ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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( ・∀・)ある五月の僕らのようですζ(゚ー゚*ζ

629:( ・∀・)ある五月の僕らのようですζ(゚ー゚*ζ :2010/05/22(土) 00:03:38.61 ID:49jT6gcD0
曇り空が広がる昼下がりの、学校の屋上。
普段は解放されてないはずなのに、なんでか今日は開いていた。

なんでかなあ、と数秒考えて、思い当たる節があった。

その予測が正しいなら、ちょうどいい。願ってもない好機だ。
きっと今日は空の機嫌の代わりに、わたしの運勢がすこぶる良いのに違いない。

あけっぱなしのドアの陰から、そうっと、ゆっくり、覗いてみる。
ζ(゚ー゚*ζ(いたっ!)

( -∀-)グー・・・スピー

大の字になって寝ている捜し求めた彼。と天を向いている望遠鏡。
曇っているのに何故?という疑問など今は二の次だ。

わたしは大事に持った包みを背中に隠しつつ、
はやる気持ちを抑えて忍び足で彼に近付き、息を吸い込んだ。

631:( ・∀・)ある五月の僕らのようですζ(゚ー゚*ζ :2010/05/22(土) 00:05:35.06 ID:49jT6gcD0
せーんぱいっ!!という異常なまでに明るく爽快な呼び声に僕は跳ね起きた。
まず思考は混乱し、次にほとんど無意識に辺りを見回した。生物の本能だろうか。

ぐるりと約180度視界を移動させると、見知った女の子が僕を見下ろして立っていた。

(;・∀・)「お前か…びっくりさせないでくれよ、足音くらいたてろ」

ζ(^ー^*ζ「びっくりさせるために無音で近付いたわたしの努力を否定しないで下さいよー」

満面の笑みで彼女は言う。
この野郎め、びっくりしすぎてまだ解明されていない人体のメカニズムとかのせいで寿命が縮んだらどうしてくれる。
大体なんでお前がここにいるんだ?

ζ(゚ー゚*ζ「屋上のドアが開いてたんで、前に先輩が言ってたこと思い出してひょっとしたらいるかもと思って!」

( ・∀・)「…あー」

そういえば以前、個人の課題研究で星を調べる為に
屋上を特別に使えるんだぜいいだろみたいなことをメールで教えたような
…気がする。と思う。かもしれない。

いかんせん物忘れが激しい僕はそういう、あまり特別でないことをよく覚えていない。

でもまあ、実際彼女がここにいるってことはやっぱり教えたんだろう。
かろうじて覚えてたぞ。まだまだ捨てたもんじゃないな僕の海馬。

ζ(゚ー゚*ζ「でもなんで曇ってるのに望遠鏡セットしてるんですか?」

( ・∀・)「あー、うん」

633:( ・∀・)ある五月の僕らのようですζ(゚ー゚*ζ :2010/05/22(土) 00:07:33.66 ID:49jT6gcD0
( ・∀・)「元々今日借りる予定だったんだけど、曇ってたんだけど、日にちずらすの面倒くさくて」

ひょっとしたら晴れるかも知れないし、無駄だと決まったわけじゃないだろ?
と、まだ少し寝ぼけた声で先輩は言う。

希望とは逆に雨が降ったらどうするのだろうかと思ったけど、今はなんだかそういうネガティブなことを訊く気分にはなれなかった。

だって今日は、

( ・∀・)「ところで、お前さっきから何か隠してるんじゃない?後ろにさ」

ζ(゚ー゚*ζ「おお?何やら珍しく鋭いですね先輩!珍しく!」

なんで2回言ったの、と悲しそうな突っ込みが入る。が、無視する。

本当は朝一で渡したかったけど、生憎この人に部活の朝練があったせいで会えなかったのだ。
その気になれば目覚ましより早く起きてみせると豪語した彼に、
いつの間にか目覚ましを止めて二度寝する常習犯のわたしが勝てるわけもなかった。

だから休み時間も返上して、こんなところまで探しにきたんだ。

( ・∀・)「で、何?それ」

物忘れの激しい彼は、もしかしたら見当もついていないのかもしれない。
だって言葉と表情に何かを期待しているという色が見えない。
むしろ呆れている?まったく失礼な。

今日の為に最大限腕を振るって作ったんだから、ここは飛び上がるくらい喜んでもらわないと困るのだ。

ζ(^ー^*ζ「たーんじょーうび!おめでとうございます!!」

635:( ・∀・)ある五月の僕らのようですζ(゚ー゚*ζ :2010/05/22(土) 00:09:20.68 ID:49jT6gcD0
( ・∀・)「」

ζ(゚ー゚*ζ「もしかして、いやもしかしなくても忘れてましたね?」

( ・∀・)「うん」

驚いた。
いきなり差し出された僕へのプレゼントとおぼしき箱と、誕生日すら忘れる自らの海馬のふがいなさに。
これでは僕は若年性アルツハイマーという恐ろしい病魔に蝕まれる日もそう遠く…いややめよう。

今はそんな無駄にネガティブな考えは捨てたい。素直に喜びたい。せっかくの幼なじみからのプレゼントなんだから。

( ・∀・)「ありがとう」

ζ(゚、゚*ζ「もーなんかテンション低いですね!3年にもなって五月病ですか?」

( ・∀・)「まあ、そんなとこかな」

確かに言われてみれば、僕は五月病にかかってるのかもしれない。
それは単なるクラス替えとか、受験のプレッシャーとかそんなんではない。

ζ(゚、゚*ζ「ふがいないですねー、せっかく可愛い後輩が同じ学校に入ってあげたのに」

( ・∀・)「いや…だってさ、」

( ・∀・)「高校入ってから、いきなり敬語使うから…」

僕とこいつは家が20メートルと離れていない、本当に昔っからの幼なじみだ。
もちろん子供の頃はタメ口呼び捨て当たり前。お互いの立場は常に平等で兄妹みたいに育ってきた。
それが『先輩後輩の青春気分を味わいたいから』という理由でいきなり目上扱いされたって、すぐには順応できないって。

637:( ・∀・)ある五月の僕らのようですζ(゚ー゚*ζ :2010/05/22(土) 00:11:24.85 ID:49jT6gcD0
ζ(゚ー゚*ζ「えーそんなくっだらない理由でですか?」

( ・∀・)「僕には十分な理由だよ」

ζ(゚ー゚*ζ「15年も一緒にいるのに、未だに先輩の全てを把握できないのは幼なじみ失格ですかね?」

( ・∀・)「幼なじみだからって他人の全てを把握するのは不可能さ。ちなみにこのプレゼント中身は?」

ζ(゚ー゚*ζ「もちろん先輩の大好きなチョコレイトケーキです!わたしの手作り!」

( ・∀・)「それを分かってくれてれば満足だよ。改めてありがとう」

ζ(^ー^*ζ「どう致しましてっ!」

( ・∀・)「あ、雨…」

ζ(゚ー゚*ζ「おわぁ…雷もきてますね」

( ・∀・)「望遠鏡…片付けるか」

ζ(゚ー゚*ζ「手伝いますっ!」

( -∀-)「あーあまったく…上手くいかない誕生日だなあ」

ζ(゚ー゚*ζ「まーた後ろ向きなことを!予報では明日は晴れるって言ってましたよ!」

それでも心は五月晴れ。
明日はきっと、五月晴れ。

‐おわり‐
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  1. 2010/05/22(土) 00:20:23|
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