ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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( ・∀・)マッスル元気ボーイのようです

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/04(月) 23:59:15.15 ID:hLAJlQ6t0


 マッスル元気ボーイを見るようになったのはいつごろからだっただろうか。
 あれはたしか今年のとても暑い夏の昼下がりだったと思う。

 夏期休暇を貰っていた私は、別居中の妻の事も、払い終わる見込みのないローンの事も
 一切合切まどろみの中に溶け込ませ忘れてしまおうと思い、昼間から酒を飲むことにした。

 酒でうまく酔うにはコツがある。
 酒を飲みながら上等の葉巻と旨いツマミを喰らい、上質のコメディを観ることだ。


 借りてきた海外コメディのDVDを見ながら、ソファに深く腰掛け、上等の葉巻を吸い
 好物のピーナッツ・バターサンドと、スモークサーモンをのせたクラッカーをつまみ、
 甘い牛肉を齧りながら、それらをワインで流し込む。

 口に含んだワインが私の血管を伝い、血液に混ざり、
 ドクドクと脈動しながら私の体に染みこみ、溶け込み、混ざり合ってひとつになっていく。

 グニャリと歪む視界、強い脱力感を覚えナントモ云えない心持ちになる。

 やがて訪れる一種の甘い哀愁を帯びた超自然的なまどろみと陶酔。
 これだ、これだ、これなのだ。

( ・∀・)「いやあ、嫌な事を忘れるには、やはり酒が一番だね、なんといってもこれだよ」


 カーテンから漏れた光に照らされつつ、私は一人酒を楽しんでいた。

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/05(火) 00:13:35.97 ID:crGdn4mm0

 どれくらい飲んでいただろうか。
 体感的には永遠かもしれないし、数瞬かもしれなかった。

 酔ってる時の時間間隔は曖昧なのだ。

 私はその曖昧模糊なふわふわとした感覚を舌の上で暫し転がし、ワインで胃に流し込んだ。
 火照った肌を涼ませようとカーテンを開けると外はもう暗かった。

 窓を開け、ふと頭の上をふり仰ぐと
 庭に生えた高い高い木の梢の間から、微かな星の光が2つ3つ堕ちてきた。

 外はもう、真夜中のようだった。
 それを見上げているうちに私は「マッスル元気ボーイ」という単語が頭の中で反芻していることに気づいた。
 マッスル元気ボーイマッスル元気ボーイ、マッスル元気ボーイだ。

 マッスルで、元気なボーイだ。

 頭の中を急激に埋めつきし往くマッスル元気ボーイ。
 いてもたってもいられなくなり、私は手に持ったワイングラスでコメディドラマを映し出しているTVを殴りつけた。
 グラスは頼りなく砕け散る、それでも衝動は収まらない。

 私は沸き起こった衝動に突き動かされるまま、空いた右手で拳をつくり、
 左腕でしっかりと背面を抱きかかえ、固定し、TVの画面に向かい何度も何度も拳を打ちつけた。

 皮が破れ、血が滲み、肉が抉れ、白い骨が顔を見せる。
 それでもやめず何度も何度もTV画面を殴っていると、それはそこにいた。

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/05(火) 00:32:40.12 ID:crGdn4mm0

 バチバチと回線がショートし、散らばった液晶画面、その中に彼がいた。

('A`)「フゥーフゥーフゥー………」

 蓬々と乱れ伸びた髪と髭の中から血走った両目をギョロギョロと剥きだして
 洗濯板みたいに並んだ肋骨を撫で回しながらゼイゼイと咳を、こちらを怪訝な様子で見ている彼……

 割れた液晶TVの中から現れたこのマルボロ・メンソールライトの箱より少し小さなこの全裸の男
 この男が何かと言う斯様な質問に対し躊躇せず答え得る人間は、中々いないだろう。
 しかし私はこの問いに対して明白に答え得る確信を持っている。
 いや、私だけが答えられる。

( ・∀・)「マッスル元気ボーイだね、始めまして思った以上に小柄で吃驚したよはじめまして、始めまして
     嗚呼、君はなんてマッスルで元気でボーイなんだ、いやなに世辞で言ってる訳じゃあないよ
     背丈も低いし、くだびれている様子だし、顔も不幸が染み付いたような表情だ
     体も痩せ過ぎている、それでもその目だよ目、世の中のすべてを憎んで憎んで憎みきって
     集めた世界中の不幸の種を煎じて、炒って抽出して、一杯のコーヒーに凝縮し、さあ、ようやくできた飲もうか
     となったときにせっかく出来上がったコーヒーをいきなり床にぶちまけ、それをペロペロなめだすような・・・そんな目をしてるよ
     嗚呼、素晴らしい、はじめまして、はじめまして」

('A`)「!」

 マッスル元気ボーイはその名に似合わず臆病な生き物だった。

 私が握手を交わそうと挨拶と共に差し出した手を握るどころか、
 ギロリと粘ついた悪意の満ちた目で睨み威嚇してくるのであった。

 そのうち威嚇し疲れたのか、大層興奮して神経がつりあがってきたようで
 こちらをギヌと睨みつけ、ぎりひりと歯ぎしりしたと思えば、骨と皮ばかりの両手を振り上げ襲い掛かってきたのだった。

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/05(火) 00:54:50.15 ID:crGdn4mm0

 痩せ細り、疲れきったマッスル元気ボーイの攻撃を避け、取り押さえるのは
 インドゾウがジョージ・ブッシュを嬲り殺すより簡単だった。

 力なくへたり込み、取り押さえられるマッスル元気ボーイ。
 こうなる事を予想できなかったはずはないだろうに、
 何故一時の感情に身を任せ彼は飛び掛ってきてしまったのだろうか。

 考察しながら、足の下でふるふる震える彼の姿を見ている内に、
 彼のそういう浅はかさが、急にとても愛しくなり、
 熱い吐息を絡め、背後から彼の耳たぶを甘噛みしてやった。

('A`)「あ゛っ」

 反応し、垢だらけの体を震わせ、嬌声を出すマッスル元気ボーイ。
 マッスル元気ボーイは元来簡単に嬌声をあげる生き物ではない、なのにこうも簡単にあげたのは何故か

( ・∀・)「私の事が、すきだからかね?」

 私はそのことが急に嬉しくなり、拘束しながらも、
 マッスル元気ボーイの乾燥した糞がこびり付く肛門に指を突っ込んでやった。

('A`)「あ゛っあ゛っ」



('A`)「あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ」

10:>>9ながらだから許してくれ :2010/01/05(火) 01:22:49.95 ID:crGdn4mm0

 私の愛撫に身を任せ、糞尿を垂れ流しながら、熱い嬌声で答えるマッスル元気ボーイ。
 彼はただ怖かっただけなのだ。ただそれだけなのだ。
 誰よりも愛に飢え、愛を欲しながらも、誰からも愛されず。
 だから他人を恐れ、自らしか信じる事ができなくなり、拒絶される前に相手を拒絶することしかできなくなった。
 ただそれだけの可哀相な生き物なのだ。

 そんな生き物が、私の愛を怖がらずありのまま受け入れて、感じ果ててくれている。
 こんな素晴らしい事があるだろうか。

 気がつけば、私のセクスがガチガチに高潮し、天を仰ぎその存在を主張している事に気づいた。
 興奮と期待と羞恥が入り混じった汗でセクス中が濡れている、
 カーテンから漏れる月明かりに照らされると 瑞々しい果実のように、艶かしく、輝いた。

( ・∀・)(10年以上も男性機能が失われていた私が…)

 驚き戸惑いながらも、足の下にいる存在がより一層愛しく感ぜられるようになった。
 手にとってみると、片手に収まる痩せ細った枯れ木のような彼。
 嗚呼、愛しい。

 この彼を、頬擦りしながら、抱きしめ眼を抉り、歯を砕き、耳をぶらりと引きちぎり
 腿の間をメチャメチャに切りさき、傷口の一つ一つから毛糸の束のように太い
 または細長い血の紐をまき散らす程傷つけてやったら、どんな反応をするだろうか。

 嗚呼、だめだ、そんなことをしてしまっては、彼が居なくなってしまう。それはだめだ、いけない…
 しかし、気がつくと、彼は私の手の中で糞尿と血が混ざった粘ついた液体を散らしながら、バラバラになっていた。

( ・∀・)
 つ`)`A(⊂

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/05(火) 01:44:55.01 ID:crGdn4mm0 [sage]

 取り返しのつかない事をしてしまった。

 私は自分がしでかしてしまった事を、まるで他人事のように見遣りながら
 面食らったが上にも面食らってしまい、手にばらばらの彼をもったまま、突っ立ち。
 もう動かなくなった彼を凝視しているうちに膝頭がブルブルと震えだすくらい、驚き惑ってしまった。


 そうして、暫く涙をいっぱいに溜めてうなだれていた。

 もしかしたら、さっき見た光景は夢幻で目を開ければ
 生きて、涎と愛液を垂らしながら嬌声をあげている彼がいるのではないかと期待して、
 目を開けたり閉じたりしてみたが、生き返るそぶりはもちろんなく。

 諦念を込めたほーっと大きなため息を1つついた。

 そうして悟った。
 マッスル元気ボーイはもうこの世にいないと。

 死ぬほど悲しくなった私は、寂しくて情けなくてたまらなくなり。
 手元の彼を急いでむしゃむしゃたべた、彼はまだ暖かかった。

 食べ終わると私は爆発した、空中に散布され、大気ととけあって、拡散した。
 そのまま風にのって、マッスル元気ボーイの家族に会いに行こうと思った。

 彼を殺してしまったのだ、一言くらい謝らないといけない、それが社会のルールだ、決まりだ。
 そうして私は風にふよふただよいながら、マッスル元気ボーイの家がある駱駝の瘤の中にはいっていった。

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/05(火) 01:59:59.09 ID:crGdn4mm0


 駱駝の瘤の中にはたくさんの水と家があるが、
 マッスル元気ボーイの家は年中カレーの臭いがしているのですぐに見つかった。

 ドーナツ型のマッスル元気ボーイの家には玄関の扉がなく、外から中の様子が丸見えだった。

 母親と思しきマッスル元気ボーイの母親はwiiリモコンを男性器に見立て、一人情事に耽り
 姉と思しきマッスル元気ボーイの姉は40歳中年サラリーマンの両乳首に熱々のカレーをかけ、反応を楽しみ。
 父親と思しきマッスル元気ボ-イの父はパラパラダンスの練習に勤しんでいた。

 それぞれがそれぞれ破綻しているような光景であったが
 そこには不思議と、美しい調和が見て取れた。

 私はそんな彼らを窓の外から眺めつつ、大声を上げた。


( ・∀・)「マッスル元気ボーイの家族のみなさんはじめまして!私です!私です!
     酒におぼれ、家族を殴り、妻とは別居し、娘からごみムシのように扱われ、会社でも出来損ないのリストラ候補の扱い
     唯一の趣味といえば、酒を飲み、コメディドラマをみること、そんな私です!
     生きてる価値があるのかないのかどうかわからない私です!
     先ほどあなた達の家族であるマッスル元気ボーイにあいました!素晴らしい人物でした。私は彼を愛していました
     愛しているあまり殺してしまいました、惜しいことをしました、私のセクスはまだ高潮したままだったのに
     どうせだったら欲望を吐き出してから殺せばよかった・・・嗚呼、、、惜しいことをした・・・ほらみてください、まだこんなにも・・・・
     そうして私は彼を失った、悲しみで彼をたべてしまいました、この私の胃の中にかれがいます、ただいまといってます、ただいま!」

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/05(火) 02:11:04.23 ID:crGdn4mm0


 私の声に気づいたマッスル元気ボーイの家族たちはニヤニヤしながら、私のそばにやってきた。

 冷笑とも、媚ともつかぬ透き通った笑い声をたたえながら、私を取り囲みくるくると私の周りで歌い、踊った。
 とても幻想的なその光景はいたく私の胸を打ち、胸の芯までジィンと感動で打ち震え、暫く動けなかった。

 彼らが発する歌声もまた甘美でねちっこく、
 いつまでも、いつまでも耳の奥で残るようなゆらぎを醸し出していた。

 うっとりしながら、残りの葉巻を駱駝の瘤中が真白になるまで煙を噴出していると。
 それに気づいたマッスル元気ボーイの母が、急に円を見出し、歌うのをやめ
 手に持つwiiリモコンで私の胃をかっさばいた。

 胃液と共に、私の体内からでてくるマッスル元気ボーイだった残骸。
 マッスル元気ボーイの母はそれを大事に手に取り、カレーの鍋にいれると1つ叫び声をあげた。

 つられて家族も叫びだす。
 いつの間にか円の中心は私ではなくカレー鍋となり、皆がカレー鍋を中心に歌い騒ぎ踊っていた。


 私はその宴の様子をずっと見ていたかったが、視界が白くかすんでいくのに気がついた。
 足元に血たまりができている、ひざが笑い、体が震え、尋常でないほど寒い。
 嗚呼、そうか、私はもうここにいられないのか。

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/01/05(火) 02:17:18.39 ID:crGdn4mm0


 意識が薄まり、死に往く私を尻目に宴は最高潮に達しようとしていた。



 怒声が飛び交う、愛が飛び交う。

 畏れ。慄え。歓喜。戸惑い。怒り、慈しみ。愛しさ。
 さまざまな感情が胸に去来するが、もう私の体は動かない。

 一際大きな奇声を発した後、皆カレー鍋に身を投じていった。
 グツグツグツグツ煮込まれたカレー鍋にみんなが溶け込んでいく。

 私もそのカレー鍋で共に溶け込みたかったが、体が最早言う事を利かない。
 悔し涙を浮かべながら、最後の力を振り絞りトロトロにとけたカレールーに目を遣った。

 みんなニコニコ笑顔だった。
 みんなにこにこマッスルだった。
 みんなにこにこ元気だった。
 みんなにこにこボーイだった。


 そうして、みんなはカレーになれたけど、私だけは一人さびしく死に往くのでした。


  ――――――皆さん明けましておめでとうございます。



                                              <了>





( ・∀・)マッスル元気ボーイのようです
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1262617155/
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  4. | コメント:1
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コメント

ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
(゜д゜)、ペッ
  1. 2010/01/05(火) 15:20:42 |
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  3. 名のある名無し #-
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