった……」

( <●><●>)「――ですが」

从'ー'从「?」(´∀` )

( <●><●>)「息子さんの視力は失われています」

从;'ー'从「!」(´∀`;)

726:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 22:58:36 発信元:219.125.145.52 [sage]
(;´∀`)「それは……」

( <●><●>)「現代の医学ではどうにもなりません」

(;´∀`)「角膜ですか!? 角膜なら私のを――」

( <●><●>)「事故に合った際に頭を強く打っています。
       その時に画像を脳へ送る部分が損傷したらしいのです。
       おそらく、もう視力が回復することは、無いでしょう」

(;´∀`)「そんな……ギコが……」

从'ー'从「ギコは今……」

( <●><●>)「病室で横になっています。こちらへ」

727:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:00:05 発信元:219.125.145.43
あ、今誰かが廊下を渡ってこの病室に来る。

この足音は誰だかわかる。

だって、生まれてからずっと俺の側にいた人たちだから。



(,,゚Д゚)「親父とお袋か?」

( ´∀`)「ギコ……」

从'ー'从「ギコ……」

(,,゚Д゚)「へへ……やっぱり見えねえや。
     二人が来たら見えるかも、って思ったけど」

( ;∀;)「ごめんな……ギコ……ごめん」

(,,゚Д゚)「別に死ぬわけじゃないんだから泣くなよ。
     俺は大丈夫だって――」

732:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:01:41 発信元:219.125.145.51 [sage]
それからもずっと親父は俺に謝ってた。
親父が悪い訳じゃねーのにな。

お袋の声は聞こえなかったけど、きっと声を殺して泣いてた。
そんな気がする。






親父とお袋は面会時間いっぱいまで一緒にいた。
明日はお袋が着替えを持ってきてくれるらしい。



(,,゚Д゚)「俺もまだまだガキだな」



俺が大丈夫なのは本当だ。
多少の痩せ我慢も入っているが、視力が無くても慣れれば平気だ。


ただ、ただ一つだけ――

733:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:03:21 発信元:219.125.145.87 [sage]
ふと気がつくと寝ていたらしい。



体がだるく感じる。

今は朝のようだがいかんせん目が見えないのでわからない。

点滴をしているので飯から時間を知ることも出来ない。



(,,゚Д゚)「随分視力に頼った生活だよな」



昨日までの日々を思い返すと、浮かんでくる顔はただ一つ。



(,,゚Д゚)「あいつは今頃起きたりしてそうだよな」



そう呟いた時、廊下から音がした。

734:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:04:59 発信元:219.125.145.49
ダッダッダッ


<ビョウイン ハシッチャ ダメネ!



ああ、この走り方は



ガラッ


「ギコくん!」



そしてこの声と匂いは



(*゚ー゚)



しぃだ。

735:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:06:36 発信元:219.125.145.49 [sage]
(;゚ー゚)「ギコくん、大丈夫!?」

(,,゚Д゚)「大丈夫だから落ち着け」

(;゚ー゚)「ギコくんが昨日事故に合ったって聞いて居ても立ってもいられなくて、それで――」

(,,゚Д゚)「わかった、わかったからとりあえず落ち着け」



何から何までいつもと変わらない俺の幼なじみ。

昔から俺の体を人一倍心配する、優しい俺の彼女だ。

736:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:08:17 発信元:219.125.145.58 [sage]
それから俺はしぃに視力が無くなったことを告げた。


しぃはどのような顔で俺の話を聞いていたんだろうか。

気配を探っても、しぃの表情はわからなかった。




ただ、一言



(* ー )「じゃあ、私が頑張らないとね」



と呟いただけだった。

737:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:10:13 発信元:219.125.145.54
俺はそれから二ヶ月間入院していた。
その二ヶ月間毎日しぃが来てくれた。


しかし、来ても病室から出ることもなく、ただ話をするだけ。

病院から出れない俺に新しい話題があるはずもなく、ひたすらしぃの話を聞くだけだった。








これで、良いのだろうか。

739:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:12:27 発信元:219.125.145.47 [sage]
俺は満足している。
ただしぃが側に居てくれるだけで他には何もいらない。




だが、しぃはどうなんだろう。
目の見えない俺と一緒にいてあいつは楽しいのか。
本当に満足しているのか。






あいつは義務感だけで俺と一緒にいるんじゃないのか。

俺の存在があいつを縛っているんじゃないのか。





俺があいつに無理をさせているんじゃないのか。

740:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:14:20 発信元:219.125.145.47 [sage]
(*゚ー゚)「ギコくん、退院おめでとう!」

(,,゚Д゚)「おぅ」

(*゚ー゚)「じゃあ、ギコくんの家に行こっか!」

(,,゚Д゚)「――しぃ」

(*゚ー゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「話したいことがあるから、近くの公園に行きたい」

(*゚ー゚)「――うん、わかった」



その後にしぃの声が聞こえたが、何を言ったかは聞き取れなかった。

742:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:16:16 発信元:219.125.145.49
(*゚ー゚)「着いたよ」

(,,゚Д゚)「そうか」

(*゚ー゚)「ねぇ、覚えてる? ギコくんがここで私に――」

(,,゚Д゚)「しぃ」

(*゚ー゚)「私に『好きだ』って言ってくれて、それから――」

(,,゚Д゚)「しぃ……」

(*;ー;)「それから、それから――」

(,,゚Д゚)「俺達、もう別れよう」

(*;ー;)

756:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:42:00 発信元:219.125.145.56 [遅くなってすいません]
(,,゚Д゚)「俺もう目が見えないし、この先しぃに迷惑ばっかかけるよ」

(*;ー;)「そんなこと……」

(,,゚Д゚)「無い、とは言わせない。俺が一番わかってる」

(,,゚Д゚)「俺、しぃに幸せになって欲しいからさ。だから」

(*;ー;)「もう……決めたこと……?」

(,,゚Д゚)「あぁ」

(* ー )「じゃあさ、最後に一緒に海を見たい」

(,,゚Д゚)「海?」

(* ー )「うん。駄目かな?」

(,,゚Д゚)「いや、わかった。来週にでも一緒に行こう」

(* ー )「うん、絶対だよ。じゃあ今日はもう帰るね」



しぃは俺を残して足早に去っていった。

758:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:44:12 発信元:219.125.145.43 [sage]
今、俺はしぃを傷つけただろう。
それでも構わない。

あいつが俺に縛られないようになるなら嫌われても構わない。


俺という重しが無くなれば、しぃは自由に幸せを掴める。

しぃの幸せの為なら全てを犠牲にしよう。




しぃが一人になりたい、というなら俺は受け入れよう。







例え、一人取り残されようとも。


(,,゚Д゚)「俺、どうやって帰ろう……」

760:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:45:50 発信元:219.125.145.48 [sage]
海へ行く日の朝早くに、玄関のベルが鳴った。



(*゚ー゚)「ギーコくーん」

从'ー'从「あらしぃちゃん、今日は早いのね」

(*゚ー゚)「はい。今日は一緒に海に行こう、って」

从'ー'从「じゃあギコにも早く支度させるから待っててね」



(,,゚Д゚)(朝飯位はゆっくり食べさせてほしいんだがなぁ)

764:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:47:54 発信元:219.125.145.87
それからしぃと共に海へ向かった。


俺の家は内陸部にあるので、海を見る為には、かなり移動しなければならない。



(*゚ー゚)「そこ段差があるから気をつけてね」


(*゚ー゚)「ここから階段だよ」



しぃはことあるごとに足元を俺に伝えてくれる。

目の見えない俺はしぃの肩に手を乗せて歩く。


しかし、しぃは海に着くまで、一度たりとも俺に触れる事は無かった。

766:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:49:17 発信元:219.125.145.57 [sage]
海は遠く、俺の歩く速度も遅いため、海岸に着いたのは日が傾きかけた頃だった。



(*゚ー゚)「ギコくん、着いたよ」

(,,゚Д゚)「ああ、雰囲気でわかる」



俺としぃは波の寄せる砂浜に腰を下ろした。

769:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:51:42 発信元:219.125.145.49
それからしばらく波の音を聞いていたが、俺はしぃにある質問をした。



(,,゚Д゚)「しぃ、どうして海に来たかったんだ?」

(*゚ー゚)「……やっぱり覚えてないんだね」

(,,゚Д゚)「え?」

(*゚ー゚)「ギコくんが私に告白したときに『しぃと一緒に海を見たい』って言ったんだよ」

(,,゚Д゚)「そういえば――」

772:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:54:11 発信元:219.125.145.88 [sage]
――――――――――――――――――――――――――――
10年前




(,゚Д゚)「しぃ、俺と付き合って欲しい」

(*゚∀゚)「……え?」

(,゚Д゚)「あの、理由は言えないんだけどさ」

(,゚Д゚)「俺、いつかしぃと一緒に夕焼けの海を見たいんだ」

(,゚Д゚)「だから、それまで俺と付き合って欲しいんだ」

(*゚∀゚)「……うん」



――――――――――――――――――――――――――――

775:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:56:27 発信元:219.125.145.48
(*゚ー゚)「思い出した?」

(,,゚Д゚)「俺の黒歴史を少々」

(*゚ー゚)「私が知りたいよ、どうして海だったの?」

(,;゚Д゚)「あー、あれはだなー」

(*゚ー゚)「うん」

(,;゚Д゚)「あの頃の俺は夕焼けが一番ロマンチックだと思っててだな」

(*゚ー゚)「それだけ?」

(,;゚Д゚)「女ってロマンチックなのが好きなんだと雑誌に乗ってたし、それに――」

(*゚ー゚)「それに?」

(,,゚Д゚)「その雑誌に『一緒に海を見たカップルは一生幸せになれる』って書いてあったからな」

(*゚ー゚)「……そっか」

777:(,,゚Д゚)は確かに見たようです :2010/02/09(火) 23:58:15 発信元:219.125.145.56 [sage]
(,;゚Д゚)「ああ、顔から火が出るほど恥ずかしい」

(*゚ー゚)「そうなの?」

(,;゚Д゚)「黒歴史を好きな人の前で話すとかイジメだよ」



(*゚ー゚)「――ねぇギコくん」

(,,゚Д゚)「ん?」

(*゚ー゚)「海、見えない?」



そう言うと、しぃは俺の手を握ってきた。 続きを読む
  1. 2010/02/10(水) 23:54:08|
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( ^ω^)は恋の神様のようです

662:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:28:49 発信元:122.102.231.42


( ^ω^)は恋の神様のようです




恋なんてつまらない。恋の神様はいつも思っていました。


( ^ω^)「だいたい、ボクは必要ないお」


誰と誰が結ばれるかを決めるのは運命の神様。
恋の神様は、誰かが結ばれ、別れるのを見守るだけなのです。

これではつまらないのも無理はありません。

663:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:31:27 発信元:122.102.231.42

人の恋路など、見ていても面白くありません。


それでも、少し前までの世界では面白みもありました。
愛や恋をめぐって、争いが起き、人々は恋のために旅にでました。

けれども、今ではそんなことは中々起きません。
なんと退屈なのでしょう。

恋の神様は何もできません。
誰かを破局させることも、結びつけることもできないのです。


いいえ、一つだけできることがあります。
それは背中を押してあげることです。

ほんの少しの勇気を与えることだけ、恋の神様はできます。

665:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:35:36 発信元:122.102.231.42

ですが、それはほとんど意味をなしません。
だって、運命を変えて結ばれることなどそうそうないことですから。

おかげで恋の神様はいつでも退屈しています。


(*゚ー゚) 「ねえ、賭けをしましょうよ」


ある日、奇跡の神様がやってきました。
奇跡の神様は、その名の通り奇跡を起こすことができます。

運命を捻じ曲げることができるので、運命の神様とは仲が悪いです。


( ^ω^)「君は賭け好きで有名な神様だおね」

(*゚ー゚) 「ええ。だって、賭けは運命と奇跡の戦いですもの」

667:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:40:09 発信元:122.102.231.42


奇跡の神様は笑います。


( ^ω^)「で、何をするんだお?」

(*゚ー゚) 「乗ってくれるのね?」

( ^ω^)「ボクも暇なんだお」

(*゚ー゚) 「でしょうね!」

( ^ω^)「……」


どうやら、奇跡の神様は直球型の人のようです。

668:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:43:34 発信元:122.102.231.42

(*゚ー゚) 「あの男と、あの女が結ばれるかを賭けましょ。
     もちろん私は結ばれるほうに賭けるわ」


( ^ω^)「あの男と女……?」



('A`)   川 ゚ -゚)


覗いた先にいたのは、さえない男と美女でした。
運命は2人が結ばれるとはしていません。


( ^ω^)「あんなの、結ばれないに決まってるお」

(*゚ー゚) 「あたしが一度だけ、奇跡を使えば結ばれるかもよ?」

669:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:47:40 発信元:122.102.231.42


たった一度の奇跡でどうにかなるものではありません。
運命はそんなに簡単なものではないのです。



( ^ω^)「やれるもんなら、やってみろお」

(*゚ー゚) 「言ったわね?」

( ^ω^)「言ったお」


こうして、2人の神様の賭け事が始まりました。

671:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:51:39 発信元:122.102.231.42


奇跡の神様はすぐに奇跡を一つ起こしました。
それは、奇跡というよりも偶然と言ったほうがしっくりくるほど、
小さくて、単純な奇跡でした。


('A`)「こんにちわ」

川 ゚ -゚)「やあ」


男が女の実家の本屋でバイトをすることになった。
ただ、それだけのことだ。

( ^ω^)「あれが奇跡かお?」

(*゚ー゚) 「そーよ」

674:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:55:30 発信元:122.102.231.42

運命にないことを起こす。それが奇跡の神様の力です。

( ^ω^)「あの程度で運命が変わるとでも?」

(*゚ー゚) 「それは後のお楽しみ」


奇跡の神様は人差し指を唇につけて笑います。

( ^ω^)「いい歳してるくせに」

(*゚ー゚) 「うるさい」

2人の神様は下の世界を見下ろします。
あの男女の様子をじっと見つめます。

675:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 15:59:49 発信元:122.102.231.42

('A`)「あの、終わりました」

川 ゚ -゚)「おお、ありがとう」


('A`)「いえ」

川 ゚ -゚)「君は同じ学校だよな?」


('A`)「あ、はい」

川 ゚ -゚)「同級生だよな?」


('A`)「まあ……」

川 ゚ -゚)「なら、敬語なんぞ使わなくていいぞ」

677:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:03:52 発信元:122.102.231.42


('A`)「でも、一応雇い主の娘さんなんで」

川 ゚ -゚)「私がいいと言ってるのにか?」


('A`)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」


('A`)「わかった」

川 ゚ー゚)「よろしい」


ほんの少しの『ときめき』が恋の神様には見えました。

678:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:06:47 発信元:122.102.231.42

(*゚ー゚) 「どう?」

( ^ω^)「……まだ、結ばれたわけじゃないお」

(*゚ー゚) 「あんたって、面白みのない男ね」


奇跡の神様は呆れた様子で、ため息をつきました。


( ^ω^)「本当のことだお」

(*゚ー゚) 「乙女心ってのに、もっと敏感になるべきね」

( ^ω^)「言っていることがよくわからないお」


(*゚ー゚) 「この賭けは、あたしが勝つってことよ」

679:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:09:36 発信元:122.102.231.42

('A`)「どうしたんだ?」

川 ゚ -゚)「ここがよくわからなくてな」


女は学校でも男と話すようになりました。


('A`)「お前のほうが頭いいじゃん」

川 ゚ -゚)「こういうのは、頭の柔らかい人間むきなんだよ」


『ときめき』が少しずつ成長してきます。

682:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:12:38 発信元:122.102.231.42


( ^ω^)「よくわからないお」

(*゚ー゚) 「何が?」


( ^ω^)「あんな男のどこがいいんだお?」


男の顔は美しいわけではありません。
性格だって、優柔不断で、優しくもないし、気遣いだってできません。

そんな男のどこがいいのでしょうか。

男のほうはともかく、女の『ときめき』も成長している理由がわかりません。


(*゚ー゚) 「だから、乙女心は複雑なのよ」

684:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:15:49 発信元:122.102.231.42


男と女は『ときめき』を育て続けました。

小さな恋の駆け引きと、他愛もない日常という水を受け、
『ときめき』は大きくなりました。


('A`)「…………」


けれど、男は思いを告げることはありません。
自分なんかが、という悲しい思いがあります。



川 ゚ -゚)「…………」


女も思いを告げることができません。
気恥ずかしさと、今の距離感に揺れています。

685:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:19:01 発信元:122.102.231.42

そうこうしている間に、卒業の日が近づきます。
男はバイトをやめました。
大学の近くでバイトをするのだそうです。

このままでは、2人は互いの思いを知ることなく、一生を終えるでしょう。


( ^ω^)「…………」


黙っていれば、この賭けは恋の神様の勝ちです。
ですが、あまりにも歯がゆいのです。



だって、恋の神様は小さな勇気を与えることができるのですから。


687:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:22:56 発信元:122.102.231.42


('A`)「もう、卒業だな」

川 ゚ -゚)「……そうだな」


放課後の教室で、2人は話します。
胸は高鳴り、今にも壊れてしまいそうなほど。

思いを告げたい。そう思っているのに、2人には勇気がありません。


('A`)「楽しかった、な」

川 ゚ -゚)「そうだな」

688:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:26:24 発信元:122.102.231.42

赤い夕日が2人を照らしています。
見ているのは2人の神様だけ。


(*゚ー゚) 「あーあ。負けちゃうかなぁ」


奇跡の神様はちらりと恋の神様を見ます。


( ^ω^)「…………」


恋の神様は黙っています。


恋なんてくだらない。どうせ、破局するだけだと思っています。
彼らは運命で繋がれているわけではないのだから。

689:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:29:23 発信元:122.102.231.42



それでも、ずっと見守ってきたのです。


男の『ときめき』も
女の『ときめき』も


恋の神様は知ってしまっているのです。

691:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:32:43 発信元:122.102.231.42


('A`)「オレ、お前のこと、好きだよ」

川 ゚ -゚)「……ああ、私もだ」



小さな勇気が2人に力を与えました。


(*'∀`)

川*゚ー゚)



( ^ω^)

(*゚ー゚)

693:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:50:44 発信元:122.102.231.42 [猿め……]


( ^ω^)「……負けたお」

(*゚ー゚) 「あなたのおかげで勝てたわ。ありがとう」


結局、恋の神様は自分に与えられた唯一の力を使ったのです。


( ^ω^)「ま、どうせ何かを失うわけじゃないお」

(*゚ー゚) 「そうね。何も賭けてないものね」


2人の神様はただ賭けをしただけ。
勝っても負けても、大した意味は持ちません。


694:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:55:49 発信元:122.102.231.42


( ^ω^)「なんで、ボクと賭けをしたんだお?」

(*゚ー゚) 「あら。あたしだって女の子ですもの」


奇跡の神様の言葉に、恋の神様は首を傾げます。


(*゚ー゚) 「『あの人と話すきっかけを』『告白する機会を』そんな奇跡を。
     世の女の子は願うのよ」


奇跡を願う女の子達のために。


(*゚ー゚) 「だから、あなたには働いてもらわなくちゃ」


ほんの少しの勇気を与えることができる神様を動かしたのです。

695:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 16:59:59 発信元:122.102.231.42


(*゚ー゚) 「彼女だって、ずっと彼を思っていたわ。心の奥の奥でだけど」


つまり、これは元々奇跡の神様に有利にできていたのです。


(*゚ー゚) 「恋に足りないのは『奇跡』じゃなくて『勇気』なのよ」


奇跡なんて起こらなくても、彼女に勇気があればそれでよかったのです。
恋のきっかけなんてそんなものなのです。


( ^ω^)「…………」

(*゚ー゚) 「ねえ、恋ってつまらない?」 続きを読む
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(#゚;;-゚)不器用なようです(・∀・ )

625:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:30:53 発信元:220.217.62.162 [sage]

 彼がわたしの笑顔が好きと言ったから、いつでも笑っているようにした。

――――ヘラヘラするなと言って、彼は私を殴った。

 彼が笑うなと言ったから、いつでも無表情でいるようにした。

――――人形みたいで気持ち悪いと言って、彼はわたしを蹴り飛ばした。

 彼が望むことはなんでもしたわ。

―――でも彼はわたしに何もしてくれなかった。

 彼と一緒にいたかったの。

――――彼はどうだったかしらないけれど。

627:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:33:08 発信元:220.217.62.162 [sage]
 他人にとってこの傷が酷いものに見えようとも、わたしにとっては彼がくれた宝石なの。
 首輪とその痕でさえ、どんなものよりも高級なネックレス。
 わたしには彼しかいなかったの。
 側に居ることができるなら、どんなことにだって従った。
 けれども。
 こればかりはどうしていいかわからなかった。


 殺してくれなんて、そんなこと。

628:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:35:03 発信元:220.217.62.162 [sage]



(#゚;;-゚)不器用なようです(・∀・ )



630:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:37:32 発信元:220.217.62.162 [sage]


(#゚;;-゚)「どうし……て……?」

 手渡されたナイフを握り締め、半ば呆然としてわたしは彼に問い掛けました。
 銀色に煌めくそれは、彼が何度もわたしの肌に滑らせたもの。
 わたしの顔と彼の顔を、鏡のように映したそれは、刃零れ一つありません。

( ・∀・)「僕の望むことは何でもしてくれた君だ、今回もしてくれるよね?」

 そう言って、何時もと同じシニカルな笑み。
 けれどもその瞳には何も映ってはいなくて。
 そんな彼を見ていることが出来なくて、私はふるふると頭を横に降りました。

(#゚;;-゚)「……できま……せん」

631:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:39:07 発信元:220.217.62.162 [sage]
 右頬に衝撃。
 ナイフが手から離れ、床に落ちた硬質な音。
 殴られた、と気付いたのは床に倒れこんだ私を彼が踏みつけてからでした。
 何度も何度も足が降り降ろされ、私の骨がぎしぎしと悲鳴を上げます。
 肌に感じる、彼の足の感覚にほんのりと身体が熱くなり、頬が赤くなりました。
 それを見つけた彼は私を詰るのです。
 足蹴にされて欲情しているのかこの変態め、と。
 彼の表情が見たくて、顔にかかった髪の間から見上げればそれは満面の笑みで。
 彼が笑顔でわたしを見ている事実にもっと身体が熱くなり、そのままされるがままになっていました。
 痛いのが気持ちいい。
 この痛みを受けることだけか、今わたしを支えているのです。
 これが、彼の愛情だと、信じているから。
 彼の言葉一つ一つが、わたしの醜い心を剥き出しにするのです。

 暫くして彼はぴたりと動きを止めて、私へ語りかけます。

633:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:41:03 発信元:220.217.62.162 [sage]

( ・∀・)「また君に暴力を振るって、こんなことを言うのは可笑しいかもしれない。
     けれども僕は、罰を受けなければならない。
     今まで君にしたことを考えれば、僕は殺されるくらいじゃ済まないだろうね。
     だから、君の好きなように殺して欲しいんだ」

 さぁ、立って。
 彼に命令されれば、わたしは従わないわけには行きません。
 ゆっくりと、しかししっかりと立ち上がります。
 それを見届けた彼は落ちたナイフを広い上げ、私へと再び手渡しました。
 そして、私の前ですっと腰を降ろして跪いたのです。
 あの彼が、この彼が、こんなことをするなんて。
 片膝をついて頭を垂れる彼は、まるで王子様。
 酷く酷く、美しい。
 
634:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:43:45 発信元:220.217.62.162 [sage]

 思えば彼には、愛してるだなんて言われたことも無かった。
 優しいキスなんてもってのほか。
 セックスは彼がわたしを一方的に犯すものだったし、よく締まるからって首を何度も絞められた。
 言葉でも何度も責められて、身体に傷をつけられた。
 そういえば、彼の命令で彼以外の男に身体を許したこともあったっけ。
 勿論、彼が見ている前で。

 全て、彼を愛していたからと受け入れてきた。
 これが彼の愛情なんだと、受け入れてきた。
 罵られたり、暴力を振るわれて興奮するのはそういう性癖のはず。
 彼に従うことが私の愛情表現。
 ……そう、信じてた。

635:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:45:10 発信元:220.217.62.162 [sage]

 けれど今、疑問が生まれてしまったのだ。
 本当にわたしは彼を愛していた?
 彼が憎くてたまらないのに、彼を愛しているから耐えられると思い込んではいなかった?
 ずっとずっと、彼の白い肌にナイフを這わせて赤い線を着けたかった。
 彼の首を絞めて、青白く染まる顔を見てみたかった。
 少しでも、そう思ったことは無かった?


 彼はそれを見透かしていたからこそ、殺してくれなんて言ったのでは?


 ぐるぐると疑問はわたしの頭を回り、わたしの意識は

636:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 13:47:06 発信元:220.217.62.162 [sage]

( -∀-)「やっぱり無理……か」

 彼の呆れたような呟きによって、わたしは思考の海から現実へと意識を取り戻しました。
 そして、一歩。
 彼はわたしに背を向け歩み出しました。。
 わたしは彼の命に従いませんでした。
 きっと、彼はわたしに失望したのでしょう。
 それを思うと、さっきまでの考えはどこへいったのか。
 燃えるような激情が、わたしを支配しました。
 捨てないで、嫌いにならないで、わたしにあなたを愛させて。
 あなたしか居ないの、愛してくれなくてもいい。
 何でもするから、側にいさせて。

 そして、零れる赤、朱、緋、あか。

642:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 14:01:07 発信元:220.217.62.162 [sage]

 わたしは殆ど無意識のうちに、背後からぶすりと、彼をナイフで刺したのです。
 はっとしてわたしはナイフを彼から抜きました。
 滝のように、赤い血が彼に空いた穴から溢れ出します。
 彼は仰向けに倒れこみ、硝子玉のような瞳で、私の目を見ました。
 そして手を伸ばし、わたしの首に嵌まった首輪に手を伸ばすのです。
 かちゃりかちゃりと金属が触れ合う音がして、わたしの首から首輪を外そうとしているのがわかりました。
 やめて、そう言いたいのに溢れ出るのは嗚咽ばかり。

(  ∀ )「これで、じゆうだ」

 零れる赤を気にもせず、彼はわたしに言いました。
 その手には外された首輪。

 首輪が無い。
 彼との繋がりである首輪が無い。
 それは酷くわたしを狼狽えさせました。
 ぽたりぽたりと溢れる涙を抑えることが出来ません。
 何か言いたいのに、言わなければならないのに、意味ある言葉が出てこない。
 刺したのはわたし、泣くべきは彼。
 それなのに。

644:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 14:04:40 発信元:220.217.62.162 [sage]

(  ∀ )「あいしてた」

 最期にそんなことを言うなんて。
 
 次にわたしの口をついて出たのは、悲鳴にも聞こえる泣き声だった。

645:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 14:07:41 発信元:220.217.62.162 [sage]

◇ ◇ ◇

( ^ω^)「本当に命に別状が無くてよかったですおー」

 車のハンドルを握りながら、人のよさそうな笑顔で内藤さんは言った。
 彼はわたし達が住んでいたマンションのお隣さんだ。
 あの時、わたしの声を聞いて駆けつけてくれたらしい。
 彼曰く、

( ^ω^)「毎日のように……、えっと、変な音が聞こえて……ちょっと怖かったんだお。
      そしたら昨日悲鳴が聞こえてきて……」

 やっと、勇気が出たんですお、と言って、内藤さんはカラカラと笑った。
 恐らく彼が聞いていた変な音は彼がわたしを殴ったり蹴ったりした音や、わたしの喘ぎ声だろう。
 音だけとは言え、彼以外の人にあれを聞かれていたとは。
 羞恥で顔が赤く染まる。
 ああ、恥ずかしい。

646:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 14:11:21 発信元:220.217.62.162 [sage]

( ^ω^)「それにしても……本当に大丈夫ですかお?」

 暫くして、内藤さんは心配そうな声色でわたしに尋ねた。
 内藤さんは血塗れのわたしと彼を彼を見て、直ぐに病院に連絡してくれた。
 そして今も、彼の居る病院へと送ってくれている。
 内藤さんは何も聞こうとはしないけれど、大体の予想はついているのだろう。
 
(#゚;;-゚)「ええ」

 だからそう言って、わたしは首を触る。
 そこにあったはずの、首輪の感覚を思い出す。
 結局あんなものが無くても、わたしは彼に縛られている。
 彼が憎くなかったかと聞かれれば、はいとは答えられない。
 けれども彼をあいしていないのかと聞かれれば、それにもはいとは答えられないのだ。
 隣の内藤さんを見れば、難しそうな顔。
 そんな彼にわたしは薄く微笑みかける。

(#゚;;ー゚)「あの人、結局不器用なんです。
    だからこそわたしにこんなこと、したんですよ」

647:いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/02/09(火) 14:14:11 発信元:220.217.62.162 [sage]

 今ならわかる。
 彼はわたしを解放したかった。
 けれども、意志の弱い彼は離れるだけでは駄目なのだ。
 それになにもせずにわたしから離れるわけにも行かない。
 きっとわたしは彼を恨んでいるだろうから。
 ……そんなところだろう。

 内藤さんは納得出来ない様子だったが、もうすぐ着くお、とだけ言ってそれきり口を開かなくなった。
 はい、と答え、わたしは考えを巡らせる。
 あの事件のあと、わたしは客観的にわたし達の関係を見ることが出来るようになった。
 共に依存しているのだ。
 きっと、これからも。
 でもそれでいいと思った。
 あのとき彼が言ってくれた五文字の言葉。
 それだけで全て耐えられる。

 もう少しで彼の元へ着く。
 そう考えるだけで、ほんのり身体が熱くなった。
 はじめに言うことは何にしよう。
 ブレーキによる減速を身体で感じながら、わたしは腕の傷痕を指で撫でた。
  1. 2010/02/10(水) 23:48:17|
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