ひとくちlw´‐ _‐ノvくりぃむ

ブーン系作品まとめブログ

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lw´‐ _‐ノvお似合いなようです

302:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 00:52:17 発信元:202.229.132.2

秋、見上げればどこまでも続いていそうな青空に雲はひとつたりとも無く、視線を地面と平行に近づければ遠く山際は茜色、無機質な建物は灰色の上から薄く被せた橙色と、青色がかった灰色をしていた。
放課後の屋上は、緑色をしたフェンスと手すりを除けば、町を一望できる。
なんて勿体無い、そう少女は思った。
こんなに良い眺めならいっそ、展望台にしてしまえばいいのに、と口にした。

(´<_` )「ちょっとそこのあんた、止めなよ」

直後に少女は後ろから声を掛けられ、今の幼稚な独り言を聞かれてはいまいかと、内心焦りながら振り返る。

lw´‐ _‐ノv「安心しろ、人生なら今すぐ終わらせる」

焦りを完璧に隠しつつ彼女は、おそらく男性であろう、声の発信源に振り返る。

(´<_` )「いやだめだよ、とりあえずこっちこない?」

lw´‐ _‐ノv「だるい。せっかく越えたフェンスをまた越えろだと?嫌だね」

308:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:05:16 発信元:202.229.132.2
ひとりで少女を説得しようとしているのは、少女と同じクラスの男子生徒。
少女とはフェンスを挟んで数歩の距離がある。

(´<_` )「まあそう言わずにさ、いや、何故にあんたがそこまでの決意をしたのか知らないけども」

lw´‐ _‐ノv「なら止めるなよ」

(´<_` )「そうもいかない。あんたに何があったかは知らないが、俺はあんたを止めなきゃならん」

lw´‐ _‐ノv「知った事か、どうせくだらない理由なんだろ?道徳心とか、正義感とか」

(´<_` )「そんな理由ではない、俺個人の身勝手な理由さ」

lw´‐ _‐ノv「面倒な奴だな、我が儘を押し付けるなと、親や先生に教わらなかったのか?」

311:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:16:19 発信元:202.229.132.2
(´<_` )「教わったさ、母親には他人に迷惑をかけるなと、よく叱られたよ」

lw´‐ _‐ノv「ならば早く帰ったらどうだ。また叱られるぞ」

(´<_` )「その心配は無用だ、少なくともこの世に居るうちはね。あんたこそ早くこっちに来たらどうだい?」

lw´‐ _‐ノv「断る。そっちに行くだけの理由は無い」

(´<_` )「ならこれから見つけようじゃないか、思いとどまるに値する理由を。俺も協力するよ」

lw´‐ _‐ノv「臭いうえにつまらない台詞だな、そんなことでは想い人を口説くのに苦労するぞ?」

(´<_` )「心配してくれるとは優しいね、ついでに自殺者を口説く時のアドバイスが欲しいのだけど」

lw´‐ _‐ノv「自殺者なんて大概は死にたくて死ぬんだから、放っておいたら良いと思うがね」

(´<_` )「個人的には激しく同意するよ、今回は別だけど」

lw´‐ _‐ノv「やれやれ鬱陶しいな、あまりしつこいとハブられるぞ君」

(´<_` )「あんたがフェンスを越えれば、俺は消えるさ」

lw´‐ _‐ノv「そもそも、なぜ君は私をこの世に留めようとするんだ?」
(´<_` )「うん、別に君が自殺する事そのものはどうでもいい。ただ、君に自殺されては俺の予定が狂う」

317:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:39:55 発信元:202.229.132.2 [エラーだと…]

lw´‐ _‐ノv「うん?」

不可解な説明に少女は首を傾げた。

(´<_` )「俺は、一番のお気に入りである屋上から飛び降りる予定でな」

lw´‐ _‐ノv「では、お先にどうぞ。私は後から飛びますから」

(´<_` )「嫌だよ、俺は一人で死にたいんだ。それに、男女の死体がワンセットではまるで心中だ」

lw´‐ _‐ノv「んじゃ、別の場所ならいいだろう?」

(´<_` )「うん。一応形だけ止めろと言っておくけど、それだけ」

lw´‐ _‐ノv「わかった、君の最期の願いだろうし、同じ自殺者のよしみで此処は譲るよ」

(´<_` )「ありがとう、気をつけて登ってね」

lw´‐ _‐ノv「言われなくとも」

319:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:47:41 発信元:202.229.132.2 [改行多すぎですかそうですか]

少女は風に吹かれながら慎重にフェンスを登り、少年は時折ガシャガシャと鳴る耳障りな音を聞きながら、頂上を目指す少女を眺めていた。

lw´‐ _‐ノv「よっ…あれ?」

(´<_` )「どうしたのさ?」

少女はフェンスの頂上へ辿り着くと、フェンスの骨組み部分に跨った状態で動きを止めた。

321:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 01:52:10 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「降りないだなんて、まさか其処から飛ぶ気かい?」

lw´‐ _‐ノv「…違う。違うんだ」

(´<_` )「はやく降りないと下着が見えるよ?」

lw´;‐ _‐ノv「なっ…見るな、見るんじゃない!」

(´<_` )「そりゃ無理だ、嫌ならはやく降りてよ」

lw´;‐ _‐ノv「うぐっ…」

(´<_` )「…ねえあんたさ、まさか動けなくなったとか?」

324:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:02:10 発信元:202.229.132.2

lw´;‐ _‐ノv「…違う。これはあれだ、眺めが良いからだ」

(´<_` )「それはいいけどさ、あんた今スカートの内側の眺めが良すぎだよ。俺としてはいい眺めだけども」

lw´#‐ _‐ノv「だからっ…見るなと言ってるだろ!」

(´<_` )「なら其処から降りれば良いだろう」

lw´‐ _‐ノv「……無理だ」

(´<_` )「やれやれ、手伝うから待ってて」

少年は小さな溜め息をひとつ吐くと、少女の隣めざしてフェンスを登り始めた。

lw´‐ _‐ノv「え?おい、なぜ登る」

少年は少女のすぐ隣で、背中を少女に向け骨組み部分に跨った。

(´<_` )「よいしょっと…ああ、確かにいい眺めだね。さて、俺につかまってもらおうか」

lw´‐ _‐ノv「…仕方無いな」

(´<_` )「うん、仕方無い」

少女は少年の背にしがみつき、少年は慎重に、ゆっくりとフェンスを降り始める。

327:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:13:49 発信元:202.229.132.2

lw´;‐ _‐ノv「んっ、だ、大丈夫か?」

(´<_`; )「馬鹿にしてる?

lw´‐ _‐ノv「いや違うけど」

(´<_` )「ほら、無事接地成功」

両足がついた少女は少年の背から離れると、髪を整え少年の目を真っ直ぐに見る。

lw´‐ _‐ノv「助かったよ、ありがとう」

(´<_` )「いいよ、どうせお互い死ぬんだし。さっさと何処へでもいきなよ」

lw´‐ _‐ノv「ああ、それじゃな」

(´<_` )「うん、じゃあ」

少女は手を軽くふり、少年と反対に体を向けると、凛と歩いて階段に続く大きな金属の扉の向こう側へと消えた。

330:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:22:48 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「…やれやれ…畜生」

赤錆だらけの扉から目を離し、少年はフェンスに足を運ぶと片手をゆっくり上げ、フェンスを掴む。

(´<_` )「それじゃ、逝くとしますか」

少年がもう片方の手を上げようとした時、背後から少女の声がした。
先程よりもしっかりとした声に少年は驚きを隠せなかった。

lw´‐ _‐ノv「おいそこの君、フェンスから離れろ」

まさかの声に少年が振り向くと、髪やスカートを翻しながら歩み寄る少女の姿があった。
少女は少年のすぐ傍で歩みを止め、先ほどと変わらぬ顔で少年と向き合う。

(´<_`; )「…逝くんじゃなかったの?」

lw´‐ _‐ノv「死ぬ前に、下着を見られた恨みを晴らしにきた」

(´<_` )「それで、邪魔しにきたと?」

333:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:30:47 発信元:202.229.132.2

lw´‐ _‐ノv「私も邪魔されたしな、これでお互いさまだ」

(´<_` )「言ってることが違うじゃないか。それに動けなくなった時に助けたろう、仇で返すなよ」

lw´‐ _‐ノv「言いながら手を掛けるな…あれは君自身がいいと言ったろう、だから無効だ」

(´<_`# )「なんだいそれ、ふざけるな」

突然に少女は少年の腕を掴み、目を覗き込む。

(´<_`# )「…手を放せよ」

lw´‐ _‐ノv「だめだよ、とにかくフェンスから離れろ」

(´<_`# )「嫌だね死にたいもの、俺は此処から飛び降りる。自殺者を放っておけとあんたは言ったろう、面倒なやつだな」

lw´#‐ _‐ノv「君だって私を止めただろう」

334:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 02:32:48 発信元:202.229.132.2

(´<_`# )「鬱陶しいな、今すぐ死なせろ。同じ志願者なら少しはわかるだろう?」

lw´‐ _‐ノv「そりゃね、けどだめだ。それでは私が困るんだよ」

339:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 03:00:41 発信元:202.229.132.2 [>>338ミス]

(´<_`# )「何に困るってのさ、邪魔ならもうしただろ?」

lw´‐ _‐ノv「違う、吊り橋効果的なものだ。私は君が気になって仕方無い。だから今は死なせないことにした」

(´<_`; )「…呆れた、意味が分からない、なんて我が儘なんだ、殴るぞ」

lw´;‐ _‐ノv「どうせ死ぬんだ、知るかそんなこと」

(´<_` )「てかさっきから言ってることがおかしいぞ」

lw´‐ _‐ノv「死ぬな」

(´<_` )「馬鹿が」

lw´‐ _‐ノv「死ぬんじゃない」

(´<_` )「発狂したか?」

lw´‐ _‐ノv「死なないでくれ」

(´<_` )「…めんどっくさいな、なんなんだもう」

lw´‐ _‐ノv「君がフェンスから離れれば、私も手を離すさ」

340:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 03:13:26 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「殴るぞ」

lw´‐ _‐ノv「それでも私は離さない」

(´<_` )「……ああもう、うざったいな、わかったよ離れる」

lw´‐ _‐ノv「ん?…あ」

少年は少女の両手を握り、その瞳を真っ直ぐに見つめる。
少女は若干戸惑いながらも見つめ返す。

(´<_` )「離れはするが死にもする」

lw´‐ _‐ノv(おい待て、しかも私もそのつもりなんだけど)

(´<_` )「…それともうひとつ」

365:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 19:44:04 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「それに、俺もあんたに興味が湧いてきた。だから死ぬ前に、まずあんたの邪魔をする」

lw´‐ _‐ノv「…そうか。私に興味が湧くとは、変なやつだな君は、気が狂ってるのか?」

(´<_` )「あんたに言われたくはないね、このキチガイが」

lw´‐ _‐ノv「で、とりあえず君は何をする?」

(´<_` )「そうさね、とりあえずフェンスから離れようかな。あんたはこれからどうしたい?」

lw´‐ _‐ノv「そうだな、とりあえず学校から出ようと思うが、君から目を離すわけにはいかないし」

366:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 19:48:26 発信元:202.229.132.2

(´<_` )「俺もあんたを見失うわけにはいかないな」

lw´‐ _‐ノv「なら話は簡単じゃないか、君」

(´<_` )「そうだな…なあ、こんなつまらないやつで良ければ、一緒に帰らないか?」

lw´‐ _‐ノv「こんなつまらないやつで良ければ、喜んで」

(´<_`* )「決まりだな」

lw´*‐ _‐ノv「うん」


367:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 19:53:53 発信元:202.229.132.2


連れ立って階段を降りる二人は、隣に誰かが居るからなのか、普段見ている夕映えを殊更に綺麗だと感じていた。
校門を出で、茜色と影の色に染まる道を、二人はゆっくりと歩く。

ふと少年が言った。

(´<_` )「なあ、何だったんだろうねさっきのやり取りは」

少女はそれに返し、互いに前を向いたまま帰り道での初めての会話が始まる。

lw´‐ _‐ノv「傷の舐め合い?」

(´<_` )「あんたと俺、傷を晒したっけ?」

lw´‐ _‐ノv「馴れ合い?」

(´<_` )「慰めた覚えは無いなあ、慰められたのも」

368:lw´‐ _‐ノvお似合いなようです :2010/03/18(木) 20:00:46 発信元:202.229.132.2

lw´‐ _‐ノv「だめだ、適当な言葉が見つからない」

(´<_` )「何だろうなあ…いや、まあいっか」

lw´‐ _‐ノv「良いのかよ」

(´<_` )「少なくとも今は。これ以上は無粋だ」

lw´‐ _‐ノv「君とは気が合いそうだな」

(´<_` )「俺もそう思うよ」

ゆったりと歩く二人の帰り道に、他の人の影は無く。
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  1. 2010/03/23(火) 00:06:32|
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<<川 ゚ -゚)が漫画家を目指すようです、が…… | ホーム | ( ^ω^)の時間が少しずつ動き始めるようです>>

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